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2023年5月25日木曜日

いい年の大人の「女性らしさ」の表現

ある年齢を超えると、女性ホルモンの減少に伴い、性差がなくなってくると言われています。
若いころは特別に何をしなくても、
存在しているだけで、このホルモンがその人に女性らしさを与えていました。
この年代の女性は、どんなにメンズウエアを着ようとも、やはり女性らしいのです。
人によっては、メンズウエアを着てギャップを作り出し、
女性らしさを強調するという高等テクニックを披露することさえできます。

しかし、いい年の大人になるころ、女性ホルモンは激減し、
ほったらかしでも享受できた天の恵みの「女性物質」は、
残念ながら、だんだんと受け取れなくなるのです。

そうなると、男性と同じデザインのものを着ることで女性らしさを強調できたあの魔法は、
もう使えません。
男性と同じデザインのもの、例えばジーンズ、トレンチコート、Tシャツといったカジュアルな衣装は、ただそのまま着たのでは、性別のあいまいさをより強調するものに早変わりします。
そのため、同じものを着ても20代のころに着たときとは、全く違う印象になるのです。
恐るべし女性ホルモン。

しかし嘆いてみたところで年齢を遡行することはできません。
いい年の大人になったとき、「女性らしさ」を表現したいと思うのなら、
何かしらの工夫が必要になります。

残念ながら、いい年の大人になればなるほど、
参考になる見本は少なくなります。
特に日本では、
ミセスやマダムと銘打った雑誌のモデルの多くは30代から40代。
50代以上のモデルとなると、とんと見当たらず。
美容とファッションに潤沢な予算をかける女優さんたちでは参考にならないでしょう。

それでもできることを考えてみます。

まず一つ目。
昔から「女性らしい」とされているアイテムやスタイルを取り入れて「女性物質」を補う。

全身のルックを「男性も着ている」アイテムだけで構成した状態では、
女性らしく見せるのは至難の業。
ですからそれは避けて、女性しか着用しないアイテムを取り入れましょう。
代表的なものはスカートとワンピース。
現代の男性はスカートとワンピースは着用しませんから、これだけでも女性であるとわかります。
(もちろんジェンダーニュートラルの観点からは、男性がスカートやワンピースを着てもOKです)
そのほかに男性が着用しないものとして、ヒールの靴があります。
また、ジュエリーの多くも男性は着用しないので、
ここぞというときはこれらで「女性物質」を補っていくといいでしょう。

二つ目。
女性しか着用しない素材を選ぶ。
例えばシフォンやオーガンジー、レースやシルクサテンは現代のほとんどの男性は選びません。
男性と同じデザインのものを着るにしても、素材を変えることにより「女性物質」を取り入れることができます。
シャツやブラウスでも、これらの素材で作られているのなら、女性らしさを表現できるでしょう。

三つ目。
引き続き細いウエスト。
細いウエストは、洋服の世界において女性であることの象徴です。
デザイナーのジャンポール・ゴルチエは細いウエストを強調したコルセットについて、
「女性のパワーと解放の象徴」と言っています(※1)
コルセットまではいかなくても、ウエストベルトをと使うことによって、ウエストは細くあるという胴体のバランスは表現されます。
たとえ本当は細いウエストでなくても、シンボリックに細いウエストを作ることで「女性物質」は付け足されますので、適宜この作用を利用しましょう。

そして最後に。
最後にできること。それは「女性」としての意識です。
「女性らしさ」を表現したいときは、自分は女性であるという意識を持つこと。
これなら誰でもできるでしょう。
意識は目には見えませんが、他人には伝わります。
それを意識するのとしないのとでは、他人に与える印象は大違いです。
どんな性別の人でも、「自分が女性である」と意識するならば、他人には女性に見えるのです。

女性ホルモンが減少した暁の、新しく、かつ自分らしい女性らしさの表現について、
上記のポイントを参考にして、
それぞれが新たに創造していくといいでしょう。

自分らしい女性らしさの見本はどこにもありません。
なぜなら、これまで歩んできたあなたの過去は、他人の過去とは違うから。
その過去の堆積の上に今があります。

いい年の大人の女性らしさは、自分で見つけて作っていくものです。
これは挑戦です。
だけれども、この挑戦を楽しいと感じられるならば、
半分は成功したも同然です。
それはきっとうまくいきます。
誰の承認も要りません。

※ジャンポール・ゴルチエ 『ファッション・フリーク・ショー』日本公演パンフレットより引用

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2023年5月10日水曜日

何を着たらいいのかを決定するための指針

服を着るのが何のためかと言えば、
まずは寒さ暑さをしのぐため、
そして、何かしらの目的を達成するためです。

何かしらの目的のほとんどは、嬉しい、楽しいといったポジティブな感情を得ることです。
寒さ暑さ、あるいは暴風雨や雪から身を守るため以外に何を着るかを選ぶとき、
最終的に自分がポジティブな感情を得られるかどうかが、
何を着るべきかを決めるときの指針になります。

例えば就職活動です。
最近の就職活動の様子を見てみると、女子のほとんどは黒いスカートとジャケットのスーツにストッキングにパンプスといういで立ちです。
そこには、自分に似合う色も、自分が好きなスタイルもありません。
似合うも好きもすべて放り出し、最終的に、
就職試験に合格して「嬉しい」という感情を得るために、そのルックは選ばれます。
資本主義経済の世界で生きるためにはお金が必要です。
そのお金を得るための職を得るということが就職活動中の学生の目標であり、
黒いスカートとジャケットのスーツとパンプスでその試験に臨むことにより、
合格の確率が上がるとされているのなら、学生たちがそのルックを選ぶのは当然です。

どんな服装をするかは、目的のための手段にすぎません。
いつも目的達成するためには、手段は固定的ではなく、いつでも可変なものにする必要があるのです。

それ以外の場面でも、最終的にポジティブな感情を得たいという目的は変わらないでしょう。
お出かけでも、通勤でも、観劇でも、同窓会でも、
自分が得たい感情のために手段である服装を決めなければなりません。

自分の気分をよくすることによって得られる楽しいという感情が大事なら、一番のお気に入りを着ればいいでしょう。
一日中その気分のまま過ごせるのなら、何ら問題はありません。

しかし感情は時間によって変化します。
例えば結婚の挨拶に相手のご両親に会うときです。
いつもはカジュアルなジーンズとTシャツが好きだとします。
自分らしくいれると感じるし、自分でも似合うと思うし、
他人からも「お似合い」と言われます。
しかし、ご挨拶にうかがうとき、ジーンズとTシャツよりも、コンサバなワンピースのほうが相手に好かれそうだなと考えるとしましょう。
その場合、ワンピースを着てみたら、気恥ずかしかったり、違和感を感じるかもしれません。
またそれは「全然似合っていない」と思うかもしれません。

けれども思い出してください。
最終的に欲しい感情は何でしょうか。
この場合だったら、結婚によって得られる「安心」や「喜び」ではないでしょうか。
目的はそちらです。
相手に安心の感情を持ってもらうことが自分の望む結果を導くのなら、
相手の視点に立って、自分の着るべき服装を考えます。

このときに達成したい目的を忘れてはいけないのです。
目的達成のためには手段としての服装はいくらでも変えていいし、変えるべきなのです。

わざわざ嫌な思い、悲しい思いをしたい人はほとんどいないでしょう。
何を着ていくかで、そのネガティブな感情を経験することが避けられるなら、
積極的に、ポジティブな感情が得られるほうの服装を選べばいいのです。

ただしこれをするには条件があります。
まず一つ目は、自分の感情がはっきりと認識できていること。
そして次には、自分の目標がしっかり定まっていることです。
まず確認すべきなのはこの2つのポイントであり、
何を着るかを決めるのは、その後のことになります。

おしゃれなどというものは、目的達成のための手段にすぎないのです。

いずれにしても、自分の感情も目標も他人にはわかりません。
嬉しいと感じているのか、悲しいと感じているのか、
他人からは見ただけではわからない。
そしてその人が何を人生の目標として生きているのかという心のうちも、
多くの場合、他人が知り得ないことです。

自分の感情も目標も、自分に聞いてみてください。
それがわかったら、
今日は何を着ていくべきか、それに基づいて決定してください。

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