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2011年9月26日月曜日
ぽっちゃりさんのためのファッション:考察
アメブロにぽっちゃりさんのためのファッションという記事を書いたところ、たくさんの検索がありました。それだけ、ぽっちゃりさんのファッションのための情報が、少ないということだと思います。
現代は、ファッションという意味において、ぽっちゃりさんたちにとって受難の時代だと思います。
1980年代の半ば、一時ビッグシルエットのファッションが流行りましたが、90年代の終わりごろから、洋服がどんどん細くタイトになっていきました。
スキニ―ジーンズに象徴されるような、体のラインを強調する、細い体型の人のためのファッションが主流です。
ファッション雑誌を見ても、どれも細すぎるモデルばかり。だからといって、普通に生活している普通の人々が、皆やせているというわけではありません。
ぽっちゃりさんたちにとって、ファッション雑誌は、何の参考にもならないのではないでしょうか。
ファッションの歴史は、絵画や彫刻の歴史、つまり美術史を追うことでわかります。
こんなにも細い女性が称賛された時代は、過去にはありません。
女性の美の象徴であるヴィーナスは、いつの時代もふくよかでした。
なぜなら、ふくよかであることは、豊穣を意味し、すべての命のみなもとだからです。
ふくよかであること、イコール美であるという時代がずっと続いていました。
ヴィーナスは、いつでも分量の多い布の美しいドレープを身につけています。
当時の美の最先端にいる人々が、ヴィーナスを最も美しく見せるスタイルが、ドレープを多用したドレスであると考えたからです。
しかし、産業革命以降、だんだんと着ているものの分量がカットされていきます。
それでも、印象派の時代、農民はまだドレスで畑仕事をしています。
急激に装飾が省かれるようになったのは第二次世界大戦以降、
そして、着るものの布の分量の少量化は、現代ピークを迎えています。
スキニ―、タイト、ちびぴた、こんなにも生地を少なくした服をよいとする時代は、過去にありません。
なぜそうなったのか。
時代の価値観が、効率をもっともよしとし、無駄を嫌ったからです。
無駄を嫌ったために、ユニフォームのようなスタイルが主流となりました。
みながジーンズやTシャツを着るなんて、そして差異と言えば、Tシャツの色や描かれた絵だけなんて、こんなにも均一化されたファッションの時代は、かつてなかったのです。
着ものを着ていた時代、同じ柄の人とは、町ですれ違うことなど決してなかったことなど、今では想像すらできません。
ぽっちゃりさんのための服がほとんどなくなってしまった背景には、こういった事情があります。
ふくよかな体を美しく見せるのは女神のようなルックスなのです。
効率的で、無駄を省いた労働者ルックなどでは、決してないのです。
しかし、これらの効率化も、もう行き止まりまできました。
わたしたちは、機械製品ではありません。
2012年、海王星が本格的に魚座入りします。(現在は逆行中で、水がめ座に戻っています。)
ファッションの流れは変わります。
ここから、ぽっちゃりさんたちに、希望の光が見えてきます。
(次は実践編に続きます)
☆画像は、ダンテ・ガブリエル・ロセッティの「プロセルピナ」
ロセッティは今から約160年ほど前にイギリスで活動したラファエル前派の画家。つまり、前回、海王星が魚座にあった時代です。
ヒントは、ここにあります。