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2019年9月19日木曜日

ファッションとサステナビリティ

2020SSコレクションについて、ミウッチャ・プラダはこう言っています。
 “The idea is to do something that lasts and is less throwaway,”
 “It seems there is always too much fashion, too many clothes, too much of everything. It was about going back to simplicity. Lust, not disposability.”
「考え方としては、長もちするもの、捨てるものを少なくすることです」
「ファッションも服も、すべてのものが多すぎるように見えます。シンプルに戻ることについて、そして使い捨てではない欲望です」。

そして、“The person should be more important than the clothes. A person’s style is more important than the clothes.”
「服よりも人のほうが重要であるべきです。服よりも、その人のスタイルのほうが重要です」。と続けました。
(WEB版 British Vogue、2020SS Pradaより引用)

21世紀もそろそろ20年を過ぎようとする今、
大量に服を持っていることも、欲望のままにたくさん買うことも、
ましてやそれを3、4回着ただけで使い捨てることも、
全くもって、ファッショナブルではない、
つまり、おしゃれなことではありません。
当然、それらを実践している人たちは、おしゃれな人ではありません。

「大量生産大量消費による環境汚染や人権侵害は20世紀の遺物にしなければならない」。
ミウッチャ・プラダのように世界のファッションの中心にいて、
本当の意味でファッションについて考えている人たちは、
このように考えています。
彼女たちが事あるごとにこのように訴えるのは、
まだまだ、この最もファッショナブルであることが多くの人に伝わったとは言えないからでしょう。

残念ながら、すべてのファッションに関連する職業の人たちが、
このことを志向しているわけではありません。
「安いものをたくさん買って使い捨てるのがおしゃれ」だと言う、
ファッション界のヒエラルキーの最下層の人たちもまだまだたくさんいます。

だけれども、誰かの声を聞くならば、
そんな下にいる人たちの声ではなく、
最も上にいる人の声を聞いたほうがよいでしょう。
なぜならば、本当に助けになるのは、そういった上の人たちの声だからです。
環境の、そして人々の助けになるのは、
いつでも本当の意味でのトップの人たちの声です。
それを間違ってはいけません。

たくさん買って、たくさん持って、たくさん捨てる、
こういったマインドは完全に時代遅れです。
皆さんが大嫌いな「ダサい」考え方です。

その「ダサい」考え方に気づいたのなら、早めの脱出を。
もう既に気づいているのなら、さらなる実践を。
早く取り組めば取り組むほど、傷は浅くてすむでしょう。


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2019年9月9日月曜日

1枚の布から作られる正統性

西洋には西洋の服装史というものがあります。
1枚の布に頭を入れる部分をくりぬいただけの貫頭衣から始まって、
その次は1枚の布を身体に巻き付けたトーガ、
その後、1枚の布が最初は直線的に裁断されて身体に覆うようになります。
そのカットは次第に曲線的に、そして衣服を構成するパーツもより細分化され、
身体に張り付き、衣服自体も立体的になっていくというのが大まかな流れです。

いつの時代も始まりは1枚の布です。
1枚の布をかぶること、巻き付けること、パーツにわけることにより、
西洋の衣服は作られました。

その進化の痕跡は現代の衣服に対する考え方にも残されています。
1枚の布であること、またはそれを想起させるものであることは、
今でもとても重要で、スタイルにおいて、伝統的であること、
つまり、西洋の衣服における精神の、その正当性を受け継いでいることを意味します。

その正当性があるからこそ、アバンギャルドや脱構築が可能になり、
その正当性があるからこそ、西洋以外の文化の取り入れであるエスニックやトライブが、
その味付けになり得ます。

シックもエレガントも、
そしてそれを体現するレディのようなレディライクも、
その正統性が表現されていれば完成します。
つまり、1枚の布、もしくはそれを想起させるルックです。

具体的に言うと、それはドレス(ワンピース)、コートといった1枚の布をパーツごとにカットして構成された衣服、
もしくは、1枚の布を想起させる、パーツはばらばらだけれども、同じ素材で作られているスーツ、ツーピース、セットアップです。
これに準ずる形で、素材違いだけれども全身同じ色にする(head to toe one color)スタイルもあります。

シルエットは時代によって変化します。
それは西洋服装史のような長いスパンで見ても同じです。
胸の下に切り替えのあるエンパイアスタイルのシルエットの時期もあれば、
ウエストが細く、ヒップが膨らんだバッスルスタイルの時期もあります。
同様に、もっと短いスパンでも、タイトなシルエットが流行する時期もあれば、
ビッグシルエットがはやる時期もあります。
しかし、どんなにシルエットが変化しても、
この1枚の布の重要性は変わりません。
エンパイアスタイルでもバッスルスタイルでも、ドレスはドレスであり、
タイとシルエットでもビッグシルエットでも、スーツはスーツです。

多くの人の望みは、他人から敬意を持って扱われることです。
大人になればなるほどに、その望みは大きくなります。
着ているものによって子ども扱いされたくない、粗雑に扱われたくない、
そう口にする人たちを多く見てきました。

他人から敬意を持って扱われたいのなら、この正統性を表現するスタイルを選ぶといいでしょう。
それは、ファッション雑誌など見ず、トレンドには全く無関心な人々にも通じる非言語の言葉です。
世の中のほとんどの人はファッションにも、トレンドにも関心などありません。
それなのに、一部の人たちのあいだだけに流通する情報に依拠したおしゃれに頼っても、
望んだような結果、つまり敬意を持って扱われるという結果は得られません。

1枚の布から展開された衣服かどうかぐらいは、
一目見ただけでわかるでしょうから、選ぶのは簡単です。

あなたが正統に近づけば近づくほど、人々はあなたを敬意を持って扱うでしょう。
なぜなら、あなた自身が正統なスタイルをすることで、
他人に対するリスペクトを表現しているからです。
あなたの他人に対するリスペクトは、そのままあなたに返ってくるでしょう。
そして、そのリスペクトを表現するのは、
この1枚から作られたことを想起させる衣服なのです。


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