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2025年8月30日土曜日

手持ちのジュエリーを活用しましょう

 

さて、皆さんは金(ゴールド)の価格がどれだけ変わったか、御存知でしょうか。

2000年、1グラム当たり966円だったゴールドは
2010年には、1グラム当たり3,446円
2020年には、1グラム当たり6,070円
そして2026年1月の買取価格は1グラム当たり29628円になっています。
2000年から見ると、金は30倍近くの価格になりました。

※引用元はこちら https://ecodb.net/commodity/gold.html

 https://gold.tanaka.co.jp/index.php

一方、日本の可処分所得はこの30年で逆に減っていますから、
2000年前後なら、気軽に買えたゴールドのジュエリーも、
今では大変高価なものとなってしまいました。 
特に2000年以降の5年間での値上がりが激しいのは、円安が原因です。
円の価値は下がりましたが、ゴールドの価値は上がり続けているのです。

さて、大人になればなるほど、装いにジュエリーを足したくなるもの。
それはジュエリーが地位の証でもあるのと同時に、
大人の肌にふさわしいからでしょう。

しかし、今からゴールドのジュエリーを買うのは大変です。
簡単に買える人は、お金に余裕のある方々です。

本物のゴールドの値上がりとともに、
金属にメッキしたアクセサリーの商品もふえてきました。
しかし、残念ながら、それらの輝きは長くは続きません。
使用すればメッキははがれます。

それではどうしたらいいでしょうか。

できることは2つあります。
まず一つは、既に持っているジュエリーのリフォームです。
ある程度の大人なら、若いころに買ったジュエリーが何かしらあるでしょう。
または、親世代から受け継いだものがあるかもしれません。
その中で使えそうなものをリメイクするのです。

簡単なのは、パールのネックレスのリフォームです。
上の写真のように、糸がえのときにバロックパールを足して、
留め具をマンテルにするだけで、
日常使いできるカジュアルなパールネックレスに変わります。
この程度のリフォームなら、
メッキのアクセサリーを買うよりも安くすみます。
そのほかのアイデアは、メゾンのコレクションを参考にするといいでしょう。 

もう一つは、
もう既に持っているジュエリーを売って、今風のジュエリーを買うことです。
残念ながら、ジュエリーデザインにも流行があります。
昔買ったもの、
あるいは、親世代から受け継いだものは古臭くて今では使えないかもしれません。

けれども、ゴールドやプラチナなら、今この価格で売ることができます。
プラチナも価格に変動がありますが、
ゴールドほど高価ではありません。
古いゴールドをいくつか売って、今から使えるデザインのものをかわりに買う
というのも一つの手です。

私も先日、90年代に買ったゴールドのジュエリーを全部売って、
そのお金で新たに今使えるジュエリーを買いました。

もちろんゴールドは持っていれば、その価値は続きます。
価格変動はあるでしょうけれども、
価値がなくなるということは、たぶんこれを読んでいる人が生きている間はないでしょう。

しかし、ただ持っているだけで使わないのなら、
使える形にしておくというのも、いい方法だと思います。
実際、私も新しく買ったジュエリーを日常的に着用しています。

大人であればあるほど、本物の輝きがふさわしくなります。
すぐに輝くなるメッキのアクセサリーでお茶を濁すのはやめて、
大事なお金は本物に使いましょう。

本物だけが、長い友達になれます。 
本物だけが、本物の人にふさわしいのです。

 

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2025年5月22日木曜日

ライフサイクル、流行サイクル

私たちが服、靴、バッグを買う場合、考えなければならない2つのサイクルがあります。
それがライフサイクルと流行サイクルです。

流行サイクルとは、流行の変遷です。
それは主にシルエットと色によって変化します。
タイトシルエット、ビッグシルエット、タイトとビッグの混合シルエット、
タイトでもビッグでもないバランスのとれたシルエット、
この繰り返しです。

それと一緒に色の流行があります。
黒、茶、白、ベージュなど洋服に使われるベーシックな色だけが流行る時代
ヴィヴィッドで、明度、彩度とも高い色が流行る時代、
天然にある色であるアースカラーが流行る時代、
最近まで続いた、すべてがグレイッシュな色の時代など、
その時代を表現する色があります。
どんな色が流行ったか知りたいときは、自分のアルバムを振り返ってみればわかります。
子供のころに着ていた服の色と今の服の色は違っていることが多いでしょう。

一方、そのサイクルとは別に個人のライフサイクルの変化もあります。
自分の稼いだお金で、自分自身の選択で服を買い、トライアルしていく20代
だんだんと自分の好みがわかってきて、取捨選択していく30代
それまで買わなかった、あるいは買えなかったクオリティの高いものを少しずつ貯めていく40代
徐々に流行に左右される分が減り、自分のスタイルが確立していく50代
これまで買い貯めたワードローブを中心に使って、
もうこれ以上ふやさないワードローブへとかえていく60代というように、
それぞれの年代でワードローブのテーマが変わっていきます。

また、一般的には、年齢が上がるほどクオリティが高いもの、
つまり価格(定価)が高いもののほうが似合うように服は作られているため、
年代によって使う予算も変わります。
20代以降ずっと同じように服、靴、バッグを買うというわけにはいきません。

自分のワードローブを構築するときは、
この2つのサイクルを考える必要があります。
流行サイクルがよくわからないまま新しいものを買ってしまうと、後々着なくなる可能性も出てきます。
例えば、もう次の流行はビッグシルエットだとなったときに、
タイトなシルエットの高価なトレンチコートを買ってしまった場合、
モノとしては何も傷んでいないのに、
そのコートが流行のシルエットではないために、
着て出かけるのがためらわれる場合もあるでしょう。

流行サイクルよりも大事なのは自分のライフサイクルです。
年代によって使える予算も違います。
また、着ることができる服も変わってきます。

この2つのサイクルのすり合わせに失敗すると、
年をとってからつらくなります。
日本の場合、年齢が上がるにつれ被服費に使える予算は少なくなっていきますので、
ふと気づいたときには着るものがないと同時に、
新しく買うことも困難になってしまうということが起こり得ます。
(実際に起こっている方を数名見かけました)

そうならないためにやるべきなのは、
ブランドのインスタやHP、店舗をチェックすることによる流行の定点観測、
そして、自分のワードローブプランを作ることです。

将来のことなど考えないでお買い物ができるのは20代まで。
それ以降、特に40代以降は、ただ買って捨ててを繰り返していたら、
50代以降、着るものがない、と感じる場面がふえていくでしょう。

どこに住んでいるのか、
どこの場面でおしゃれをしたいのか、
最終的にはどういう状態になりたいのか、
それを確認し、知ることができるのは自分自身だけです。

ずっと同じように買い物はできません。
自分自身も変わっていきます。
その変化を前提に、自分のワードローブを構築しましょう。
受け身ではなく、能動的に自分に必要なものを選択してください。
選択権を決して他人に渡さないように。

 

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2024年11月12日火曜日

危険な衣服

昭和の時代に「危険なふたり」という歌があったなどと思いつつ、
あれは大して危険ではなかったと、危険な衣服に比べれば、と思います。

ファストファッションの出現、拡大に伴って、
安い衣服を人々が買うようになりました。
安い衣服は、あらゆる側面において安く作られています。
その安さの一つが素材です。
安い素材の多くは石油由来の素材です。
石油から灯油が作られるのは皆さんもご存知でしょう。
要するに、火がつくと燃えやすいのです。
灯油、ガソリン、軽油、よく燃えます。

そのよく燃える灯油やガソリンと同じ原材料で安価な衣服は作られています。
代表的なものはポリエステル、ナイロン、アクリルです。
カーテンを作るような難燃素材でなければ、
ポリエステル、ナイロン、アクリルはよく燃えます。
例えばキッチンで、試しに少しだけポリエステルを燃やしてみるといいでしょう。
燃える前に溶けていく、ということがわかります。

IHコンロをお使いの家庭も随分と増えましたけれども、
まだまだガスを使って調理をしているご家庭も多いと思います。
シェフやその他調理人は、燃えない素材の長袖の衣服で調理します。
消防団員も燃えない素材の服で防御します。
それなのに、真冬に、長くてボリュームのある
アクリルやナイロン、ポリエステルなどの化学繊維の袖で、
無防備なままに調理している人がいます。
その指まで隠れるような長く、だぼっとした袖に火がうつったら、
まずは素材が溶けて肌に張り付くでしょう。
そんなふうにやけどをしたら、腕にやけどの跡が残ってしまうでしょう。

ガスコンロだけではありません。
キャンプでの調理や焚火も同様に危険です。
火の粉が飛んできたら、そこからその素材は溶けていきます。

そのような服を着ている方は
調理の際は着替えるか、袖をしっかりまくるかしてください。

ちなみに、羊毛は燃えにくい素材です。
長い間、消防士の制服は羊毛でできていました。
火事ができたときに火をおさえる際も、羊毛の毛布なら可能です。

残念ながら、売っているものすべてが安全ではありません。
自分が着ているものがどんな素材でできているのか、
調べてください。
「コスパ」「高見え」ばかりを重視していると、
化学繊維があなたのもとに大集合します。
「ふわふわ」「もこもこ」と形容される素材の、
ほぼすべてがアクリルです。
そんなメンバーを集めているのなら特に、
火を扱うときには気を付けてください。
やけどをして後悔する前に。

 

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それぞれの楽天ROOMにアップしています。
私のプロフィール画像と同じビオレイラストのメンバーも多いので探してみてください。
たくさんのショップから選んできたものなので、自力でいいものを見つけ出すよりも早いと思います。




2024年7月22日月曜日

おしゃれになるために必要な力、修正力

「自分の目、他人の目」の投稿で、
「役者の視点を持てるようになろう」と書きました。
自分を高い視点から客観的に見る能力です。
メタ認知と似ていますが、役者の場合、自分だけではなく、
客席についても認識する必要があります。

自分の演技と観客の反応、これを同時に認識できるようになったら、
次に必要なのは修正です。
演技ならいい演技のために修正する、
演奏ならいい演奏のため、
作品なら、いい作品を作るための修正です。

そこで必要なのは修正する力になります。

それぞれの分野でそれぞれ必要な修正力が必要になりますが、
その力をつけるために共通して必要なのは、
「いい」とされる基準を知ることです。
いい演技なら「いい演技」とされるものを見る、
いい演奏なら「いい演奏」とされるものを聞く、
いい作品なら「いい作品」とされるものを見たり、読んだり、聞いたりする、です。

では、おしゃれやファッションの場合はどうでしょうか。
これもまた同じです。
いいものを見る、いいものをさわる、いいものを着る、
いいものとは、いいデザイン、いいパターン、いい素材、いい縫製です。
この要素を持っているものに繰り返し接して、五感に記憶することで修正する力がついていきます。

ただし、おしゃれやファッションに関してはもう一つ付け加えなければならないものがあります。
それがトレンドです。
トレンドは若く、都会生活者であるほど影響を受けます。
影響を受けるということは、トレンド感があるほうが素敵に見える、ということです。
年をとればとるほど、田舎に近づけば近づくほど、
トレンドは遠ざかりますので、それほど必要ありません。
自分をどこに設定するのかは、その人の状況と環境によります。

さて、ではまだまだ若く、あるいは都会生活者である場合、
どのようにしてトレンドを知ればいいでしょうか。
それが「定点観測」です。

ファッションやおしゃれにおける定点観測は、
決めたブランド、あるいは店舗を観察し続け、
どのように変化していくか、流れ(トレンド)を把握することを意味します。
ひとつのものをいつも見続けることによって、
おのずと変化がわかるようになります。
その変化とは、シルエットと色、そしてスタイリングの変化です。
今だったら、インスタグラムやYouTubeを利用すれば簡単です。
好きなブランドがあったら、コレクションをチェックする、
インスタをフォローするなどすればいいでしょう。

(※注 インフルエンサーやスタイリストは除外します。
トレンドの発信元である作り手が基本です)

ファッションとおしゃれのための修正力は、
いいものにふれること、そして定点観測によってトレンドを把握することによって
可能となります。

役者の視点と修正力、
この二つがあれば、他人に頼らずとも、自分でよい方向に修正することができます。
そしてこのことはつまり、おしゃれの力がつく、
畢竟、おしゃれに見えるようになる、ということです。

この二つが身についていなかったら、
いくら自分の持っている服を次々捨てたところで
おしゃれに見えるようにはなりません。

洋服を着る、それは毎日のルーチンです。
だからこそ、自分でできるようになる必要があります。

必要なのは自分の実力をつけ、判断できるようになることです。
嘘つきがたくさんいるファッションの世界でだまされないためにも、
それは必要なことなのです。





2024年7月2日火曜日

自分の目? 他人の目?

 自分はこれを着たい。
でも他人の目が気になる。
変に思われるかもしれない。
でも大好きだから着たい。
自分の気持ち、他人の気持ち、どちらを優先すればいいの?
そう思うときがあるかもしれません。

特に昨今、ファッションポリスがネット界隈を跋扈しています。
ほとんどは匿名です。
相手は誰だかわかりません。
(もちろんときたまわかる人もいます)

では、その誰だかわからない匿名の、
あるいはわかったとしても、どこで勉強したのか、働いたのかわからない人の
言うことを唯々諾々と聞けばいいのでしょうか。

前にも書いたとおり、
幾ら、唯々諾々ちゃんになったとしても、
言った相手は、あなたの行動に対して責任をとってはくれません。
言うとおりにした結果、楽しい機会を奪われたり、
悔しい思いをするかもしれません。

ではどうしたらいいのか。
答えは、「役者の視点を持つ」です。

自分に埋没しすぎても、相手に没入しすぎても、
どちらも正常に判断はできません。
自分からも相手からも引き離して、
中心を自分と相手の間に置きます。
そして、周囲の人々(観客)の視線を感じつつ、
自分も冷静に観察する、役者の視点を持つのです。

役者は、観客の視線を意識しつつ
自分の演技をコントロールします。
自分のことだけ考えて、自分のセリフを言うのだけに一生懸命なだけでは、
その演技は観客には伝わりません。
必要なのは、その中間の視点から眺められる自分です。

役者でなかったら、確かにすぐ簡単にでくるものではないでしょう。
しかし練習すれば、誰にでもできるようになります。

それができるようになったら考えます。
この条件、この登場人物、このシーンの中で、
この衣装は演者である自分にふさわしいものだろうかと。

そうして考えて答えを導き出しましょう。
観客の言うことだけを聞いていたら、あなたの芝居は壊れます。
自分のことしか見えなかったら、あなたの言いたいことは伝わりません。

そこで答えが出たなら、それを実践すればいいでしょう。
それでだめだなと思ったら、次回は修正すればいい。

ロックTシャツを着たいのなら、
それを着る自分を、相手と自分のあいだからながめてみて、
ふさわしいならそれを選ぶ。
何か変だなと思ったら、次回から修正を加える。

大事なのは自分で決めること。
自分で決めたことなら、責任もとれるし、改善もできます。
何より自分自身、満足しますし、自尊心も高まります。

自分の着るものは自分で決める。
失敗を繰り返して、修正を加えながら、
本当の自分に近づいていく。
その一歩一歩の積み重ねが、
その人を素敵な大人にするのです。

 


2024年4月24日水曜日

自分のスタイルがあなたを救う

2024年4月現在、円相場は1ドル154円。
これは約34年ぶりの水準です。
34年前とは1990年あたり。
長く生きてきた人は、この年を経験し、覚えているでしょう。
このころ、日本のデザイナーたちがパリコレで多く認められるようになり、
世界のファッションに大きな影響力を与えた時代です。
表参道を歩く若者たちは、この日本のデザイナーの作る服を着て、
仕事へ行き、カフェでお茶を飲み、美術館や映画館、ライブ会場へ向かったのでした。

このころ、アパレル製品の多くは日本製でした。
もちろん木綿や羊毛など、原材料の多くは輸入でしたが、
それでも日本産の生地を使い、日本で縫製されたものを、
日本の若者たちが自分たちで稼いだお金でそれを買って、着て歩いていました。

一枚の価格は決して安くはありません。
私の記憶では、当時、パンツやセーターは2万円程度、
ジャケットは4,5万円といったところでした。
これがコレクションに参加しているブランドとなると、もっと高くなります。
コートで10万円以上したでしょう。

まだインターネットに接続する人が多くはない時代、
ファッションに関する情報は雑誌や新聞、そして一部テレビのみでした。
コレクションは招待されなければ見ることができず、
多くは雑誌に掲載される写真によって、その内容を確認しました。

そのころの若者は皆それぞれ違う格好をしていました。
今ほど、同じものが大量に生産されることはなかったので、
全く同じ格好の人と表参道の交差点ですれ違う確率は非常に低いものでした。

もう一点違うことがあります。
このころの若者は、服を1年や2年で捨てたりはしませんでした。
2万もするスカートやパンツや、10万もするコートをすぐに捨てたりするわけがありません。
ある程度長く着るのはごく普通の一般的なこと。
自分で働いたお金で買った、安くはないコートやジャケットを大事に着る。
しかも工夫を凝らして着る。
その結果、おしゃれな若者が表参道の交差点に多く集まりました。

2000年に入るころ、その様相が一変します。
大量生産の安い衣料の出現です。
2000年の円の相場は1ドル107円前後。
1990年代に比べて円高になりました。
1990年代に始まった生産工場の海外移転は加速し、国内生産品は徐々に海外生産品にかわりました。
その結果、2024年の現在、日本製の衣料は全体の2%にまで減りました。

大量生産の安い服が出現したため、
購買する1枚の単価は低くなりました。
同時に、所有枚数と捨てる枚数もふえました。
新聞や雑誌が情報源だった時代は終わり、インターネットがそれにとってかわりました。

1枚は安い、たくさん買う、たくさん捨てる。
アパレル製品は今や、週刊誌のように扱われるようになりました。
またその方法、つまりたくさん買って捨てるこそがおしゃれなのだと吹聴する言説も散見されたため、
多くの人がその方法を採用しました。

一方、この方法を採用しなかった人々が一部います。
その人たちは、安くはない服を、少し買い、捨てないでとっておきました。
それは90年代のおしゃれな若者と同じ方法でした。

2024年4月、円安によって維持できた前者の方法は、ほとんどの人にとって不可能なものとなりました。
理由は、円安によるインフレ率と同等に、可処分所得がふえていないからです。

今、安心しているのは後者の、安くない服を、少し買い、捨てないでとっておいた方法を採用した人達です。
厳選された服をとっておいたので、今慌てることはありません。

慌てていない理由がもう一つあります。
後者の人は、一枚を長く保持し、着続けるため、
常に自分のスタイルについての考察を余儀なくされました。
そのため知らず知らずのうちに自分のスタイルができ上がりました。

よくあるテレビや雑誌の変身コーナーは、
確かに変身後のほうが変身前よりも見栄えがよくなってはいますが、
そこにその人のスタイルはありません。
スタイルは、その人のことをよく知らない他人には作れません。
そして何より、スタイルを作るのには時間がかかります。
一枚の保持が長ければ長いほど、その人独自のスタイルも完成に近づきます。

皆さんが大好きなシャネルの言葉があります。
「ファッションは移り変わるが、スタイルは永遠」

"La mode se démode, le style jamais."

安く新しい服をたくさん買っては捨てるを繰り返す。
それは確かにファッションでした。
それを楽しく思った人も多いでしょう。

しかし、1990年と同じ為替相場では、それはもう無理なのではないでしょうか。
それがもう無理になったということは、街行く人々が証明しています。
アパレル業界は輸入品に頼っています。
よって、円安になったなら、価格は1.5倍から2倍に上がるでしょう。

この状況からあなたを救うには、ファッションをやめて自分のスタイルを作ること。
日本語で言うなら、流行を追いかけるのをやめて、
自分なりのおしゃれを追求する方向へと、
自分自身の行動を転換すること。
短時間で安くは手に入りません。
それがスタイルというものです。

 


2024年3月14日木曜日

新しいものを取り入れる前に

 季節が変わるとき、いつも同じように感じる方も多いでしょう。
去年は何を着ていたんだっけ?
今の自分にぴったりの服を持ってない、
かといって、何を新たに付け足したらいいかわからない、
などなど。
毎年同じように繰り返される、自分の頭の中に渦巻く疑問。
そして、とにかく足りないということで何か新しく付け加えるものの、
次の年になると、また同じ疑問が繰り返される。
その結果、ワードローブはふえていき、無限ループから抜け出せない。

そうならない前に、次に何か買う前は優先順位とそのニーズを考えましょう。

まず優先順位です。
どこの場面の服が今最も必要なのか、考えてみてください。
通勤着なのか、
近所へ買い物へ行くときの服なのか、
趣味のヨガやキャンプのための服なのか、
とびきりのおしゃれをしていくときの服なのか、
どの部分が足りないのか、まず見極めましょう。

次に、そのニーズを把握しましょう。これは自分なりのもので結構です。
通勤着であるならば、そのニーズは何なのか。
例えば、着ていて楽で、洗濯がしやすく、職場の雰囲気、あるいは仕事の内容に合ったもの。

近所へ買い物へ行くときの服ならば、
例えば、絶対に日焼けしたくないから日焼け防止重視、そして鍵や小銭が入るポケットがあるもの。

趣味のヨガだったら、
まず動きやすいもの、かつ帰りに買い物に行ったりもするので、羽織れば外に出られるレベルのもの。

とびきりのおしゃれのためだったら、
ちょっとぐらい着にくいとか、あるいは洗濯が大変でも、
ホテルのラウンジでお茶をしたり、レストランで食事をしても平気なぐらい、
気合が入った素敵なもの。

このように、それぞれの場面で必要な服のニーズは変わってくるでしょう。
まずはこれを把握してください。

ここまでもうできたら、もう既に持っている服を点検します。
大きなポイントは色です。
全部取り換えるのでなかったら、もう既に持っている服に何か付け足すことを考えます。
そのときに、全く合わない色のものを付け足すと、それもまた着ない服になる可能性がありますので、もう既にある服と色合いが合うように、買う色を決めます。

例えば、
ネイビーのスーツをもう既に持っているのなら、
白や水色のシャツやカーディガンがいいかもしれません。
無地がもうあるのなら、ストライプやチェックもいいでしょう。

また、ベージュのコートを持っているのなら、
オフホワイトのシャツやセーター、
または黄色やオレンジのカーディガンもいいでしょう。

こうして絞っていくと、次に買う何かの特徴も決まってきます。
あとは、どの場面で足りないと感じるか、どの場面で着たいものなのか見つけたら、
より一層ターゲットは狭まります。

例えば、ネイビーでそろえている通勤着、
真夏になる前の暑い日に着るものがないと感じていることを思い出したら、
ジャケットがわりになる、一枚でさまになるシャツやスキッパー(かぶりのシャツ)がいいかもしれません。

また、グレーでまとめている、近所へのお買い物ルック、
着るもので日焼けを防ぎたいのなら、日焼け防止できる素材の、白またはグレーの薄手のジャケットが必要かもしれません。

とびきりのおしゃれの日のための服。
去年、素敵なオールドセリーヌのドレスを手に入れたのに、
合わせる靴がない。
だとしたら、必要なのはこのドレスにぴったり合う靴でしょう。

こんなふうに、何か新しいものを買う前に、
自分にしかわかり得ない、自分のニーズを把握しましょう。
これができていないと、また来年も同じ疑問が頭の中に渦巻くことになります。

そして同じ疑問が頭の中に渦巻くということは、
何かが間違っていたということです。
いくら捨てても、まだないのならば、
間違っていたのは、捨て方ではありません。
何度別れても、まだ同じ失敗を繰り返すのなら、
別れ方が問題ではなかったのと同じこと。
似たような人と付き合ったら、また同じ羽目になります。

間違っていたのは、捨て方ではなく、取り入れ方です。

捨てても捨てても同じことを繰り返すその前に、
自分の好みとニーズを把握しましょう。

それができるようになればなるほど、
この疑問も浮かばなくなり、
人生の失敗と無駄も、きっと減っていくに違いありません。
軌道は修正されれば、それでいいのです。

 


2024年3月7日木曜日

「おしゃれ」でいるより大切なこと

言うまでもなく、「おしゃれ」でいるより大切なことは多くあります。
ここではファッションの分野に関して以下、記載します。

まず一つは、
「おしゃれ」のために個人の人生がめちゃくちゃにならないこと。
今、最上級に「おしゃれ」に見せる、最も手っ取り早い方法は、
ラグジュアリーブランドのショップへ行き、
脚の先から頭まで、トータルルックで一式買ってそろえて、
それを着ることです。
最新のスタイルを常に頭からつま先までそろえること。
これが一番、最新の「おしゃれ」に見えます。
これは誰も否定しないでしょう。

しかし、これには多大なお金がかかります。
もちろんそれだけ余裕がある人もこの世の中には存在しますが、
それはあくまで少数派です。

これは極端な例ですが、似たような小さな例はたくさんあります。
それは、自分の収入に見合わないほどの金額を被服費として使う、
または毎シーズン、ファストファッションその他を捨てては、買うを繰り返す行為です。
今の日本で、ごく普通に働いて生活している人がこれをすると、
経済がひっ迫し、貯金をする余裕が残らないでしょう。
服、靴、バッグというものは、それがどんなに安いものでも、新品であるならば、それなりの価格がするのです。
(そして2024年現在、実質賃金は下がり、インフレが続くスタグフレーション状態の日本で、それをするのは危険すぎます)

この行為によって、その人は確かに「おしゃれ」に見えるかもしれませんが、
それで人生がめちゃくちゃになるのなら、そんなものには意味がありません。

もう一つ、これはマクロな視点です。

ファッション業界は、気候変動の原因となる二酸化酸素排出量の多い産業です。
また、染色により廃棄された水、そして廃棄された衣類の焼却により、環境を汚染しています。
そればかりでなく、海外で生産される安価な衣料には、
劣悪な労働環境や、生活できないほどの低賃金で働かされている労働者の問題が裏側に存在します。
これらを解決するための選択を日々することは、
つまり、サステナビリティやサーキュラーファッションを実践することは、
個々人が最先端の「おしゃれ」であることよりも、ずっと重要なのです。
なぜなら、気候変動によって気温は上昇し、環境汚染は自然破壊をもたらすからです。
アパレル業界、ファッション業界全体に、そしてそれを消費する者に、
これらに対処する責任があります。

この2つを優先するための選択をしたのなら、
その結果、多少、「おしゃれ」に見えないとしても、
それはむしろ誇らしいことです。
明らかに、買っては捨てるを繰り返して「おしゃれ」に見えるよりも、
そちらのほうが価値があります。
そして、それを実行する人は、「素敵」な人です。

この2つのことを避けるためには、
何より、薄ら笑いを浮かべながら「ダメ出し」をする人の脅しに屈しないこと。
おしゃれになるために「捨てろ」と言う人たちの圧力に負けないことです。
そして自分の価値は自分で決めることです。

そうして最後に思い出してください。
大量消費、大量廃棄によって成り立つ「おしゃれ」よりも、
こちらのほうがよほど「魅力」があるということを。

こうした選択をして、
あなたは「魅力」を伴って人生を過ごせばいいでしょう。
魅力的ではない「おしゃれ」など、
ほんとうに素敵な人には、必要ありません。

「おしゃれ」であるよりも大切なのは、
人として「素敵」で、「魅力」があるということだと、忘れずにいてください。

 


2024年2月15日木曜日

自分にぴったり合ったパンツを見つけるために

女性がパンツ(ズボン)を日常的にはくようになってから数十年がたちました。
以前にもましてその流れは加速し、
今街を見回してみても、女性のパンツ姿のほうがスカートよりも多いかもしれません。
中には1年じゅう、パンツ以外はかない方もいるでしょう。

そうなってくると気づいた方も多いと思います。
自分に合ったパンツを探すのは大変だということに。

パンツの作りは、デザイン、パターン、素材、仕様の4つの要素によって作られます。
デザインは好みの問題なので、好き嫌いで決めたので問題ないでしょう。
なかなか自分に合ったパンツが見つからないその大きな原因は、
パターンです。

なぜかというと、パンツのパターンというものは非常に難しいからです。
特に細いパンツのパターンは難しくなり、いいパターンのパンツも少なくなります。
(逆にパジャマパンツのように大き目のパンツのパターンの難易度は低くなり、
それほどいいパターンでなくてもなんとなくはけてしまいます)。

なぜそれほど難しいかというと、
ひとつは、脚という大きく動く部分をカバーしなければならないこと、
そしてウエストとヒップに差があるからです。
大きく動けば動くほど、そして差が大きくなるほどに、パターンの難易度は上がります。
パターンが難しいということは、それなりの技術を持ったところでないと、
いいパターンのパンツは作れないということも意味します。

そうはいっても、メンズは常にパンツをはいているので、
それほど難しくもなさそうだ、とお思いの方もいらっしゃるでしょう。
パンツのパターンの難易度は、細いこと、ウエストとヒップの差があることから生じます。

ですから、スーツにあわせるようなウール素材のスラックスは、細くないこと、またウエストもローウエスト気味で、女性ほどウエストとヒップの差がないことなどから、それほど難しくはないのです。
メンズでも一部スキニージーンズのように細いパンツもありますが、
ローウエストでかつ、ストレッチ素材を使用するため、パターンの難題をその2つでもって解決しています。

さて、女性用のパンツです。
ウエストとヒップの差がある人ほどパンツ選びが難しくなります。
また、ストレッチが入っていない素材による細いパンツもパターンが難しいものになり、なかなかきれいな仕上がりになりません。

ここで言う、自分に合ったパンツとはどんなものでしょうか。
それは、それをはくことにより、
ヒップの位置が高く、そして自分の脚が実際以上に長く見えるパンツです。
パンツをはくことによって、体型が補正され、実物以上によく見えるパンツが自分に合った、よいパンツです。
逆に、短足で、おしりが垂れて見えるなら、それは合っていないパンツになります。

ウエストとヒップの差の解消法は、
ローウエストにして差を小さくする、
ダーツやタック、ギャザーをとって差分を処理する、
が考えられます。
ダーツは見えなくても、例えばポケットの切り替え線でとられていることもあります。
ダーツもタック、ギャザーもないのにジャストウエストで、細身のパンツは、
脇線にカーブをつけて差分を処理しますが、これによってできるのは、
妙なカーブのついた、ヒップのラインが強調されたパンツです。

自分にどんなパンツが合うかは、その人の体型によります。

まず、ウエストとヒップの差が少ないスレンダー体型の場合は、
メンズのようにローウエスト気味で、かつメンズと同じ仕様で作られたパンツが、
すっきりと脚が長く見えます。
ダーツあり、ダーツなし、タック入りでも構いません。
こういう体型の方たちは、メンズ寄りのパンツを選んでいけば問題ないと思います。
パンツはもともとメンズものとしてデザインされていますから簡単です。

難しいのは、ウエストとヒップの差が大きいグラマラス体型の方です。
いちばん避けたほうがいいのは、ジャストウエストでタックなし、ダーツ処理のみのパンツです。
こんなパンツを選ぶと、お腹は出て見えますし、ヒップラインも強調されてしまいます。
これを避けるためには、ローウエストか、または逆にハイウエストで、
タックやギャザーでヒップとウエストの差分が処理されたものを選ぶといいでしょう。
または、チノパンツなどは、大き目のサイズのものを選び、
ベルトをして、自分でギャザーを作ることによっても解決できます。
もちろん、タックやローウエストやハイウエストにはそれぞれ流行があるので、
いつでも売られているとは限りません。
トレンドによっては、自分にぴったり合うパンツが非常に少ない時代もあると思います。

スレンダー型、グラマラス型、どちらにも共通している解決方法は、
自分の体型にぴったり合うパンツを作っているブランドを見つけて、
そのブランドのパンツだけを買うことです。
それを見つけるためには試着は必須となります。

探してみるとわかりますが、
自分の体型にぴったりのパンツを作っているブランドはあまりないでしょう。
うまく出会ったら、むしろそれはラッキーです。

とにかく気になったら、試着してみて、
前から、横から、後ろから、
自分の姿を見てみてください。
実際よりもヒップ位置が高く見え、脚がまっすぐ長く見えたのなら、
それがあなたにぴったり合うパンツです。
なぜか?
だって、短足で、おしりが垂れて見えるパンツで街を歩きたくはないですからね!

まだそれが見つかっていない方は、
自分にぴったり合うパンツを見つける旅に出ましょう。
なるべく早く出発するのがお勧めです。


2024年1月12日金曜日

自分が何が好きかを見極めて

20世紀より明らかに、ファッション誌や女性誌もふえました。
また、インターネットの海原には、
インスタグラム、ピンタレスト、YouTubeその他、
膨大な参考ヴィジュアルがあり、
ディバイスとネット環境があれば、誰でもそれにアクセスできるようになりました。
同時に、インターネットの整備のおかげで、
ごく小さなブランドでも通販を通して人々の手に商品を届けることができるようになり、
以前よりもずっとブランドの数もふえました。

しかし、例えば新宿のような都会で、忙しく歩く人のスタイルを観察してみると、
どういうわけだか似たような格好の人が、20世紀より多いように感じます。
情報と物量の多さに反比例して、スタイルのバラエティが減りました。

さて、いつでも誰かと同じ格好を好む人は、それはそれでいいでしょう。
また、おしゃれに興味がなく、寒さ暑さを防ぐために衣類を着るという人も、
それはそれで構いません。
おしゃれなどしなくとも、私たちは生きていけます。

しかしそうではなく、なんとかして自分もおしゃれをして街を歩きたい、
と考えていて、なおかつ、
たくさん情報は摂取しているのに、
どうしたら自分の望むおしゃれができるかわからないと感じている人に、
一つ提案があります。

私がファッションレッスンをするときに、参加者の方に画像の切り抜きを作ってもらいます。
これはボード、あるいはマップと呼ばれるもので、
自分がなりたいスタイルの方向性を知るために作ります。

ここで注意点があります。
それは、自分とはあまりにかけ離れた画像は集めないように、ということです。
理由は、そのような画像を集めても、その理想に近づくことはないからです。

例えば、集めた画像のすべてがパリに住み、パリの街を歩く人たちだとします。
そればかりではなく、その画像にシャルロットやレアのような有名なモデルや役者も含まれています。
それを日本の片田舎に住むアジア人の私たちが集めたとしても、同じようにはならないのです。
まず第一に、風景(シーン)が違います。
来月からパリに引っ越すのでもない限り、同じ風景の中、自分が生活していることはありません。
また仮に本当にパリに引っ越すとしても、
背格好や目の色、髪の色、仕事や経済状況など、すべて違います。
よって、必要な衣服も、着ることができる衣服も決して同じにはならないのです。

実現できない夢を掲げると、やる気がなくなります。
ひどい場合は、他人に偽りの自分を見せ続け、その結果、消息不明になったりします。

そうはいっても、雑誌やインスタを見ていたのでは、そのような画像ばかりに目がいくでしょう。
ですから、ここでは雑誌やインスタを見るのはやめます。

かわりにやってほしいのは、
自分がおしゃれをしていきたいと思っている場所、あるいは街に行って、
そこを行きかう人々を眺めることです。
もちろんただ眺めるのではなく、自分がどんな人が素敵だと思うか、
そして、どんな格好を素敵だと思わないか、
それを見極めることです。

さすがに、街で他人の写真を撮ってはいけませんから、
メモをとりましょう。
通りに面したカフェの窓際にでも座って、
自分がいいなと思った人が通ったら、その人の何がいいと思ったのか、メモをとります。
また反対に、あの格好はよくないなと思ったら、それも書き取ります。

慣れないうちは、素敵な人が通っても、それのどこがいいのか自分でもわからないかもしれません。
その場合は、とりあえず着ていた服、はいていた靴、持っていたバッグがどんなものだったのか、書き取りましょう。
色や素材、シルエットなど、わかる範囲で構いません。
また服装だけではなく、その人のヘアスタイルやメイク、あるいは姿勢が素敵だと思うのなら、その点について、何がいいと思ったのか、書いておきましょう。

何回かそれを繰り返すうちに、
自分がどういうスタイルをしたいのか、そしてどういうスタイルは嫌なのか、
わかるようになります。
またそのスタイルは、自分がおしゃれをしたいと思っている場所で見たものですから、
全く実現不可能というものではないでしょう。
もちろん、全身ラグジュアリーブランドの人ばかりが目に付くという人もいるかもしれませんが、
今の日本でそのような人はめったにいないので、心配する必要はありません。

雑誌やスタイリスト、あるいはインスタグラマーやYouTuberがどう言ったかは、この際、どうでもいいのです。
彼らはあなたの周囲にはいないでしょうから、関係ありません。
あなたがおしゃれをしたい街や場所で、もう既にそれを実現している人、
その人こそが、自分がなりたいおしゃれの方向性を示してくれる人です。

やってみるとわかると思いますが、
自分は案外、自分がどうしたいのか、
何が好きなのか、わかっていないものです。
そしてそのためには何が必要なのかも理解しているわけではないでしょう。
今の自分のスタイルが納得いかないのなら、それが証拠です。

実現不可能な夢を夢見ているだけの自分は終わりにしましょう。
実現可能な目標に、着実に近づいていく自分になりましょう。

自分でやって、できるようになれば自己肯定感も高まります。
決してなれない存在へと志向させるよう仕向ける媒体はさめた目で見てください。

実現不可能な夢とか、
言っただけで守る気がない約束とか、
消費へ向かわせる脅しとか、
そんなものとは決別すると、今年は誓いましょう。

 


2023年11月23日木曜日

「かわいい」を作り出す

相変わらず、「かわいい」が人気です。
実際には「かわいい」が表現する範囲は広く、
普通はかわいいとは思えないようなものにまでかわいいは使われています。

今回は、ごく一般的に多くの人がかわいいと感じるような要素をどうやってルックに取り入れたらいいのか、考えていきます。

洋服の世界において「かわいい」を表現する際に使われるのは以下の要素です。

・ふんわりとやわらかい素材や細部
・パステルカラー、あるいは暖色系
・男性が着ないようなアイテムやデザイン

ふんわりとやわらかい素材とは、例えばシフォンやオーガンジーモヘア、また手法としてはギャザーやプリーツなどです。

色に関しては、パステル調のピンクや水色、レモンイエロー。または赤、黄色、オレンジといった暖色系もかわいい女の子の表現にはよく使われます。

男性が着ないようなアイテムやデザインとしては、スカートやワンピース、フリルやレース、または花柄などです。

ここまでだと、「女性らしさ」と重なる部分も多いです。
なぜなら、男性はあまり「かわいい」を採用しないからです。

洋服の世界でかわいいを表現するときには、これ以上のものがあります。
それは、子どもが身に着けるような「かわいい」デザインの大人への転用です。

それは以下のようなものになります。
・ウエストのくびれがなく、ハイウエスト気味
・身体のラインを出さない
・台襟がないフラットカラー
・ハイソックスにメリージェーンのような、子どもがよくする足元

子どもは寸胴なので、ウエストのくびれがありません。
ですから、スカートをはくには吊りひもが必要になり、若干ウエスト位置は高めの設定です。
また、首も短いので襟はフラットカラーです。
また形も丸くすれば、より一層かわいさを強調できます。
ハイソックスはスポーツで着用しますし、必ずしも子供用というわけではありませんが、これがメリージェーンと組み合わされると、少女っぽくなります。
子どものピアノの発表会でよく見るような組み合わせであり、大人はあまり使いません。

以上のような要素をいくつか取り入れれば、「かわいい」ルックは出来上がります。
ついでに、メイクに関しても血色感がある暖色系のカラーでまとめれば、顔も含めてかわいくなります。

実際にこれらの要素を取り入れるのはそれほど難しくはありません。
ただし、注意点はあります。
それは、子どものかわいいの大人への転用要素です。

日本では、大人向けでも、この子供服の要素を取り入れた服が多数売られています。
実際に大人向けの、ウエストがぶかぶかな吊りひもつきのスカートは売られています。

しかし西洋の衣服においては、大人の成熟は子供っぽい要素を取り入れるほうへは向かいません。
子どもっぽい細部は、せいぜい若者向きであり、
いい年の大人の女性が取り入れるべきものではないと考えられています。
それは毎年行われるコレクションを見れば明らかです。
大人は成熟したものであるとして扱われます。
西洋のファッションが追い続けるのは、いつでも自分のことは自分で決められる自立した女性像なのです。

いい年の大人になってからこの成熟とは反対方向の幼さが表現された衣服を着用すると、おしゃれからは遠ざかります。
それは確かに「かわいい」でしょう。
しかしもはやそれは、おしゃれであるとか、スタイリッシュであるとは別物になります。

かわいくて、かつおしゃれな装いを作りたいときには、
この点に注意しなければなりません。

かわいいだけじゃなく、おしゃれでスタイリッシュに見せたいのならば、
子ども要素は取り入れないほうがよいと覚えておいてください。

どちらの大人を自分が目指しているのか、あるいは目指していたのか、
再度ご確認ください。
答えが出たのなら、それに従えばよいでしょう。



2023年11月7日火曜日

たくさんあると、魅力がなくなる

流行は、少数のモノ、少数の人によって始められます。
最初はたくさんのものの中に一点、あるいは大勢の中の一人が、
徐々に点数をふやし、まだらになり、点在しながらふえていきます。

流行は、たくさんのもの、大人数によって終わります。
点在の密度が高まり、ほとんどそれが覆いつくすほどになると、流行は終わります。
ファッションでいえば、
お年寄りや小さな子供までが着たり、履いたりするようになるほど広がると、
流行は終わります。

流行が終わったのは、魅力的に見えなくなったことが理由です。
私たちはどうやら、たくさん同じものを見ると、そこに魅力を感じないようにできているらしいのです。

例えば鳥です。
(最近、バードウォッチングを始めたので、鳥でたとえます)

雀やカラス、ムクドリなどは街でたくさん見かけます。
私たちは、もはや雀、カラス、ムクドリに特別な魅力は感じません。
魅力を感じないので、それを探してみたり、わざわざ見に行こうとはしません。

しかし、コウノトリやライチョウのように、絶滅危惧種に指定されているほど数が少ない鳥に対しては、非常に大きな魅力を感じます。
これら絶滅危惧種を見たり、出会ったりすることは非常に魅力的なことになります。
私たちは、絶滅危惧種を見ることを切望します。
また、それを見た人たちはうらやましがられます。
それはすなわち、数が少ない絶滅危惧種の鳥たちは人間にとって非常に魅力的であるということです。

たくさん見ると私たちは飽きます。
しかし、飽きるまでもなく、たくさん存在するというだけで、私たちは魅力を感じないようにできています。

ファッションも同じことです。
みんなが持っている、よく売れている、これらのものは飽和すれば、
それはありふれたどうでもいい、特別魅力を感じないものになります。

その魅力を感じない主体には他人ばかりでなく、自分自身も入ります。
自分自身にとっても、たくさんあるものはどうでもいいものになります。
見慣れたもの、たくさんあるものは、自分自身でさえ魅力を感じないため、
それを着用するのが嫌になるのです。

であるならば、最初からその「たくさん」のものを選ばなければいいのではないでしょうか。
わざわざみずから、雀やカラス、ムクドリのような見た目を作る必要はないのでは?
1980年代、90年代の黒ずくめのカラスルックの流行は、
それが街全体にまん延して終わりました。

どんなに一羽一羽がかわいくても、いつもそこにいる、何も珍しくない存在となれば、それは魅力を感じないものになります。

いっそ私たち自身も絶滅危惧種になるぐらいでちょうどいいのです。
それは誰もが見たがるでしょう。
それは誰もが探し続けるでしょう。
なかなか見ることができない魅力的なもの、
そちらを選ぶほうが、ずっと珍重され、憧れ続けられるのです。

 


2023年9月7日木曜日

「素肌」をジュエリーのかわりに

 「露出」とか「セクシー」という言葉で、その魅力の本当のところがうやむやにされている「素肌」には、その存在自体に魅力があります。

「露出」と思われるほど、
「セクシー」と形容されるほどに見せる必要はないのです。
それは手首や首元、足首と、
本当に少ない面で構わないのです。

覆えば覆うほどに、その対比によって、
「素肌」は光り輝きます。

一時期、真夏にもかかわらず、黒いマットなトレンカをはく人が出現しました。
あれも一種の流行なのでしょうけれども、
今ではさっぱり見なくなりました。
もちろん、真夏にあのトレンカが暑すぎるという問題もあるでしょう。
黒いトレンカを捨て、
クロップシャツを選択して、お腹の肌を少しだけ見せることを選んだのは、
多くの人が、素肌の魅力に気づいているからに違いありません。

ジュエリーは高価です。
ゴールドの価格はどんどん上がっています。
今では、おいそれとは買えない価格になりました。

しかしそのゴールドに勝るとも劣らない魅力が「素肌」にはあります。
なぜかように魅力的かというと、
素肌はイキモノであり、
水を含んだ細胞のひとつひとつが輝いているからでしょう。

では水着姿が一番光って見えるのかといえば、
それはそのとおりなのですが、
隠れている部分と、素肌が見える部分、
その対比こそが、この輝きをより一層際立たせるので、
ほとんど素肌が見えている水着では、同じような魅力を感じにくいのです。

洋服の世界では、この素肌の魅力をよくわかっているため、
スリット、スラッシュ、レース、シースルーなど、
見える素肌と隠す布地の工夫が施されたものも多くあります。

しかし、そんなものを利用しなくとも、
前開きのボタンをいつもより一つ多くはずすだけ、
また、手首や足首をまくってほんの少し見せるだけで、
同じ効果は得られます。

自分の中に対比を作ればいいのです。
他人と自分の問題ではありません。
その素肌と布地の境目こそが、最も魅力のある域です。
その境界線に私たちは惹かれます。
生き生きとした素肌と、死んだ物質である素材との、
その境界線こそが、私たちに想像の余地を与えるものだからです。

もう何もかも高くてジュエリーが買えないと、
そう嘆くのなら、
ジュエリー以上の価値のある「素肌」を光らせてみてはいかがでしょうか。

腕をまくる、
前開きのボタンを一つはずす、
スリットのあるスカートをはくときはマットなタイツはやめる、
そんなちょっとしたことで、
ジュエリー以上の効果がすぐに手に入ります。

問題なのは、
やるかやらないか、それだけです。

 


2023年8月23日水曜日

「新しい秋」の服

昔、そうそれは2000年になる前のこと。
夏というものは大体8月いっぱいまでで、
9月になって学校が始まると(地域によりますが)、たまに暑い日があっても、
それは秋の日の気まぐれにすぎなくて、
朝、家を出るときの空は青く、
お昼に天頂を見上げれば、太陽はもう既に少しばかり傾いて、
朝夕に吹く風は涼しく、誰でも秋を感じることができました。

しかしここ2,3年でしょうか。
8月が終わっても一向に秋の気温にはならず。
真昼の太陽が傾きを増しても、
そして昼と夜の長さが同じになってもなお、
夏のように暑い日々が10月を過ぎても続くようになりました。
こうなると、2000年になる前のようには、
秋の服を着ることはできません。
それは暑すぎてもう無理なのです。

気候変動の影響のこの傾向は、今後も続くと予想されます。
場合によっては、今年が最後の涼しい夏の可能性すらあります。

このブログを書き始めた2010年ごろは、
それでも、長く暑い夏なので、形とデザインは夏と同じで色だけ秋色に変えましょう、
と提案しました。

もちろんこのアイデアは今でも使えます。
しかし、いまだ名前のない「新しい秋」とも呼べるシーズンを過ごすには、
これだけでは物足りない。

なぜ物足りないのかというと、
長い夏のかわりに秋がとても短くなったので、
西洋の衣服がその魅力を最も発揮する秋の服を楽しめないからです。

色を変えるだけではなく、
もう少し何かないかと考えたとき、
いいものがあるではないか、と気づきました。
それは、素材は冬っぽいのに、全く暖かくないあのものたち、
みんなにあまり好かれていないので、持っていない人も多い、あのものたちです。

素材は冬っぽいのに全く暖かくない素材とは、
コーデュロイ、別珍、ベルベットです。
これら、素材はコットンやレーヨンであることがほとんどなので、
着てみても、暖かいということはありません。
ただ、陰が深く出る起毛素材のため、私たちはなんとなくそこに秋や冬を感じるのです。

確かにコーデュロイ、別珍、ベルベットの中にはそれなりに厚みがあり、
暖かく感じられるものもあります。
しかし、それは真冬に対応するほどの暖かさではありません。
それゆえに、多くの人にこの素材は好まれませんでした。
しかし今こそ、これらを選ぶときなのです。

選び方のポイントは、まず薄いものを選ぶこと。
幾ら起毛していても、それは単なるコットンやレーヨンです。
薄ければ、着て暑すぎるということはありません。
気温が高い秋でも、薄手のコーデュロイのシャツなら、それほど暑くはないでしょう。

また次のポイントは、
デザイン的には夏と同じものを選ぶこと。
これは実際にそういうものがあれば、ということですが、
ノースリーブや半袖、ネックが広く開いたものを選べば、
より一層涼しく過ごせます。

最後のポイントは自宅で洗えるものを選ぶことです。
まだまだ暑い日が続くということは、汗をかく日が多いということ。
洗えない素材だと困ります。
インナーやトップスであったら、少なくとも手洗い可能なものを選びましょう。

このほかにもまだ考えられるのは、
コットンやシルクのニットです。
日本の場合、コットンやシルクのセーターは、真夏には暑すぎる場合が多く、
買っても着る機会が少ないアイテムの代表でした。
しかし、真夏ほどではない暑さでしたら、これらのニットは快適です。
コットンの場合は家で洗えます。シルクも選べば手洗い可のものもあります。

またその他のものとしては、
シースルー素材やフロッキープリントが施された素材、
薄いウールのもの、サマーウールと呼ばれている梳毛のウールも、
「新しい秋」には着られるでしょう。

これらの素材で作られたアイテムを9月以降、適宜追加していけば、
暑く汗ばむ秋という「新しい秋」のワードローブは完成すると思います。

足元も、秋らしい色や、また秋冬に多用されるエナメルやスエード、フェイクファーを使えば、
たとえサンダル履きであったとしても、「新しい秋」に対応できるでしょう。

残念ですけれども、
もう昔のような秋は戻ってきません。
あの頃の秋は思い出の中だけです。

庭に植える植物の種類も変わりました。
同じように、「新しい秋」に着るワードローブも変えなくてはいけません。

今までの「秋」という概念は捨て去って、
「新しい秋」を新たにインストールして、
この新しい季節を快適に過ごしたり、飽きないためにも、
ワードローブを新しく作り変えていきましょう。


2023年7月13日木曜日

猛暑対策いろいろ

年々、暑さが激しくなってきています。
よって、猛暑対策のアップデートが必要です。
しかし暑くなる夏を追いかけるように、
猛暑時に適した冷感、放湿、速乾機能を持つ機能性素材の服や下着もふえ、
以前よりも、選択肢は広がりました。
それらを試してみた方も多いでしょう。

暑さに対しては、
その人の暑さへの耐性、
住んでいる地域、
住んでいる環境、働いている環境、
年齢や体質等により感じ方は違います。
ですから、一概に誰にとってもこれがいいというものはないと考えたほうがいいでしょう。

ただ言えるのは、西洋の衣服、つまり洋服というものは、
35度以上の暑い日には対応しているとは言い難い衣服である、ということです。
ある程度以上、気温が高くなったときには同じように気温の高い、
アジア、アフリカ、インド等の衣服を参考にしたほうがいいと考えます。

暑さとは体感なので、絶対にそうだとは言えませんけれども、
私の体感では、35度を超えるような日は、シルクやリネン、ヘンプなど、天然素材のほうが適しているようです。
また、30度前後でしたら、コットンやウールも、機能性がある化学繊維よりもいいのではないか、と感じます。
また、暑い国の人々の暮らしを見ればわかるように、
日差しが強い日は日よけにもなる帽子、日傘、サングラス、そして長袖といった、
日光をよけるスタイルのほうが暑さによる疲れも防げるように感じます。
下半身は上半身ほど暑くは感じないので、
少なくともインナーも含めたトップスはシルク、リネン、ヘンプ、またはそれがないのならコットンをうまく重ねて、外出時は日光をよけるのがいいでしょう。
シルクやウールは抗菌作用もあり、バクテリアの発生を防ぐため、汗臭さを防止します。

言うまでもありませんが、
最も暑いのは、何の機能性もないポリエステル、ナイロン、アクリルです。
どんなに透けていても、サテンのようにさらっとしていても、
何の機能性もないポリエステルを真夏に着ていて、暑くないということはないでしょう。
レーヨンやリヨセル、キュプラは天然素材由来のパルプが原材料なので、石油由来の素材のように暑くはなりません。

前述したとおり、
暑さをどのように、どれぐらい感じるかは人それぞれです。
他人がどう感じるかはお互いにわかりません。
自分ができるのは、そして自分しかできないのは自分の体感する暑さのコントロールです。

これからより一層猛暑が進めば、ファンが内臓された空調服が必須の職場も出てきたり、
その他、「着るクーラー」のような家電も必要になってくるかもしれません。

暑さに対する自己防衛をしつつ、
地球温暖化対策として、これ以上、アパレル商品の大量消費をしないためにも、
1枚を長く着る、リメイクする、リサイクルする、シェアする、借りるなど、
サーキュラーファッションにつながるよう行動する必要があります。

気候も環境も変わりました。
売られている服の素材も変わりました。
以前と同じ行動では、通用しません。
私たちも、行動を変える必要があるのです。



2023年7月3日月曜日

私が考えるメンズのワードローブ (メンズのワードローブ構築例)

さて、少人数ではありますが、私のクライアントさんの中にはメンズの方がいらっしゃいます。
しかも20代と30代の皆様です。(みんな、ありがとう!)
そんなわけなので、メンズのコレクションを見たり、ワードローブ構築についてもしばし考えたりします。

そこで今日は「もし私が男物でワードローブを作るなら、どんなふうにワードローブを作るか」
考えてみました。
以下のように考えます。

ワードローブの骨格
アウトドアウエア
スポーツウエア
トラッド
この3本柱

色はネイビー系、白、グレー、黒系、ベージュ、ブラウン系の中から2系統選択

仕事で特にスーツが必要なく、通勤はカジュアルなスタイルでもOKなら、
アウトドアウエアとスポーツウエア+トラッドで組み立てます。
アウトドア、スポーツウエア、そしてトラッドを選ぶ理由は何か。
もちろん好きなテイストであるということもありますが、もうひとつ
これらはデザイン、シルエット、色のどれをとってもトレンドに影響されにくく、
長く着られるものが多いからです。
例えば、ゴアテックスのレインジャケットは、少々値は張りますが、デザインを選べば、街着としても、もちろんアウトドアでも、そして災害対策にもなり、かつデザイン的にも、物質的にも長く着られます。

トラッドの基本アイテムは、もともと軍服や制服だったものがほとんどです。
トレンチコート、ブレザー、Pコート、サファリジャケット、チノパンツにカーゴパンツ、どれも軍服オリジナル。
これらはデザインも変わりませんし、いつの時代にも通用します。
そして、カントリーサイドに住むイングリッシュジェントルマンを真似るなら、
セーターの肘が抜けたらパッチを当てる、または繕うなど、
少々へたれても、ほころびても、それでも堂々と着ていられるのがトラッド。
そして高級なレストランでも、銀行や商工会議所でも、ブレザーを着ればどこでも許される、それがトラッドの威力です。

たくさんのアイテムを持たないで過ごすためにはなるだけ汎用性のあるアイテムを集めることが重要です。
毎日のコーディネートやメンテナスに労力をかけたくありませんから。
都会と郊外、あるいは田舎、徒歩と電車、あるいは車での移動、
春夏秋冬、台風と雪、キャンプ場からしゃれたイタリアンレストランまで、
どこにでも行きたい場合、アウトドア、スポーツウエア+トラッドならそれも可能となります。

ミニマムで、かつ誰の目にもきれいに映るルックを作りたいので、
全体のルックの色は2色、あるいは3色、
もしくは、黒、グレー、白のように1系統でグラデーションを作ります。
都会に住んでいるのだったら、黒、グレー、白でいきますが、
カントリーサイドや海の近くに住むと全身黒のルックが浮いてしまうので、
海の近くに住むのが好きな私は、
ネイビー系統とオフホワイト、ベージュ、ブラウンの2系統で統一。
ほかの色はアクセントとしてオレンジをほんの少しプラス。
彩度の高いヴィヴィッドな色を少しだけプラスすることで、
生き生きとした若々しい感じを視覚的に作り出します。
選ぶ香りもオレンジ系の、例えばアクアディパルマのブルーメディテラネオのシリーズを。
視覚と香りでオレンジ強化です。

選ぶブランドは、
例えばアウトドアウエアなら、ノースフェイスがスタイリッシュで格好いいですが、
かなり流行っているので、誰かとかぶる率も高い。
だからエーグルか、あるいはバブアーを選択。
トラッドはバーバリーが好きですけれども、現在、とても高額なので、
セカンドハンドや中古で集めます。
ハットや手袋、マフラーも抜かりなく。
ネイビー系統のタータンチェックか、オレンジのカシミヤのマフラーを買います。

シャツ、パンツ(チノパンツ、カーゴパンツ、ウールフラノのパンツ)、セーターを基本に、Tシャツ少々と、ジャケット、コート(レインジャケット、ステンカラーのコート、ウールのコート)があれば1年過ごせるでしょう。

靴にはお金をかけて、手入れすれば長くはけるものを。
バッグは機能性を重視して。ノートパソコンを持って歩くし。
お休みの日はトートバッグで。
余裕があるなら、長く使えそうなハイブランドのものを一つ買って。

私が男で、今の日本を生きているなら、こんな感じでいくでしょう。

今の時代、着るもので知性を感じさせたいのなら、
否、知的であり続けたいならば、
いいものを長く着る、
環境に配慮したものを選択する、
古着やセカンドハンドを取り入れる、
この3つを外すことはできません。
知性がないと、このことは全く理解できない。
そして理解だけでは足りません。
行動を伴ってこその知性です。

おしゃれよりも、きれいであること。
私がメンズだったら、その点に最も気を付けるでしょう。

これは私の好みなので、誰にでもお勧めです、というわけではありません。
だって、住んでいるところも仕事も、
好きなことも、嫌いなことも、
人生の目的も全部違うでしょう?
だからこれは私なら、こうします、という話です。

それでもなお、得られる点があるのなら、どうぞご利用ください。
喜んで差し上げます!



2023年3月6日月曜日

HOMME GIRLSの時代がやってくる

一部の皆さんはお気づきだと思います。
HOMME GIRLS(オムガールズ)の時代はもうすぐそこまできています。

ではHOMME GIRLSとはどんなガールズでしょうか。

HOMMEは、フランス語で男性、あるいは人間という意味になります。
ここではあまり深い意味を考えず、
男性の装いをする女の子、ぐらいに考えておけばいいでしょう。
まだまだお子様の少年ではなく、大人の男ということです。

次の時代は、そんな、男性ものを着るガールズの時代になるでしょう。

彼女たちは、ボーイッシュに作られた女物を着るのではなく、
男性用の服をそのまま着ます。
ワードローブにはメンズウエアがたくさん並び、
その中から今日の装いを決めて外出します。

以前だったら、甘辛ミックスなんて言っちゃって、
マスキュリンな装いには必ずフェミニンな要素を入れたものですが、
もうそんなことはしません。
全身メンズでもお構いなし。
なぜなら、もう時代が変わったから。
メンズウエアを着るために、誰の許可も要らないし、
人目なんか気にならないから。

女らしさを捨てたとか、そんなことではないのです。
ただ単に、メンズウエアを着たいだけ。
なぜならそれは機能的で、動きやすく、
何よりも格好いいから。

そんなHOMME GIRLSたちは、
自分の着るものは自分で決めます。
他人の意見を聞くには聞きますが、
最終的に決定するのは自分です。

自分で考えて自分で行動、
困ったときには誰かに助けを求めることもできるけれども、
基本的には独立した存在。
これがHOMME GIRLSです。

そんな彼女たちにはメンズウエアがふさわしいのです。
なぜかって、まだまだHOMME GIRLSには達成しなければならないことがあるから。
自分の意見を表明し、明らかな不正とは断固戦う、
そんなときにはメンズウエアがうってつけ。
そう彼女たちは気づいたのです。

このときを待っていたHOMME GIRLSの皆さん、
この時代を歓迎しましょう。
もう好きに着ても大丈夫。
誰にも文句を言わせないし、邪魔はさせません。

自由と独立を阻む者が出てきたら、
啖呵を切って出ていきましょう。
きっと彼らは追いかけてこないから。

「自分の着るものは自分で決める」
それがHOMME GIRLSの合言葉です。



2023年2月23日木曜日

再びボディを意識せよ

ビッグシルエットが流行る時代、
服と人間のボディの間にはたくさんの空気が入り込みます。
その結果、起こったのはボディに対する意識の低下でした。

ボディは、空気以外の何かに触れられる、
または外界にさらされることにより意識されます。
布が身体に触れず、
また外界に存在する空気、
あるいは視線といった目に見えないものにさらされないでいると、
ほとんどその存在を忘れてしまいます。
痛みがなければ。

下着以外の被覆がボディにフィットしない服を長く着続ければ着続けるほど、
意識されなかったボディは独自に形作られます。
それはほとんどの場合、ゆるく外へ向かいます。

しかし行き過ぎたトレンドは元へ戻るのです。
無視され続けたボディは、再び意識される方向へ向かいます。

新たなるボディコンシャスが、この先10何年続くトレンドに浮上してきました。
ボディは意識されるべきものとなります。

ボディは服によってどのように意識されるでしょうか。
それは身体に密着して、
あるいは素肌を外界にさらして、
です。

具体的に言うならば、
上半身、あるいは下半身、あるいはウエストへの過度な密着、
そして、
深いスリット、短い丈、肩や背中のパーツを抜くことによる露出です。

これらの服は、ボディを意識すればするほど、美しく着られるようにできています。
若いほうが有利ではありますが、年齢に関係なく、意識されている具合が高いほど、
うまく着こなせます。

ひだやプリーツ、ベールで覆われていた肌の、
そのベールを取り外す時代がやってきました。
もちろんこれはトレンドなので、
必ずしも洋服を着る人たちすべてが採用するものではありません。
しかし、明らかに市場にはこの点を意識した衣服がふえていくでしょう。

隠されていたもの、
見たくなかったもの、
無視していたものが今、
白日にもとにさらすべきもの、
見るべきもの、
意識するものとして戻ってきました。

それを受け入れるほどに、その人の装いは完璧に近づくでしょう。


2022年12月8日木曜日

メンズウエアもチェックせよ

年齢、または何かしらの事情で体型が以前と変わることがあります。
その場合、細くなる人もいれば、
肉付きがよくなり以前と同じサイズのものが入らなくなる人もいるでしょう。

年齢を重ねていくと代謝が落ちるため、以前のものが着られなくなり、
服を選ぶときにサイズが合わないことがふえてくるようです。

細くなる人よりも、大きくなる人のほうが問題が生じます。

大きくなった場合はサイズを大きいものにする、
あるいはプラスサイズを扱うブランドにかえるという方法もあります。

しかしそれ以外の方法があります。
それがメンズウエアの中から選ぶことです。

ここ数年ビッグシルエットが流行しています。
この流行はこれからも続くだろうと、私は予測しています。
2000年代のように
すべてがタイトなシルエットのものを着なければならない時ならいざ知らず、
今のようにすべてのものが大き目のトレンドの時代は、
大き目のメンズウエアを着てちょうどいいぐらいのことも多々あります。

メンズウエアの中でも特に女性が着てもほとんど問題ないものはアウトドアウエアとワークウエアです。

アウトドアウエアの場合、実際にアウトドアでの着用を想定しているため、
レディスサイズはそれほど大きくはありません。
どちらかというと、身体からつかず離れずのサイズ設定になっていると思います。
これをビッグシルエットで着たい場合は、
メンズサイズのものを選んだほうがしっくりくることがあります。

次にワークウエアです。
ワークウエアのブランドの中には、
メンズの最小サイズを女性向きに作っているところもあります。
大きく宣伝はしていませんが、
デザイン、仕様、縫製ともメンズではあるけれども、
女性が着られるように小さ目のサイズも出しているブランドがあります。

もちろんこういったものだけではなく、
トラッドと呼ばれているウエアの中には、
むしろメンズを着たほうがちょうどいいものもあるでしょう。
古着や中古品を探す場合は、メンズのコーナーもチェックするといいでしょう。

多くの方は御存知ないと思いますが、
メンズウエアの縫製工場とレディスウエアの縫製工場は同じではありません。
メンズのジャケットやパンツは、それ専門の工場があります。
そのため、似たようなデザインのジャケットやパンツでも、仕様や縫製が違います。
メンズのパンツのウエスト部分のように、
メンズ仕様のほうがウィメンズのパンツよりも工程が多く、
丁寧な仕上がりのものが多いのです。
セリーヌのように特にこだわってメンズウエア専門の工場で作らない限り、
女物のジャケットやパンツはメンズの縫製工場では作られません。
このようにメンズウエアを選ぶことには、メリットもあります。

背が高い人、
ガタイがいい人、
体型が変わってきて肉付きがよくなってきた人は、
たとえ大き目であったとしても、
服の構造のしっかりしたメンズウエアのほうが似合う場合があります。
特に、肉感を消したい方には最適でしょう。
もちろんそれ以外の、メンズウエアのテイストが好きな「HOMME GIRLS」たちにも
メンズウエアをお勧めします。

ジャケット、シャツ、パンツからコートまで、
ウィメンズでは見つからない場合、
メンズウエアもチェックしてみてください。
ただし、サイズ感は今まで着てきた女物とは違うので、必ず試着してください。
少し離れて鏡の前に立ち、
今の時代のシルエットと似た雰囲気が出ていると思えたら、
その時点で買うといいでしょう。

今の時代の気分のシルエットがわからない場合、
買いに行く前に好きなブランドの最新コレクションをチェックして、
目を慣らしてから自分の姿を確認するといいでしょう。

過去の自分に見慣れていると、
メンズウエアを着た自分が想像できないかもしれません。
そのため、なかなかメンズウエアを選ぶことができないでしょう。
しかし私たちはずっと以前のままではありません。
日々進化し続けていると信じて、
新しいシルエットを身にまとった自分を全肯定しましょう。

 


2022年11月15日火曜日

変身するならまずは髪型とメイク

変身願望はあるでしょうか?
あるいは、変身しなければならない抜き差しならない理由があるでしょうか?

今までの自分を否定して、
新しい自分になる必要性、あるいは欲望が、
許容限度を超えて、ついに実行に移さなければいけなくなったときに、
まずやるべきことは何かというと、残念ながら、それは服を買いに行くことではありません。

まず変えるべきなのは、髪型とメイクです。
顔と、その周辺を変えることが先で、着るものはその後についていきます。

オードリー・ヘップバーン主演の「ローマの休日」を思い出してください。
あの映画の中の有名なシーンは何だったでしょうか。
そうです、長い髪の毛をショートヘアにカットするシーンです。
あのシーンから、オードリー演ずるアン王女は新しい自分になるのです。
メイクこそ変えないものの、髪型を変えることによって、すべては動き出します。
想像が現実になり、想像を超えた現象が起こり始めます。

服装はその後についていきます。
ショートヘアにはショートヘアにふさわしい服装があります。
アン王女は、ショートヘアにふさわしく、
靴をかえ、
袖をまくりあげ、
ブラウスの第一ボタンと第二ボタンをはずし、
スカーフを首元に巻きました。
映画という短い時間の中でさえ、それは一度には完成しませんでした。

ヘアスタイルとメイクの変更は一瞬でできます。
しかし、服の変換、特に自分のワードローブ全体の変換には時間がかかります。
なぜなら、今まで着てきたワードローブを一度に全部取り換えることは、
ふつうの人には不可能だからです。

変身企画では、ヘアスタイルとメイクをかえたら、
どこかのショップへ向かい、上から下まで最新流行の新しい服に全部取り換えます。
たしかにそれは完璧です。
だけれども、家に帰って、自分のワードローブの前に立ったら、
その魔法は解けます。
過去があなたを現実に引き戻します。

けれども次の日、新しい髪型の自分を鏡の中に確認したら、
そのときから、自分のワードローブ変換の旅に出るといいでしょう。
もう一度、変身企画のあのときのようにメイクを自分でし直して。
1ヵ月もして、髪の毛が伸びてきたら、
再びカットし直して。
過去の自分に引き戻されないで、
先に進んだ自分のビザージュを忘れないで、
時間をかけてワードローブを構築し直していけば、
やがてあなたは本当に変身できるでしょう。

なぜこんなにもワードローブの構築には時間がかかるのでしょうか。
それはそれだけ過去があるからです。
服、靴、バッグといったモノは、
髪の毛や肌のように毎日新陳代謝するイキモノではないからです。
モノは壊すのにも、消えてなくなるのにも時間がかかります。
そう簡単にはこの世から消えてなくなりません。

選んだ責任を全うするためにも、
時間をかけて、ワードローブを変換していくといいでしょう。

途中でやめたらそれきりです。
できないと思ったら、そこで終わりです。

そうしてワードローブの変換が終わったときに、
変容した自分が姿をあらわします。
人生が本当に変わっていくのは、その変容の後でしょう。