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2021年5月30日日曜日

11年後、変わったこと、変わらないこと

ブログ「誰も教えてくれなかったおしゃれのルール」を始めたのは2010年7月のこと。
あれからそろそろ11年。
ファッションに関して、変わったこと、変わらないこと、両方があります。

まずこの11年間で変わったこと。


・多くの人の1年間の被服費は減った。けれども買う枚数はふえた。
これは日本の統計を見ると出てきます。
どういうことかというと、1枚当たりの単価が安くなったということです。
この11年間で、安価な衣料への支出がふえ、かつ1年間で買う枚数がふえました。

・カジュアル化が各年齢層へと一層進んでいった。
11年前、ぼちぼちとお年寄りがスニーカーをはき始めましたが、現在はごく普通のことになりました。
ジーンズにスニーカーは若者の象徴ではなくなりました。

・11年のあいだにタイトシルエットからビッグシルエットへと変わっていった。
シルエットの変遷は2012年ごろから始まりました。タイトで丈の短いTシャツ、スキニージーンズやスーパーハイヒールに代表されるタイトシルエットは終了。
ビッグシルエットのTシャツにボリュームスカート、ワイドパンツが標準となりました。

・日本の夏はより暑くそして長くなったため、季節感が以前と変わった。
11年のあいだに日本の夏の気温は高くなり、また雨が多く、湿度が高い期間が長くなりました。
関東だと、5月の終わりから10月の頭まで、気温が高く、雨が多い日が続きます。
そのため、雨や湿度に対応する衣服が重要になりました。

・アウトドアウエア、スポーツウエア、ワークウエアの日常化
カジュアル化が進んだこと、日本の気候が変わったこと等の原因により、アウトドアウエアやスポーツウエア、ワークウエアを日常着として着る人がふえました。
また、同時にアウトドアウエア、スポーツウエア、ワークウエアのデザイン、機能が高まり、日常着としてふさわしいものが多く市場に出てくるようになりました。

・化学繊維の服がふえた。
これは1点が安価になっていることとも関連しています。原価が安いポリエステル、レーヨン、ナイロン、アクリル等、化学繊維の服が非常にふえました。
同様に天然繊維と化学繊維の混紡もふえました。
一方で、高温多湿の夏に対応するための、透湿性、UVカット機能など、高機能素材の化学繊維で作られた服も多く市場に出回るようになりました。

このようにファッションを取り巻く環境は随分と変わりました。

では変わらなかったことは。

最近、自分の書いたブログを古いほうから見直していますが、私が言っていることは変わっていません。
・長く着られる服を選ぼう。
・要らないものはリサイクルしよう。
・服は余っている!
・服装で他人をジャッジしないで。
・たくさんあることとおしゃれであることは関係ない。
・お金がなくても、工夫でおしゃれは作れる。

そのころは今ほどサステナビリティについて多くの人が語っていませんでしたが、最近は、それなしではファッションは語れないところまでやってきました。

さてこの11年。描いた未来が実現した部分と、思ってもいなかった現実の到来と、両方あったことと思います。
特に2020年から始まった新型コロナウィルス感染拡大による自粛生活については、一部の感染病について研究している人以外は、思いもよらなかった現実でしょう。

私も、初期のころからこのブログを見ている方々も、同じように11年分、年を取りました。
自分の中でも変わった部分、変わらない部分、両方あるのではないでしょうか。

変えなくていい部分は変えずに、変わらなければいけない部分は変えて。
ファッションが世界の疫病神にならないためにも、
いいものを長く大事に、リサイクルできるものはリサイクルして、
自分の人生の主人公になるためのワードローブを作っていきましょう!



 

2021年5月11日火曜日

要らなくなったら売れるような服を選びましょう

環境省の調査によると、
服を手放すときに、その服を譲渡、バザー、フリマアプリ、リサイクルショップなどを使ってリユースする率は20パーセントであるということです。

こちら

そのうち古着として販売されるものはわずか11パーセントです。

もちろん服を手放すときは、モノとして破損、汚れ等、もう着られないというものもありますから、すべてのものが古着として再利用できるというわけではありません。

しかしそれでも、全体の11パーセントしか古着として回されないというのは、少なすぎるのではないかと思います。

リユース目的で手放すにはいくつかの方法があります。

フリーマーケットで売る
フリマアプリで売る
古着店へもっていって売る
等です。

このブログを書き始めた当初から、私はモノとしてもう着られないというもの以外で、まだ着られるけれども自分では着られないものは、古着店へもっていくか、もしくはフリマアプリで売ってきました。

特に3年前からはフリマアプリ(メルカリ)を利用し、通販で買ってサイズが合わなかった衣類、もうつけないアクセサリー、もう使わなくなったアウトドアのバッグ、通販で買ったけれども痛くてはけなかった靴など、それぞれ1点か2点ですが、売ってみました。

ありがたいことに、私が出品したアイテムは出品して数時間後、遅くとも3日以内には売れるものばかりでした。
しかもつけた値段も買った値段の半額から3分の1程度であり、500円や1000円という値段設定ではなくても売れました。

早く、しかも高額で売れるには理由があります。

まず、一定数のファンがついているブランドのものであるということ。
また、その期間でしか売られないもの、かつ販売点数が少ないものであるということ。
そして、セールをほとんどしないブランド、またはしたとしても値引き率が低いところであるということです。

この条件をクリアすれば、出品しても確実に売ることができます。

これを読んでいる方のもう既に持っているアイテムが、この条件に合致するかどうかはわかりません。
しかし、これからの買い物をなるべく上の3つの条件を満たすものにしていけば、もし何かの理由で、まだ着られるのに着なくなった、あるいははかなくなった場合、フリマアプリを通して高額で売ることができます。

安価な大量生産された、誰もが着ているもの、誰でも持っているものは、
出品することは可能ですが、高額で、しかも早くはなかなか売れません。

最初の選択が重要です。
その選択を間違えなければ、自分が着なくなっても、まだまだそれを着たい人のところへ服、靴、バッグを送り込むことができます。

大量に買っても、大量に保持していても、身体はひとつであり、1年は365日しかありません。
着る機会、はく機会、持つ機会は有限です。

同じ手放すのなら、誰かのもとへいくように。
消耗品でないものを買うときは、
その選択を見極めましょう。


2021年5月1日土曜日

おしゃれなんて別にしなくてもいいもの

おしゃれなんて別にしなくてもいいものです。
最低限、暑さ寒さを防げれば、人はそれで生きていけます。

おしゃれなんて別にしなくてもいい。
しなくてもいいようなものだから、してもいい。

これはどっちでもいいもの。
それぞれが自分で選んでいいものです。

だから、誰かにおしゃれしなきゃいけない、なんて言われる筋合いはありません。
また、誰かにおしゃれをしてはいけない、なんて命令も無視して結構。
大事なのはどちらを選ぶか、自分で選べる状態にあることです。

おしゃれなんてしなくていいものとわかっていると、より自由になれます。

誰かに「おしゃれじゃなきゃ女じゃない!」なんて言われても
無視する権利はこっちにあるんだとわかっていたほうが、
もっと楽しくなれます。

義務も、強制も、脅迫も、劣等感の刺激も、誰かからのマウンティングも、
そんなものすべて、
「おしゃれなんて別にしなくてもいいもの」とわかっていれば、
スルーできる。

そうやってありとあらゆる方面から縛る見えない糸を取り払って、
自由に自分で選んでいきましょう。



 



2021年4月24日土曜日

あなたのワードローブにはアーカイブで埋め尽くして

 2021年のアースデイに、多くのハイブランドがサステナビリティに対する取り組み、あるいはコミットメントを発表しました。

あるブランドはリサイクルポリエステルの使用を、
あるブランドは製品のリペアとリセールを、
あるブランドは製品のトレーサビリティの明確化を発表しました。

ステラ・マッカートニーもドリス・ヴァンノッテンも、
ミウッチャ・プラダもエディ・スリマンも
自分がデザインした5年前の服、靴、バッグについて
「もう時代遅れだから着られない」とは言いません。
3年前のものも、5年前のものも、彼らにとっては大事なアーカイブです。

ある人が言いました。
「5年前のものはもう着られない、履けない」と言っている人がいると。
たしかに世の中には、すぐに飽きられる、着られなくなるように
運命づけられた服、靴、バッグも存在しています。

それらはすぐに劣化するポリウレタンが多く含まれていたり、
すぐに毛玉だらけになるポリエステルが使われたいたりします。
ファストファッションに多いそれらは、長く使えないように設計されています。

「5年前のものをもう着られない」と言う、その人が言う「着られない」のは、
その人が選んで自分で買ったもの、あるいは誰かにお勧めしたものです。
それはエディやステラがデザインしたものではありません。

ケイト・ブランシェットは2015年に着たドレスを2020年にも着ています。
ものを見る目があり、的確なものを選べるケイトは、
「5年前のものは着られない」なんて言いません。
その選んだドレスはケイトにとってのアーカイブです。

「3年前のものは着られない」とか「5年前の靴はおかしい」などと言っている人が
お勧めするものを選んではいけません。
その人がお勧めするものは、いずれそうなるということです。

消耗品は別として、
自分のワードローブはあなたにとってのアーカイブで埋め尽くしましょう。

あなたが自信を持って着ることができるのは、
3年後、5年後にすたれるであろう服や靴ではなく、
アーカイブとしてずっと持っていられる服や靴、そしてバッグです。

2021年3月1日月曜日

顔の時代

マスクの時代はまだ続きます。街ゆく人がマスクなしで歩けるようになるまでは、まだ数年かかると言われています。

では、顔は重視されなくなっていくのかというと、どうやら方向は全く別のようです。
それはマスクが原因なのかそうなのかはわかりませんが、顔及び頭部重視の時代が近づきつつあります。

まずそれは、メイクで示されました。
タイトなシルエットが主流だった、2000年以降、長いあいだ、メイクは細い眉と、ヌードリップに象徴されるような、メイクをしているけれどもしていないように見えるメイクが主流でした。

しかし、服のシルエットがビッグになるにつれ、眉は太く、マスカラやアイシャドウ、アイライナーといった目の周囲のメイクはより強調されるようになり、以前は考えられなかった、アイラインがごく日常のメイクの必須事項となりました。

そしてマスクの時代の今、その傾向はますます強まっています。

服が大きくなり、凝った素材やカッティング、フリルやプリーツといったボリューミーなものになると、メイクも服に負けず劣らず濃く、そして華やかになるのは、過去のトレンドの変遷を見ても明らかです。

同時に、服のボリュームが大きくなるにつれ、アクセサリーも大きくなります。その傾向がここへきて、特に顔と頭部において顕著に進みました。

しっかり描かれた眉と目の周囲のライン、シャドウは当たり前として、それに呼応するように、大きなイアリングやヘッドドレス、サングラス、または帽子が、顔とその周辺を飾るようになりました。

隠されているからこそ、私たちの顔への欲求は高まります。
顔を見せて外を歩くのが禁止されている今だからこそ、顔と、その周囲を美しく飾りたくなります。

その禁止は、かえって私たちにやる気を起こさせ、
それはいつしか決意に変わるでしょう。

そして夢見ているだけでは飽き足らず、
必ずや、実行に移す日がやってくるでしょう。

ただメイクするのではなく、
あなたの顔を、この世界にどのように示すのか、
その顔を通して何を表現したいのか、
そのためには、イヤリング、サングラス、ヘッドドレスや帽子をどのように使うのか、
マスクの時代が終わるのを待たずとも、考えて、実行して、修正を加えながら、動いていきましょう。

いつかそのときは必ず来ます。
それは約束されています。

2021年2月17日水曜日

モニターの中で

 新型コロナウィルスの流行により、実際に誰かと会う機会は減りました。
そして、そのかわりにモニター越しの出会い、そして会話がふえました。

モニターを通して、家で仕事、または講義を受けるとき、
私たちの多くは、楽な、堅苦しくない格好をすると思います。

会社や学校へ出かけるわけでもないのに、スーツでモニター越しの会議や授業に参加する人は少ないでしょう。

またモニター越しの場合、ほとんどが映るのは上半身のみです。
服を着ていても、見られるのはシャツやブラウス、Tシャツ、セーター、ジャケット、ベスト等になります。

どんなふうに自分の姿が映るかについては、使っているビデオカメラ、照明、部屋、また時間によってさまざまです。
映像のプロではないので、機材や照明が完璧というわけにはいきません。

そのときに気づくことがあると思います。

モニターの平面上に映るのは、自分の服だけではない、ということ。
その人がモニター上に、どの程度の割合で自分を映し出しているかによりますが、
モニター上に映っている大部分の面積は部屋の様子であり、
服と同じインパクトで、顔と髪が映ると思います。

モニター上に占める面積の割合でいくと、
服は、自分を大きく映し出している人で8分の1ぐらい、
小さい設定にしている人で10から12分の1といったところでしょう。

それに対して、同じ割合の顔と髪の毛があり、残りのほとんどが部屋になります。

モニターに映った人物がしゃべっている場合、おのずと視線はその人の顔にいきます。
画面を大きく占めているのは部屋の様子です。
ここで服は、顔と髪をよく見せるための背景となります。

顔の周囲に白いひだ飾りが取り巻くエリザベス朝時代のエリザベス一世の肖像画のように、
モニターの中では、身に着けるもの役目は、顔をいかに引き立てるかに変わります。

もちろんそれまでも、服の、特に顔周りは顔色をよく見せるために使われました。
しかし、モニターの中では、よりいっそうその役割と位置づけが強調されます。

モニターの中では、衣服は、
暑さ寒さを防ぐため、
痩せて見せるため、
全体のバランスをとるためよりも、
より一層、顔を引き立たせるための道具として使われるようになります。

それに気づかないまま、いつもの衣服でモニターに映ると、
人からは元気がないとか、顔色が悪い、あるいは老けて見えるようになるでしょう。

モニターに映るとき、私たちは考え方を変えなくてはなりません。

まずは顔と髪型を整えて、
それを引き立てるようなシャツ、ブラウス、セーター、その他トップスについて、それぞれ考えてみましょう。

人によって、それは白い襟かもしれません。
また、部屋も明るく、十分な照明と機材がそろっていて、顔色がよく映るのなら、
逆に黒いハイネックを着たほうが、顔がしまって見えるかもしれません。

その人の顔と髪型、映り込む部屋の様子、ビデオカメラと照明等、
条件が皆それぞれ違うので、一概に何がいいと言うことはできませんが、
基本的には、その人が元気で、若々しく見えるほうが、
具合が悪そうで、老けて見えるよりはいいでしょう。

モニターの中の自分をよく見せたいとき、いつもとは違う考え方をしてみてください。
コントロールできることは多くあります。
照明やビデオカメラで修正できることもあります。
もちろんメイクと髪型のほうが服よりも重要になります。

まだまだ続くと思われる、モニターの中の自分を見る時間。
でき得る限りのことをして、新しいコミュニケーションの方法に、慣れていきましょう。


2021年2月3日水曜日

マスクとともに

2020年に始まった私たちのマスク生活には、いまだ終わりは見えません。
マスクなしで表通りを歩ける日々は、あと2,3年は先になるでしょう。

マスクにファッション性を取り入れるかどうかは、その人の判断によります。
マスクをする目的はウィルスからの防御なので、それがおしゃれである必要は全くありません。

もちろんマスクを使っておしゃれをすることもできます。

例えば、着ている服と色や柄を合わせる、
レースやフリルといった、装飾のついたマスクをする、
マスクの耳へかけるひもの部分にイヤリングのような装飾物をつけるなど、
いろいろ考えられます。

ただし、どの方向でも、例えばサージカルマスクと二重にするなど、ウイルス防御対策は忘れずにしましょう。

問題はここではありません。

私たちはマスクをすることによって、外出時におしゃれをするという行為から、一歩後ろへ引きさがりました。
何よりも安全が大事です。

私たちがマスクを取って自由でいられるのは、マスクを取ることができるプライベートなエリアだけとなりました(もちろん場合によっては、家庭さえ安全ではないことがあります)。

肌触りがよいかどうか、
いい香りがするかどうか、
自分で家で洗濯ができるかどうか、
これらを点検していくうちに、自分がほんとうに必要としているものはほとんど持っていない、ということに気づいた人もいるかもしれません。

マスクで隠されたものの下にあったのはその人の無意識が作り出した表情と、そして生きていくために必要な、根源的なニーズでしょう。

いつかマスクをしないでも、心おきなく外出できる日がやってくるでしょう。
その日が来るまでには、まだまだ時間があります。
私たちにできるのは、
マスクとともに、そのマスクの下に隠されたニーズを探索することです。

方向性は正しいのか、
必要なものは何なのか、
間違った選択をしてはこなかったか、
そして、あなたのワードローブはあなたがやるべきことをやり、到達すべきことを到達するために存在しているのかどうか、
自分へ問いかけ続ければ、きっとわかるようになるでしょう。

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