2013年7月8日月曜日
仕立てのいい服
価値のある、品質のよい服の条件の1つです。
大人であるならば、
この、仕立てのよさというものを買うときの目安に加えてほしいと思います。
では、仕立てのよさとは、なにをもってそう言うのでしょうか。
簡単に言ってしまえば、手がかかっていればいるほど、
仕立てのよい服と言えます。
より多い工程、細かな手仕事などが、それに当たります。
まず、わかりやすいのが、裏の始末の方法です。
たとえば、シャツの場合、
仕立てのいいものは、縫いしろの始末が、すべて折り伏せ縫いという、
布の端をすべて中へくるむ仕様で作られています。
それに反して、手をかけていないシャツの裏側は、
ロックミシンで端をかがっただけです。
折り伏せにするという、手間のかかる工程を省くことによって、
縫製の工賃は安くなります。
もちろん、その仕立てのよさは値段に反映されますので、
折り伏せですべて縫いしろが始末されているようなシャツは、
価格が高くなります。
次はジャケットやコートの裏です。
ジャケットやコートの場合、総裏といって、
裏にすべて裏地がはられている場合は、
仕立てのよしあしの差はありません。
あるとしたら、その裏地部分に内ポケットが作られているかどうか、
またはたとえばコートの袖部分のみ、違う裏地が使われているかなどです。
確かにそれらは、丁寧な仕立てです。
差が出やすいのは、裏なしや半裏、また背抜きと呼ばれる、背中のみに裏がついたジャケットやコートの場合です。
こういった、裏地がはられていないジャケットやコートの裏側で、
もっとも丁寧な仕立ては、縫いしろをパイピングでくるむ、
パイピング仕立てと呼ばれるものです。
すべての縫いしろを、サテンのバイアステープなどで、丁寧にくるまれているものは、
仕立てのいいジャケット、コートと言えます。
逆に、安い仕立てのものは、縫いしろにロックミシンをかけたのみか、
または、そのロックミシンを内側に折り込んでいるのみの仕立てです。
パイピング仕立てと、これらロックミシンによる始末では、
工程の数がまったく違うため、工賃に大きな差が出ます。
もちろん、手間のかかるパイピング仕立てのほうが工賃は高いです。
そのほか、仕立てのいい服の特徴として、手縫いによるステッチがあります。
たとえば、コートの襟の8ミリほど内側を、ぐるりと星止めと呼ばれる、
小さなステッチを入れる仕様などは、
手仕事でしかできませんので、工賃の高い仕様です。
同様に、手縫いによるステッチも、1つ工程が多い仕様ですので、
丁寧な仕立てです。
シャツを人前で脱ぐ機会は、ほとんどないと思いますが、
(え、ある?)
ジャケットやコートなどは、誰かの前で脱いだり、
またレストランへ訪れた際など、人の手に預けたりする機会があります。
そのときに、この仕立てのよさが、裏側を見た人たちに伝わります。
レストランやホテルでは、それを見て、私たちを値踏みします。
もちろん、それだけではなく、
自分自身にとっても、丁寧な仕立てのジャケットやコートを着るという行為は、
とても気分のよいものだと思います。
ある程度、大人になったならば、
もちろんそれがいつなのかというのは各人にお任せしますが、
こういった仕立てのいい服というものを、
ぜひともワードローブに加えていただきたいと思います。
そして、まだどういうものが仕立てのいい服かわからない方は、
ぜひとも勇気を出して、ハイブランドの店舗で、
コートの1着でも試着してみてください。
(もちろんアウトレットでOKです)
それなりの値段のものは、それなりの手がかけられているものです。
自分が毎日着るシャツやジャケットやコートが、
どんなふうに作られるのか、少し想像してみてください。
それは確かに工業製品でしょうが、
人間の手でないと、できないのです。
現代の技術をもってしても、すべての工程を機械で作られた服は、
ほとんどありません。
丁寧な仕立てのジャケットやコートなどは特に、
人の丁寧な、時間のかかる、地道な仕事がないとできないのです。
もしそんな服を手に入れたら、
1年で捨ててしまおうなどとは思わないはず。
たいせつに扱って、長く付き合おうと思うでしょう。
仕立てのいい服とは、長い付き合いの友達のようなもの。
一緒にいると安心で、勇気が出てくる。
決して裏切ることはなく、いつもサポートしてくれる。
そして、その存在によって自分に自信が持てるようになるような、
そんな存在なのです。
2013年7月1日月曜日
キャミソールとタンクトップ
2013年6月24日月曜日
バッグの色の選び方
昔のルールでは、
バッグと靴の色は合わせることになっていました。
しかし、今では、必ずしもそうする必要がないと考えるのが一般的です。
ただ、それならば好きな色を適当に持ってくればいいかというと、
そういうわけではなく、ちょっとした法則があります。
何パターンかあるので、
順に説明していきます。
まず、バッグの色を靴と同じにする。
今では必ずしもそうではないといっても、
やはり基本はこれです。
何色のバッグを買えばいいかわからない場合は、
とりあえず一緒にあわせようと思っている靴と同じ色のものを選んでください。
特に、黒と茶については、靴と同色のほうがあわせやすいです。
また、よりオフィシャルな感じを出したいときは、
黒い靴に黒いバッグ、茶色い靴に茶色いバッグにしたほうがよいでしょう。
黒と茶色については、昔から一般的な靴の色です。
その黒と茶の靴に、オーソドックスな形のバッグをあわせる場合は、
やはり昔からのルールどおり、色は合わせたほうがよいです。
失敗はありませんし、どこへ出ても恥ずかしくないスタイルとなります。
次に、バッグと服の色を合わせる。
靴の色と同色ではなくても、服の中の1色を使うのも、
取り合わせとしては簡単で、しかもおしゃれに見えます。
この場合、たとえば全身が黒と茶のコーディネイトだった場合、
靴は黒、だけれどもバッグは茶色を持ってきても大丈夫です。
また、バッグを黒と茶のバイカラーや、黒と茶のひょう柄などにしてもよいでしょう。
統一感があれば、問題ありません。
3番目に、差し色としてバッグの色を選ぶ。
バッグの中でも、特に、実用というよりアクセサリー的な要素の強いもの、
たとえば小さなクラッチバッグやパーティ・バッグ、、ボディ・クロス・バッグなどの場合、
全体のコーディネイトの差し色として、
バッグにまったく違う色を持ってくることもできます。
たとえば、黒一色のコーディネイトのネオン・ピンクの小さなバッグ、
グレーのグラデーションのコーディネイトに赤いバッグなど、
色をきかせることによって、おしゃれ具合は増します。
最後に、全体のコーディネイトや靴とは関係ない色。
これは、たとえばかごバッグや布のバッグ、銀や金のビニールワイヤー・バッグなどです。
ラフィアやつる植物の色合いは決まっているので、
全体とはまったく関係がない色でも、問題ありません。
銀や金のバッグも、どちらかといえばアクセサリーなので、
銀や金のジュエリーをあわせるのと同じ感覚で使えばいいでしょう。
全体的に言えることは、
オフィシャルな雰囲気を出したい場合、色を合わせ、カジュアルな場合は色を合わせる必要がないということです。
選んだ靴が黒や茶色のローファーや、クラッシックなパンプスの場合、
色を合わせると、より一層オフィシャルな感じは出ますし、
靴がカラフルなサンダルやエスパドリーユ、スニーカーなどの場合、
バッグの色を合わせる必要はなくなります。
また、バッグ自体も、ピンクや黄色、グリーンなどの色もの、
または白い場合、靴や服と合わせる必要はなく、
アクセサリーや小物を付け足すように、色を付け足すと考えればよいでしょう。
こうやって考えていくと、
バッグの色合わせはかなり複雑です。
よくわからない、考えるのがいやな場合は、
とりあえず同じ色を選ぶのが、もっとも無難な方法です。
また、靴は黒か茶のみなどという場合は、
黒と茶の2色使いのものを持っておけば、
黒の靴でも、茶色の靴でも、両方使えますので、便利だと思います。
ここ数年、ある特定の、いわゆるブランドもののバッグを、
どんなスタイルにでも合わせるという人が多いですけれども、
あれは決しておしゃれではありません。
バッグの色のことなど、考えていないという証拠です。
工夫の跡が見られません。
それに比べたら、
ブランドものでなくても、
高くなくても、
自分で考えて、選択した色のバッグを持つほうが、ずっとおしゃれに見えます。
あなたがほかの人に伝えたいのは、ブランド物のロゴではないはずです。
そこから脱するためには、とにかくまず自分で考える、
そして試してみることです。
絶対的な答えがあるわけではありません。
いろいろ実験してみるうちに、自分なりのしっくりくる靴とバッグの色合わせのルールが見つかるでしょう。
そのルールが見つかるまで、探し続けてください。
あきらめなければ、見つかります。
☆バッグや靴の色の選び方、初心者のためのおしゃれなワードローブの揃え方が書いてある、『わたし史上最高のおしゃれになる!』発売中。Amazonはこちら。
「おわりに」部分を公開中、こちら。
☆ 賢くお金を使って、無駄のないワードローブを作る方法、
『お金をかけずにシックなおしゃれ 21世紀のチープシック』4月26日発売。
アマゾンさんのリンク先はこちら。
★ new! zoomを使ってのファッションレッスンを始めました!(2022年9月より)
・たくさん持っているのに着るものがないと感じる方
・被服費を節約したい方
・簡単におしゃれに見える方法を知りたい方
・服の枚数を減らしたい方、
こんな方々に最適です。
これまでファッションレッスンを受けた方々の感想としては、
・毎日のスタイリングが楽になった。
・被服費が減った。
・いろいろ値上がりしている中、本当に助かっている。
・おしゃれな人認定された。
・もっと早く知っておけば被服費が節約できたのにと後悔。
などです。
詳細はこちらにあります。
2013年6月17日月曜日
足もと(素足、ソックス、ストッキング)
忘れるわけにもいかないところです。
足元、つまり、ボトムから靴までの間は、
素足、
ソックス、
ストッキング(タイツ)
の可能性が考えられます。
この足元、どうしたらおしゃれに見えるかにも、
実はルールがあります。
まず、ソックスです。
ソックスを選ぶときに重要なのは、その色です。
ソックスの色選びの基本は以下のとおりになります。
まず、靴と同色、または同系色。
次に、ボトムと同色、または同系色。
最後に、差し色、です。
これはタイツの色選びも同じです。
靴やボトムと同色にすることによって、
色による脚の切れ目が少なくなり、
脚がすっきり、長く見えます。
ですから、そういう効果をねらう場合は、
このどちらかにするといいでしょう。
もう一つの方法はソックスに差し色を入れる方法です。
たとえば、帽子、マフラー、バッグなどと同じ色を
ソックスにも使用します。
色だけでなく、
水玉のスカーフと水玉のソックス、
ストライプのマフラーとボーダーのソックスなどをあわせてもおしゃれです。
これはどちらかといえば、上級テクニックですが、
ソックスは気軽に取り入れやすいので、誰にでもでもできてお勧めです。
次に、素足にするか、ストッキングにするかの問題です。
足元を素足にすることにより、
抜け感が生まれます。
ストッキングも同じように肌色ではありますが、
抜け感という点では、やはり素肌にはかないません。
また、サンダルなどの場合、素足にきれいに塗られたネイルは、
それだけで美しいです。
ただ、あらたまった場においては、ストッキングのほうが好ましく思われるでしょう。
また、服装全体がコンサバだったなら、
素足よりはストッキングを選ぶのではないかと思います。
日本は靴を脱ぐ習慣がありますから、
どこかへ上がるとわかっているときは、
素足だと、やはり少し気まり悪いです。
(ただ、その場合はソックスを持参して、上がる前にはけば、その問題は解決します)
ただ、いくらファッションがコンサバとはいっても、
真夏のサンダルにストッキングは、少し暑苦しいと思います。
外国に行くと、肌色ストッキングをはいているのは日本人と思われているらしいですが、
暑いのにわざわざ肌色のストッキングというのは、
おしゃれかどうかという点では、少し落ちます。
ただ、これも、ストッキングをはかなければいけないルールがある会社などもあると思いますので、
その場合は、もちろんそれに従っておいたほうがよいでしょう。
真夏のストッキングではなく、寒い季節の、
黒いシアーのストッキングは、脚をより美しく見せてくれるので、
おしゃれ度は上がります。
真冬だからといって、どこでもいつでもマットなタイツをはくというのではなく、
全体のスタイルを見て、使い分けするとよいでしょう。
最後に、最近、ミニ丈のボトムが台頭してきたために、
よくはかれるようになったレギンスとトレンカです。
レギンスとトレンカのほとんどは黒ですが、
やはりこれも、どんなスタイルにでも黒いレギンス、トレンカでは、
おしゃれではありません。
ただ単に実用ではいているようにしか見えません。
特に、ソフトなシフォンのような素材のパステルカラーのふわふわしたミニスカートやホットパンツに、黒いトレンカは興ざめです。
レギンスやトレンカもソックスと同じように、
靴、またはボトムとつながるような色を選ぶときれいです。
だからといって、パステルカラーのトレンカというのもないでしょうから、
その場合、レギンスやトレンカはあきらめて、潔く脚を見せるか、
またはニーハイ・ソックスを選んだほうがよいでしょう。
逆に冬場などの、黒いミニスカートやホットパンツに黒いレギンスやトレンカは、
いろいろな意味で効果的です。
黒に黒をあわせることで、
脚にコンプレックスがある人でもかなり補正できますし、
人の目もごまかせます。
もちろん、腰から下が長く見えます。
「美は細部に宿る」と言います。
トータルでコーディネイトするためには、
細部までチェックしなくてはなりません。
それができていないと、つめが甘くなり、
完成度が低くなります。
紙の束の角をあわせるように、
足元の選択をきっちりすると、
全体が引き締まります。
ソックスやタイツは、決して高いものではありません。
手軽におしゃれを楽しめる、小さな部分です。
小さな部分を、手抜きせず、
きちんと丁寧につめていく。
その積み重ねが、おしゃれです。
2013年6月10日月曜日
カーディガン
今まで一度も着たことがないという方はいらっしゃらないと思います。
また、ファッションがコンサバでも、モードでも、
カーディガンの形やスタイルに大きな差はありません。
もちろん、中にはデザイン性の高い、
オーソドックスなカーディガンからは程遠いデザインのものもありますし、
時代によって、体に対するフィット加減は違いますが、
それでもなお、カーディガンというものは、
年齢を問わず、時代や流行を超えて、
誰でもが持っている、稀有なアイテムだと思います。
そんなカーディガンですが、なにがカーディガンかというと、
定義は簡単です。
ニットで前あきのもの、これだけです。
考案したのは、イギリスのカーディガン伯爵で、
カーディガンという名称は、この伯爵の名前が由来です。
ニットで前あきのものすべてがカーディガンなわけですが、
前あきの形はVネック、またはクルーネック、
そして、中には襟つきのものもあります。
また、ボタンもあるものと、ないものがありますが、
基本的にはボタンどめです。
袖は長袖がほとんどで、まれに半袖のものもあります。
あとは、そのときの流行のシルエットがあるのみで、
タイトなものもあれば、大きなものもあります。
デザイン性が高いものは、ないわけではありませんが、
ほかのアイテム、たとえばワンピースやジャケット、シャツほど、
大きくデザインされたものはあまり好まれません。
その理由は、カーディガンが、寒いときの羽織ものという位置づけにあるからだと思われます。
そのために、その羽織ものとしての機能が失われるようなデザインは嫌われます。
ですから、形のデザイン性よりも、たとえば色であるとか、刺繍による装飾などによって、
バラエティが作られています。
また、カーディガンは1年を通して使えるアイテムです。
真夏の日本でさえも、冷房の風から体を守るために、カーディガンは重宝します。
素材を変えれば、1年間、どんなときにも使えます。
そして、カーディガンは、そのボタンの存在により、ふつうのセーターより、
あらたまったイメージを醸し出します。
特に、ツインセットとしてカーディガンを着れば、より一層ノーブルになります。
1年じゅう使える、流行による変化があまりない、羽織ものとしての機能性、1枚でも着られる、
色のバラエティの豊かさがあるなど、
カーディガンは、白シャツと並ぶ、最強のアイテムの1つなのです。
そんなカーディガンですが、大人が選ぶとしたら何に注意したらよいでしょうか。
まずは素材です。
シンプルなデザインのカーディガンであればあるほど、
素材が目立ちます。
冬のカシミア、夏の海島綿など、上質な素材のものを選び、
丁寧に扱えば、何年も長持ちします。
買うときは、値段が高いと感じるかもしれませんが、
ごくごく普通のシンプルなものを選べば、結果的に、それは決して高くはない買い物です。
そして、次は色。
カーディガンは、自分がいつも使うメインの色のものを選ぶのもいいですし、
差し色の色を選ぶのもお勧めです。
肩にかけたり、腰にまいたりという、小物としての使い方もありますので、
そのときは、差し色のものを選ぶと、全体のコーディネイトが決まります。
そして、そんな上質なカーディガンをよりノーブルに着こなそうと思うのなら、
首元にシルクのスカーフや、パールやターコイズのネックレス、ダイヤモンドのペンダントなど、
やはり上質なアクセサリーを持ってくるとよいでしょう。
また、丁寧で豪華な刺繍などがされているものは、アクセサリーがなくても、
それだけで絵になります。
また、カーディガンはもちろんシャツの上に羽織ってもよいものですが、
シャツではなくて、女性が下着やキャミソールの上に直接、着ると、
それは男性にはできない着こなしであり、セクシーです。
カーディガンは、なんてこともないアイテムです。
子供から大人まで、男も、女でも、誰でも着ています。
そして、そんなカーディガンだからこそ、慎重に、じっくりと選んでほしいと思います。
なぜなら、ここにはパラドックスがあるからです。
誰でも着ているものだからこそ、誰とも違うように見せることができるということ。
簡単だからこそ、難しいということ。
男女の性別のないアイテムだから、より一層、女性らしく見えるということ。
まずは自分にぴったりのカーディガンを見つけましょう。
そして、その次の段階は、
上記のことを意識してみてください。
誰もが着ているもので、どれだけ自分を表現できるのか。
何の変哲もない形のいカーディガンを、どれだけおしゃれに見せることができるのか。
鏡の前でいろいろ試してみて、
自分なりの答えを見つけていきましょう。
簡単なようでいて、難しいです。
だけれども、その難しさに取り組んだ分だけ、それは自分の実力となります。
それをやってみたか、やらなかったかの差が、
おしゃれな人とそうでない人との差です。
おしゃれとは、結局のところ、知恵と勇気の結果です。
2013年6月3日月曜日
おしゃれ上級者への道とは
おしゃれ上級者のおしゃれには、決定的な違いがあります。
それは、どれだけデザイン性のある服を取り入れているか、ということです。
おしゃれ上級者のワードローブには、単なるシンプルではない、
デザイン性の高い美しい服が並びます。
ファッション業界とは関係のない一般の人は、
おしゃれの基本をきちんと守り、
シンプルな服を美しい色合いで着こなせれば、
それだけで十分におしゃれだし、美しいとわたしは思います。
また、特にそれ以上、おしゃれに力を入れる必要もないとも思います。
人生には、もっと重要な事項がたくさんありますから。
しかし、ある程度、おしゃれの基本を理解し、実際に実践できるようになって、
何か物足りない、もうちょっとおしゃれを楽しみたい、
そして上級へいきたいと思ったら、
ただのシンプルではない、デザイン性のある服を取り入れてみるのはいいことだと思います。
なぜならシンプルな服はどうしてもほかの人と同じ格好になりやすいという欠点があるからです。
白いシャツにブルー・ジーンズ、白いコンバースにトレンチコートは、
王道のスタイルではありますが、似たような格好をしている人はたくさんいます。
そこから抜け出し、より自分らしさを表現するためには、
デザイン性の高いアイテムを取り入れる必要性が出てきます。
コレクションに集まるファッション関係者を撮ったスナップ写真に見られるスタイルは、
シンプルでシックというよりは、
まさにこのデザイン性の高い服のみで構成された、おしゃれ上級者スタイルです。
彼女たちが競っているのは、その難しいアイテムをどれだけ自分らしく取り入れて、
着こなせるかどうかという点です。
ただ、ごく普通の一般の人が、ここまでやる必要はないと思いますし、
実際にパリ、ロンドン、ニューヨーク、東京といった都市でも、
そんな格好をしている人たちは、ほんとうにごく一部です。
あそこまではいかなくても、少しデザイン性の高いものを取り入れるだけで、
おしゃれの度合いは上がります。
では、その取り入れるべきデザイン性の高いアイテムは、どうやって選べばよいでしょうか。
その1つの方法は、世界的に有名なブランドのファッションを取り入れるというスタイル。
世界的に認知されているブランドが作りだす服は、それなりに完成度が高いものです。
もちろんすべて何でもいいというわけではありませんし、明らかな失敗作もありますが、
ある程度の基準はクリアしています。
そこから、自分がどうしても、理由もなく好きだと思うものを選びます。
価格にしても、デザインにしても、少し冒険になることとは思いますが、
まずは1点取り入れてみることから始めてみてください。
次に、別に有名ではないが、個性的なファッションを発表しているブランドのもので、
自分が好きなものを取り入れるというスタイル。
世界的に有名ブランドでなくても、デザイン性の高い服を扱っているブランドはあります。
そこは有名ではないので、雑誌にも取り上げられることは少ないでしょうし、
情報もあまりないため、自分でさがしに出かけなければなりませんが、
自分が気に入れば、そういった小さな、
しかしセンスのいいブランドのものを取り入れてみるというのもお勧めです。
しかし、何でもかんでもデザイン性の高いものを取り入れれば、
それでおしゃれになるというわけではありません。
世の中には、センスの悪いデザインの服を作っているデザイナーがたくさんいます。
意味のない、あり得ない、デザインや色合いの服も存在しています。
意味のないダーツ、意味のない切り替え、意味のない端の始末、
意味のないフリル、過剰な色合いなどなど、
デザイナーのエゴ丸出しな、着る人のことなど考えていない、
どうしようもないデザインの、下品な服がたくさんあります。
そんなものを着たところで、おしゃれには見えません。
ですから、そんなものを買ってしまわないためにも、
何よりもまず身につけるべきは、本物を見る目なのです。
いいものを見続けることによってしか、本物を見る目は養われません。
これは芸術でも、音楽でも、文学でも、骨董でも、何でも同じです。
ジャンクとフェイクに囲まれていたら、いつまでたっても、
ほんとうにいいものなど、わからないのです。
わからないから、単にブランドのロゴやマークが入っていればおしゃれであるという、
勘違いが起こります。
優れたデザインであることと、ブランドのロゴやマークが入っていることとは、
何の関係もありません。
最新流行を発信しているブランドの商品が、
ほんとうに優れたデザインである場合、
古くなっても、その優れたデザイン性は失われません。
半年たったら腐ってしまう流行ではなく、
その中には確かに、何年も着られる、完成度の高い美しいデザインのものがあります。
そういったものを選ぶためにも、
何億とある服の中から、美しいものを選ぶ審美眼を育てる必要があるのです。
おしゃれの基礎がマスターできたと思ったら、
どうぞ次のステップへ進んでみてください。
一朝一夕ではできません。
自分をよく知ることと同時に、世界の中に散らばって存在している美を見つける目を養うこと。
そして、自分とその美しいデザインとの間に、
よい関係を築いていくことがおしゃれ上級者への道です。
なんでも簡単にはできません。
読んで知っているだけではだめです。
見て、着て、さわって、袖を通して、経験しなくてはなりません。
そのたびにわかっていきます。
服というものを、
そして、自分という存在を。
2013年5月27日月曜日
みんなと同じ服
その集団に参加するために、制服着用は必須となります。
制服は学校、会社、団体、スポーツなど、いたるところで、その着用を義務づけられます。
もちろんそれを好んで着る人たちもいるでしょう。
しかし、その義務から離れても、
まだみなと同じ服を着るという行為は、なにを意味しているのでしょうか。
見渡せば、みなと同じ服を好んで着る人もいます。
誰からも強制されても、義務づけられてもいないのに、
あえてほかの人たちと同じ服を選ぶのです。
(それが誰の意思なのかまでは不明ですが)
それを見て、
これでは個性がないよ、もっとみんな個性を発揮した服を着ようよと、言うのは簡単です。
だけれども、ここには、こんな気軽なアドバイスではすまされない、
もっと深い何かがあると思うのです。
服装とは、自己表現であり、他人に与える印象、そしてメッセージです。
よく知らない相手の場合は特に、まず着ている服を見て、
その人がどんな人なのか、瞬時に、そして無意識に私たちは判断します。
制服を着ているときは、一目見て、その人が何の集団に属しているのかわかります。
それはもしかして、それを見た相手にある種の安心感や信頼感を与えるかもしれません。
制服を着てない人を見ると、私たちの判断基準は揺らぎます。
何を根拠にしていいのか、わからなくなります。
制服を脱いだ側からすると、制服を着ていたときのように、
相手に確固たる印象を与えることは不可能になります。
相手が自分を見てどう思うかについては、もはや自分のコントロールをこえています。
みなと同じ服を着るという行為は、このコントロールできなくなった相手に与える印象を、
何とかつなぎとめようとする行為のように思えます。
まず、同じもの、または同じようなものを着ることによって、
相手と同じだというメッセージを与えられます。
また、大多数に支持されているスタイルを自分もすることによって、
自分は決して時代に外れてはいないということも強調できます。
同じだよ、時代おくれってわけじゃないよ、知ってるよというメッセージを、
相手に与えることによって得られるのは、一種の安心感でしょう。
こうすれば、たぶん仲間はずれにはされないだろう。
ある程度のところまで、自分のことを認めてくれるだろう。
もちろん、これは意識的に行われるだけではなく、
無意識の選択です。
逆に、意識的に、ここまで戦略的に服を選ぶのは、きっとどこかの国のスパイでしょう。
みなと同じで、目立たなく、相手に受けいられるスタイル。
これは、本気で諜報活動をする人たちに必要な戦略です。
無意識で選んだものほど、その人の深層心理をあらわします。
言い分はいくらでもあります。
近所でそれしか売ってなかったから、安かったから、なんとなくいいと思ったから、
面倒だから、などなど。
スパイでないとしても、人生の一時期、そういった安心感を必要とする時期は、あると思います。
だから、それが一概に悪いとは思いません。
思いませんが、体型も髪形も顔も身長も違うそれぞれが同じ服を着るということには、
どこかしら無理があります。
もちろん好みだって違うはずです。
理由もなくこれが好きというものは、誰にだってあるでしょう。
それを全部飛び越えて、みなと同じ服を、もし着続けたとしたら、
その無理は、後になってモンスターとなり、その人を襲います。
その日は必ずやってきます。
原因不明の腰痛や肩こり、やる気のなさ、
何が好きだかわからない、人生に目標を持てない、
楽しいことがわからない、食べることが制御できない、
不毛の恋愛におぼれる、打算で結婚をするなど、
あらゆる形で、しかもその原因はまったく不明で、ある日、その人たちを襲います。
そうなってしまうと、そこから脱出するのは大変困難になります。
なぜならいつまでたっても、なにがそうなった原因なのか、わからないからです。
もし、無意識のうちにみなと同じ服を選ぶ自分がいたら、
まずはそのことに気づいてください。
そして、気づいた後は、そのことによって、自分は何が得られるのか、
考えてみてください。
安心感なのか、目立ちたくないという欲求が満たされるためなのか。
そこまでわかったら、なぜ同じ服による安心感が必要なのか、
なぜ目立つのが悪いのか、もう一歩進んで考えてみましょう。
何か過去に思い当たる出来事があるかもしれません。
まずは自分自身を理解することが先決です。
その上で、それでもなお、同じ服が必要なのだったら、
もう必要ないと思えるまで、そうしたらいいと思います。
けれども、少しでも違和感を感じるのであったら、
そこで、たとえば外から見えない部分に、ひとつでもいいので、
みなとは違うものを身につけたらいいと思います。
それはインナーかもしれませんし、シャツの下のペンダントかもしれません。
誰にも見せないのだったら、自分は何を選ぶのか。
誰も何も言わないのだったら、自分は何を着たいのか。
モテるとか、おしゃれとか、節約とか、安いからとか、
どこでも売っているからとか、太ってるからとか、スタイルがよくないとか、
そんなことを取っ払って、ほんとうに着たかったものは何なのか。
誰も批判をしない、あなただけのユートピアに住んでいるとしたら、
どんな服を着たいのか。
みなと同じ服を着てしまう自分がいたのなら、
これらを自分に問いかけてみましょう。
実際にはそんな服を着ないとしても、それを自分で知っていることは重要です。
なぜなら、それはあなたの魂やスピリットからのメッセージだからです。
そして、その中に、あなたが人生で真に満足できること、達成したいことのヒントが隠されています。
魂やスピリットは、あなたが選ぶ服を通して教えてくれます。
無視し続けてきた魂やスピリットのかすかな声を、
そろそろ聞いてあげてもよいころではないでしょうか。
手遅れになる前に。
魂とスピリットが死に絶える、その前に。