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2012年2月13日月曜日

トートバッグ



去年あたりから、トート型と言われるバッグが、モード界で流行し出しました。
しかも、かなり大型の。
ちなみに、トートバッグというのは本来、氷を運ぶための布のかばんであると、昔、LL.Beanのカタログで読みました。
きっかけは、たぶん、セリーヌがcavas(この場合、買い物袋という意味)という革製の大型のカバンを出したことではないかと思うのですが、今年に入ったら、この流れは一般にも広がってくると思います。

これはずいぶん前から始まっている、カジュアルなアイテムのモード化の流れの1つです。
特徴は、素材がグレードアップされていること(今回の場合は帆布でなく革)、そして、ハイブランドが発表することです。
トートバッグは長いこと、カジュアルな場でのみ通用する、どちらかというと、実用的なバッグでしたが、今回のセリーヌのcavasをきっかけに、社交界へデビューという感じでしょうか。
昔、ジーンズでのホテルへの入館は禁止されていましたが、シャネルが発表すれば、それがOKになったように、今回もトートバッグは、どんな場でも通用する、一人前のアイテムに昇格しました。

さて、このトートバッグ、一番大きな特徴は、その大きさです。
デザインや細部は、どのブランドも大差ありません。
デザインに差がない分、大きさと色がポイントとなります。
今回、流行っているトートの特徴は、大型であること、そしてアクセサリーのように使えるカラーバリエーションではないかと思います。
こんなバッグを持つときは、それを1つの色のマス(かたまり)と考えます。
もちろん好きな色のものを持てばいいのですが、
自分がさし色として選んだものと同じものを使うと、よりおしゃれ感を出すことができます。
また、バッグの持ち方ですが、この大きな色のマスを肩から下げれば、
自然とそこに目はいきます。全体の重心が高く見えたり、自分が見られたくないなと思っている部分をカバーすることができます。(もちろん、バッグを体から放してしまったら、その効果はそこで終わりですが)
着ている服を1色、またはグラデーションに抑えて、靴とトートの色をそろえると、これはもう、目を見張るようなおしゃれです。
今回、流行っている大型のトートはこんな使い方がいいのではないかと思います。

トートバッグには、奇抜なデザインも、しゃれた金具のパーツもありません。
だから、それを持っていることによって、他人から、
「あら、すてきなバッグね」と言われることも少ないでしょう。
でも、それは全く問題ありません。
トートバッグを持つことによって生まれるチャンスは、
バッグをほめられることではなく、
それを選んだあなたのセンスをほめられるかもしれないということです。
そして、そのことのほうがずっと価値のあることです。
目指しているのは、ほめられるバッグを持つことでなく、ほめられるあなたになることです。

☆写真は京都の職人さんが作っているクリームカンパニーのグローブトート。29色から選べます。こういうメーカーから、自分のポイントカラーにぴったりの色を探すのがおすすめです。