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2023年12月20日水曜日

シンデレラのように

最近、感じることがあります。
それは、以前よりも、日常着とお出かけ着の差が少ない人がふえたということです。
その差は、この10年で急速に縮まったように見えます。

例えば大好きなアーチストのライブへ行くとき。
以前だったら、会社帰りであったとしても、何かしらライブなりコンサートにふさわしい装いで、ライブを楽しむ人が多くいました。
ライブ会場やコンサートホールは非日常的な空間ですから、会社に行くための通勤着でそのまま会場に行くよりも、気分が盛り上がるというものです。

また例えばインテリアが素敵なホテルのラウンジでお茶をする場合です。
以前だったら、そのホテルの格にふさわしい装いをなんとか工夫して出かけた人が多かったと思います。

それが最近では、衣服全体のカジュアル化が進み、
「おしゃれだ」ということを盾にして、どこへでもカジュアルな日常着、
あるいはカジュアルな通勤着で出かける人がふえました。

差の縮小はどこへでも同じ格好で出かけられるという自由をもたらした反面、
平凡な日常から飛び出した、非日常的な経験をフラットなものへと変える作用をも
同時にもたらしました。

さて、人にとって、どちらがより楽しいのでしょうか?

気楽な日常着や仕事着は気楽な反面、より以上の楽しさをもたらしません。
日常着や仕事着に求められるのは、便利なこと、楽なこと、汚れないことなど、
機能的な側面です。

一方、よそ行きやお出かけ着は、不便であったり、窮屈だったり、楽ではなかったりします。
装飾的な面が高ければ高いほど、その傾向は強まります。
それが着飾るということです。
装飾とは、決して楽なものではないのです。
私たちは好き好んで、その楽ではないものを選びます。
理由は、その不便や窮屈を乗り越えた先に、その労苦に値する喜びが待っているからです。

高いヒールに窮屈なウエスト、脱ぐのに難儀する背中のファスナーなど、
わざわざデザインされるのは、装飾的な装いの純粋な喜びを経験したいからにほかなりません。

いつでもどこでもどこへでも行かれるカジュアルな日常着には、
圧倒的な喜びを人にもたらすほどの力はありません。
楽と引き換えに、その力は奪われました。

いつの時代も、どの民族も、この装いによる喜びを知っていました。
機能や効率とは無関係の、無駄な装飾性はあらゆる文化に見られるものです。
それは主に祭事や儀式といった、ハレの日のためのものでもありました。

装いの喜びを経験するための祭事や儀式が極端に少なくなった現代でそれを享受しようとするのなら、みずからその機会を作らなければなりません。
そして私たちにとってそれは、
たまにしか行かないライブであったり、ホテルのラウンジでのアフタヌーンティーです。

シンデレラの物語を思い出してください。
いつも仕事着しか着ていないシンデレラでさえ、
舞踏会という祭事のためのドレスは用意しようとするのです。
どんなに自分が美しくとも、舞踏会にはドレスがふさわしいのです。
その美しいドレスを着ることによってシンデレラにもたらされるのは、
喜びと自信です。
喜びと自信の積み重ねが、自己肯定感を高めます。

楽で汚れない、しかもどこへでも行っても文句を言われないカジュアルなおしゃれでも、
日常的には不満はないでしょう。
しかしそれでは、非日常の特別な喜びは味わえません。
魂に必要なのは、その両方の要素なのです。

であるならば、シンデレラのように、
普段は楽で、汚れても構わない仕事着を着ていたとしても、
非日常的な場面のために、着飾ってみたらどうでしょうか。
それほど難しいことではありません。
またそれは「ファストファッションにハイブランドのバッグを合わせる」ことでもありません。

普通のワンピースやジャケットを、
スニーカー以外の靴に合わせる、
そんなことでいいのです。

服やバッグにたくさんお金をかけられないならないなりに、
セカンドハンドを利用したり、
誰かから借りたりすればいいのです。

そんな少しの努力と経験が、
あなたの魂を潤すでしょう。

フラットでカジュアルな日常から抜け出して、
カラフルでドラマチックな非日常を楽しんで、
自分が主人公の物語を紡いでいきましょう。

 

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こんな方々に最適です。

 これまでファッションレッスンを受けた方々の感想としては、
・毎日のスタイリングが楽になった。
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・もっと早く知っておけば被服費が節約できたのにと後悔。
などです。

 詳細はこちらにあります。














2023年12月5日火曜日

あなたが思うよりもそれは少なく


 

おしゃれにもレベルがあります。
毎日の平凡な、これといって何事もない日々のためのおしゃれ、
そして、非日常的な出来事のための飛び切りのおしゃれ。

24時間365日、同じレベルでおしゃれをしている人は、
いないことはないでしょうけれども、あくまでそれはごく一部の人。
ほとんどの人は、ごく普通の日常的なおしゃれと、
ごくたまに訪れる飛び切りのおしゃれの
両方、あるいはどちらかのレベルのおしゃれのためのルックを用意しているでしょう。

昔それはお出かけ着と呼ばれていました。
大切なお出かけのための特別な服、靴、バッグ。
女性たちは、自分なりのお出かけ着を持っていて、
ここぞというときに、それらを身に着けて、特別な日に、特別な場所で、
大切な人と会うために出かけたものです。

それは、おしゃれとしては少々難易度が高く、
普段着には必要ない力を要求したりします。
着ていて楽な、とは正反対の、
背筋を伸ばして、歩き方や座り方に気を付けなければならない、
いつもとは違う緊張感を要求する最上のおしゃれ。

しかしそれは、労力をかけても価値のある
経験や想い出をその人にもたらします。
きっとその人が死ぬ間際に思い出すのは、
そんなおしゃれをした日の想い出でしょう。

けれども、そんな飛び切りのおしゃれができる日は、人生でそう多くはないのです。
暑すぎたり、寒すぎたりする日は、おしゃれより先に暑さや寒さ対策をしなくてはなりません。
大雨の日や雪の降る日は、とびきりのおしゃれのための靴は履けません。
それだけではありません。
飛び切りのおしゃれをするだけの体力や経済力があるとき、
また、それだけの気持ちの余裕があるときも、
振り返ってみれば、それほど多くはなかったと気づくでしょう。
仮にそれがあったとしても、おしゃれにふさわしい舞台に行けるかどうかはまた別問題です。
素敵なロケーションの街やお店、カフェやレストラン、
劇場や美術館や博物館など、近くにはないかもしれません。

例えば、暑くもなく寒くもなく、
青空が晴れ渡る秋の一日。
並木道の銀杏は黄色く色づき、すぐ近くには港や公園、中華街がある
横浜の山下町あたりのホテルのラウンジで、
誰か大切な人とお茶をするのならば、
それはまさに飛び切りのおしゃれをするにふさわしい時と場所とシーンと目的。
そこで飛び切りのおしゃれをしないのなら、
一体いつするというのでしょうか。

今このとき、わずらわしい出来事からちょっとだけ離れて、
暖かい日差しの中、そこにふさわしいおしゃれをしたならば、
それはきっと、その人の大切な思い出トランプの一枚となるでしょう。

あなたが思うよりも、飛び切りのおしゃれができる時は少なく、
それを逃したら、次はなかなか訪れません。

それならば、約束を守らない友人からの連絡など待つのはやめて、
世界情勢が気になるのなら、寄付や署名など、自分にできることだけはやっておいて、
どんなに遠くから何回も電車を乗り継いででも、
飛び切りのおしゃれでホテルのドアを通り抜ける、
それがいつか失う肉体の持ち主である自分に対する責任ではないでしょうか。

あなたがおしゃれでなくてもほとんどの人は気にしません。
人の目のつかないような席に通されるだけです。
それが嫌ならば、
チャンスを無駄にしないこと。
飛び切りのおしゃれをしてその日を過ごしたという経験を自分に与えるように。
それは自分しかできないこと。
大人になったら、もう誰も、あなたのおしゃれの面倒など、見てはくれないのです。

 

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 詳細はこちらにあります。

2023年11月23日木曜日

「かわいい」を作り出す

相変わらず、「かわいい」が人気です。
実際には「かわいい」が表現する範囲は広く、
普通はかわいいとは思えないようなものにまでかわいいは使われています。

今回は、ごく一般的に多くの人がかわいいと感じるような要素をどうやってルックに取り入れたらいいのか、考えていきます。

洋服の世界において「かわいい」を表現する際に使われるのは以下の要素です。

・ふんわりとやわらかい素材や細部
・パステルカラー、あるいは暖色系
・男性が着ないようなアイテムやデザイン

ふんわりとやわらかい素材とは、例えばシフォンやオーガンジーモヘア、また手法としてはギャザーやプリーツなどです。

色に関しては、パステル調のピンクや水色、レモンイエロー。または赤、黄色、オレンジといった暖色系もかわいい女の子の表現にはよく使われます。

男性が着ないようなアイテムやデザインとしては、スカートやワンピース、フリルやレース、または花柄などです。

ここまでだと、「女性らしさ」と重なる部分も多いです。
なぜなら、男性はあまり「かわいい」を採用しないからです。

洋服の世界でかわいいを表現するときには、これ以上のものがあります。
それは、子どもが身に着けるような「かわいい」デザインの大人への転用です。

それは以下のようなものになります。
・ウエストのくびれがなく、ハイウエスト気味
・身体のラインを出さない
・台襟がないフラットカラー
・ハイソックスにメリージェーンのような、子どもがよくする足元

子どもは寸胴なので、ウエストのくびれがありません。
ですから、スカートをはくには吊りひもが必要になり、若干ウエスト位置は高めの設定です。
また、首も短いので襟はフラットカラーです。
また形も丸くすれば、より一層かわいさを強調できます。
ハイソックスはスポーツで着用しますし、必ずしも子供用というわけではありませんが、これがメリージェーンと組み合わされると、少女っぽくなります。
子どものピアノの発表会でよく見るような組み合わせであり、大人はあまり使いません。

以上のような要素をいくつか取り入れれば、「かわいい」ルックは出来上がります。
ついでに、メイクに関しても血色感がある暖色系のカラーでまとめれば、顔も含めてかわいくなります。

実際にこれらの要素を取り入れるのはそれほど難しくはありません。
ただし、注意点はあります。
それは、子どものかわいいの大人への転用要素です。

日本では、大人向けでも、この子供服の要素を取り入れた服が多数売られています。
実際に大人向けの、ウエストがぶかぶかな吊りひもつきのスカートは売られています。

しかし西洋の衣服においては、大人の成熟は子供っぽい要素を取り入れるほうへは向かいません。
子どもっぽい細部は、せいぜい若者向きであり、
いい年の大人の女性が取り入れるべきものではないと考えられています。
それは毎年行われるコレクションを見れば明らかです。
大人は成熟したものであるとして扱われます。
西洋のファッションが追い続けるのは、いつでも自分のことは自分で決められる自立した女性像なのです。

いい年の大人になってからこの成熟とは反対方向の幼さが表現された衣服を着用すると、おしゃれからは遠ざかります。
それは確かに「かわいい」でしょう。
しかしもはやそれは、おしゃれであるとか、スタイリッシュであるとは別物になります。

かわいくて、かつおしゃれな装いを作りたいときには、
この点に注意しなければなりません。

かわいいだけじゃなく、おしゃれでスタイリッシュに見せたいのならば、
子ども要素は取り入れないほうがよいと覚えておいてください。

どちらの大人を自分が目指しているのか、あるいは目指していたのか、
再度ご確認ください。
答えが出たのなら、それに従えばよいでしょう。


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 詳細はこちらにあります。

2023年11月7日火曜日

たくさんあると、魅力がなくなる

流行は、少数のモノ、少数の人によって始められます。
最初はたくさんのものの中に一点、あるいは大勢の中の一人が、
徐々に点数をふやし、まだらになり、点在しながらふえていきます。

流行は、たくさんのもの、大人数によって終わります。
点在の密度が高まり、ほとんどそれが覆いつくすほどになると、流行は終わります。
ファッションでいえば、
お年寄りや小さな子供までが着たり、履いたりするようになるほど広がると、
流行は終わります。

流行が終わったのは、魅力的に見えなくなったことが理由です。
私たちはどうやら、たくさん同じものを見ると、そこに魅力を感じないようにできているらしいのです。

例えば鳥です。
(最近、バードウォッチングを始めたので、鳥でたとえます)

雀やカラス、ムクドリなどは街でたくさん見かけます。
私たちは、もはや雀、カラス、ムクドリに特別な魅力は感じません。
魅力を感じないので、それを探してみたり、わざわざ見に行こうとはしません。

しかし、コウノトリやライチョウのように、絶滅危惧種に指定されているほど数が少ない鳥に対しては、非常に大きな魅力を感じます。
これら絶滅危惧種を見たり、出会ったりすることは非常に魅力的なことになります。
私たちは、絶滅危惧種を見ることを切望します。
また、それを見た人たちはうらやましがられます。
それはすなわち、数が少ない絶滅危惧種の鳥たちは人間にとって非常に魅力的であるということです。

たくさん見ると私たちは飽きます。
しかし、飽きるまでもなく、たくさん存在するというだけで、私たちは魅力を感じないようにできています。

ファッションも同じことです。
みんなが持っている、よく売れている、これらのものは飽和すれば、
それはありふれたどうでもいい、特別魅力を感じないものになります。

その魅力を感じない主体には他人ばかりでなく、自分自身も入ります。
自分自身にとっても、たくさんあるものはどうでもいいものになります。
見慣れたもの、たくさんあるものは、自分自身でさえ魅力を感じないため、
それを着用するのが嫌になるのです。

であるならば、最初からその「たくさん」のものを選ばなければいいのではないでしょうか。
わざわざみずから、雀やカラス、ムクドリのような見た目を作る必要はないのでは?
1980年代、90年代の黒ずくめのカラスルックの流行は、
それが街全体にまん延して終わりました。

どんなに一羽一羽がかわいくても、いつもそこにいる、何も珍しくない存在となれば、それは魅力を感じないものになります。

いっそ私たち自身も絶滅危惧種になるぐらいでちょうどいいのです。
それは誰もが見たがるでしょう。
それは誰もが探し続けるでしょう。
なかなか見ることができない魅力的なもの、
そちらを選ぶほうが、ずっと珍重され、憧れ続けられるのです。

 

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2023年10月13日金曜日

それでもいいものを見たほうがいい理由

※展覧会を見に行くのもいいアイデアです。

2023年10月現在、日本の購買力は今から50年前の1970年代と同じだと言われています。
外国のブランドのものは「舶来品」と呼ばれたあのころ、
海外旅行は簡単に行けるものではなく、
行ったとしても、好きなだけお金を使うことができなかったあのころに、
今の日本は逆戻りです。

現在、多くのアパレル製品は輸入物です。
生地とその原材料、その他の付属品も含めるのなら、
100%日本製のものは、ほぼないと考えていいでしょう。
日本では、コットンもウールもシルクもほとんど生産されていません。
ましてや化学繊維の原料になる原油は日本では、製品を作るほどの採掘はできません。

購買力が50年前と同じになるということとは、
すなわち、多くの輸入物の価格が上がることを意味します。
海外のブランドから日本のブランドまで、すべての製品の価格は上がっていくでしょう。

そうなると、多くの人のファッションに対する関心は低下します。
得られるかもしれない可能性が断たれたものについては、
考えないほうが精神の安定を保てるからです。
特に、クオリティの高い高価なものほど、遠ざける人が出てくるでしょう。
そうするにつれて、多くの人のクローゼットは、
カットソーとポリエステル、ナイロン、アクリルといった化学繊維であふれかえります。
誰かがそれを「ウールライク」などと呼ぼうとも、
それは原油から生産された、自然繊維よりも安価な化学繊維には違いありません。
安価であるという理由で、彼らはそれを「ウールライク」として採用しているのです。

安価にするための工夫は素材選びだけではありません。
縫う箇所を1本でも少なくし、工賃を安くするためのデザインも数多く実行されます。
その例として挙げられるのがウエストゴム、そしてポケットの省略です。
これらは、製造工程を少なくするのにうってつけのデザインです。

しかしそれでもなお、いいものを見たり、触り続けたほうがいいのです。
なぜなら、目、あるいは手の記憶によって、あなたの選択はなされるからです。

いいものをいくら見ても、もう忘れてしまったと思うでしょう。
しかし、一度インストールされたその情報はごみ箱の中に入っているだけで、
消去されたわけではないのです。
それは、気づかないうちに、まるで見張りのように、
私たちの日々の選択に影響を与えます。
見れば見るほど、その記憶は蓄積されていき、決して忘れ去ることはありません。
多くの人ができないのは、その情報を引き出すことなのです。

それはまるで見えないところで動き続けるアプリのように、
あなたの選択を監視します。
そして、どうでもいいもの、クオリティが低いもの、将来的に着なくなるであろうものから、あなたを遠ざけます。
気づいていなくても、それは正確に作動します。

限られた予算の中で、失敗の少ない買い物をするためには、
このアプリを入れておいたほうがいいのです。
予算が少なければ少ないほど、失敗は避けたい。
であるのならなおのこと、いいものを見続けて、
常にアプリを新しい状態に更新する必要があります。

私たちのほとんどの選択は、何かの影響によってなされます。
誰かの考えや言葉、誰かの姿、どこかで見た何かが、深く印象付けられて、
あれやこれやの選択をします。
選択を間違わないためにも、何がインストールされているのかが重要です。

もう以前のように、海外旅行もままならないし、
ラグジュアリーブランドのバッグを買うこともないかもしれません。
しかしどこかしらでクオリティの高いものを見続けるようにしましょう。

それは古着屋やセカンドハンドのお店かもしれません。
あるいはアウトレットや展覧会かもしれません。
または、知人が実際に着ているものや履いているものの可能性もあります。

クオリティの高いものの情報をインプットしておけば、自動的にいいものを選ぶようになります。
限られた予算の中からでも、なんらかの方法はあります。

カットソーと化学繊維まみれのクローゼットの沼で溺れないように、
今出来得ることを考えて、行動してみてください。
そうすれば将来、あなたは自分のクローゼットを見て、心底満足できるでしょう。
そして、いいものを見続けることをあきらめなかった自分に対して、
感謝の念をいただくでしょう。

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2023年10月3日火曜日

第7回川端龍子絵画鑑賞会「東京ハーピー」2023年11月3日 募集開始

 

                   ※チラシより画像をお借りしました。

2023年11月3日文化の日に、龍子記念館において絵画鑑賞会「東京ハ―ピー」を開催します。

 今年も小林と、龍子直系の曾孫に当たるアベユリコさんの二人でナビゲートします。
(※「東京ハ―ピー」とは龍子発行の雑誌名です。)

今回で7回目になる川端龍子絵画鑑賞会。
今年は、「 川端龍子プラスワン 濱田樹里・谷保玲奈 色彩は踊り、共鳴するの展示の鑑賞がメインです。
展示を見る前に、ユリコさんからは、川端龍子が日本美術史において、いかに独創的で、オリジナリティがあったかについてのお話、
そして小林から川端龍子の「オリジナリティ」にちなんで、
美と革新的オリジナリティということで、来年にやってくる牡牛座での天王星木星0度という、ラッキーチャンスの時期についての解説、
そしてその美とオリジナリティにふさわしい自家製のアロマミスト(5ml)のプレゼント。
※神奈川県西湘の柑橘類(シトラス)を自家蒸留して作った精油のブレンドです。
このアロマと星を使っての、美とオリジナリティの発揮の仕方を伝授します!

レクチャーの後は、記念館へ移動し、
お庭とアトリエの見学、作品鑑賞となります。

レクチャーの場所は換気のいい和室を予約しました。
日本美術に興味があるけれども見たことがない方、
アロマとアストロロジーに興味がある方、
なんだかわからないけれども参加してみたい方、
どんな方でも歓迎です。
おしゃれしてきても、おしゃれでなくても大丈夫です!

毎年、いいお天気になる11月3日文化の日、日本美術を鑑賞いたしましょう!

日時:2023年11月3日(祝日)
時間:13:30~16:30
場所:大田区立龍子記念館、その他・集合場所は東京都大田区内
定員:8名
参加費:2500円(記念館入場料・アロマミスト5ml込み)※別途、池上梅園入場料が100円必要になります。
主催:小林直子

参加ご希望の方は、
・お名前(本名)
・参加人数をご記入の上、
メールの件名「東京ハ―ピー」として、
fateshowthyforce@gmail.com
小林までご連絡ください。

よろしくお願いいたします!

2023年9月7日木曜日

「素肌」をジュエリーのかわりに

 「露出」とか「セクシー」という言葉で、その魅力の本当のところがうやむやにされている「素肌」には、その存在自体に魅力があります。

「露出」と思われるほど、
「セクシー」と形容されるほどに見せる必要はないのです。
それは手首や首元、足首と、
本当に少ない面で構わないのです。

覆えば覆うほどに、その対比によって、
「素肌」は光り輝きます。

一時期、真夏にもかかわらず、黒いマットなトレンカをはく人が出現しました。
あれも一種の流行なのでしょうけれども、
今ではさっぱり見なくなりました。
もちろん、真夏にあのトレンカが暑すぎるという問題もあるでしょう。
黒いトレンカを捨て、
クロップシャツを選択して、お腹の肌を少しだけ見せることを選んだのは、
多くの人が、素肌の魅力に気づいているからに違いありません。

ジュエリーは高価です。
ゴールドの価格はどんどん上がっています。
今では、おいそれとは買えない価格になりました。

しかしそのゴールドに勝るとも劣らない魅力が「素肌」にはあります。
なぜかように魅力的かというと、
素肌はイキモノであり、
水を含んだ細胞のひとつひとつが輝いているからでしょう。

では水着姿が一番光って見えるのかといえば、
それはそのとおりなのですが、
隠れている部分と、素肌が見える部分、
その対比こそが、この輝きをより一層際立たせるので、
ほとんど素肌が見えている水着では、同じような魅力を感じにくいのです。

洋服の世界では、この素肌の魅力をよくわかっているため、
スリット、スラッシュ、レース、シースルーなど、
見える素肌と隠す布地の工夫が施されたものも多くあります。

しかし、そんなものを利用しなくとも、
前開きのボタンをいつもより一つ多くはずすだけ、
また、手首や足首をまくってほんの少し見せるだけで、
同じ効果は得られます。

自分の中に対比を作ればいいのです。
他人と自分の問題ではありません。
その素肌と布地の境目こそが、最も魅力のある域です。
その境界線に私たちは惹かれます。
生き生きとした素肌と、死んだ物質である素材との、
その境界線こそが、私たちに想像の余地を与えるものだからです。

もう何もかも高くてジュエリーが買えないと、
そう嘆くのなら、
ジュエリー以上の価値のある「素肌」を光らせてみてはいかがでしょうか。

腕をまくる、
前開きのボタンを一つはずす、
スリットのあるスカートをはくときはマットなタイツはやめる、
そんなちょっとしたことで、
ジュエリー以上の効果がすぐに手に入ります。

問題なのは、
やるかやらないか、それだけです。

 

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2023年8月23日水曜日

「新しい秋」の服

昔、そうそれは2000年になる前のこと。
夏というものは大体8月いっぱいまでで、
9月になって学校が始まると(地域によりますが)、たまに暑い日があっても、
それは秋の日の気まぐれにすぎなくて、
朝、家を出るときの空は青く、
お昼に天頂を見上げれば、太陽はもう既に少しばかり傾いて、
朝夕に吹く風は涼しく、誰でも秋を感じることができました。

しかしここ2,3年でしょうか。
8月が終わっても一向に秋の気温にはならず。
真昼の太陽が傾きを増しても、
そして昼と夜の長さが同じになってもなお、
夏のように暑い日々が10月を過ぎても続くようになりました。
こうなると、2000年になる前のようには、
秋の服を着ることはできません。
それは暑すぎてもう無理なのです。

気候変動の影響のこの傾向は、今後も続くと予想されます。
場合によっては、今年が最後の涼しい夏の可能性すらあります。

このブログを書き始めた2010年ごろは、
それでも、長く暑い夏なので、形とデザインは夏と同じで色だけ秋色に変えましょう、
と提案しました。

もちろんこのアイデアは今でも使えます。
しかし、いまだ名前のない「新しい秋」とも呼べるシーズンを過ごすには、
これだけでは物足りない。

なぜ物足りないのかというと、
長い夏のかわりに秋がとても短くなったので、
西洋の衣服がその魅力を最も発揮する秋の服を楽しめないからです。

色を変えるだけではなく、
もう少し何かないかと考えたとき、
いいものがあるではないか、と気づきました。
それは、素材は冬っぽいのに、全く暖かくないあのものたち、
みんなにあまり好かれていないので、持っていない人も多い、あのものたちです。

素材は冬っぽいのに全く暖かくない素材とは、
コーデュロイ、別珍、ベルベットです。
これら、素材はコットンやレーヨンであることがほとんどなので、
着てみても、暖かいということはありません。
ただ、陰が深く出る起毛素材のため、私たちはなんとなくそこに秋や冬を感じるのです。

確かにコーデュロイ、別珍、ベルベットの中にはそれなりに厚みがあり、
暖かく感じられるものもあります。
しかし、それは真冬に対応するほどの暖かさではありません。
それゆえに、多くの人にこの素材は好まれませんでした。
しかし今こそ、これらを選ぶときなのです。

選び方のポイントは、まず薄いものを選ぶこと。
幾ら起毛していても、それは単なるコットンやレーヨンです。
薄ければ、着て暑すぎるということはありません。
気温が高い秋でも、薄手のコーデュロイのシャツなら、それほど暑くはないでしょう。

また次のポイントは、
デザイン的には夏と同じものを選ぶこと。
これは実際にそういうものがあれば、ということですが、
ノースリーブや半袖、ネックが広く開いたものを選べば、
より一層涼しく過ごせます。

最後のポイントは自宅で洗えるものを選ぶことです。
まだまだ暑い日が続くということは、汗をかく日が多いということ。
洗えない素材だと困ります。
インナーやトップスであったら、少なくとも手洗い可能なものを選びましょう。

このほかにもまだ考えられるのは、
コットンやシルクのニットです。
日本の場合、コットンやシルクのセーターは、真夏には暑すぎる場合が多く、
買っても着る機会が少ないアイテムの代表でした。
しかし、真夏ほどではない暑さでしたら、これらのニットは快適です。
コットンの場合は家で洗えます。シルクも選べば手洗い可のものもあります。

またその他のものとしては、
シースルー素材やフロッキープリントが施された素材、
薄いウールのもの、サマーウールと呼ばれている梳毛のウールも、
「新しい秋」には着られるでしょう。

これらの素材で作られたアイテムを9月以降、適宜追加していけば、
暑く汗ばむ秋という「新しい秋」のワードローブは完成すると思います。

足元も、秋らしい色や、また秋冬に多用されるエナメルやスエード、フェイクファーを使えば、
たとえサンダル履きであったとしても、「新しい秋」に対応できるでしょう。

残念ですけれども、
もう昔のような秋は戻ってきません。
あの頃の秋は思い出の中だけです。

庭に植える植物の種類も変わりました。
同じように、「新しい秋」に着るワードローブも変えなくてはいけません。

今までの「秋」という概念は捨て去って、
「新しい秋」を新たにインストールして、
この新しい季節を快適に過ごしたり、飽きないためにも、
ワードローブを新しく作り変えていきましょう。

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・たくさん持っているのに着るものがない、おしゃれに見えないと感じる方
・被服費を節約したい方
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・過去の自分に決別したい方
こんな方々に最適です。

 これまでファッションレッスンを受けた方々の感想としては、
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などです。

 詳細はこちらにあります。



2023年8月15日火曜日

要らなくなった服は回していこう!

 日本ではここ何年も「捨てる」や「片づけ」が流行っています。
「片づけ」の場合、それは必ずしも捨てることを意味していませんが、
「捨てる」の場合は文字通り廃棄であり、それは要するにゴミになるということ。
循環ではなく、一方通行(リニア)です。

それでよかった時代はとっくの昔に終わりました。
それはただ単に古いだけではなく、迷惑なのです。
それらが引き起こしているのが気候変動であり、
グローバルサウスへのゴミの押し付けです。

最先端のおしゃれな人たちは要らなくなった、
だけれどもまだ使える服、靴、バッグを捨てません。
回すのです。

回す方法は複数あります。
誰かにあげる、
フリマアプリを使って売る、
リサイクル店にもっていって売る、
リサイクルに回す、
です。

2019年の資料によると、
日本で手放された服がリユース、リサイクルされる率は合計で34%しかありません。
古着として再販される率は全体の11%です。
リサイクル、リユース以外はすべてごみとして廃棄になります。
(参考資料:サステナブルファッション 環境省)

おしゃれな人がやるのは、まだ着られる服ならば古着として売る、
そしてモノとして劣化あるいは破損で着られない服はリサイクルに出すか、
あるいは資源ごみとして出すことです。

劣化あるいは破損で着られない服は別として、
多くの人が、入らなくなった、あるいは着たくなくなったなど、
なんらかの理由で着なくなった服を持っているでしょう。
人間なので、ある程度そういった服が出るのは仕方のないことです。
問題なのはそれをどうするか、です。

あなたがおしゃれな人でありたい、あるいはなりたいのなら、
自分の周囲の人で欲しい人にあげる、
あるいは古着として、フリマアプやリサイクル店で売りましょう。

前述したように、古着として売られている服は要らなくなった服の11%にすぎません。
フリマアプリはスマートフォンがあれば利用できます。
また、それが嫌な場合でも、多くのリサイクル店が各地にあります。

おしゃれであればあるほど、その人の要らなくなった服、靴、バッグはすぐに売れます。
なかなか売れない、あるいは安くしか売れないのは大量生産の安い服です。
そんな服はリサイクル店に持っていっても、10円ぐらいにしかならないかもしれません。
フリマアプリでは売れないし、
リサイクル店に持っていっても10円にしかならないからといって、
行動パターンを変えずに、凝りもせず安いものを大量に買っては捨てるを繰り返していたら、その地獄から抜け出せません。

これを読んでいる方の中には、おしゃれになれると思って、
やみくもに持っている服を捨てた方はいらっしゃいませんか?
それで果たしておしゃれになれましたか?
ただ、捨てていたのではおしゃれにはなれません。
なぜなら、それでは自分の行動パターンを修正することができないからです。

フリマアプリですぐに、しかも高く売れるようなものを買ってこなかったのなら、
都度見直して、自分の購買パターンを変える必要があります。
どのように変えるのかといったら、要らなくなってもまたすぐに売れるものを買うように変えるのです。
そしてそんなものばかりが買える自分に変わったのなら、
つまりおしゃれな人に近づいたのなら、
たとえ失敗したとしても、安心して手放せます。
なぜなら、それは次に欲しい人がいて、簡単に売れるからです。

 フリマアプリを使ってみるとわかることですが、
世の中には、おしゃれな人が一度手にしたものを欲しいと思っている人はたくさんいます。
適切な値段設定であったなら、1日以内に売れてしまうなんてこともざらです。

これからは、特に高価な服については、
ずっと所有することにこだわらず、
一次的に預かっているもの、次の人に回していくものと考えましょう。

もう既に、過去に作られた服は膨大な量になっています。
新しいものをどんどん買っては捨てるという偽りのおしゃれから目を覚ましてください。
膨大な量の過去の服の中から選んで組み合わせることにより、十分におしゃれはできます。

新しい服をどんどん作る余裕は、この地球にはありません。
この夏の暑さがその証拠です。

最先端で、かつ偽物ではなく、本物のおしゃれな人になりたいのなら、
要らなくなった服は回していきましょう。
センスと賢さを駆使して、
罪悪感がなく、自己肯定できるおしゃれな人になりましょう。

 

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2023年7月25日火曜日

新しい服を買わない時期を作ろう

インフレと円安で、服、靴、バッグの価格が上がってきました。
一方、日本人の可処分所得はこの30年間、減少しています。
モノやサービスの価格は上がっている。
昔と同じように働いているにもかかわらず、買えるものは減っている。
これを補うように、多くの人が1枚当たりの価格を下げて、買う量を維持してきました。

※ 参考資料 サステナブルファッション 環境省

しかしクオリティが低く、手軽に買える安い服は、大切に長く着る服にはなり得ません。
おのずとそれは買ってから短期間のうちに廃棄されます。
手放す、片づけるという言葉が流行り、それを実行した人も多かったでしょう。

しかしこのサイクルはもう既に限界です。
廃棄する場所も、もうありません。
それは環境に負荷をかけるばかりです。
同様に、新しい服をしまう場所もほとんど残っていないでしょう。
特に都会に住む方々は、服、靴、バッグのために家賃やローンを払い続けることになります。

そんなときは思い切って、
「新しいものを買わない月間」チャレンジをしてみたらいかがでしょうか。
別に誰かに向かって宣言する必要はありません。
自分でそう決めればいいだけです。

例えば日本の夏。
35度を超える猛暑日も多く、そうなると、おしゃれがどうとか言ってはいられません。
周囲の人も暑さをしのぐのに精いっぱいで、他人のことなどほとんど気にしていません。
(この傾向は、年を取れば取るほど強まります)

夏物はそうでなくてもバリエーションが少ないのです。
特に暑い地域での夏服はその傾向にあります。
暑くなればなるほど、洋服は不利な衣服です。

洋服の世界は、夏以外の季節のほうがおしゃれのしがいがあるようにできています。
コート、ジャケット、ブラウス、シャツ、セーターと重ねて着ることでおしゃれを作っていく洋服は、それができない夏には向いてはいないのです。

ではこの夏は、ある程度のものが揃っているならば、
もう新しいものは買わないと決めて過ごすのはどうでしょうか。
8月いっぱいまでと決めてもいいし、
猛暑日がなくなるまで、と決めてもいいでしょう。

それでも、もし何か新たに必要なものが出てきたならば、
リサイクルする、
リメイクする、
修理に出す、
誰かから借りる、
誰かと交換する、
それでもない場合は、新しいものではなくてセカンドハンドを買うという手段があります。

セカンドハンドを扱う店舗は全国に広がっています。
ロードサイドだけではなく、駅ビルにさえ古着を扱う店があるでしょう。
もちろんネットを通しても今では簡単に手に入れることができるので、
ほとんどの人が買える状況にあります。

新しい服を買わないことで得られることがあります。
買わなくていいという安堵感、
探さなくてもいいという解放感、
サーキュラーファッションを実行しているという自負、
お金が減ることを心配しなくていい安心感など、
実際にやってみればわかりますが、想像以上のメリットがあります。

もし他人が気になる場合は、実際に他人があなたに対してどのような態度をとったのか、
チャレンジをやり終わってみてから検証してみてください。
たぶん、あなたが思うよりも、他人はあなたのことを気にしてはいないでしょう。
この暑さですから、他人を気にする余裕がある人はほとんどいません。

またここで「新しいものを着ていないからおしゃれではない」と感じたなら、
新しいものを使わないおしゃれについて考えてみるといいでしょう。
それは工夫が必要ですが、できないわけではありません。
また新しい服ではなくても、髪型やメイク、ネイルに凝ってみたり、
いつもは使わないジュエリーを身に着けてみたりと、
新しい服なしでもできることはたくさんあります。

自分の過去10年を振り返ってみてください。
幾らを被服費に使ったでしょうか?
何枚買って、どれぐらいを手放して、どれぐらいが残っているでしょうか?
要らないのにお勧めされて買ってしまったものはありませんか?
本当に好きだったものは何でしたか?
これらを検証してみて、自分にとってのちょうどいいバランスを見つけましょう。
それはあなたの過去が現在のあなたに教えてくれます。

これからの時代、ファッションにおいて誇れるようになるのは、
ワードローブには、長く着続けているものがどれだけあるか、
そしてどれだけセカンドハンドを取り入れているか、です。

自分の精神の安定のためにも、
そしてこれ以上、環境破壊に加担しないためにも、
新しい服を買わない時期を作って、
いつも新しい服を買わないでもおしゃれでいられる
バージョンアップした自分を作り上げていきましょう。


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2023年7月13日木曜日

猛暑対策いろいろ

年々、暑さが激しくなってきています。
よって、猛暑対策のアップデートが必要です。
しかし暑くなる夏を追いかけるように、
猛暑時に適した冷感、放湿、速乾機能を持つ機能性素材の服や下着もふえ、
以前よりも、選択肢は広がりました。
それらを試してみた方も多いでしょう。

暑さに対しては、
その人の暑さへの耐性、
住んでいる地域、
住んでいる環境、働いている環境、
年齢や体質等により感じ方は違います。
ですから、一概に誰にとってもこれがいいというものはないと考えたほうがいいでしょう。

ただ言えるのは、西洋の衣服、つまり洋服というものは、
35度以上の暑い日には対応しているとは言い難い衣服である、ということです。
ある程度以上、気温が高くなったときには同じように気温の高い、
アジア、アフリカ、インド等の衣服を参考にしたほうがいいと考えます。

暑さとは体感なので、絶対にそうだとは言えませんけれども、
私の体感では、35度を超えるような日は、シルクやリネン、ヘンプなど、天然素材のほうが適しているようです。
また、30度前後でしたら、コットンやウールも、機能性がある化学繊維よりもいいのではないか、と感じます。
また、暑い国の人々の暮らしを見ればわかるように、
日差しが強い日は日よけにもなる帽子、日傘、サングラス、そして長袖といった、
日光をよけるスタイルのほうが暑さによる疲れも防げるように感じます。
下半身は上半身ほど暑くは感じないので、
少なくともインナーも含めたトップスはシルク、リネン、ヘンプ、またはそれがないのならコットンをうまく重ねて、外出時は日光をよけるのがいいでしょう。
シルクやウールは抗菌作用もあり、バクテリアの発生を防ぐため、汗臭さを防止します。

言うまでもありませんが、
最も暑いのは、何の機能性もないポリエステル、ナイロン、アクリルです。
どんなに透けていても、サテンのようにさらっとしていても、
何の機能性もないポリエステルを真夏に着ていて、暑くないということはないでしょう。
レーヨンやリヨセル、キュプラは天然素材由来のパルプが原材料なので、石油由来の素材のように暑くはなりません。

前述したとおり、
暑さをどのように、どれぐらい感じるかは人それぞれです。
他人がどう感じるかはお互いにわかりません。
自分ができるのは、そして自分しかできないのは自分の体感する暑さのコントロールです。

これからより一層猛暑が進めば、ファンが内臓された空調服が必須の職場も出てきたり、
その他、「着るクーラー」のような家電も必要になってくるかもしれません。

暑さに対する自己防衛をしつつ、
地球温暖化対策として、これ以上、アパレル商品の大量消費をしないためにも、
1枚を長く着る、リメイクする、リサイクルする、シェアする、借りるなど、
サーキュラーファッションにつながるよう行動する必要があります。

気候も環境も変わりました。
売られている服の素材も変わりました。
以前と同じ行動では、通用しません。
私たちも、行動を変える必要があるのです。


★zoomを使ってのファッションレッスンを始めました!
20代から60代の男女に受けていただいています。
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2023年7月3日月曜日

私が考えるメンズのワードローブ (メンズのワードローブ構築例)

さて、少人数ではありますが、私のクライアントさんの中にはメンズの方がいらっしゃいます。
しかも20代と30代の皆様です。(みんな、ありがとう!)
そんなわけなので、メンズのコレクションを見たり、ワードローブ構築についてもしばし考えたりします。

そこで今日は「もし私が男物でワードローブを作るなら、どんなふうにワードローブを作るか」
考えてみました。
以下のように考えます。

ワードローブの骨格
アウトドアウエア
スポーツウエア
トラッド
この3本柱

色はネイビー系、白、グレー、黒系、ベージュ、ブラウン系の中から2系統選択

仕事で特にスーツが必要なく、通勤はカジュアルなスタイルでもOKなら、
アウトドアウエアとスポーツウエア+トラッドで組み立てます。
アウトドア、スポーツウエア、そしてトラッドを選ぶ理由は何か。
もちろん好きなテイストであるということもありますが、もうひとつ
これらはデザイン、シルエット、色のどれをとってもトレンドに影響されにくく、
長く着られるものが多いからです。
例えば、ゴアテックスのレインジャケットは、少々値は張りますが、デザインを選べば、街着としても、もちろんアウトドアでも、そして災害対策にもなり、かつデザイン的にも、物質的にも長く着られます。

トラッドの基本アイテムは、もともと軍服や制服だったものがほとんどです。
トレンチコート、ブレザー、Pコート、サファリジャケット、チノパンツにカーゴパンツ、どれも軍服オリジナル。
これらはデザインも変わりませんし、いつの時代にも通用します。
そして、カントリーサイドに住むイングリッシュジェントルマンを真似るなら、
セーターの肘が抜けたらパッチを当てる、または繕うなど、
少々へたれても、ほころびても、それでも堂々と着ていられるのがトラッド。
そして高級なレストランでも、銀行や商工会議所でも、ブレザーを着ればどこでも許される、それがトラッドの威力です。

たくさんのアイテムを持たないで過ごすためにはなるだけ汎用性のあるアイテムを集めることが重要です。
毎日のコーディネートやメンテナスに労力をかけたくありませんから。
都会と郊外、あるいは田舎、徒歩と電車、あるいは車での移動、
春夏秋冬、台風と雪、キャンプ場からしゃれたイタリアンレストランまで、
どこにでも行きたい場合、アウトドア、スポーツウエア+トラッドならそれも可能となります。

ミニマムで、かつ誰の目にもきれいに映るルックを作りたいので、
全体のルックの色は2色、あるいは3色、
もしくは、黒、グレー、白のように1系統でグラデーションを作ります。
都会に住んでいるのだったら、黒、グレー、白でいきますが、
カントリーサイドや海の近くに住むと全身黒のルックが浮いてしまうので、
海の近くに住むのが好きな私は、
ネイビー系統とオフホワイト、ベージュ、ブラウンの2系統で統一。
ほかの色はアクセントとしてオレンジをほんの少しプラス。
彩度の高いヴィヴィッドな色を少しだけプラスすることで、
生き生きとした若々しい感じを視覚的に作り出します。
選ぶ香りもオレンジ系の、例えばアクアディパルマのブルーメディテラネオのシリーズを。
視覚と香りでオレンジ強化です。

選ぶブランドは、
例えばアウトドアウエアなら、ノースフェイスがスタイリッシュで格好いいですが、
かなり流行っているので、誰かとかぶる率も高い。
だからエーグルか、あるいはバブアーを選択。
トラッドはバーバリーが好きですけれども、現在、とても高額なので、
セカンドハンドや中古で集めます。
ハットや手袋、マフラーも抜かりなく。
ネイビー系統のタータンチェックか、オレンジのカシミヤのマフラーを買います。

シャツ、パンツ(チノパンツ、カーゴパンツ、ウールフラノのパンツ)、セーターを基本に、Tシャツ少々と、ジャケット、コート(レインジャケット、ステンカラーのコート、ウールのコート)があれば1年過ごせるでしょう。

靴にはお金をかけて、手入れすれば長くはけるものを。
バッグは機能性を重視して。ノートパソコンを持って歩くし。
お休みの日はトートバッグで。
余裕があるなら、長く使えそうなハイブランドのものを一つ買って。

私が男で、今の日本を生きているなら、こんな感じでいくでしょう。

今の時代、着るもので知性を感じさせたいのなら、
否、知的であり続けたいならば、
いいものを長く着る、
環境に配慮したものを選択する、
古着やセカンドハンドを取り入れる、
この3つを外すことはできません。
知性がないと、このことは全く理解できない。
そして理解だけでは足りません。
行動を伴ってこその知性です。

おしゃれよりも、きれいであること。
私がメンズだったら、その点に最も気を付けるでしょう。

これは私の好みなので、誰にでもお勧めです、というわけではありません。
だって、住んでいるところも仕事も、
好きなことも、嫌いなことも、
人生の目的も全部違うでしょう?
だからこれは私なら、こうします、という話です。

それでもなお、得るろこがあるのなら、どうぞご利用ください。
喜んで差し上げます!


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2023年6月23日金曜日

一番新しいのはサーキュラーファッション

私の本やブログを読んでいるみんなはきっと、
基本的にいいものを買って、それを何年も大切に着て、
いリメイクしたり、誰かとシェアしたり、
古着やセカンドハンドを取り入れてワードローブを作っていると思うの。

だけれども、時々こう思うことがない?
「インスタでお勧めにすぐ上がってきちゃう、
あの新しいものばっかりのキラキラの人たちより
自分のやり方が劣っているんじゃないかな」って。

断言するわ。
それは勘違いよ。
なぜなら今一番新しく、そしてこれからもずっと続くのはサーキュラーファッションだから。

サーキュラーファッションとは循環型のファッションのこと。
サステナブルだけじゃ足りないの。
ファッションもどこまでもぐるぐる回り続けないといけないの。
一枚を長く大切に着て、
それを生分解で土に還して、またはリサイクルに回して新しい素材にかえて、
まだ着られるものはリサイクルやリメイクして、
決して一度の使用だけでは終わらせない、
それがサーキュラーファッション。

それに対して時代遅れなのはなんだと思う?
それは、つくって、買って、数回で捨てるファッション、
これがオールドスタイルのファッション。

これは何も私の意見じゃなくて、
最先端のファッション研究によって導かれた答え。
もう既に服は余り過ぎていて、多くが焼却処分されるか、
グローバルサウスに輸出されて、ゴミの山になっている。
それに世界の人口はまだ増えるから、資源が足りなくなるのはもうすぐそこに迫っている。
だからそんなやり方は、これからの世界には通用しないの。

最も新しいサーキュラーファッションで問われるのは?
何年着ている?
リサイクルできる?
古着かセカンドハンドで買った?
シェアしている?
環境に悪影響を与えない素材でできている?
こんなところ。

もちろん今の段階では、サーキュラーファッションはほとんど実現していない。
これは消費者だけではなく、リテーラーの問題でもあるから。
だけれども、消費者の意識が変わらないと、リテーラーも動かない。

確かにサーキュラーファッションでは、
ヘンプや藻、菌類からできた素材が推奨されるけれども、
まだまだそんな素材からできた服が簡単に手に入る状況でないというのが現実。
ならばできることは何かというと、
長く着る、
古着や中古品を取り入れる、
リメイクする、
リサイクルする、
シェアする、
借りる、
そして新しいものを買うときはサステナブルなものを買うようにすること。
これぐらい。
でもね、これが最先端のファッションなのよ。

だから、このブログをずっと読んできて、
あるいは過去を振り返って読んだり、私の本を読んだりして、
こういうことをやってきたみんなは自分を誇っていいわけ。
だって、世界最先端なんだから!
半年や1年で捨てるなんて、それは古臭いファッション感で、
もう時代遅れもいいところ。
それを忘れないでほしいわ。

これからはみんなが古いものを上手に取り入れていく世界。
きっと駅ビルに素敵なセカンドハンドのセレクトショップが誕生する日も近いでしょう。
そこからはセンスがものを言うから、
今からセンスを磨いておくのがいいよね。

高いものを買ってもいい。
だけれどもそれはずっと自分のところにあるってわけじゃない。
きっと誰かが着ていたもので、
次に誰かが着るであろう服。
もう「ずっと自分だけのもの」という考えにこだわらない。

インスタで、相も変わらず新しいものを1回着ただけで次々に着るのをやめている人を見たら、こう思うといいわよ。
「あら、この人、随分と時代遅れね」
今や世界の最先端の人々がこの意見に賛同するわ。

もう後戻りできないところまできたファッション業界。
これからはサーキュラーファッションを目指す以外、
生き残る道は残されていないの。
(マッキンゼー&カンパニーも2019年のリポートでそう言っている)

人間の欲望は無限だけれども、地球は有限。
その地球でフィジカルに生きる私たちの、それは責任。
一番新しく、かつこれからも続くサーキュラーファッション。
まだまだできることがあると感じたら、
ぜひ今すぐ実行して。
なぜなら、それが一番素敵で、おしゃれな人のやることだからよ!

★参考資料 state of fashion 2021  Mckinsey & Company

 

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2023年5月25日木曜日

いい年の大人の「女性らしさ」の表現

ある年齢を超えると、女性ホルモンの減少に伴い、性差がなくなってくると言われています。
若いころは特別に何をしなくても、
存在しているだけで、このホルモンがその人に女性らしさを与えていました。
この年代の女性は、どんなにメンズウエアを着ようとも、やはり女性らしいのです。
人によっては、メンズウエアを着てギャップを作り出し、
女性らしさを強調するという高等テクニックを披露することさえできます。

しかし、いい年の大人になるころ、女性ホルモンは激減し、
ほったらかしでも享受できた天の恵みの「女性物質」は、
残念ながら、だんだんと受け取れなくなるのです。

そうなると、男性と同じデザインのものを着ることで女性らしさを強調できたあの魔法は、
もう使えません。
男性と同じデザインのもの、例えばジーンズ、トレンチコート、Tシャツといったカジュアルな衣装は、ただそのまま着たのでは、性別のあいまいさをより強調するものに早変わりします。
そのため、同じものを着ても20代のころに着たときとは、全く違う印象になるのです。
恐るべし女性ホルモン。

しかし嘆いてみたところで年齢を遡行することはできません。
いい年の大人になったとき、「女性らしさ」を表現したいと思うのなら、
何かしらの工夫が必要になります。

残念ながら、いい年の大人になればなるほど、
参考になる見本は少なくなります。
特に日本では、
ミセスやマダムと銘打った雑誌のモデルの多くは30代から40代。
50代以上のモデルとなると、とんと見当たらず。
美容とファッションに潤沢な予算をかける女優さんたちでは参考にならないでしょう。

それでもできることを考えてみます。

まず一つ目。
昔から「女性らしい」とされているアイテムやスタイルを取り入れて「女性物質」を補う。

全身のルックを「男性も着ている」アイテムだけで構成した状態では、
女性らしく見せるのは至難の業。
ですからそれは避けて、女性しか着用しないアイテムを取り入れましょう。
代表的なものはスカートとワンピース。
現代の男性はスカートとワンピースは着用しませんから、これだけでも女性であるとわかります。
(もちろんジェンダーニュートラルの観点からは、男性がスカートやワンピースを着てもOKです)
そのほかに男性が着用しないものとして、ヒールの靴があります。
また、ジュエリーの多くも男性は着用しないので、
ここぞというときはこれらで「女性物質」を補っていくといいでしょう。

二つ目。
女性しか着用しない素材を選ぶ。
例えばシフォンやオーガンジー、レースやシルクサテンは現代のほとんどの男性は選びません。
男性と同じデザインのものを着るにしても、素材を変えることにより「女性物質」を取り入れることができます。
シャツやブラウスでも、これらの素材で作られているのなら、女性らしさを表現できるでしょう。

三つ目。
引き続き細いウエスト。
細いウエストは、洋服の世界において女性であることの象徴です。
デザイナーのジャンポール・ゴルチエは細いウエストを強調したコルセットについて、
「女性のパワーと解放の象徴」と言っています(※1)
コルセットまではいかなくても、ウエストベルトをと使うことによって、ウエストは細くあるという胴体のバランスは表現されます。
たとえ本当は細いウエストでなくても、シンボリックに細いウエストを作ることで「女性物質」は付け足されますので、適宜この作用を利用しましょう。

そして最後に。
最後にできること。それは「女性」としての意識です。
「女性らしさ」を表現したいときは、自分は女性であるという意識を持つこと。
これなら誰でもできるでしょう。
意識は目には見えませんが、他人には伝わります。
それを意識するのとしないのとでは、他人に与える印象は大違いです。
どんな性別の人でも、「自分が女性である」と意識するならば、他人には女性に見えるのです。

女性ホルモンが減少した暁の、新しく、かつ自分らしい女性らしさの表現について、
上記のポイントを参考にして、
それぞれが新たに創造していくといいでしょう。

自分らしい女性らしさの見本はどこにもありません。
なぜなら、これまで歩んできたあなたの過去は、他人の過去とは違うから。
その過去の堆積の上に今があります。

いい年の大人の女性らしさは、自分で見つけて作っていくものです。
これは挑戦です。
だけれども、この挑戦を楽しいと感じられるならば、
半分は成功したも同然です。
それはきっとうまくいきます。
誰の承認も要りません。

※ジャンポール・ゴルチエ 『ファッション・フリーク・ショー』日本公演パンフレットより引用

★zoomを使ってのファッションレッスンを始めました!
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2023年5月10日水曜日

何を着たらいいのかを決定するための指針

服を着るのが何のためかと言えば、
まずは寒さ暑さをしのぐため、
そして、何かしらの目的を達成するためです。

何かしらの目的のほとんどは、嬉しい、楽しいといったポジティブな感情を得ることです。
寒さ暑さ、あるいは暴風雨や雪から身を守るため以外に何を着るかを選ぶとき、
最終的に自分がポジティブな感情を得られるかどうかが、
何を着るべきかを決めるときの指針になります。

例えば就職活動です。
最近の就職活動の様子を見てみると、女子のほとんどは黒いスカートとジャケットのスーツにストッキングにパンプスといういで立ちです。
そこには、自分に似合う色も、自分が好きなスタイルもありません。
似合うも好きもすべて放り出し、最終的に、
就職試験に合格して「嬉しい」という感情を得るために、そのルックは選ばれます。
資本主義経済の世界で生きるためにはお金が必要です。
そのお金を得るための職を得るということが就職活動中の学生の目標であり、
黒いスカートとジャケットのスーツとパンプスでその試験に臨むことにより、
合格の確率が上がるとされているのなら、学生たちがそのルックを選ぶのは当然です。

どんな服装をするかは、目的のための手段にすぎません。
いつも目的達成するためには、手段は固定的ではなく、いつでも可変なものにする必要があるのです。

それ以外の場面でも、最終的にポジティブな感情を得たいという目的は変わらないでしょう。
お出かけでも、通勤でも、観劇でも、同窓会でも、
自分が得たい感情のために手段である服装を決めなければなりません。

自分の気分をよくすることによって得られる楽しいという感情が大事なら、一番のお気に入りを着ればいいでしょう。
一日中その気分のまま過ごせるのなら、何ら問題はありません。

しかし感情は時間によって変化します。
例えば結婚の挨拶に相手のご両親に会うときです。
いつもはカジュアルなジーンズとTシャツが好きだとします。
自分らしくいれると感じるし、自分でも似合うと思うし、
他人からも「お似合い」と言われます。
しかし、ご挨拶にうかがうとき、ジーンズとTシャツよりも、コンサバなワンピースのほうが相手に好かれそうだなと考えるとしましょう。
その場合、ワンピースを着てみたら、気恥ずかしかったり、違和感を感じるかもしれません。
またそれは「全然似合っていない」と思うかもしれません。

けれども思い出してください。
最終的に欲しい感情は何でしょうか。
この場合だったら、結婚によって得られる「安心」や「喜び」ではないでしょうか。
目的はそちらです。
相手に安心の感情を持ってもらうことが自分の望む結果を導くのなら、
相手の視点に立って、自分の着るべき服装を考えます。

このときに達成したい目的を忘れてはいけないのです。
目的達成のためには手段としての服装はいくらでも変えていいし、変えるべきなのです。

わざわざ嫌な思い、悲しい思いをしたい人はほとんどいないでしょう。
何を着ていくかで、そのネガティブな感情を経験することが避けられるなら、
積極的に、ポジティブな感情が得られるほうの服装を選べばいいのです。

ただしこれをするには条件があります。
まず一つ目は、自分の感情がはっきりと認識できていること。
そして次には、自分の目標がしっかり定まっていることです。
まず確認すべきなのはこの2つのポイントであり、
何を着るかを決めるのは、その後のことになります。

おしゃれなどというものは、目的達成のための手段にすぎないのです。

いずれにしても、自分の感情も目標も他人にはわかりません。
嬉しいと感じているのか、悲しいと感じているのか、
他人からは見ただけではわからない。
そしてその人が何を人生の目標として生きているのかという心のうちも、
多くの場合、他人が知り得ないことです。

自分の感情も目標も、自分に聞いてみてください。
それがわかったら、
今日は何を着ていくべきか、それに基づいて決定してください。

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2023年4月13日木曜日

「女性らしさ」の表現とは

婦人服の領域にメンズウエアがどんどん取り入れられ、
同時にカジュアル化が進んだ結果、
「女性らしさ」を表現する服を着る人が少なくなりました。

では、そもそも洋服において「女性らしさ」の表現とはどんなものなのでしょうか。

まず多くの人が思いつくフリルやレース、刺繍についてです。
ブルボン朝のルイ14世の衣装を見ればわかるように、
豪華な刺繍もフリルもレースも、そしてタイツやヒール靴でさえ、
男性が着用しています。


ではスカートはどうでしょうか。
スコットランドの民族衣装のキルトは、スカートと形状はほぼ同じで、
現在でも男性が着用しています。

では色で女性らしさを表現することは可能でしょうか。
今でこそ、パステルカラーの薄いピンクや水色は女性らしいと言われるものですが、
ロココ調の画家、ジャン・アントワーヌ・ヴァトーの絵画を見れば、
男性でも薄いピンクや水色の衣装を着ているとわかります。

 

要するに、細部や装飾、色は特別、女性らしいものではないのです。

それでもなお残る、西洋の衣服における「女性らしさ」の表現とは何なのでしょうか。
中世後期以降では、18世紀のエンパイアドレス、また19世紀以降の若干のストレートなドレスの流行を除き、
それは細いウエストです。
一時期はコルセットによって表現された細いウエストは、
コルセットをしなくなった現在でも、女性らしさの表現として使われます。
モノとしてのコルセットをつける機会は激減しましたが、
意識の上でのコルセットは、それが目に見えないとしても、存在しています。
なぜなら、洋服の歴史において、死守したい女性らしさとはウエストの細さだからです。

しかしそうはいっても、現代においてそれだけが女性らしさではないでしょう。

ざっくり考えれば、それは「ほとんどの男性が基本的に着用しないもの」と考えていいでしょう。
幾らスコットランドの男性がキルトをはくとはいえ、
ほかの地域でスカートをはく男性は少数派です。
また、現代の男性がフリルやレース、刺繍が使われた服を好んで着用するかといったら、
そんなことはありません。
ヒール靴も、ロックスターでもなければはくことはなし。

そんなふうにして、男性が着用しないものをどんどん排除していけば、
それで「女性らしさ」の表現はでき上がります。
その上で、細いウエストを付け足せば、間違いなく女性らしいスタイルは完成するでしょう。
大きく開いたデコルテの、ウエストがきゅっと絞られたドレスを着用するのは、
それを着る人が女であっても、男であっても、
女性らしさを表現したいときに限られて、その反対ではありません。

婦人服の歴史におけるメンズウエアの取り入れは、
着るものの選択肢の幅を広げ、自由を獲得するためのものでした。
しかしそれは決して、女性らしさの否定ではありません。

重要なのは、自分の意思でどちらでも選べるということ。
フェミニンにしたいときはフェミニンに、
マスキュリンな気分のときはマスキュリンに、
気分やシチュエーションによって着分けることができること。
そしてそれが選択可能なこと。
そのことが何よりも重要です。

この選択肢の自由は、
歴史の中で獲得してきたものでした。
ズボンをはくことを禁止された時代も、
女性らしい服装をすることを禁止された時代もありました。

選択の自由を謳歌しつつ、
それを手放さないようにすること。
それがきっと、今を生きる私たちがやらなければならない、
そしてやり続けなければならないことでしょう。

 

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