先日、待ち合わせより早めに藤沢駅に着いてしまったため、
雑誌やネットばかり見てないで、たまには市場調査してみるか、ということで、近辺のデパートの婦人服売り場へ行ってみることにしました。
ぐるっと回ってみての感想は、
「あら、何なのこれ?これじゃ、全然買うものないじゃない」というものでした。
(もちろんこの後、あなた、初めから買う気、全然ないでしょう、はい、そうでした~という自分への突っ込みが入ります。)
2012年6月現在、流行の転換期の真っただ中です。
実はもう前の流行は終わっているのですが、実際の売り場はそうなっていません。
これはどうしてなんでしょう。
デパートの婦人服売り場の多くは、大手アパレル企業の商品です。
そういった企業は、たぶんですが、マーケティングをもとに商品を作っています。
ほとんどのマーケティングというのは、過去のデータに基づいての未来予測です。
ですから、いつでも過去の延長線上になります。
本当に優れたデザイナーは、過去のデータの集積によってデザインしません。
イメージソースとして、どこかの時代のファッションを調べたり、誰かをアイコンにすることはあるでしょうが、データからはデザインしないのです。
彼らがやるのは、未来のイメージの先取りです。
今、婦人服売り場で売られている服は過去の延長線上にあるものがほとんどです。
でも、私たちの気分はもう変わってしまいました。
だから、過去の延長線上にあるものでは、もう素敵に見えません。
今の時代、洋服が古くなった、もう着られないという言葉の意味は、
物理的に古いものになったとか、擦り切れたり、穴があいたりしてだめになったから着られないというより、そのものが、もう今の気分ではなくなった、流行として古臭く思えるようになった、
ということを意味することのほうが多いと思います。
まだものとしては着られる、だけれども、気分はもう着たくはない。
しかし、今売られているものは、新品のものでさえ、何となく着たい気分になれないものが多いのです。このことが、買うものがない、という感想を抱かせます。
これはたとえるならこんな感じです。
あと3カ月で卒業する小学校6年生の女の子がいるとします。
洋服を買いにくのはいつもの小学生用の服が売っているお店です。
買っても構いません。
だけれども、その服は、今買ったとしても、もうあと3カ月ぐらいで着なくなる可能性が大いにあるのです。
なぜなら、4月になったら中学生になって、もう小学生みたいな服は着なくなるとわかっているからです。
中学生になったら、中学生っぽい服を全部そろえたいのです。
まだこの服、着られるよと言っても、もう着なくなるであろうことは、目に見えています。
それで、私は今まで、これからはロマンチックだとか、魚座的だとか、いろいろ書いてきましたが、
具体的にどうだということを示してきませんでした。
日本だったらどうだろうかと思って、いきついたのが、冒頭のきゃりーぱみゅぱみゅです。
彼女のファッションの過剰なところ、無駄が多いところ、反機能的なところ、色使い、そしてロマンチックなところ、これからのファッションアイコンであることは間違いないです。そして、この傾向は当分続きます。
でも、大人には、これはちょっと参考にはなりませんね。
で、これをもっと高度なモードに昇華させたのが、シャネルの2012年、夏のクルーズコレクションです。http://chanel-news.chanel.com/ja_JP/(このページのバックナンバーにベルサイユでのコレクションの様子があります。)
来年以降、この波は大きくなって、一般の市場にやってきます。
今、私たちは、まさに次の段階に移ろうとしています。
そんなとき、前の流行の残滓でできた服を買っても、すぐ嫌になるであろうということは目に見えています。
では、どういう買い物の仕方をしたらよいでしょう。
買うとしたら、こんな感じです。
・時代の流れを的確にキャッチしているデザイナーがデザインしているブランドのものを買う。
それなら新しい流れを表現できているので、これからすぐ古くなるということはありません。
・流行に関係なく、いつも同じテイストのものを作り続けているブランドで、しかもそれが自分の好みにぴったり合う。
こちらも問題なし。流行より、好きのほうが勝ります。
・シンプルな定番のものを買う。
といっても、これも本当は流行によって開き具合やゆとりは変わってきます。けれども、デザインものよりはましです。
・絶対にやるべきでないのは、大物をたくさん買うこと。コート、ジャケット、スーツなど、一度にすべてそろえる買い方は、今年はやめておきましょう。後で痛い目を見ます。
こんな感じです。
逆にお勧めなのは、買い物で付け足すのではなく、ワードローブの大幅な見直し。
1年とは言いませんが、3年も着なかったものは、もう着ないでしょう。
2012年の3年前と、2000年の3年前とは意味が違います。
来年になったら、それらは驚くほど古臭く見えるでしょう。
時代の流れに敏感な人たちは、もう気付いています。
今までの考え方が、もう通用しないということ。
ガムテープやセロテープでかろうじてごまかしていますが、
もう崩壊しています。
時代の流れは止められません。
これを完全に無視すると、
あなたにも見覚えがある、いつまでも若かりし頃のメイクとスタイルを貫き通す、
時代遅れの、一昔前の人になってしまうでしょう。
スタイルにこだわり続けると、動けなくなってしまいます。
自分の芯は持ちつつ、スタイルにはこだわらない、それが若さの秘訣です。
過去のデータから未来を予測するのはやめましょう。
私たちがすべきなのは、未来の情報を今の自分に取りいれること。
どうすればいいかって?
リラックスして、楽しいことを思い浮かべれば、あなたは簡単にそこへたどりつけます。
その状態で買い物に出かければ、あなたにもわかるでしょう、
未来には何が必要で、何が必要でないかが。
☆今日は動画を初めてはってみました。このブログ、海外の方もたくさん見ていらっしゃって、ご存じない方もいるかと思いまして。
きゃりたんは、キャリアウーマンなどもはや幻想だと知ってしまった世代のアイコンですね。
実は、こういう力が未来を変えることができるんです。