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2017年10月10日火曜日

コートの選び方、買い方


ジャケット、スカート、パンツなど、
洋服はさまざまアイテムによって構成されていますが、
その中でも最も高価なものはコートでしょう。
よって、被服費の予算を立てる場合でもコートにかける金額は多くなると思います。

しかし案外、コートのお買いものに失敗する方が多いようです。
では今回は基本に戻り、
どのようにコートを選んだらいいのか、買ったらいいのか考えていきましょう。

①予算を決める。
誰かに買ってもらうというのでなければ、
まず幾ら以内でコートを買うのか決めましょう。
それによって買いに行く場所、時期などが決まってきます。
例えば予算が50万などという場合は、
それこそコートがずらっと並び、サイズがそろい、売り切れもない10月ごろ、
ハイブランドを始めとした好きなショップへ行けばいいでしょう。
しかし、そんな予算はない場合、つまりもっと少ない予算で買う場合は、
買いに行く場所、時期について考える必要が出てきますので、
最初に予算を決めてください。

②用途を決める。
通勤用、ふだん着として、近所へ買い物へ行くとき用、おしゃれしてお出かけするとき用など、
冬の防寒着としてのコートにもさまざまな用途があるでしょう。
近所へ買い物へ行くためのコートと、少しおしゃれしてお出かけする場合では、
通常、同じではありませんので、用途をはっきりさせましょう。

③素材を決める。
コートと一言で言っても、皮革、ウール、ダウンなど、
素材もさまざまです。
これらは予算と用途によって、何を選択するかが決まります。
今回はウールのコートが欲しいのか、それともダウンコートが欲しいのか、
決めましょう。

④スタイルを決める。
ロング丈なのか、ショート丈なのか、
ダッフルコートやPコートなど、軍服がオリジナルなものなのか、
それともデザイン性の高いものが欲しいのか、
フェミニンなものか、マスキュリンなものか、
中にジャケットは着るのか着ないのかなど、
自分が欲しいスタイルを大体のところまで決めておきましょう。

ここまでが事前に決めておくことです。
ここまで決まると、買いに行く場所と買う時期が決まります。
潤沢な予算がなければセールやアウトレットで買うことになりますし、
ダッフルコートやPコートが欲しければ、トラッドを多く扱うショップへ行く、
フェミニンなコートが欲しければ、デパートの婦人服売り場やセレクトショップへ行く、
ダウンコートでスポーティなものが欲しければ、アウトドアウエアやスポーツウエアのショップへ行くなど、おのずと決まります。
中には思いつくまま、気ままにコートを買う方もいらっしゃいます。
それはそれで結構です。
しかし、そうすると数々の失敗の可能性が生まれます。
数々の失敗とは、買ったけれども着ない、長もちしない、自分の持っている服と合わないなどです。
失敗を避けるためには事前の準備が必要です。

さて、では実際にお買い物へ出かけましょう。
では、次に買うときの注意点です。

①すぐに買わない。
コートのように高価なものについては、基本的には何軒かショップを見て、
試着してみてから買いましょう。
もちろん、その日に決めないで1週間後に行ってみたらもうなかったということもあるので、
あまり長いこと決めないでいるのも考えものですが、
少なくともお買い物に行った時間内には、何枚か試着したほうがいいでしょう。
洋服は立体なので、着てみてわかることがたくさんあります。
マネキンが着ていたのを見るだけでは、ましてや雑誌やネットに載っているモデルが着ている写真を見ただけでは、多くのことを知ることはできません。
素材、パターン、そして着る人自身の肉体の三者がそろうと、
そこに初めて意味が生まれます。
その意味は着てみないことには決してわかりません。
写真を見ただけ、さわってみただけ、ましてや誰かがお勧めしていただけで、
コートを買うのはあまりに無謀です。必ず試着してみてください。

③試着してみる。
自分の決めた条件に合うものはとりあえず試着してみましょう。
試着の段階では、見た感じの好き嫌いにあまりこだわらないほうがいいでしょう。
着てみると、意外な美しさのあるコートが数多くあります。
色と雰囲気が嫌いでなかったら、とりあえず着てみることをお勧めします。

④試着の注意ポイントをチェックする。
試着についてはこちらに記述いたしましたので、
自分でチェックしましょう。
販売員の方は、必ずしも合っているかどうかを見ていません。
自分の身体より小さいサイズのものを無理やり着ている方が多くいらっしゃいますが、
そんなことをしても痩せて見えるわけではありませんし、かえって不格好です。
肩が浮いていないか、変なしわが出ていないか、
脇線は垂直におりているか、しっかりチェックしましょう。

⑤何を買うか決定する。
予算内で、しかもサイズもぴったりのものが数点ある場合はその中から決めていきましょう。
ない場合は、その日は出会いがない日なのだと、潔くあきらめましょう。
さて、では数点残ったものからどうやって1点に絞るかです。

・色をチェックする。
どんなに予算内でも、自分のサイズにぴったりで気に入ったとしても、
自分のワードローブの色彩とずれていると、結局コーディネートすることができず、
死蔵のコートになってしまいます。
実際、買ったはいいけれども自分でコーディネートをすることができないコートを持っている方をたくさん見てきました。
ブラウス1枚程度なら、そんなものがあってもさほどダメージはありませんが、
大枚はたいて買ったコートがクローゼットに幽閉状態ではいけません。
今の自分のワードローブに合う色のものを選びましょう。

・シルエットをチェックする。
高いコートを買って長もちさせるためには、シルエットのチェックが重要になります。
予算内で、気に入って、サイズもぴったりで、色も合っている、
けれどもシルエット的にもう時代遅れだとしたら、物理的ではない意味で長もちさせることができません。
ビッグシルエットはもう10年ぐらいは続くと予想されますので、今ビッグシルエットを買う分には問題ありません。
ただし、自分はこういうスタイルというものが既にあって、
流行のシルエットなど関係ないという場合は、時代のシルエットではなく、
自分のいつものスタイルのシルエットと合致するかどうか点検するといいでしょう。

・未来の自分に合うか合わないか想像する。
残念ながら私たちは、今以上に若くなるということはありません。
ですからコートを長もちさせたいのであれば、
年齢を重ねた自分がそれを着ている姿を想像する必要が出てきます。
例えばコートは5年はもたせたいと思うのなら、5年後の姿です。
5年後、あなたはそのコートを着てどこへお出かけしますか?
誰と一緒ですか?
何をしていますか?
そのときに、そのコートはあなたに自信を与えてくれるでしょうか?
それを着ていて恥ずかしくないでしょうか?
そんなことを自分で想像し、チェックしてみましょう。
この作業は長もちさせたいものについてはすべて必要ですが、
今だけでいいものについてはする必要がありません。

さて、以上に挙げたチェックポイント、すべてクリアするのなら、
それは買ってもよいコートです。

けれども、実際にやってみたらおわかりになると思いますが、
なかなかそんなコートは売っていません。
長く付き合いたい相手と同様、
あなたが長時間、持っていたいコートというものもそんなに簡単に出会えないのです。

ベストではなくベターという選択もあります。
どちらをとるかは、そのときの状況によります。
緊急に必要、今何とかしなければならないなら、
それは仕方がありません。

選択の結果が今のあなたのワードローブです。
ブラウス1枚、Tシャツ1枚が、あなたの選択の結果であり、現実です。
あなたはその現実を受け入れなければなりません。
客観的に現実を見て、それを受け入れることによってのみ、
より望ましい、理想の未来、つまり理想のワードローブは手に入ります。
理想を実現したいのなら、
今の現実を見ないふりをしているわけにはいかないのです。

真冬の澄みわたる青空の下、
人々が見るのはあなたのコートです。
そのコートであなたの第一印象は決まってしまうかもしれません。
くれぐれも買うときは慎重に。
後悔したくないのなら、
そのときにできることをすべてやってから、
今の自分にとってのベストを選択していきましょう。

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