ボッテガ・ヴェネタの顧客は、
She shops less, but buys pieces that will last a lifetime,
つまり、少なく、だけれども生涯持っていられるピースを買うと、
ボッテガ・ヴェネタのクリエイティブディレクターのトーマス・マイヤーは、
THE SUNDAY TIMESの記事の中で語っています。
それに続いて、
a lot, a lot, a lot” has changed in the fashion industry in that time.
とも言っています。
(
The Sunday Times, March 11 2018, 12:01am)
これはハイブランドの中でもトップの部類に入る、
ボッテガ・ヴェネタを定価で買う顧客の話です。
つまり、世界の中のトップのおしゃれな人たちのふるまいについての話です。
Less is Moreというのは、
フランク・ロイド・ライトと並ぶモダニズム建築の巨匠である
ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエが提唱した標語で、
通常は、「少ないことは豊かなこと」と訳されます。
もちろんこの言葉の意味は一つではありませんので多様な解釈が可能です。
しかしいずれにしても、身の丈に合わない過剰な所持は、
豊かさにつながらないということは事実です。
身の丈に合わないとは、
使う金額であったり、必要な労力であったり、持っているスペースの問題です。
たくさん買えば買うほどに使う金額も多くなり、
買うこと、維持することにかかる労力は増え、
当然、それを保持する場所も必要となります。
私は多くの方の実際のワードローブを拝見してきたので、
たくさん持っている方の服がどんな様子なのかも知っています。
たくさん持っている方の服はしわくちゃです。
なぜか。
答えは簡単です。
服をぎゅーぎゅーにどこかに詰め込んでいるからです。
たくさん持っているからといって、決して広い家に住んでいるわけではありません。
たくさん服を持っていて、
その服をしわになることもなく、きれいにラックにかけて所持している人は
決して多くはありません。
どれだけの人がたくさんの服が収納できる
12畳もあるようなウォークインクローゼットのある家に住んでいるのでしょうか?
持っているとしても、ごくごく少数の人でしょう。
何度でも書きますが、
なんでも買えるほどお金があって、
たくさんの服をしわになることなく保管できるクローゼットがあって、
洋服の維持管理は他人にお任せできて、
身体が2つも3つもある人は、
たくさん持っていても問題ないでしょう。
けれども、今のところ普通の人でボディダブルを持っている人はいないはず。
お金があっても、場所があっても、
身体は一つで、1年は365日です。
そんなにたくさんは着られません。
冒頭に挙げたように
トップのハイブランドを定価で買うようなおしゃれな人たちは、
「たくさん買わない」という選択をしています。
なぜならたくさん買うことは本当の意味での豊かさの印とは言えないからです。
Less is Moreという豊かさを知ってしまったおしゃれな人たちは、
これからも少ない豊かさを選択し続けるでしょう。
いいものを少しだけしか買わないからといって、
引け目に感じる必要はありません。
本当にいいものを知っているおしゃれな人たちも、
今、同じようにしています。
「たくさん買うほうがおしゃれ」だと言い張る人のことなど、
相手にしないのが賢明です。
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