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2022年10月14日金曜日

消耗品と長もちするものを見極めよ

衣服の中には消耗品と長もちするものがあります。

ざっくり言うと、洗濯回数が多く劣化が早く進むものが消耗品、
洗濯回数が少なく、手入れすれば長く着られる、履ける、身に着けられるものが長もちするものです。

衣服は洗濯によって劣化します。
よって、洗濯回数の多い下着、肌着類は消耗品であるものがほとんどです。
もちろん、シルクのキャミソールのように、例外はあります。

一方、着用回数が多くても、洗濯回数が少ないコート、ジャケット類は
消耗品ではなく、長もちするものに分類されます。

また、素材の面からも消耗品と長もちするものを分ける必要があります。

例えばシルクや麻(リネン、ヘンプ、ラミー)は、
丁寧に扱えば、洗濯に耐えて長もちします。
また、ポリエステルは洗濯に非常に強いので、
どんなアイテムであっても、洗濯を何回しても、相当に長もちします。

一方、ポリウレタンは、どんなに丁寧に扱っても、
水、光、熱に弱いので、洗濯をしなくても、長もちさせることはできません。

そして貴金属のジュエリーや、革のベルト、皮のバッグなど、
皮革製品も手入れをすれば長もちします。

これらのことを考慮せずに、長もちしないものにお金をかけ、
長もちするものにお金をかけないでいると、
結局、どちらも長く使えないことになるでしょう。
その結果、ワードローブは貧弱になり、毎年何かしら買い足しても、
そのワードローブは砂の城のように脆弱で、
足もとから崩れ落ちていくような経験を、何度も繰り返すことでしょう。
渚近くの砂の城は、大きな波がやってきたら、瞬時に崩壊します。

長もちするアイテムは、ワードローブの基盤です。
しっかりした基盤の上でないと、立派なお城は完成しません。
幾らお金をかけたとしても、選択が間違っていれば、元の木阿弥です。

災害が起きたとき、守ってくれるのは基盤がしっかりしたお城です。
ぐらぐらで、すぐにも倒れてしまうような、やわなお城では役に立ちません。
あなたがクイーンやキングなら、災害に強いお城に住まないとね。

知らないままに買い物をすると、
2年後には崩壊してしまう高価な消耗品を買ってしまうことになりかねません。

この世は高価な消耗品であふれています。
気を付けないとね。

 何が長もちするのか、しないのか、見極める必要があります。
誰のため?
自分のためです。
何のため?
売る人よりも長く、美しくいるためです。


2022年10月5日水曜日

おしゃれをしたくてもできない問題

2020年からの新型コロナウイルスのまん延により、
不要不急の外出が随分長い間、制限されてきました。
残念ながら、2022年になってもまだ、ウイルスのまん延はおさまらず、
以前のように自由にどこへでも出かけたり、食事をすることはできません。
せいぜいできるのは、感染の様子を見ながら、感染者が少ない時期を見計らって、
できる範囲で出かけるのみです。

そんな日々を過ごすうち、多くの方が、自由にお出かけできないと、
おしゃれをしていく機会がめっきり減ってしまうものだということに気づいたと思います。

ごく普通の単調な毎日を過ごし、お出かけを控えると、
特におしゃれをする機会はなくなるのです。

またこれは住んでいるエリアによっても変わってきます。
洋服は西洋の街並みに似合うように設計されています。
日本の古都には着物が似合うように、西洋的な街並みに洋服は似合います。
そしてその街並みが美しければ美しければ、
おしゃれな装いが似合うようになっています。
それはパリの例を見ればわかることです。
美しいパリの街には、おしゃれな装いがとてもよく似合います。

西洋的な美しい街並みが少なければ少ないほど、
それに見合った、美しい服を着る機会もぐっと減ります。
毎日、田んぼの中の一本道を歩いているだけの生活、
あるいは車通勤で、勤務先で制服に着替える生活の中には、
おしゃれな服を着る機会がほとんどないでしょう。

ではどうしたらいいでしょうか。

おしゃれをしたいならば、それにふさわしい場所へ行くか、
またはそれにふさわしい機会を作るしかありません。
残念ながら、そのどちらも、待っているだけでは、向こうからはやってきません。

お出かけもままならなくなり、かつ住んでいるエリアに美しい街並みがなければ、
ますますおしゃれをする機会は減っていくでしょう。

素敵なレストランやカフェ、ホテルのラウンジに行ったり、
美術館や博物館を訪れたり、劇場やコンサートホールへ行ったり、
都会へお買い物へ行ったり、またはパーティーやイベントに行ったりと、
そんなことをしない限りは、おしゃれの機会もないまま、どんどん年月は過ぎていきます。

時間は有限です。
歩いているだけで倒れてしまいそうな真夏や、
コートを脱げない真冬、
台風や大雪など、自然によって好きな格好ができない時期もあります。
また、自分の体調や肉体の変化によっても、思うような服装をできない期間があります。

私たちが思っているよりも、人生の時間の中で、
おしゃれをして出かける時間はそう長くはないのです。
素敵な格好をしていた思い出というものは、そう多くはないのです。

2020年から2022年と、3年近くあらゆる機会を制限してきました。
これは必要なことですし、まだまだ続くことでしょう。
指の間から握った砂が零れ落ちるように、
私たちの「おしゃれをする時間」も失われていきました。

これ以上、失いたくなかったら、
それを自分で自分に与えるしかありません。

残念ながら、天のシナリオはそこまで用意してくれないの。

自分の人生の物語に、主人公がおしゃれをして出かけるシーンを自分で作らなければなりません。
それは換気のいいところでのパーティーや、
カフェのテラス席での待ち合わせかもしれません。
あるいはごく親しい間柄だけで集まって、「おうちでご飯」をする機会かもしれません。

待っていても来ません。
自分で動かないといけません。

時間と場所、肉体と経済、エネルギーと気持ち、
すべての条件が整うとき、本当に好きなおしゃれができます。

そんな条件が整うチャンスがあったら逃さないように。
思っているほど、チャンスは多くありません。
そのチャンスを逃し続ければ、きっと後悔するでしょう。

どれだけそのチャンスをつかめたかどうかは、ずっと後になってわかる日がきます。
それはあなたの記憶の中で輝いているものの数でわかるでしょう。

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2022年9月16日金曜日

おしゃれになるために本当に知るべきだったこと

多くの人がおしゃれになりたくて、
長い期間にわたって、何冊も、ファッション誌や女性誌を買い続けてきたでしょう。

それはファッション学校の学生がファッション誌を勉強のために買うのとは違います。
彼らは、それを買って見ることが自分のデザインするもの、作るものの参考になります。
時には、そこからルックをひとつ選んで、デザインを模写してみたり、実際にパターンを起こし、トワルを作ってみたりします。
また、流行についても知る必要がありますから、これは本当に勉強のためです。

もちろんその他の人も、ただ単に見る楽しみのためにファッション誌を買い続けていたでしょう。
だけれども、途中で気づかなかったでしょうか?
随分と長い間にわたって、何冊も買った割にはおしゃれの実力が上がったようには思えないと。
むしろこの使ったお金は、好きな服を1枚、2枚買ったほうがよかったのではないかと。

ファッション誌や女性誌、特に最近のものは、
読者が自力でおしゃれになるようには構成されていません。
それは『きょうの料理』のテキストのように、それを見て実際に作ってみれば、
おいしい料理が作れるものとは違うのです。

最近になればなるほど、それはどちらかというとカタログで、
あくまで次のお買い物の選択肢の提示です。
そのため、もう売られていない過去のもの、ほとんど手に入らないような作家のものは載っていません。
なぜなら、それではお買い物の提案にはならないからです。

それはちょっとした読み物つきのカタログとして楽しむには適していますが、
自力でできるためのテキストではなかったのです。

ではおしゃれになるために本当に知るべきだったのはなんなのでしょうか。

それはおしゃれな人の行動パターンです。
買い物の仕方、選択の仕方、情報の取り入れ方、ワードローブの構成の仕方など、
その行動様式がわからないと、おしゃれという結果は得られないのです。

そこで皆さんは思うでしょう。
雑誌にもおしゃれな人の服やお買い物が出ていたわ、と。
確かに雑誌には、エディター、スタイリスト、ブランドのファウンダーのお買い物が掲載されていました。

けれども、よく考えてください。
その方たちはそれらをどうやって手に入れていますか?
すべてのものをショップに行って、普通に買ったわけではないでしょう。
もらったもの、
借りたもの、
定価の何掛けかで買ったもの、
社販で買ったもの、
ブランドのサンプル、すべて入っています。

それらは真似しようとしても、似たような職業の人でない限り、真似することはできません。
そして真似できないような行動パターンの人を知ったところで、自分はどうにもできないのです。
それは肌のきれいな美容研究家のルーティーンに使われている化粧品や、
1ヵ月に行うお手入れをすべて真似できないのと同じです。
あの方たちはそれで仕事をしています。
参考にするものが間違っているのです。

参考にすべきなのは、
自分でも実際に真似できるおしゃれな人の行動パターンです。
真似できるお買い物の方法、真似できる情報の収集の仕方、真似できるワードローブの作り方です。
本当に知るべきだったのはそこなのです。
そしてそれは、ファッション誌にも女性誌にも載ってはいなかったのです。
なぜなら、それではカタログの役目を果たさないから。

勘違いしてほしくないのは、
雑誌は買わないほうがいいと言っているのではないということ。
ただそれは、目的が違うということを言っています。

さて、気づいたのなら、今から修正すればいいでしょう。
遅過ぎることはありません。
自分にぴったりフィットした、自分にもできそうなことをしているおしゃれな人を見つけて、行動パターンを教えてもらい、真似すればいいでしょう。

本当に知るべきだったのは、おしゃれに見える人の行動、
つまり買い方、
情報の集め方、
ワードローブ構成、
毎日のスタイリングの仕方です。

行動を変えれば、結果も変わります。
雑誌を見ていただけで変わらなかったと気づいたら、それを変えればいいのです。

新しい行動パターンを身に着けたなら、
結果はおのずとついてくるでしょう。
それは誰の目にも明らかです。

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こんな方々に最適です。

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・毎日のスタイリングが楽になった。
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などです。

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2022年8月19日金曜日

備えあれば憂いなし

被服費として使えるお金が少なくなると、
おのずとおしゃれに関する関心は薄れ、
だんだんどうでもよくなってくるのが人間の心理でしょう。

感覚として感じていたおしゃれに関する関心の低下は、
家計調査によって、被服費の大幅な減少という数字の上でも明らかにされています。
(一方、美容にかけるお金はふえています)

私は2010年よりファッションレッスンというオリジナルメソッドによるレッスンを教えています。
その中で、洋服はいつだって未来の自分が着るために買うものだから、
未来を想像して買ってください、
そして長もちする服と消耗品とをきちんと分けて、
長もちする服はお金をかけるようにしてください、
と伝えています。

それを実践してくださった生徒の皆さんに、今どんな状況か聞いてみました。
聞いてみた方全員、習ったときに買い方を変えておいてよかった、
長もちするものはクオリティが高く、長く着られるものを選んでおいたので、
今、新しいものを買えなくても大丈夫、おしゃれができるという答えをいただきました。

刹那的に、今そのときだけの気分で買っていると、
そのシーズンはいいけれども、結局捨てることになるものばかりがふえます。
また、同じような買い方が続けられなくなったとき、
いきなり着るものがなくなり、困ってしまいます。

だけれども、備えておけば大丈夫。
お金をたくさん使えないときでも、今あるものを使っておしゃれをすることは可能。
それにプラスして、リフォームしたりリメイクしたり、
シェアしたり、交換したりすれば、
お金をかけずとも、新しい気分も取り入れられます。

過去のやり方がよくなかったなら、
今からやり方を変えればいいだけ。

どんどん成長してサイズアウトしていく子供以外の人にとっては、
下着やカットソー以外の服は消耗品ではなく、耐久消費財。
それを消耗品として扱ったこと、
そしてその方法が最上だと信じたことがそもそもの間違いの原因です。
多くの人が服を消耗品として、そして情報として消費しました。
その結果もたらされたのが今の現状、
つまり、おしゃれがどうでもよくなった、
またはおしゃれができない大人がふえてしまったということです。
(まあ、その方法は既に破綻していたのに、誰も教えてくれなかったからやめられなかったわけなので、自分を責めないでもよし)

今からでも遅くないので、
将来に備えたお買い物の仕方に変えて、
備えがあるワードローブを構築しましょう。

備えておくべきなのは、裏切りではなく、将来にわたって信頼できるチーム、
そして、一生あなたの役に立つ基本的な知識と知恵と工夫です。

2022年7月24日日曜日

あなたの欲しい結果は何?

看護師は看護するために、
消防士は灯を消すために、
花嫁は結婚式を格式高くするために、
役者はその役になりきるために
着るものを利用します。

看護師は看護しやすいように、
消防士は自分が火でやけどしないように、
花嫁は、自分が美しく見えるように、
役者は、あたかもその役になりきったかように見せるために、
衣装を選びます。

ほとんどの場合、着るものにはその目的があります。
家でリラックスしたいなら、リラックスするため、
夜寝るときはぐっすり眠るため、
という目的があり、
それに反して、リラックスしたいときに窮屈な服を着たり、
ぐっすり眠りたいのに、夜中に目覚めてしまうような堅苦しいジャケットを
着ることを、普通はしません。

普通は。
そう、普通はね。
でも、普通でない人は、それをします。

高級なレストランへ行くのに、「近所のコンビニへお買い物ルック」で出かけたり、
信用してもらわなければいけない場に、「休日、家でくつろぐお父さんルック」であらわれたりします。
その結果、それを見た相手の脳内では、
あなたのファイルに「関係ない人」「買わないお客」「信用に値しない人」などと新しく名前をつけられて、保存されることになります。

自分に目的があって、
その目的を達成できるのに不向きな衣装を選んだなら、
その人はきっと落胆するでしょう。
なぜみんな、私を丁寧に扱ってくれないの?
なぜ信用してくれないんだと、憤るかもしれません。

Tシャツにウエストゴムのスエットパンツは、
スポーツをするときや、家でくつろぐには適しています。
もちろん海辺の散歩もOKです。
なぜなら、そのときの目的は楽でくつろぎたいから。

だけれども、それ以外の目的があるのなら、
あなたのその目的を達成するために着るものを選ばなければ、
あなたは永遠に失望したり、落胆したり、憤慨したり、恥ずかしさで打ちのめされたりするでしょう。

時には誰かにおしゃれに思われたり、
自分が気分よくいる以上に、大事な目的があります。
仕事が欲しくて面接を受けたり、
大きなお買い物をするときなどは、それにふさわしい装いをすることによって、
目的達成に近づきます。

街ですれ違う人、みんなそれぞれ目的も、欲しい結果も違います。
ですから、着るものも違って当然です。
住むところ、年齢、社会的立場、朝と夜といった、
条件によっても変わってきます。

欲しい結果はなんなのか?
自分に問いかけてみるといいでしょう。
あ、なんか違うな、と思ったら、
着替えてみて。
または、ワードローブを構築し直してみて。

あなたのその服が失敗に貢献しないように、
服、靴、バッグはあなたの下僕だということを
決して忘れないように。
そうしないと、この下僕たちが総動員して、
主人公のあなたの目的達成を阻止しますからね!

 

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・毎日のスタイリングが楽になった。
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2022年6月17日金曜日

失われた30年に生まれた若者のみんなにお勧めするワードローブの作り方

若いみんな、元気?
若いみんなっていうのは、そうね、20代から30代前半ぐらいよね。
この世代どういう世代かというと、日本がどんどん下り坂になっていって、
いいときを経験したことがない世代だよね。
どんどん下り坂を下っていく大きな列車に乗っていて、
外の景色はだんだんみすぼらしいものになっていくのにさ、
夢を持てとか、好きなものを見つけろって言われたって、
そんなの無理じゃない?
とりあえず、借金しないでやっていくだけで精一杯で、
人によっては奨学金という名前の借金があって、
生きているだけで褒めてくれって、感じよね。
私もそう思うわ。

私が20代だったころの1990年代の日本の若者たちのおしゃれ状況と、
今って、全然違うもの。
今でも覚えているわ、1990年代の表参道の様子。
この前、パリコレで発表されたばっかりのルックを、上から下まで全部そのままの、
20代から30代がぞろぞろ歩いていたわよ。
そうよ、あのマックスマーラの交差点のあたりよ。
私らの定番の待ち合わせ場所はスパイラルの2階の行く途中の椅子のところだったので、
あそこら辺はよく歩いていたわけよ。
仕事場も近かったしね。

何が違うかって、あのころは夢があったわ。
私も、30歳になったらきっと、好きな服を好きなだけ買えるんだわ!
働いてさえいれば!
って純粋に信じていたわ。
(ところがそんな夢はその後、はかなく砕けるんだけどね)
でも、今はそんな夢、持てないよね。

さて、そんな夢なんて持てない、
お金も大してない、
時間も足りない、
だけれどもなんか着なくちゃいけない、
しかもちょっとおしゃれに見せたい。
そんなみんなにお勧めなワードローブの作り方があるわよ。

それは、最初に決めてしまうことよ。
決めるのは以下のこと。
・買う場所
・買うブランド
・色
・枚数

もうこれを最初から決めちゃうのよ。
まずは買う場所。
いろいろなところで買うと、結構時間もかかるのよ。
行くにしても交通費がかかるし。
だから、買いに行く場所を2,3か所に限定して、もうそこだけで買うと決める。
もちろんほかにもあるかもしれないけれども、そこのところは潔くあきらめる。
探し出したらきりがないからね。
時間がもったいない人は、特にこれを先に決めておくといいよ。

次、買うブランドを決める。
もうさ、いつも同じブランドのものを買うって決めるの。
そうすれば、色合わせも、デザインも、サイズ感も、
いろいろブランドが違うたびに考えないですむから。
一つのブランドじゃなくてもいいけれども、少なければ少ないほど労力は少なくてすむ。
同じブランドものだけ買えば、ほとんどどんなものも組み合わせてOKよ。
「コーデ」とか言って、悩む必要がなくなるわ。
それだけじゃない。
情報を集めるときも便利だよね。
そのブランドのセールの情報だけ追っていけばいいんだから。
(そうそう、大したお金もないのに定価で買うことないよ。
無理しないでね)
ブランドを決めたら、そこの中古を買ったっていいわけよ。
メルカリで探せるよね。
サイズもわかっているし、買うのは簡単だよ。

次に、色を決める。
基本的に、西洋の衣服って3色以内で着ておけばOKというルールがあるわけ。
もうこれは現にあるので、文句言っても仕方ないの。
だから、自分が着る色を最初に決めちゃうの。
特に基本の色は、黒、ネイビー、ベージュだから、
ここら辺を基本に、あとは何色を着るか決めて、自分のワードローブもその色だけで統一しちゃうの。
ちなみに、私は基本の3色+2色を推奨してるけれど、
これでも多いかもね。
少なければ少ないほど、毎日のコーディネートは簡単よ。
これでブランドも同じなら、毎日考えるのは今日は暑いか、寒いかとか、
雨とか雪とか、そんな天気の問題になるからね。

最後に、枚数を決める。
自分が持っていていい枚数を最初に決めておこうよ。
少ないほうがメンテナンスが楽だよ。
基本、1週間分のコーディネートができればOK。
大体、他人なんて、それほど人の服なんて気にしちゃいない。
みんな、それぞれ自分の悩み事で忙しいからね。
みんなだって、そうでしょ?
お隣に座ってた人がおととい何着てたかなんて、大抵覚えてないよ。
まあ、そんなもん。

枚数を数えるのが面倒なら、自分のタンスに入る分だけという、
体積で決めたらいいよね。
とにかく、しまえないほど持たないこと。
よほど大きい家にでも住んでない限り、入れるところは限られるだろうから、
何百枚なんてことにはならないと思うよ。
(もちろん大きな家に住んでる人は別だよ)

今の日本は夏と冬が長いから、そのシーズンのものはちょっと多め。
だけれども、春と秋は短いから、
春だけとか秋だけにしか着られないものは買わないほうがいいよ。
あと、例えばジーンズばっかり買う人もいるけれども、
他人から見たら、いつもジーンズの人に見えるだけだから、
同じものばかりたくさん持つのもお勧めできないな。

こんなふうに自分のワードローブを作ってみてほしいな。
最初の1年はちょっと面倒で、大変かもしれないけれども、
2年目、3年目以降は、ものすごく楽になるよ。
何がって? 
まず毎日あれこれ何を着たらいいか考えなくていいってこと。
それから買うのが楽ちんということ。
それから、これは選んだブランドにもよるけれども、
いろいろなところで買うよりも、たぶん使うお金は減ってるよ。
あとたぶんこれでおしゃれにも見えてるよ。
(別にいつもおしゃれである必要なんかないよ。
だってそれは、趣味の問題だからね)

ブランドを選ぶときは、「使い捨て」が前提で服を作っているところは避けてね。
そんな「使い捨て」に付き合ってるほど、我々も地球も余裕はないからね。
そして、要らなくなったら、メルカリで売れるようなブランドを選んで。
ああ、そうね、そんなこと、今の20代ならわかってるね!

あと、そうだな。
アドバイスがあるとしたら、
あれこれ自分の買ったものを自慢しているインスタやYouTubeはあんまり見ないほうがいいよ。
あれはメンタルヘルスによくないよ。
どうせ実生活では会わないんだから、関係ない人だし。

こんなふうにして、
余裕ができたお金と時間、そして気持ちは、
何か有意義なことに使ってほしいな。
今有意義なことに使ったお金と時間は、
後々にとても役に立つってことは、私が保証するよ。
私だって、20代のときに習ったファッションや料理、哲学、
そして見に行った美術展やライブやダンスのおかげで、今こうやって文章をみんなに読んでもらえるようになったからね。
(具体的に言うとさ、文化服装学院で勉強したり、お料理をコルドンブルーで習ったり、
ピナ・バウシュのダンスを見たり、デヴィッド・ボウイのライブに行ったり、
マンレイの写真展に行ったりとか、そういうことよ)

それは誰にも奪えない自分だけの宝物になるから。
そんな自分だけの宝物作りのために、
時間とお金と体力と気力を使ってね。

将来のあなたを助けてくれるのはさ、
どうでもいい今シーズンだけ着られる服や、
なんとなくながめていたインスタやYouTubeの中の誰かじゃないよ。
自分で行ったところ、やったこと、習ったこと、知ったこと、勉強したこと、
こういうものから作られた目には見えない宝物だよ。

そのことを忘れないでね!

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2022年5月29日日曜日

あなたが買えなくなったときは

日本語では、生活全般についてあらわすときに「衣食住」という言葉を使います。
衣は衣服の衣、
食は食べ物の食、
住は、家全体を含めた住環境の住です。

この言葉を聞くと、衣食住の中では衣服の衣が最も重要性があるように思えますが、
実際に、そんなことはありません。
たぶん多くの人にとって、衣は生活の中で最も大事なもの、価値があるもの、お金をかけるべきものではないでしょう。

生活に最低限必要なのは、衣や食だけではなく、水道やガス、電気といったエネルギー、
そして移動のためのガソリン代や交通にかかる費用などがあります。

食べるものや、水道や電気、ガス、そして交通費は削りたくても削れないものであり、
それなしには生きていけません。

生活費が家計を圧迫するとき、手っ取り早く削ることができるのは被服費でしょう。
理由は、赤ちゃんでもない限り、もう既にある程度の服、靴、バッグを持っているからです。

さて、私は今まで書籍その他を通じて、お金をかけないおしゃれの方法についてシェアしてきました。

具体的にできることは以下のとおりです。

・セカンドハンドや古着を買う。
・誰かと服、靴、バッグをシェアする。
・誰かと服を交換する。
・リメイクする。

さまざまなモノの値段が値上がり、
可処分所得がふえないのなら、私たちは何か対処しなければなりません。
しかもかなりの本気具合で。

ここで浮上してくるのが「買わない」という選択肢です。
誰かから借りる、交換する、リメイクするの3点がそれに当たります。

同じものをいつも着ていると飽きてしまうのは人間の性なので仕方ありません。
飽きるあなたを誰も責めることはできません。
以前はその飽きを新しく何か購入することで解消してきた人も多いでしょう。
しかし、それができなくなった今、ほかの方法を考える必要があります。

誰かから借りる、あるいは交換するためには、
それができる相手が必要になります。
多くは家族、あるいは仲のいい友達がその相手になり得るでしょう。
サイズや好みが同じで、シェア、あるいは交換できそうな相手がいる場合、
まずは自分から提案してみてはいかがでしょうか。

もう一つのリメイクは、例えば丈を短くする、あるいは何か付け足すなど、
いろいろ考えられますが、普段から縫物をしない方にとっては、
少々ハードルが高いものになります。
それでも、家庭科の時間を思い出して、できる範囲で何かしらしてみるのは価値があることです。
幸い、洋裁に必要な道具も、材料も通販で簡単に手に入りますから、
どうせ捨てるしかないものがあるのなら、
長袖を半袖にとか、ワンピースをスカートになど、
長かったものを短くする、のように、
簡単なリメイクを試してみるといいでしょう。
短くするだけなら、接着テープで貼るだけでもできるので、縫物が苦手でもできます。

そうする過程で、多くの人が気づくでしょう。
たくさんあるように見えた服なのに、
新しいものを買えなくなったとき、何も着るものがないと感じるようになるのか、と。

それは、新しさだけに価値がある、
生鮮食料品のようなものを買い続けてきたからです。
トマトやりんご、お刺身は数日たてば、腐って「食べられない」ものになります。
それと同じように、新しさだけに価値がある服、靴、バッグは、
ほんの半年、あるいは1年で、鮮度がなくなり、
気分的に「着られない」ものになります。

結局のところ、
最もお金がかからないのは、
長く着られるいいものです。

いいものとは素材、縫製、パターンがよく、
年月に耐えることができるデザインのものです。
それは雑誌に載っている「今年のマストアイテム」のように、新しさにだけ価値があるようなものではありません。

何回もの洗濯に耐え、
着ていてほつれることなく、中から見ても丁寧な始末がされていて、
着ていると、自分のスタイルがよくなったのかと錯覚するほどのパターンで、
もう何年も着ているのに古臭さを感じないデザインのもの、
そういうものを常日頃から探し出して、集めていくこと。
そういったあなたのチームのような服、靴、バッグがあれば、
買えない時期も乗り越えることができます。

いいものは、買う当初は少々お値段が高い可能性はありますが、
最終的には、こちらのほうがお金がかからないのは、
私が長年、観察をしてわかった結論です。
この結論は、それに気づいて何年もたった今でも変わりません。

同じ失敗を繰り返さないために今できるのは、
工夫をして、買えない時期を乗り越えつつ、
未来の自分のために、
 困ったときにあなたを助けてくれる、信頼できるバディのような、ワードローブを構築することです。

※お金をかけないでおしゃれをする詳しい方法については拙著『お金をかけずにシックなおしゃれ 21世紀のチープシック』KADOKAWAをごらんください。