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2012年7月16日月曜日

二の腕の見せ方



二の腕が、気になる季節になってきました。
半そでにするか、ノースリーブにするか、悩みどころです。

先日、タレントのYOUさんがラジオで、袖がついている服は着ないと、
その理由は、うっとうしいから、というようなお話をされていましたが、
理由は、それだけではなさそうです。

最初は、半そでの、あの途中でまっすぐ切ったような形がいけないのかなと思いました。
確かに、それも1つあります。
洋服の歴史を見てみると、
半そでが、なかったわけではありませんが、
あったとしても、パフスリーブや、フリルのような袖で、
今のように、ただ横に切っただけの袖、というのはありません。
五分そでにする場合も、必ずカフがついています。
カフのない袖というものが出てきて、
それが普段、着られるようになったのは、ごく最近です。
ですから、Tシャツや、半そでワイシャツの、ただ横に切って、
カフの処理をしていないデザインは、まさに効率化のために出てきた、
イレギュラーなもので、正式で、正当なものではありません。
だから、それは、カジュアルにしか見えないのです。
エレガントには、見えません。

それと同時に、二の腕の形の問題があります。
子供のころ、クラスの女の子の二の腕は、みな同じような太さ、形でした。
20代前半ぐらいまでは、自分の二の腕も、他人の二の腕も、特に気にも留めないでしょう。
しかし、30を過ぎたころから、
二の腕は、それぞれに発展していきます。
筋肉質の腕、ふくよかな腕、きゃしゃなままの腕など、
それぞれの二の腕が、それぞれの発展をしていきます。
そして、だんだんそれは自分らしくなっていき、他人とは、少し違うものになっていくのです。
一律に、誰もが白い半そでTシャツが似合わなくなってくるのは、たぶん、この頃です。

二の腕の形状は、人それぞれなので、
どの袖の形で、どの袖丈が一番おしゃれで、すてきに見えるかなど、
一言では言えません。
それぞれの人に、それぞれの似合う形、袖の長さがあります。

もちろん脚も、人それぞれ違います。
しかし、私たちは、他人の脚を、腕ほどには見てはいません。
なぜなら、コミュニケーションをとるとき、ほとんどの場合、上半身から下は、
目に入らないからです。
逆に言うと、二の腕というのは、案外、人の目がいくポイントなのです。

洋服の形の歴史と、自分の腕の発展が出会うとき、
自分に似合う袖丈が、難しくなってきます。

まずは、自分の二の腕はどんな形か、客観的に観察してみましょう。
そして、その次に、どう見せたいか、考えましょう。
そして、どの袖を選ぶか決めます。

エレガントに見えるのは長袖か、ノースリーブです。
横で切っただけのTシャツや、半そでシャツは、カジュアルです。
これは洋服の歴史から、そういうことになっています。
まず、それを決めます。

そして、もし半そでにしたい場合は、どの位置で切れるのが、
自分の二の腕が最も魅力的に見えるか、研究しましょう。
五分そでで隠したほうがいいのか、2分ぐらいの袖がいいのか。
1つ言えるのは、無造作に、二の腕の最も太いところでただ切っただけの袖は、
エレガントではないし、ふけて見えます。

これは、他人の目を気にして、そうしましょうという話ではありません。
決めるべきは、自分の見せ方です。
自分という素材のプレゼンテーションの仕方を、
自分の意思で決めましょうということです。
それによって、他人がどう受け止めるかは、

こちらがコントロールできる問題ではありません。
コントロールできない問題は、気にしても仕方ありません。

まずは自分がどう見せたいか。
この世はすべて舞台なのですから、
二の腕を通して、自分がどう見られたいか、
自分で演出しましょう。
それは、袖丈1つでできるのです。
自分が監督で、
自分が自分専属のスタイリスト、
どうやったら、自分という主人公が魅力的に見えるか、
自分という素材を研究して、工夫しましょう。
その1つの方法は、すべての袖を切り取ってしまうことかもしれませんし、
長袖をまくって、五分そでにする方法かもしれません。
そうやって少しずつ、奪い返すのです。
デザイナーや、流行や、マーケッティングが、あなたに押し付けてくる、
ステレオタイプの 、こういう年齢の、こういう年代の女性はこうすべきというイメージから、
決定権を取り戻しましょう。
いつだって、自分の人生を演出する権利は、自分にあるのですから。