ブログ「誰も教えてくれなかったおしゃれのルール」を始めたのは2010年7月のこと。
あれからそろそろ11年。
ファッションに関して、変わったこと、変わらないこと、両方があります。
まずこの11年間で変わったこと。
・多くの人の1年間の被服費は減った。けれども買う枚数はふえた。
これは日本の統計を見ると出てきます。
どういうことかというと、1枚当たりの単価が安くなったということです。
この11年間で、安価な衣料への支出がふえ、かつ1年間で買う枚数がふえました。
・カジュアル化が各年齢層へと一層進んでいった。
11年前、ぼちぼちとお年寄りがスニーカーをはき始めましたが、現在はごく普通のことになりました。
ジーンズにスニーカーは若者の象徴ではなくなりました。
・11年のあいだにタイトシルエットからビッグシルエットへと変わっていった。
シルエットの変遷は2012年ごろから始まりました。タイトで丈の短いTシャツ、スキニージーンズやスーパーハイヒールに代表されるタイトシルエットは終了。
ビッグシルエットのTシャツにボリュームスカート、ワイドパンツが標準となりました。
・日本の夏はより暑くそして長くなったため、季節感が以前と変わった。
11年のあいだに日本の夏の気温は高くなり、また雨が多く、湿度が高い期間が長くなりました。
関東だと、5月の終わりから10月の頭まで、気温が高く、雨が多い日が続きます。
そのため、雨や湿度に対応する衣服が重要になりました。
・アウトドアウエア、スポーツウエア、ワークウエアの日常化
カジュアル化が進んだこと、日本の気候が変わったこと等の原因により、アウトドアウエアやスポーツウエア、ワークウエアを日常着として着る人がふえました。
また、同時にアウトドアウエア、スポーツウエア、ワークウエアのデザイン、機能が高まり、日常着としてふさわしいものが多く市場に出てくるようになりました。
・化学繊維の服がふえた。
これは1点が安価になっていることとも関連しています。原価が安いポリエステル、レーヨン、ナイロン、アクリル等、化学繊維の服が非常にふえました。
同様に天然繊維と化学繊維の混紡もふえました。
一方で、高温多湿の夏に対応するための、透湿性、UVカット機能など、高機能素材の化学繊維で作られた服も多く市場に出回るようになりました。
このようにファッションを取り巻く環境は随分と変わりました。
では変わらなかったことは。
最近、自分の書いたブログを古いほうから見直していますが、私が言っていることは変わっていません。
・長く着られる服を選ぼう。
・要らないものはリサイクルしよう。
・服は余っている!
・服装で他人をジャッジしないで。
・たくさんあることとおしゃれであることは関係ない。
・お金がなくても、工夫でおしゃれは作れる。
そのころは今ほどサステナビリティについて多くの人が語っていませんでしたが、最近は、それなしではファッションは語れないところまでやってきました。
さてこの11年。描いた未来が実現した部分と、思ってもいなかった現実の到来と、両方あったことと思います。
特に2020年から始まった新型コロナウィルス感染拡大による自粛生活については、一部の感染病について研究している人以外は、思いもよらなかった現実でしょう。
私も、初期のころからこのブログを見ている方々も、同じように11年分、年を取りました。
自分の中でも変わった部分、変わらない部分、両方あるのではないでしょうか。
変えなくていい部分は変えずに、変わらなければいけない部分は変えて。
ファッションが世界の疫病神にならないためにも、
いいものを長く大事に、リサイクルできるものはリサイクルして、
自分の人生の主人公になるためのワードローブを作っていきましょう!