テイストを決めて、テーマカラ―を決めても、
ただ漫然と買い物をしていたら、どんどんワードローブは膨らんでいってしまいます。
そこでもう一つ、新たな視点を取り入れる必要性が出てきます。
それは、どの場面が自分にとって一番重要か、そしてそれに必要なワードローブとは何かということです。
一番重要な場面ですから、一番素敵に見えなくてはいけません。
物語の中で一番主人公が生き生きとして、輝く画面です。
限りある予算の中で、一番お金をかけるべき場面のための衣装です。
それはどういう場面でしょうか。
少しの間、考えてみてください。
例えば、私の場合ですと、「ロンドンのプチホテルに泊まりに行ったとき、よい待遇を受けられるための衣装」です。
ですから、何か重要なアイテムを買うときには、必ずこの視点から考えます。
このコートは、この靴は、この旅行鞄は、この帽子は、ロンドンのプチホテルの受付で、いいお部屋に案内してもらえるだろうか、と。
この設定は人によってさまざまです。
山登りのとき輝きたいのだったら、そのときのルックスに力を入れましょう。
習い事をしていて、それをしているときが一番輝く自分だとしたら、そのための服装をそろえましょう。
家にいてリラックスしているときが自分にとって一番重要だったら、カシミアのニットを部屋着にしてしまいましょう。
そして、そうやってそろえた衣装からワードローブ全体を構築していきます。
もちろん一番重要な場面でだけ、それらを着るわけではありません。
ほかの場面においても、そうやってそろえた服や小物を上手に組み合わせればいいわけです。
何かを選んだら、何かを切り捨てる。
この2つの作業は、いつもセットで行わなければなりません。
限られた予算と時間の中では、全部を選ぶことはできないのです。
そしてそのことによって、だらだらと買うくせを防ぐことができるようになってきます。
さて、あなたの選んだ場面はどういう場面でしょうか?