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2013年12月2日月曜日

トムボーイ・スタイル

トムボーイ(tomboy)とは、英語で「おてんば」のことです。
最近の外国のファッション誌にはよく、このトムボーイ・スタイルが出てきます。

「おてんば」で思い出すのはキャンディ・キャンディぐらいですが、

ファッションにおけるトムボーイは、たぶん、大人になったオリーブ少女たちが好むであろう、
そんなスタイルです。
(もしかして、キャンディもオリーブ少女も、これを読んでいる人の半分は知らないかしら?)

トムボーイ・スタイルを得意としているのはアレクサ・チャンです。
British Vogueでは、彼女のことを「fashion's favourite tomboy」と評しています。
アレクサのスタイルが、いわば、トムボーイ・スタイルのお手本となります。

トムボーイ・スタイルの特徴は、ベーシックなアイテムに、
少女っぽさと少年っぽさを足して、大人の味付けで仕上げることです。
いつまでも乙女心を忘れない大人の女性が、そんなスタイルをすることによって、
より魅力的に見えます。

具体的な組み立て方は、まずベーシックの白シャツなり、トレンチコートなりにスクールガール風のアイテム、たとえばサッチェル・バッグ、ハイソックス、ミニスカート、フラットカラーをあわせ、どこかに少年っぽいもの入れ込みます。
それはたとえば、ショートパンツだったり、バイカージャケットやバイカーブーツだったり、またはベースボール・キャップだったりと、少しハードなアイテムです。
このときに、ベーシックなアイテムは大人の味付けにしておきます。
つまり、そこは子供が着るようなものではなく、しっかりした素材やデザインの、
大人が着るのにふさわしいものにするのです。
端的に言ってしまえば、ベーシックの部分には、チープなものや偽物は使いません。
そこを安くあげようとすると、そのスタイルは途端にそこらの学生と同じになってしまいます。
おさえるとところはしっかりおさえつつ、
少女っぽいものと、少年のようなもの、両方を入れていく、
そのバランスの面白さがトムボーイ・スタイルです。

この場合、ヘアスタイルやメイクも、あまり作り込み過ぎません。
あくまでラフに、やり過ぎないものが好ましい。
作り込んでしまったら、もうトムボーイではありません。
洗いざらしの髪の毛をツインテールにして、
そばかすだらけの顔で天真爛漫に笑い転げる、あのキャンディのように、
付け入るすきのないような、そんなヘアとメイクではだめなのです。

このスタイルは、これまで何度か説明してきた、外しや隙、そして親しみやすさを同時に表現することができます。
ここには、誰もがわかるブランド物ですべて固めたような、高飛車な雰囲気はありません。
かといって、ベーシックなものだけでコーディネイトした、退屈さもありません。
普通っぽくもある、それなのにおしゃれに見える、
いかにも高そうなものばかり着ているわけではない、
そして何より魅力的、そんなスタイルです。

そんな魅力的なスタイルですが、実際するとなったら、
かなり難易度は高いです。
いろいろな要素をミックスしていくので、
選ぶ基準があいまいなままのワードローブでは、なかなかこのようにはなりません。
そんなときは、まず色を絞ること、
そして自分の方向性をはっきりさせておくことが大事です。
自分の色、自分の好きな感じを徹底して通しておけば、
これらを全部ミックスして着ることは可能です。

自分というものがふらふらしていたら、
でき上がるスタイルもふらふらしたものになります。
何の統一性もなく、適当に買ったのだなということが、
傍目にもわかります。
そこをきっちり統一していけば、
芯のぶれない、その人の筋の通ったスタイルができ上がります。
まず最初にやるべきなのは、自分の筋を通すことです。

おしゃれに興味がないのなら、それはそれで全く構いません。
いつも書いていますが、おしゃれは人生の中でもっとも重要なことではありません。
服は着られればいいという、その潔さは、かえって素敵です。

流行が変わっても、
どんなスタイルを選んでも、
またはおしゃれを全く無視するにしても、
それがぶれないのなら、それでいいのです。
トムボーイ・スタイルは、そんなぶれない人にとっては、
朝飯前の、簡単なスタイルです。

(そういえば、キャンディも決してぶれなかったね)