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2010年8月24日火曜日
チープ・シック
ファストファッションや、プチプライスという言葉が雑誌でよく取り上げられる今日このごろ、
チープ・シックという言葉はあまり聞かれなくなりました。
それでもなお、1977年に発売されたこの本は、まだ多くのことを教えてくれます。
チープであってもいいが、シックでなければいけない、この本では、ずっとそのことが書いてあり、
サンローランのインタビューもあります。
繰り返されるのは、ベーシック、クラッシックというものの重要性、そしてファッション産業の餌食になるなということ。
「安上がりにしかもシックに着こなすには、服にかけるおカネと時間をできる限り節約することなのです。それを忘れないように。」
という言葉は、お金がなければおしゃれじゃない、流行のファッションを追いかけなければシックじゃないと、何度も何度も繰り返し言われ続けた言葉が、決して本当のものではないということを教えてくれます。
ただ、膨大に消費するだけがよしとされた時代が終わりに近づく現在において、
やはりこのことは重要です。
服に時間とお金を大量にかけないでおしゃれになる方法を身につけることは、エコであると同時に、それよりももっと大切なことにエネルギーを注ぐための、ささやかな助けになるのではないかと思います。
洋服はしょせん、モノです。
でも自分自身はモノではありません。
私の大嫌いな言葉に「人材」という言葉がありますが、人間は材料なんかじゃないです。
ずっと消えて無くならない、モノではない自分自身のために、モノ、つまり洋服の奴隷から解放されて、もっともっと大切なことに、エネルギーを使いましょう。
「チープ・シック お金をかけないでシックに着こなす法」
カテリーヌ・ミリネア+キャロル・トロイ 片岡義男訳
1977年 草思社 絶版