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2012年3月19日月曜日
ジーンズについて考える その2
前回のその1では、ジーンズの現在の状況について書きました。
で、その2は着こなしについてです。
さて、ほかのアイテムと同様、ジーンズにも、ものすごく流行があります。
今、もし90年代に写したジーンズ着用の写真があったら、見てみてください。
なんなんだ、このハイウエスト加減は、そしてそのハイウエストにインで着ているシャツは、というような感じです。
でも、これはたぶん、一番新しいタイプを着ていた場合だと思われます。
一番の流行のものは、後で見ると、最も理解しがたく、格好悪く見えます。
ということは、昨今のローライズも、後で見てみたら、なんで、こんなにまた上が短いのだ、と驚くことになります。
ただ、2012年現在、ジーンズの流行も、そろそろ折り返し地点に来ているのではないかと思います。
つまり、行き過ぎたローライズとスキニ―はもう終わりということです。
だんだんスキーフィットから、ノーマルフィットへターンしていきます。
ローすぎたウエストも、上がっていくでしょう。
ただ、ダメージ加工はまだまだ続きそうです。
特に今年は、横方向にびりびりに切り裂かれたようなジーンズやら、デニムスカートが出てきています。ですから、まだまだどうなるかわかりません。
今年は、たぶんですが、流行が絞りきれない状態になると思います。
まだスキニ―は売られるでしょうし、ダメージもあれば、きれいなダークの色合いもあり、カラーもあり、バギーもあり、クロップト丈もありと、バラエティが広がり、選択の幅が増えるでしょう。
さて、ではこれらジーンズをおしゃれに着こなすにはどうしたらよいか。
まず、昨今の主流を占めるダメージやヴィンテージ加工のジーンズですが、
ダメージやヴィンテージの加工の度合いが大きければ、大きいほど、そのほかのアイテム、たとえばジャケットなどは、きれいなもの、高級なもの、品がいいもの、にしてください。
ダメージやヴィンテージ加工のものに、よれたTシャツ、布のスニーカーでは、おしゃれには見えません。
特に大人になればなるほど、その他のアイテムのレベルをどんどん上げていってください。
そうしないと、ダメージ加工はおしゃれなジーンズでなくて、ただのみすぼらしいジーンズになってしまいます。
具体的にどういうことかというと、びりびりの横裂きダメージジーンズに、シャネルのジャケット、マノロのハイヒール合わせるぐらいの勢いです。(これはたとえですから、もちろんそのままでなくて結構です)
よくケイト・モスなんかがジーンズにテイラードジャケットを合わせるのは、まさにこのやり方です。
おしゃれに見えるかどうかは、全体のバランスなのです。だから、ジーンズが古びた感じなら、そのほかはきれいに、きちんとした感じに持っていかないと、いけないわけです。
もちろん、これも時と場合によりますので、そのままハイキングにでも行ったり、ご近所に買い物にでも行くのでしたら、上から下までカジュアルでも構いません。また私が住んでいる湘南地方のような、やけにゆるい地方でしたら、こんなに無理をすることはありません。
ですからこれは、おしゃれに見せたいというときには、そうしましょうということです。
それとは対象的に、ダメージ加工されていない、きれいな色目のジーンズは、どこでも通用するアイテムです。そんなに気を遣わなくても、ジャケットとパンプスやサンダルを合わせれば、銀座のホテルのラウンジにだって、涼しい顔で入れるでしょう。きれいなホワイトデニムや、センタープレスが入っているタイプもこの仲間です。
いつもはコンサバだけど、たまにはジーンズも取り入れたい、という感じの方は、こちらを選ぶとよいと思います。
これが大枠のルールです。
丈ははく靴に合わせて調整しましょう。ハイヒールなのか、ローヒールなのか、自分のはく靴で決めてください。
また昨今はすそを押し返してはくのもブームなので、ヒールの靴にくるぶしが見えるぐらいに折り返し、肌を見せると、それだけ若々しい感じになります。
最後は注意点です。
最近、多くのデニムにストレッチ素材が使われています。
ストレッチ、たとえばポリウレタンのパーセンテージが多ければ多いほど、ストレッチがきいて動きやすいわけですが、その分、肉感が出てきます。私は限度はストレッチが3パーセントぐらいとみていますが、それ以上のものは、かなり肉感的になります。
ですから、そういううものをはくときは、必ず後ろ姿をチェックしてください。ひどいものは下着の線まで見えますから、要注意です。
また、ローライズですが、しゃがむと、中のパンツ、つまり下着まで見えるものがまだまだ多くあります。見えてもいい下着をはくか、見えないように工夫するか、ご注意を。
上記2点は、特に女性の目が厳しいですので、油断しないように。
ジーンズの世界は大変奥深いです。
私もそんなに詳しくはありません。
けれども、日本にはすばらしい生地も、縫製技術もあるということは確かです。
その中には一生の1本のためのジーンズを作っているメーカーさんもあります。
誰でもが持っているジーンズ。
その1本のジーンズを選ぶという行為には、世界を変える可能性すらあるのです。
☆写真はLee/kurkkuが開発した日本製の次世代デニム。ジーンズのことを調べていて、たどりつき、ちょうどボーイフレンドジーンズが欲しかったので、買ってみました。プレオーガニックコットン(オーガニックへの移行期の畑でできた綿)でできていて、ダメージ加工に見えるのは、実はプリント。裏側もプリント。この手法により、加工のための水の使用量を10分の1に減らせるそう。こんなオルタナティブな方法を日本の人はちゃんと考えだせるわけです。