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2010年7月23日金曜日
心を満たすお洋服
私は、心だけでなく、魂をも満たされる服が、あるのではないかと思っています。
そんな服に出会えたならば、あなたは、どんなこともできるような勇気を得ることになるでしょう。
私の言い方で言えば、主人公を助ける服です。
もちろん、それは簡単に手に入るものではないでしょう。
古い中国の書物によると、服とは、病をいやすために用いられたものだそうです。
そして、その名残として、今でも薬を飲むということを、「服用」と言います。
昔の人々は、服が、体や心をいやすことを知っていたのでしょう。
そして、今の時代よりずっとたくさんの服が、そういう役割を果たしたのでしょう。
どういう服がそういう服なのでしょうか。
それはデザイナーの思いかもしれませんが、それだけではだめだと、私は思います。
一つ一つの作る工程にかかわった人すべてが幸せかどうか。
不当な扱いを受けていたり、嫌な思いをしながら作業させられている人が作った服が、
だれかの心をいやす力を持っているわけはありません。
小さいころ、お母さんが作ってくれた服や、ちょっとした小物のように、
きっと着る人への思いがこもったものこそが、そういう力を持つのだと思います。
おしゃれであるかどうかとは関係なく、そういう服と出会えたなら、
主人公であるあなたは、服からたくさんのパワーをもらって、
間違いなく、堂々と舞台に立てるのだと思います。
2010年7月22日木曜日
ダイエットの後で
本当にこれを実行すると、かなり枚数が少なくなるのではないかと思います。
けれども、ふらっとセールをのぞいたりすると、なんだかどうでもいいような服を買おうとしているあなたがいませんか。
実は、これはダイエットと同じなのです。
カロリーだけを低くすることを目指すと、心がやせてしまいます。
満たされません。
そうすると、ジャンクなものがほしくなる。
洋服も食べ物と似ているところがあります。
つまり、心を満たす洋服と、そうでない洋服があるのです。
もしあなたが、どうでもいい服を買いそうになってしまったのだとしたら、
それは心が満たされてない証拠。
栄養のない服ばかりだと、心が疲れてしまいます。
1枚だけでいいので、自分の心が本当に喜ぶ服を自分に買ってあげましょう。
そうしたら、あなたの心の飢えはおさまります。
ジャンクなものをほしがらなくなります。
心の飢えを置き去りにしてダイエットをすると失敗するのと同じように、
心が満たされない服ばかりでは、少ないワードローブ計画は失敗します。
そのことを忘れずに。
2010年7月21日水曜日
ジャッジするのに使わないで
これから、このブログを通して、私が知っている、おしゃれに関する知識や知恵をお伝えしていきたいと思います。
それでなのですが、だんだんおしゃれのやり方がわかってくると、おしゃれでない人が目についてくると思います。
そこでお願いなのですが、だれかをジャッジするために、おしゃれの知恵を使わないでほしいのです。
洋服をうまく着こなしたり、おしゃれに見えたりすることは、半分以上がテクニックの問題です。
それができてない人は、ただ、それを知らなかっただけにすぎません。
いわば、おしゃれとは、泳ぎで言えばバタフライのようなもの。
習わなければできないのは当然です。
ですから、おしゃれでないからといって、その人を裁くようなことはしてほしくないのです。
そして、最終的にはわかってきます。
バタフライができない人が人間的に劣ってるわけではないように、
おしゃれと人間性には、何の関係もないということが。
だれかをジャッジするのにおしゃれの知恵を使わない、
これを守った上で、どんどん使っていってくださいね。
2010年7月20日火曜日
本当のおしゃれって何?その2
2000年代に入り、イギリス経済も回復してきたころ、再びロンドンを訪れました。
するとなんと、私が雑誌で見続けていたおしゃれスナップに出てきた人たちがいたのです。
やっぱり、雑誌は正しかったのか、と一瞬思いました。
が、町をよく見ると、そのときはちょうどロンドンファッションウィークだということがわかりました。
また、私が泊っていたホテルの近くに大きな会場があり、そこを目指していろいろなファッションピープルたちが、集合していたため、たまたまそういう集団に出くわしたということもわかりました。
そして、一歩その地域を離れてしまえば、またもとのきらびやかではない、普通の人々がいたのです。
またその次の年はパリに1週間滞在しました。
地下鉄に乗って、ふと前に座っている女の子を見ると、大きな眼鏡に、地味な洋服、そして今どき珍しい、ゴールドのコインのペンダントをしていました。
私は、そのとき新鮮な驚きを覚えました。
このパリでさえ、全くおしゃれなどとは関係ない若い女の子がいるのです。
まあ、よく考えたら当たり前なのですが。
そして、コンテンポラリーダンスを見るために、オペラ座へ向かっていたとき、衝撃的な光景に出会いました。
目の前の大通りを、上から下まで真っ黒のドレスで、髪の毛を小さくまとめた小柄な女性が堂々と道を渡っていきました。
そのドレスは、ヴィクトリア朝のようなスタイルで、まるで映画「ピアノレッスン」の主人公のドレスのようでした。
その彼女が道を渡る姿が、映画のワンシーンのように、私の目に焼きつきました。
流行など全く関係ありません。
もちろんブランド物でもありません。
ヴィンテージか、あるいは自作のドレスでしょう。
彼女は、自分の行く先しか見ていません。こそこそした感じなど全くないのです。
まるで、彼女にとって、パリは舞台装置で、自分は主役として、道を横断しているかのようでした。
そのとき、すべてがわかりました。
本当のおしゃれとは、こういうものなのだと。
主人公である自分が引き立つためにのみ存在している服、
それを身につけ、堂々と、舞台の主役のように歩くこと、
それこそが、目指すべきおしゃれであると、私はそのとき確信したのです。
2010年7月19日月曜日
本当のおしゃれって何?
何だか、聞いたことのない話ばかりだわ、と思われた方も多いのではないかと思います。
私も書きながら、こんなこと書いてある文章なんて、読んだことないなと自分で思いました。
で、なぜこういう考えにいたったかを、少し書いておきたいと思います。
私が最初にロンドンに行ったのは、20代のときでした。
初めての外国でしたし、ファッションの専門学校を卒業していた身としては、
よく雑誌のおしゃれスナップに出ているような人がぞろぞろいるに違いないと思いこんでいました。
しかし、初めてのロンドンでの感想は、
おしゃれスナップに出てた人なんて、どこにもいない・・・でした。
また、私が最初に行った90年代半ばは、ブランド物のバッグを持つ人など、ロンドンでは皆無でした。
そればかりでなく、上から下まで新しい流行の服でかためている人など、全く見当たらないのでした。
そのとき、何かがおかしいと思いました。
その次の年もイギリスに行きました。
そのときはロンドンだけでなく、地方も回りましたが、
ロンドン以上に、おしゃれスナップに出てたような人などいません。
ただ、よく見ると、おしゃれでないかといえば、そうではないのです。
みなそれぞれ自分なりのおしゃれをしています。
だけど、それは上から下まで新しい流行のもので飾られた、ぎらぎらするような感じとは違うのです。
もっと控えめで、だけれども、印象に残る。
だんだん目がなれてくると、そういうおしゃれな人たちが目につくようになりました。
その後、パリにも行きましたが、やはりロンドンと状況はさほど変わりませんでした。
はっと目を引くおしゃれな人は、ブランド物のバッグを持ってるわけでもないし、
全身、流行の服に身をつつんでいるわけではありませんでした。
つまり、私が雑誌で見ていたおしゃれスナップに出てくる人は、ごくごく一部のファッション関係者で、
普通の人たちは、もっと違う方法でおしゃれをしていたのです。
だけれども、日本でただ雑誌を見ているだけだった私は、そのことを知りませんでした。
そして、雑誌に出てくるような人たちこそが、おしゃれな人だと信じ込んでいたのです。
だけど、実際は違うのでした。
(つづく)
2010年7月17日土曜日
おしゃれのルール 最終回であり始まり 主人公のためのワードローブ
シェイクスピアの「お気に召すまま」に出てくるセリフ。
「すべてこの世は舞台、そして私たちは単なる役者」。
だったら、主人公を演じましょう。
私がここで提案したいのは、主人公のためのワードローブです。
主役はあなた。
監督もあなた。
だけれども、舞台装置とその他の役者は変えられません。
よって、友達も旦那さんも子供も、そのままです。
でも、主人公のワードローブは自分で決められます。
昼間は太陽が、そして夜は月や星が、
あなたを照らしています。ちゃんと照明が当たっているのですよ。
主人公にふさわしい洋服を着せてあげましょう。
ただ、この世界には、あなたを主人公から引きずり降ろそうとする勢力がたくさんいることも確か。
油断すると、あなたは誰かや、何かをアピールする道具にされたり、
脇役に追いやられたりしてしまいます。
ですから、しっかり主役を演じましょう。
脇役に似合いそうなワードローブは捨ててしまいましょう。
ここでいったん、おしゃれのルールとして書いてきたものは終わりにして、
続いては、ここから始まる、おしゃれの胆の部分について書いていきたいと思います。
2010年7月16日金曜日
おしゃれのルール 第九回目 フレイバー
もしあなたがこれをこのとおりに実行したら、今ごろ、相当に整理されたワードローブが残っているのではないかと思います。
でも何かが足りません。
そうです、あなたのフレイバーが足りません。
そこで、全体をあなたフレイバーにするために、アクセサリー、帽子、スカーフといった小物を使いましょう。
小物というのは、身につけていても、自分の目に入りやすいものです。
ですから、選ぶときは、自分のなりたいイメージにもっともふさわしいものを選んでください。
これを積み重ねていくことによって、あなたらしいおしゃれができ上がっていきます。
いっぺんに完成させようとするのではなくて、ゆっくりと、あなたにふさわしいものを探していってください。
きっと、そういう小物は、そう簡単には見つからないはずです。
だって、そうでしょう。
あなた自身を表現するものが、大量生産されて、1000円やそこらで売られているものではないはずです。
そして、あなた自身も、自分を見つけるのに長い時間かけてきたはず。
あるいはまだ、発見途上かもしれません。
だから、そう簡単には見つからないのです。
それは旅先で見つけたアンティークかもしれません。
または、作家の一点物。
それとも、一生懸命作ってる、小さなブランドの品。
それとも、自分で作ったものということだってあり得ます。
世界で1人しかいないあなたが身につけるにふさわしいもの。
それをじっくり探していくのです。
そうやって見つけたものは、毎日、身につけてもいいのです。
それは、あ、また同じ、という感覚を人に与えるのではなく、
それを身につけることによって、あなたらしさをさらに強めるのです。
物語やアニメの主人公が、いつも同じ小物を持っているように、
それによって、あなたというキャラクターが完成して、他人に対してもアピールしていきます。
だから、簡単に見つかるはずなど、ないのです。
楽しみながら、ゆっくりと、でも確実に、自分のおしゃれを完成させていきましょう。
2010年7月14日水曜日
おしゃれのルール 第八回基本ワードローブ数
確かに一理あるとは思いました。思いましたが、やはり私たちはアメリカ人ではないので、ちょっと日本とは違うなとも思いました。
みなさん、生活も仕事も住んでいる地域もさまざまです。
またお仕事をしていたとしても、制服のある会社だったり、または農家の方だったり、必ずテイラードジャケットが必要というわけでもないと思います。
だから現代の日本において、これが基本のワードローブです!持ってなきゃだめです!なんて、言えないと思うのです。
ですから、ここからは1つの私の提案です。
だいたい皆さんが恐れているのは、人からいつも同じ格好に見られやしないかということだと思うのですが、そうならないためのワードローブ数ってどれぐらいなのだろうかということです。
それは1週間単位で考えればいいということになります。
だいたい、人は1週間がすぎれば、その服をまた次の週着ていても、あ、また同じとは思いません。なぜか記憶がリセットされます。雑誌でもよく1週間の着まわしを紹介してますね。
ですから、最低ワードローブ数は「1週間、毎日、違うコーディネートができる数」です。それが春夏、秋冬と、大きく分けて2つのシーズンあればいいということになります。
もちろん冬のコートなど、毎日違うものを着用する必要などありません。
コーディネートですから、もちろん着まわします。月曜日と金曜日、同じセーターでも構いません。全体として違うコーディネートが完成していればいいのです。
ヒントとしては、トップスよりも、ボトムのほうが、人の注目度は低いです。
ですから、毎日とっかえひっかえ、2本のジーンズをはいても、ほぼ大丈夫です。
それプラス、特別な場合のための服があればいいのではないかと思います。
たとえば、山登りに行く人はそのための服装、海に行く人はまた違うでしょう。それは人それぞれ違うでしょう。もちろん、特別な場合などないわ、という人もいるでしょう。
というわけで、ここら辺は、はっきり何が何枚とは言えません。
とにかく覚えておいてもらいたいのは、1週間コーディネートできれば、それで十分だよということです。
2010年7月12日月曜日
おしゃれのルール 第七回目 情報操作はどうやってする?
ここで勘違いしていただきたくないのは、私は、ブランドバッグを持つなとか、
安い服はいけないと言っているわけではありません。
そうではなくて、「今のあなた」より前に出ていこうとするものを選ばないで、と言っているのです。
それはまるで、主役を食う脇役なようなもの。あなたという舞台が台無しになります。
また、必ずしも安い服だから品質が悪い、または高い服だからいい品質というわけではないというのが現状です。
これはアパレル業界にいたからわかることなのですが、製造元から販売されるまで、たくさんの商社や問屋が入れば入るほど、最終的な小売価格は高くなります。
そしてこの中間に入る業者をぬかして安く売るシステムが最初に始まったのがアメリカで、ギャップやバナナリパブリックなどは、そういう企業の代表でした。
ですから安いものだから、安い品質というわけではないのです。
ただ、やはり大量生産ではあるので、数はたくさん市場に出回っています。
ではそういった安いものを取り入れるにはどうしたらいいか。
方法は同じです。
「今のあなた」より前に出ていくような情報のものを、取り入れなければいいのです。
たとえば銀座を歩くと、ルイヴィトンのモノグラム柄のバッグを持っている人にたくさん出会います。
でもだれも、ルイヴィトンかぶりだから嫌だなんて、言いませんね。
つまり、本当に嫌なのはデザインがかぶるからじゃなくて、値段が安いとばれるからなのではないでしょうか。
ならば、どうするか。なるべく情報が流通してないもの、またはまったくわからないものを選べばいいわけです。つまり、今週の期間限定といって、チラシに値段やデザインが大きく出ているものは、だれが見ても値段がわかってしまうのでなるべくさけます。
けれども、シンプルな白いTシャツは、たとえ1万円のものをデパートで買ったとしても、素人にはそれほど差がわかりません。ましてや、インナーとして着たら、もっとわかりません。ですから、そういうものは選びます。
また「安い」という情報が流通してないもの、たとえばネットや限られた店舗でしか販売してないような商品は、どこのもので、値段はいくらという情報がわからないので、選ぶ対象となります。
こうやって、他人が見て、すぐ値段やブランドがわかってしまう情報の商品を避ければいいのです。
主役はあくまであなた、値段が高かろうが、安かろうが、自分よりでしゃばろうとする服は、取り入れないことです。
2010年7月10日土曜日
おしゃれのルール 第六回目 ファッションとは情報って何?
もし、ファッションが情報だとしたら、あなたはどういう情報を他人に与えたいでしょうか。
また、他人はどういう情報を受け取っているでしょうか。
ここで1つ例をあげます。
ある人が、全身しまむらのお洋服でコーディネートして、一点豪華主義で、ルイヴィトンのモノグラムのバッグを持っていたとします。
その人としては、
「見て見て!私のヴィトンのバッグおしゃれでしょう。ハワイに行った友達にお願いして、買ってきてもらっちゃった♪ほら、みんな、私のこと見てる。やっぱり、ブランドもののバッグを持ってると違うよねー」
ぐらいに思っています。
しかし、他人はどうでしょうか。
だいたいほかの人はこのように見ています。
「ねえ、あの人、見て?洋服はあんなに安っぽいのに、何でヴィトンのバッグ持ってるの?
あれって、パリだと○○○ユーロだけど、日本だと14万で、質屋だったら、10万ぐらいでしょ!
それとも何?今はやりのブランドもののレンタルで借りたのかしら?
何だか、とっても無理してるよね。」
と、こんな感じです。
わかっていただけでしょうか。
ファッションは情報です。よって、あなたが選ぶものによって、他人に伝わる情報が変わります。
それは必ずしも、あなたの意図するものと一致しないのです。
その場合、決しておしゃれな人には見えません。
では、どうしたらいいのか。
あなたが他人に本当に伝えたいのは、「今のあなた」という情報だけです。
そして、それができている人がおしゃれに見えます。
「今のあなた」以外の情報を与える洋服を、着なければいいわけです。
かつで、デザイナーの山本耀司さんが、本当におしゃれな人とはどんな人かと聞かれて、
こう答えていました。
「席を立って、いなくなった後、何を着ていたか思い出せない人」
デザイナーたちは、おしゃれの本質を知っています。
だからほとんどの人は、何気ない格好をしています。(もちろん一部を除いて!)
あなたが他人に伝えるべきなのは、あなたという情報のみで十分なのです。
2010年7月9日金曜日
おしゃれのルール 第五回目 いつも同じ服を着てるって思われない?
さて、自分のテイストが決まって、テーマカラ―も決まった服だけが残ったら、 着まわしというのは割と簡単にできるのではないかと思います。
コーディネートに迷ったら、テーマカラ―を大きな面積に、さし色を1色、小さい面積に持ってくれば、それなりにおしゃれに見えることと思います。
さて、今回のテーマ、他人からいつも同じ服を着ている人に思われないかどうかということです。
答えは、イエスの場合もあり、ノ―の場合もある、ということです。 たとえば、あなたはジーンズを2本持っていて、それを交互に1カ月はき続けたとしましょう。
この場合、たいていの人の目には、同じ服を着ているようにはうつりません。
ただ単に、ジーンズが好きな人、ぐらいなものです。 ですから、この場合は、他人から同じ服ばかり着ているとは思われません。
ところが、もしあなたが、派手な柄のワンピース、もしくは奇抜なデザインの服を1カ月に2回だけ着て、だれかの前にあらわれたらどうでしょう。
あなたは間違いなく、あ、また同じ服を着てると思われます。 つまりこういうことです。 ベーシックで印象のうすい服を着ている分には、毎日同じだったとしても、 他人からは、同じ服ばかりとは思われません。
しかし、インパクトの強い服、たとえば印象的な柄とか凝ったデザインのもの、 こういう服は、たとえ着ている回数が少なくとも、同じ服だわ、と思われるのです。
これはなぜなんでしょうか。
なぜなら、ファッションとは情報だからです。
衝撃的な情報はよく記憶される、だけれども、そうでない、日常的でベーシックなものは記憶されないのです。
そしてその情報の意味は、人それぞれ受け取り方が違います。
ほとんどの人が気づいてないと思いますが、あなたが他人に与える情報と、 あなたが意図していたものとは、必ずしも一致しないのです。
あなたにとっての意味と、他人にとっての意味のずれ、 これがあると、おしゃれな人に見えなくなります。
ではこのことについて、次回に続きます。
☆写真はジーンズは2本しか持っていないと公言していたシャルロット・ゲンズブール。 デビュー作の「なまいきシャルロット」のときの写真です。 シャルロットの映画はたくさんあるけど、私はこの映画が一番好きかな。 夏休みにみるのにぴったりの作品です。
2010年7月8日木曜日
おしゃれのルール 第四回目 ワードローブが少なくてもおしゃれに見えるの?
前回までは、自分が持っているワードローブを見直す作業について、おもに語ってきました。
ここからは、厳選されたワードローブでいかにおしゃれに見えるかについてお伝えしたいと思います。
たんすの中に余裕が残るぐらいのワードローブ数でおしゃれをするとなると、
それは必然的に、毎日、とっかえひっかえ違う洋服を着るおしゃれとは異なるものになるでしょう。
つまり、少ないワードローブ数でいかにおしゃれに見せるか。
これがポイントになります。
でもそうだとすると、みなさんには疑問が出てくると思います。
それで、本当におしゃれに見えるの?
それが見えるのです。
では、ここで例を紹介しましょう。
まず、おしゃれ女王の代表、ジェーン・バーキン。
年を重ねても、素敵です。そして、おしゃれです。
でも、よーく彼女のスタイルを見てください。
だいたいが、ジーンズかコーデュロイのパンツ、Vネックか丸首のセーター、そして靴はコンバースのハイカットスニーカー、そしていつものバーキンのバッグ。これだけですよ。
(上の写真を参照)
彼女の娘のシャルロット・ゲンズブールも、以前、フィガロのインタビューで、ジーンズは2本しか持っていないと発言していました。
でも、ジェーン・バーキンではちょっと年上すぎるわというあなたに、
映画監督で、しかも今でも大人気のミルクフェドを率いるソフィア・コッポラはどうでしょうか?
彼女のスタイルもよーく見てください。(すみません、今回はいい写真が見つかりませんでした。)
やはりジーンズにセーター、またはパンツにシャツなど、めちゃくちゃシンプルです。でも、彼女もだれもが認めるおしゃれな人なのです。
もちろん実際に彼女たちのワードローブを見たことがあるわけではありませんから、たくさんの洋服を持っているのかもしれません。でも、アイテムは決して多くないと思うのです。
つまり、ワードローブが少なくても、おしゃれに見えるということは可能なのです。
しかも、世界基準ですよ。ただ、ちょっとしたこつはあるんです。
それはこれから徐々にお伝えしていきます。
おしゃれのルール 第三回目 化学繊維
最近はいろいろな化学繊維の生地がありますが、
こちらは天然素材と違って、洗っても生地は傷みませんし、色落ちもしません。
ナイロンやポリエステルなどは、まるで永遠に生き続けるかのようです。
レーヨンなど、ものによっては、毛玉が出るものもありますが、
それでも天然繊維より寿命は長いでしょう。
ですので、これらの服を買うときは、注意が必要です。
その中で、1つだけ気をつけていただきたい化学繊維があります。
その名はポリウレタン。
みなさんも、スキニ―ジーンズやストレッチのTシャツなど、1つはお持ちではないでしょうか。
非常にストレッチ性の高い素材です。だいたい綿との混紡で使われています。
実は、このポリウレタンという素材は経年劣化します。
つまり、洗ってなくても、着てなくても、あるときストレッチ性が失われて、
伸びたら伸びたっきりになるのです。
みなさんも、去年ぴったりだったスキニ―ジーンズ、なんか今年は全然違うぞ?
と思ったことはないですか。
それはあなたがやせたのではありません。生地が伸びたのです。
ポリウレタンは約2~3年でだめになります。
これは完全に壊れたも同様です。大切にとっておいても無駄です。
ポリウレタンが入ったものを買うときは、そのことを覚えておきましょう。
(ただし、同じストレッチでも、ライクラというブランドのストレッチ素材は長持ちです。少し高い商品などには入っていることがあります)
2010年7月7日水曜日
おしゃれのルール 第二回目 お洋服の賞味期限
このルールは絶対というわけではありません。いつでも例外があります。
ファッションは自由であるべきです。
だから、自分でいいなと思ったところは取り入れて、関係ないところはスルーしてくださいね。
で、今回のテーマは「お洋服の賞味期限」についてです。
洋服が捨てられない理由って、家電と違って壊れるわけでもないし、
食べ物と違って腐るわけでもない。だからよけいわかりにくいんじゃないかと思います。けれども、やっぱり洋服にも賞味期限があるのです。
まず、 綿、麻、ウールなどの天然素材は、洗濯するたびに傷んでいきます。
肉眼で見ただけではわからないのですが、洗濯するたびに、これらの繊維は傷んでいます。
とくに最近のよく落ちる洗剤は、汚れを落とすために繊維自体も破壊しています。ですから、洗えば洗うほど傷んでいる、つまり家電で言えば壊れていっているのです。
このことは繊維を顕微鏡で見れば明らかです。また、以前、下着メーカーが行った実験によると、傷んだ繊維のものを着用すると、肌の不快感が一気に上がるそうです。つまり、もう賞味期限は切れた状態だということ。
傷んだものを着ていると、なんだかくたびれて見えます。去年のTシャツを着ても何だかさえないのはこのためです。
傷んでいるものは、おしゃれに見えなくなってくるのです。
一方、余り洗わない冬物のコートやジャケットは傷みません。
では、3年前のブレザーと、今年のブレザー、デザインは同じでも、まったく同じものかというと、これが全く違うものなのです。
デザインというのは、体に対してどれぐらいの空気を入れるかということなのです。
だから、厳密にいえば、去年と今年のブレザーの肩幅、身幅、着丈、肩パッドや芯の厚さ、全部違います。
これが古いブレザーを着ても、何だか変な感じがする理由です。つまり、これも賞味期限が切れているということ。
しかし、これらはどちらも賞味期限です。つまり、期限が切れても着用は可能です。
それでどうするかは自分で判断しましょう。自分がよいならば、まったく問題ないと思います。
また、流行に関係のないエターナルなデザインの服があるというのも事実です。
ベーシックなものほど流行の影響は受けにくいので、スタイルの変化もゆっくりです。
しかし、一番最先端の流行のものは、一番早く古びていきます。
そういうことがあるということを踏まえて、捨てたり、選んだりしてください。
おしゃれのルール 第一回目 仕分け
第一回目のテーマは仕分けです。
仕分けその1 自分のテイストを決める。
自分はナチュラルテイストなのか、それともモード派、はたまた森ガール? まずはそこを決めてください。もちろん自分軸で!他人の意見も流行も関係ありません。 またお勤めのときはOL風だけど、お休みのときは違うという方は、スタイルが2つあっても構いません。
そのときぜひやっていただきたいのがマップ作り。 要らない雑誌やカタログから、自分の好きなスタイルの服をどんどん切り抜いて、新聞紙ぐらいの大きさの紙に張り付けていきます。 頭で考えるだけではくて、目で見える形にすると、イメージがはっきりしてわかりやすくなります。 できましたら、よくながめてください。このイメージに当てはまらない服はあなたにとって必要のない服です。
仕分けその2 自分のカラーを決める
今度は、自分のワードロープの中心となる色を決めます。 通常二、三色ですが、これも自分で決めてください。 ただし、多ければ多いほど、服の数もふえてしまいます。 この色はコート、ジャケット、パンツ、スカートなど、割と大きな面積のお洋服に使う色です。 自分が好きな色、なじむ色を決めましょう。 そしてこれも、色紙や、またはその色の布、または色鉛筆など、実際に色のついたものを持っておくと、 後でいろいろ判断しやすくなります。 そして、この色から外れた色の洋服も必要のない服です。
柄物やチェックなどは、この中の1色があれば、よしとしましょう。 またブラウスやベスト、Tシャツなどは、メインの色と並べてみて、なじむ色だったら残しましょう。 だいたい、おしゃれに見えないのは、アイテムの色がばらばらだからです。 色音痴だわという方は、このときばかりは他人の意見を取り入れてみましょう。
まずはこの2つから始めてみてください。
このとき、自分のテイストが何なのかわからない方は、まず嫌いなものから排除していきましょう。
それでもわからない場合、あなたは最近のファッションとは違うところを目指しているのかもしれません。だとしたら、好きな絵画やイラスト、映画の中にそのスタイルを見つけるとか、あるいは自分でデザイン画をかいてみるとか、そんな方法も試してみてください。
色のほうも同様に、自分でよくわからない場合、パーソナルカラー診断を受けて自分に似合う色を探してはみるとか、または色鉛筆でお絵かきをして、どうしても自分が使ってしまう色を見つけるとか、いろいろ方法はあると思います。
でもここが出発点であることには変わりありませんので、まずはここをきちんと決めておきましょう。
はじめまして
はじめまして。
私は大学卒業後、ファッションの仕事がしたくて文化服装学院に入り、アパレル会社に就職しましたが、あまりに過酷な労働環境のため、体をこわし、現在はファッションとは無関係の仕事をしています。
そんな中で、ファッション業界の内部にいてわかったこと、また洋服を着るという歴史のずっと古いロンドン、パリ、フィレンツェなどを旅して感じてきた、本当のおしゃれとはどういうことなのかということを、つづっていきたいと思います。
しかしそれは、最近の雑誌にのっているようなセレブファッションでも、流行の最先端ファッションでもありません。それぞれの人が、自分の人生という舞台の主役にふさわしい衣装を身につける、これこそが本当のおしゃれだと、思っています。 ですからみなさま、どうぞご安心を。
あなたがあなたの人生の主役になるためのおしゃれ、私が提案するのは、そのためのおしゃれのルールです。
☆初めてごらんになる方へ。 できたら、最初から読み進んでいってください。 特に骨となる、方法論ははじめのほうで書いています。 後にいくにつれて、細かい内容となります。