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2024年7月22日月曜日

おしゃれになるために必要な力、修正力

「自分の目、他人の目」の投稿で、
「役者の視点を持てるようになろう」と書きました。
自分を高い視点から客観的に見る能力です。
メタ認知と似ていますが、役者の場合、自分だけではなく、
客席についても認識する必要があります。

自分の演技と観客の反応、これを同時に認識できるようになったら、
次に必要なのは修正です。
演技ならいい演技のために修正する、
演奏ならいい演奏のため、
作品なら、いい作品を作るための修正です。

そこで必要なのは修正する力になります。

それぞれの分野でそれぞれ必要な修正力が必要になりますが、
その力をつけるために共通して必要なのは、
「いい」とされる基準を知ることです。
いい演技なら「いい演技」とされるものを見る、
いい演奏なら「いい演奏」とされるものを聞く、
いい作品なら「いい作品」とされるものを見たり、読んだり、聞いたりする、です。

では、おしゃれやファッションの場合はどうでしょうか。
これもまた同じです。
いいものを見る、いいものをさわる、いいものを着る、
いいものとは、いいデザイン、いいパターン、いい素材、いい縫製です。
この要素を持っているものに繰り返し接して、五感に記憶することで修正する力がついていきます。

ただし、おしゃれやファッションに関してはもう一つ付け加えなければならないものがあります。
それがトレンドです。
トレンドは若く、都会生活者であるほど影響を受けます。
影響を受けるということは、トレンド感があるほうが素敵に見える、ということです。
年をとればとるほど、田舎に近づけば近づくほど、
トレンドは遠ざかりますので、それほど必要ありません。
自分をどこに設定するのかは、その人の状況と環境によります。

さて、ではまだまだ若く、あるいは都会生活者である場合、
どのようにしてトレンドを知ればいいでしょうか。
それが「定点観測」です。

ファッションやおしゃれにおける定点観測は、
決めたブランド、あるいは店舗を観察し続け、
どのように変化していくか、流れ(トレンド)を把握することを意味します。
ひとつのものをいつも見続けることによって、
おのずと変化がわかるようになります。
その変化とは、シルエットと色、そしてスタイリングの変化です。
今だったら、インスタグラムやYouTubeを利用すれば簡単です。
好きなブランドがあったら、コレクションをチェックする、
インスタをフォローするなどすればいいでしょう。

(※注 インフルエンサーやスタイリストは除外します。
トレンドの発信元である作り手が基本です)

ファッションとおしゃれのための修正力は、
いいものにふれること、そして定点観測によってトレンドを把握することによって
可能となります。

役者の視点と修正力、
この二つがあれば、他人に頼らずとも、自分でよい方向に修正することができます。
そしてこのことはつまり、おしゃれの力がつく、
畢竟、おしゃれに見えるようになる、ということです。

この二つが身についていなかったら、
いくら自分の持っている服を次々捨てたところで
おしゃれに見えるようにはなりません。

洋服を着る、それは毎日のルーチンです。
だからこそ、自分でできるようになる必要があります。

必要なのは自分の実力をつけ、判断できるようになることです。
嘘つきがたくさんいるファッションの世界でだまされないためにも、
それは必要なことなのです。





2024年7月18日木曜日

自分を喜ばすためにおしゃれしよう

何のためにおしゃれをするのかは、
人それぞれだと思います。
中には自分以外の誰かを喜ばせるためという方もいるでしょう。
自分以外の誰かを喜ばせることが、
その人にとっての喜びなのかもしれません。

しかし、いずれそれは不毛な試みであると気づくでしょう。
自分以外の誰かすべてが喜ぶおしゃれなど、この世には存在しないのです。

どんなにおしゃれをしたところで、その姿をを見たことにより促される感情は、
それぞれ違うのです。
おしゃれであるがゆえに、気分を害する人もいるかもしれません。
おしゃれをすることが必ずしも他人を喜ばせたり、気に入られたりする要因ではないということは、各種校則や、ファッションポリスの謎規制を見ればわかるでしょう。

他人の感情を完全にコントロールすることは不可能です。
そのため、その試みはいずれかの時点で失敗する運命でしかないのです。

であるならばこそ、
自分を喜ばせるためにおしゃれをしてはどうでしょうか。
自分がいいと思うもの、好きだと感じること、着ると喜びが溢れる、
そんなものを身に着ける。
他人がどう思うか気になるのなら、
自分の家の中だけでそれを楽しむ。
それで自分が喜ぶのなら、それでいいのではないでしょうか。

他人の評価を求めたり、
褒めてもらおうとしたりして努力しても、
がっかりすることになるでしょう。
自分以外の他人がすべて同じ意見、同じ感想を持つことはありません。

他人の気分ではなく、自分の気分をよくするために
おしゃれを使うほうがよほど意味のあることだと思うのです。
なぜなら自分の気分をよくすることは、自分の幸せにつながることだから。
人生の究極の目的は幸せでいることでしょう?

自分を喜ばすために必要なのは、
自分がどうしたら気分がよくなるか、
自分が何が好きで、何を着たら喜ぶのか、
それを知ることです。

もしかしてそれは他人から見たら、ちっともおしゃれではないかもしれません。
けれども、他人はあなたの感情にも幸せにも責任をとってはくれません。

他人の意見ばかり重視して、
顔色をうかがう人生を長く続けると、
自分の好きを忘れてしまいます。
そうであるならば、また最初からやり直しです。
自分の好きを見つける旅に出ればいい。

誰かに見せてもおしゃれとは思われないかもしれない、
だけれどもそれを着ると自分が喜びにあふれるもの。
そんなものをワードローブに1枚か2枚、加えてください。

それは全く実用的でないかもしれません。
洗濯ができなかったり、着ていく場所もないかもしれません。
それでもそれを見たり、触ったり、着たりしたら、
自分が喜ぶのであるならば、それはあなたにとって必要なものです。

他人を喜ばすためのだけでも、
実用的な必要な衣服だけでも、
きっと幸せにはなれません。

自分を喜ばせる力を持っているのは自分だけです。
自分の人生を他人に明け渡さないためにも、
その力を発揮しましょう。


2024年6月20日木曜日

ミニマリストになりたいときは

 服、靴、バッグの数を最小限にするミニマリストになりたい場合は、
服の色の数を制限するのが最も効果的です。
極端な場合は、「すべてのものを黒にする」のように
1色でそろえてしまえば簡単ですが、
そうでない場合は、服の色にかぎっては3色以内にするといいでしょう。
なぜ3色かというと、服の世界には3色ルールという、
「全身を3色以内におさめるのがシックである」というルールがあるからです。
※くわしくは拙著「わたし史上最高におしゃれになる!」参照ください。

極めたい方は、服、靴、バッグまですべてを3色以内でそろえるといいでしょう。

さて、3色といった場合、どんな色が適しているのでしょうか。
実際、売られている色で多いものをそろえるのが簡単です。
微妙な色、あまり売られていない色ではこの計画は破綻するので、
市場に多く出回っている色で決めていくといいでしょう。

するとその色とは、
黒、白、ネイビー、ベージュ、この4色が基本となります。
特に黒と白は洋服の基本の色なので、この2色、あるいはどちらかは入れて3色以内にするといいでしょう。

例えば全身黒です。
これは流行っている時期、流行っていない時期があります。
また住んでいるエリアによっても、全身黒でいいエリア、全身黒はよくないエリアが存在します。
例えば、都会生活者なら全身黒だけでそろえたワードローブでも大丈夫ですが、
スズメバチに襲われる心配のある森林が近いエリアでは、全身黒はできません。
何色を選ぶかは、自分の好みとライフスタイル、そして住んでいるエリアを参考にして決めるといいでしょう。

ここで私のお勧めを少し紹介します。
例えば都会生活者の場合、コンクリートとガラスの建築物と似合うのはなんといっても白と黒。
白と黒ですべてそろえていけば、それだけで事足りると思います。
また、これだけでは物足りない場合は、
白からグレー、黒へと明度のグラデーションの範囲内でアイテムを選んでいくようにすればいいでしょう。
このグラデーション内でしたら、何色と合わせてもよく合いますので、
色合わせの失敗がありません。

デザインに関しては、オーソドックスでシンプルなもの、
あるいは、好きなデザイナーまたはブランドを決めて、
そのテイストのものだけを集めていけばいいでしょう。
ここでデザインもいろいろ入れると、アイテム同士の不協和が生まれますし、
ルックを作るのが難しくなりますので、デザイン性は統一しましょう。
統一されているのであれば、それがモードだろうと、トラッドだろうと、
あるいはエスニックだろうと問題ありません。

一方、都会ではなく、カントリーサイドにお住まいで、
もう少しナチュラルなテイストが好みの場合は、
ベージュからダークブラウンの明度のグラデーションを作っていくのもいいでしょう。
ただし、ベージュの色合いはブランドによってかなり差がありますので、
この場合もいろいろなブランドのものを混ぜないようにしましょう。

どちらも、少し退屈だと感じるのなら、
靴、バッグ、そしてマフラー、帽子、手袋などを差し色として、
もう一色集めていくといいでしょう。
例としては、白、グレー、黒を集める場合は赤、
ベージュからダークブラウンを集める場合はオレンジ、あるいはブルーという具合です。

色数を徹底させること、
デザインを統一することによって、
全体のアイテム数を限りなく少なくすることができます。

数を少なくすることで、
一枚にかける予算もふえますし、
枚数が少なくなれば、それを置くスペースも最小限ですみます。
そして、メンテナンスにかける時間と労力も減ります。

人生をおしゃれという名の美しい欲望に浸食されたくない方は、
ミニマリストになりましょう。
時間、エネルギー、お金は限られていて、無限ではありません。
特に時間に関しては、ふえることはありません。
人生で最も大事なことがあるならば、
時間、エネルギー、お金はそのために使いましょう。



2024年6月18日火曜日

バッグや靴もセカンドハンドで大丈夫

円安の進行と相まって、ここへきて服、靴、バッグの価格が上がってきました。
特にバッグと靴の値上がり幅が大きいです。
10年ぐらい前、20万円台だったバッグが今では40万円台と、
2倍あるいは、それ以上にまで上がっています。

ファッションをトータルで考えると、ジュエリー以外で高価なのは靴、バッグ、コートでしょう。
特に皮革製品の靴、バッグは高額です。

しかし定価で買うと高額の靴やバッグも、セカンドハンドなら買えるものも出てきます。

また、もし仮に買える範囲のものがかなりくたびれて傷んでいるものしかないとしても、リペアすることができます。

写真がなくて申し訳ありませんが、先日、私の家族が10年ほど前に買った、あるブランドのバッグをリペアに出しました。

リペアから戻ってきたものは、新品のものを少し使ったぐらいのきれいさでした。
今、リペアの技術も大変進んでいるので、例えば安く買ったバッグを修理に出して使うということも可能になりました。

靴に関しても同様です。
セカンドハンドのショップをのぞけば、新品同様の中古品を売っている場合もありますし、少し修理すればまだまだ履けそうな、いい状態の革靴も売っています。

また、例えばJ.M.WESTONでは、リペアサービスもあります。
それだけではなく、ヴィンテージとして修理済のセカンドハンドのシューズも売っています。

靴でさえ、今ではセカンドハンドを利用する時代なのです。
しかも堂々と。
むしろ自慢げに。

西洋式の生活をする国の人々、すべてにいきわたるほどの靴やバッグは、もう既に製造されて、誰かの手に渡っています。
そしてその誰かの家には、靴やバッグが過剰にあふれています。
いちどのお出かけで持っていくバッグの数は限られています。
また、靴はいちどに一足しか履けません。
もちろん中には壊れて使えなくなったものもあるでしょう。
けれども、まだ使えるにもかかわらず、使わなくなった靴、バッグも同じぐらいたくさんあります。

新品にこだわる必要はありません。
「一度人の手に渡った」ら、もう新品ではありませんし、
他人は、そのバッグが新品かどうかなど、気にしてはいません。
素敵かどうかは、新品であるかどうかとは関係のない問題です。

選べるものがあるときは、バッグも靴もセカンドハンドを選びましょう。
それはあなたのためになります。
また、その他の人のためでもあります。
そして何より、それは地球環境を改善するのに、必要な行動なのです。

 


2024年6月5日水曜日

センスを身に着ける方法

さて、セカンドハンドから服、靴、バッグを選ぶ際に必要なもの、それはお金と、そしてセンスです。
セカンドハンド品のほとんどは古いもの。
もちろん中には新しいモデルが中古品として売られていることもありますが、それは例外です。
中には10年、20年以上前のものもあるでしょう。

そこから自分に必要なもので、かつ素敵なものを選び出すにはセンスが必要となります。
雑誌で組まれる「古着屋」特集は、ごくたまにしかありませんから、
店舗情報以外には、参考になりません。

また、セカンドハンド品は、ラルフローレンのボタンダウンシャツやパタゴニアのダウンジャケットなど、有名なアイテムを除いては、ほとんど一点しかないものなので、誰かのお勧めがあるわけでもありません。

そこでセンスです。
さて、センスとはなんでしょうか。
ここでは、いいものを見分け、判断する力としましょう。
服、靴、バッグにおけるセンスで言うと、
そのもののデザイン、素材、パターン、仕様を理解し、雑多に集められたものの中からいいものを選ぶ力です。

ということは、センスを磨くためには、いいもの、つまり
デザイン、素材、パターン、仕様のうち優れたものを知ることが大切ということになります。
まずは、この4つの要素の優れたものの基準を知ることが重要です。

デザインに関しては、インターネットを通してさまざまな媒体に触れることができます。
以前は雑誌や新聞でしか知り得なかった各都市のコレクションの情報、スナップまで、ネット環境さえあれば簡単に手に入ります。
二次元の情報であれば、家にいながらでもチェックできます。
例えば、自分が好きなハイブランドのコレクションをチェックし、繰り返し見ているだけでも、服、靴、バッグのデザインや、全体のシルエットなどわかるようになります。

このように二次元の情報ならどこにいても手に入る現在ですが、問題なのは三次元の優れたものです。
残念ながら、いい素材、パターン、仕様とも、写真で見ているだけではわかりません。
これらはさわってみたり、着てみたりしなければ知り得ないものです。
そうしてこれらは常日頃から、安い素材、いい加減なパターン、簡単な仕様のものばかりに触れていると、センスが育たない分野でもあります。

例えば都会の住民で、デパートやセレクトショップが近くにあるならば、それらへ出向いて、試着してみれば、それなりにわかってくるでしょう。
では、デパートやセレクトショップなどめったにお目にかかれない地方に住んでいたらどうしたらいいのか、です。
私のお勧めは、一点でいいので、自分が好きなコレクションに出ているレベルのブランドのセカンドハンド品を手に入れる方法です。
フリマアプリで検索すれば、1万円以下で買えるものが何かしら出てくると思います。
また、ハイブランドといっても、エルメスやシャネルなどではなく、
パリ、ロンドン、ミラノ、NYコレクションに出ているレベルのものであれば、セカンドハンド品ならもっと安く手に入れることができます。
シャツ1枚で構いません。
自分が出せる金額のものを1枚、手に入れてみてください。
気に入らなければまた売りに出せばいいでしょう。
それがコットンのシャツであったとしても、素材、パターン、仕様の、どれをとってもいいものとしての印があります。
その印を記憶します。

服、靴、バッグ、どれについてもこれらを繰り返しましょう。
そのうちにセンスは磨かれていきます。

またこれと同時に、優れたデザインのもの、美しいものに接することも大切です。
美しい絵画、建築やインテリア、器、花や庭園など、その他、生活空間に存在する美しいものを意識して見る機会をふやすといいでしょう。
地方であれば、その地方の歴史的建造物や工芸品でも構いません。

これらはどこにでもある一定数は存在しています。
重要なのは、これらを意識して見るか見ないかです。

服、靴、バッグだけを追いかけているだけでは、非常に底の浅いセンスになってしまいます。
そうならないためには、文化的な重しが必要です。
美しく、優れたものには必ず歴史があります。
その歴史の時間軸が、センスに深みを与え、
センスを単なる感覚ではなく、時代の変化に対応でき得る創造力へと変えるでしょう。

これらを若いころから始めるのが望ましいですし、簡単ですが、
何歳になってから始めても遅くはありません。
今からでも始めましょう。

このように深いセンスが身についた暁に待っているのは、
お金をかけずとも、新しい服を着なくとも、
おしゃれで、かつ知的なあなたです。


2024年5月23日木曜日

服を長もちさせる(気分的に)

前回、物理的な面で服を長もちさせる方法について書きました。
今回は、気分の問題についてです。

現在、まだまだ着られるものがたくさん捨てられています。
1枚の着用回数は減っているということは各種統計に出ています。
洋服はそれほど簡単には壊れませんので、
回数の少ない状態で廃棄された洋服は、まだまだ着られるものであると予測できます。
こちらにあるように※、
「安く買い、流行のシーズンが終わったら処分するサイクルを見直す」
という回答から、捨てるタイミングが流行が終わったときであることがわかります。
環境省 サステナブルファッション

では、気分的に服を長もちさせるにはどうすればいいでしょうか。

まず一つは、行き過ぎた流行のものは買わない、ということです。
すべてではありませんが、新品の多くのものがトレンドに影響されています。
ですから新品の既製服を買っている限り、完全にトレンドの影響から脱することはできません。
また、その時代の空気というものがありますから、
トレンドを意識しているほうがおしゃれに見えることは確かです。
そんな中でできることは、
行き過ぎた流行、特に行き過ぎたシルエットのものは買わないということです。
今であれば、ビッグシルエットが流行しています。
こういうときは、必要以上に大きなコートやジャケットなどは買わないほうがいいでしょう。
どうしても買いたい場合は、着用と洗濯回数が多い消耗品でそのトレンドを楽しめばいいでしょう。
そういったものは何枚も買わないで、1枚だけ買って、激しく着用すれば、
それなりに服は劣化していきますので、
流行の終わるころにはちょうどいい捨てどきになっていると思います。

また、そのときだけ流行っているアイテムというものもあります。
最近だと、ボア素材のフリースジャケットが大流行りしました。
流行は、幼児とお年寄りにまで及んだときに終わります。
道ですれ違ったお年寄りが、自分が着ているのと全く同じボアのジャケットを着ていたら、
次回のお出かけ時に、そのボアジャケットは着たくなくなるのです。
それが私たちの心理です。
「これがよく売れています」「一番の売れ筋」などは、
早晩に流行遅れになりますから注意しましょう。

次に、洋服が持つ情報としての新しさにこだわらないことが挙げられます。
今年のジーンズ、今年のTシャツだから、来年は着たらおかしい、
そんな脅迫的な文言を言う人がいるでしょう。
それは情報として古いからだめなんだ、という意味です。
しかし、情報として古くなったとしても、ジーンズは1年はいたぐらいでは傷みません。
私たちが新しいことにこだわり過ぎると、
常に古くなる恐怖の状態を維持することになります。
そうなったら最後、身体の中はコルチゾールがめぐり、常にサバイバル状態です。
おしゃれを楽しむ余裕などなくなります。
いつでも余裕がない人は、素敵になど見えません。
また雑誌のどこかに、あるいはSNSのどこかでそんなことを言う人がいても、
その人たちと日常的に接することはないでしょう。
つまり、あなたを追い込む人は、あなたの日常には関係のない人たちなのです。
新しさにこだわらないことはとても重要です。

行き過ぎた流行のものを買わない、
新しさにこだわらないためにどうしたらいいか。
それは、それらに振り回されない自分のスタイルを持つことです。
これが一番簡単で手っ取り早いです。

流行はフレーバーとして加味しつつ、
自分のスタイルを構築するためにワードローブを作っていく。
その中で失敗や変更があっても大丈夫なように、
自分が要らなくなったら売れるようなものを多く取り入れる。
これらを繰り返していくことで、気分的にも服を長もちさせることができます。
実際にそうであるということは、もう既に実践している人たちが証明済みです。

 


2024年5月14日火曜日

服を長もちさせる(物理的に)

1枚の服を長く着るのはとてもいいことであると同時に、
21世紀を生きる私たちがやらなければならない事項のひとつです。

では、服を長もちさせるにはどうしたらいいでしょうか。

織物、あるいはTシャツや下着に使われるニット素材、
これらはひとの肌に似ていると考えてください。
ひとの肌は何に弱いでしょうか?
摩擦と紫外線です。
ほとんどの生地も肌と同様、摩擦と紫外線に弱いのです。

まず摩擦です。
生地同士がすれたり、あるいは生地とその他のもの(バッグなど)がぶつかって、すれると、そこに摩擦が生まれます。
摩擦が生まれた結果、生地は薄くなったり、毛玉ができたりします。
薄くなりすぎたり、毛玉ができすぎたりすると、やがて生地は破けます。
服を長もちさせるためのひとつのポイントは、摩擦を少なくすることです。

服の摩擦は、日常的な生活の動作の中でも起こりますが、
最も大きな摩擦は洗濯の最中に起こります。
服は洗濯による摩擦に弱いのです。
水洗いだけではなく、ドライクリーニングも同様です。
例えば大切なコートがあるとすれば、全体洗いの回数を少なくするほうが、
よりきれいな状態で服を長もちさせることができます。
全体洗いをしないときは、襟、袖口、食べこぼしなど部分的に洗うといいでしょう。
また、ウール素材のコートでしたら、ブラシをかけるのがお勧めです。

次に紫外線です。
肌と同様、服の素材も日に焼けます。
日に焼けた結果、色あせが起きます。
特に、コットンやシルクなど、自然素材は紫外線に弱いです。
長期間、服をタンスやクローゼットにしまわず、
室内のハンガーラックにかけているだけでも日焼けは起こります。
服も肌と同様、ずっと光りにさらしてはいけないのです。

色あせした衣服は、全体を染め直す以外、修理する方法はありません。
また、黒やネイビーのTシャツやシャツは、洗濯によっても色あせします。
濃い色の服の色あせは目立ちますので、注意しましょう。

そのほか注意したいのはシミです。
これも肌と同様、古びれて見えるのでなるだけシミはつけないほうがいいでしょう。
コーヒーやトマトソースなど、食べこぼしのシミは、
そのままにしておかないで、早めの処置でかなりの部分が防げます。
最終手段として漂白剤を使う手がありますが、生地が傷みますので、
なるべく漂白剤は使わないで、その前にきれいにするようにしましょう。

シルク素材の汗じみは、着たら、その日のうちに洗うことで大分防げます。
シルクのブラウスなら洗えるものも多いので、
部分的にでも、すぐに洗うといいでしょう。
自宅で洗えないものは、汗しみがつかないように、インナーを工夫するようにしてください。

そのほか、服もモノですから、ボタンが割れたり、ファスナーが壊れたりします。
割れたボタンは違うものと取り換えれば問題ありませんが、
ファスナーの修理は一般的には難しいので、その服はそこで壊れたと考えていいでしょう。
また、コートの共布ベルトをなくした場合は、共布ではなくとも構いませんので、
一般的な皮革のベルトで代用しましょう。
ファッション的には何ら問題ありません。

これ以外でどうにも防ぐことができないのがポリウレタンに代表されるウレタン素材です。
ウレタンは、紫外線、酸素、熱に弱いため、存在するだけで劣化します。
いくら紫外線を防いでも、熱や空気に触れるのを完全に防ぐことはできません。
そのため、服、靴、バッグなど、使用しないで置いておくだけでも、
素材は分解され、溶けていきます。
一度分解された素材はもとに戻りません。
コーティングはべたべたになり、ウレタンフォームはもろもろとくずれ、
ストレッチのためのポリウレタンは伸びたまま戻りません。

ポリウレタン混合の素材、ポリウレタンコーティング、ウレタン素材は、
長もちしないものと考えてください。
そうはいっても、今売られている商品の中からすべてのウレタンを排除することは不可能です。
これらのものを買うときは、消耗品として使うものだけにしましょう。

2000年以降、特にポリウレタン素材が使われた服、靴、バッグがふえてきました。
セカンドハンドのものを買うときはこの点に注意してください。
古いものでポリウレタンが使われているものを買うと、
もう既に分解されている可能性があります。
そういったものはもう使えませんので、買ってしまわないように気を付けましょう。

 


2024年5月8日水曜日

セカンドハンドは宝の山


既製服と呼ばれる大量生産品が作られるようになったのは1960年代です。
60年代から70年代にかけて、日本ではアパレル産業が発展しました。
それにより、家庭で、あるいはオーダーにより、個人のために一点ずつ作られていた洋服は、同じものが大量に作られる、いわゆる大量生産品となっていきました。
参照資料はこちら

セカンドハンドとして手に入れられるものは、
主にこれらの既製服、あるいは大量生産品の靴やバッグとなります。

言うまでもないことですが、年数がたてばたつほど、
セカンドハンド品はふえていきます。
1980年代に、セカンドハンドの古着を買おうとしても、
それほどたくさんの中からは選べなかったでしょう。
また、古着屋といえば、アメリカやヨーロッパから輸入した古着を扱う店がほとんどでした。
しかし2020年代、状況はすっかり変わりました。
日本国内に古着を買い取る店舗もふえ、
手放す人も多くなりました。
その結果、膨大な量のセカンドハンドが売られるようになりました。

古着、あるいはセカンドハンドと聞いて、
それは単に誰かが着たお古であり、
くたくたで、着るのがやっとなほどのものばかりと考えている人も多いかもしれません。
しかし、実際はそんなことはありません。
古着、あるいはセカンドハンドの服や靴、バッグは、
必ずしも、今現在売られている新品のものよりもクオリティが劣っている、
というわけではないのです。

環境省が発表したこのグラフによると、
1990年代、日本では衣服1枚当たりの価格が6,848円だったのに対して、
2021年には2,785円になっています。
一方、2010年以降の供給量は1990年代の1.5倍から2倍です。
これが意味するところは、
ひとり当たりの年間購買枚数はふえているもの、1枚の単価は下がっているということ。
衣服はサービスではなくモノですから、
原材料や工賃その他がかかります。
原材料を下げて、クオリティだけを上げるということは、まずありえません。
クオリティが高いものを作るにはそれに見合った原価が必要です。
このことが意味するのは、今の人たちが買う1枚のクオリティは、
1990年代のそれよりもずっと下がっているということです。

特に下げてきたのは素材です。
1990年代は豊富にあったウール、コットン、リネン、シルクといった天然素材の衣服が、2000年以降、急速にポリエステル、ナイロン、アクリルといった化学繊維にとってかわりました。
化学繊維の素材であれば安く、品質が悪いとは一概に言えません。
もちろん中にはクオリティが高く、高価な化学繊維もあります。
しかし、単価が安く大量に生産される衣服のほとんどは品質の低い化学繊維で作られています。

1990年代の若者は、今よりもずっと単価も高く、かつクオリティの高い服を着ていました。
実はこの傾向は世界的なもので、日本だけのものではありません。
世界的に低いクオリティのアパレル製品が大量に出回っていったのがこの20年余りの出来事です。

しかしだからといって、クオリティの高いアパレル製品が存在しなかったのかといったら、
そんなことはありません。
それらは実際、存在し、売られていました。
しかし徐々にそれらの価格は上がり、
クオリティの低い安い製品との価格差が大きくなっていきました。
例えば、10万円台で買えたトレンチコートが、今では100万円近くになっています。

さて、ここでセカンドハンドです。
現在、出回っているセカンドハンド品は、古いものでは1970年代から、
新しいものでは、それこそ前年のものまでさまざまです。
また、大量に売られたものが大量に出回りますから、
セカンドハンド店によっては、ここ20年ばかりに大量に作られたクオリティの低いアパレル製品ばかりのところもあるでしょう。
私たちが探すべきなのは、そんなクオリティの低いものではありません。

セカンドハンドとして流通しているものの中には、
高価であったもの、大事に着られていたものが多く含まれます。
高かったものほど大事に扱うのは、世界中どこの人も同じです。
これら、そこそこ高価で、大事に扱われていた、クオリティの高いセカンドハンド品こそ、私たちが手に入れるべきものです。
理由は、現在、同じ価格ではそのクオリティのものを手に入れることはできないからです。

それはまさに玉石混交です。
私たちには、玉を見つける識別能力が必要になります。
素材やパターンで見分けるのが基本ですが、
それができないのなら、ブランドタグで識別してしまえばいいでしょう。
現に世界じゅうで、オールドセリーヌを探している人がいるぐらいです。
また、例えばフィービー・ファイロの時代のセリーヌであるとか、
マルタン・マルジェラ時代のエルメスなどというように、
デザイナーのアーカイブを探している人もいます。

セカンドハンドから何か選ぶときに問題があるとすれば、
それが現在のトレンドと離れすぎて、
古臭く見えるのではないか、という点でしょう。

それを克服するには2つの方法があります。
ひとつは、自分のスタイルを確立して、
トレンドとは関係なく、それを貫き、
自分のスタイルに合致したものを選ぶこと。

ふたつ目は、定点観測によりトレンドを把握し、
今のトレンドと変わらぬシルエットを持つアイテムを選ぶことです。
面白いことに、流行は繰り返されます。
定期的に70年代風、90年代風というときがやってきます。
観察していれば、トレンドがどこへ向かうのかわかってきますから、
そのトレンドに沿ったものをセカンドハンドの中から見つけ出せばいいでしょう。

セカンドハンド品だけを身に着けていたら、
誰かに古臭いと思われはしないかと心配している方もいるかもしれません。
古臭く感じるのは、主にシルエットと色の問題なので、
常に今の気分を把握しているか、
あるいは自分のスタイルを貫いていれば、その心配杞憂に終わります。

それよりも、セカンドハンドの中から素材、デザイン、パターン、縫製とも、
クオリティが高いものを着ているほうが、驚くほどに素敵に見えるのです。
これがいかほどのものなのかは、やってみた者でないとわからないでしょう。

まずは、よさそうなものが売っているセカンドハンド店を見つけましょう。
それがないのなら、自分が好きなブランドをフリマアプリなどを通して探してみましょう。

クオリティの低い、けれども価格が高いものにお金を使うぐらいなら、
同じ金額でセカンドハンドから最高のものを選ぶほうが、
ずっとおしゃれで素敵なルックが作れるのが今の時代です。

お金もかからず、サステナビリティに配慮したサーキュラーファッションの実践にもなる。
これほど最高なことはほかにないとは思いませんか?

 ※写真:1970年代のものと思われるイタリア製のランバンのコート。セカンドストリートで1700円でした。



2024年5月5日日曜日

服は捨てないで回す

 

           ※セカンドハンドのラルフローレンのチュニック

ファッションには2種類あります。

一枚の服が、生産され、消費者に買われて、消費者に廃棄される。
これは一方通行の線上の動きです。
これをリニアファッションと呼びます。

もう一つは、一枚の服が生産され、消費者に買われ、消費者が再び売り、また誰かに買われ、着られなくなったら資源として集められ、リサイクル素材となり、また生産される。
これは円を描くように回っていきます。
これをサーキュラーファッションと呼びます。

2019年に環境省が発表したレポートによると、
日本では66%の衣料が可燃ごみ、あるいは不燃ごみとして廃棄されています。
これは「リニア」ファッションであり、
「捨てるおしゃれ」の結果です。
(詳しい資料はこちらの環境省によるレポートにあります)

ほんとうの意味でおしゃれな人は、まだ着られる服を可燃ごみ、あるいは不燃ごみとして捨てません。
要らなくなった服は回します。
ほんとうにおしゃれな人が実践するのはサーキュラーファッションです。
サーキュラーファッションを意識することが、本当のおしゃれで素敵な人がすることです。

服を回すにはさまざまな方法があります。
・誰かにあげる
・リサイクルショップやフリマアプリで売る
・寄付する
・リサイクル、リユースボックスへ入れる
・資源ごみとして地域の自治体で回収してもらう
などです。

もちろん服はモノなので、破れたり、壊れたりして着られなくなります。
しかしそんなものでも、下着を除いては、資源ごみとして出すことは可能です。
工業用のウエスとしての使い道が残っています。

また、人間なので、サイズアウトや好みに合わない、
また環境が変わって着る必要がなくなった、ということも起こり得ます。
その際は、売るに限ります。
ボタンが一つないジャケットや、共布ベルトがないコートでさえ売られていますから、
着られないもの以外、ほとんどのものは売ることができます。

リサイクルショップで最低価格で買い取ってもらうのではなく、
フリマアプリでなるべく高く売るためには、
自分が要らなくなっても誰かが欲しくなるようなものを買う必要があります。
そのためにはある程度クオリティが高く、長く着られるように作られているものを選ばなければなりません。
回していくためには、手放すときだけに意識を向ければいいのではなく、
手に入れるときにこそ、注意深く考えなければならないのです。
ただやみくもに捨て続けても、
おしゃれで素敵な人になどにならなかった例をもう既に皆さんもご存知でしょう。

手に入れるときに注意すべきなのはそれだけではありません。
選べるならば、
リサイクル素材や、
または環境に対する負荷が低い自然素材を選ぶ必要もあります。

当然のことながら、セカンドハンドやヴィンテージを選択することも重要です。
世界にはもう既にたくさんのセカンドハンドやヴィンテージであふれていますし、
それらを扱うショップも身近なものとなりました。
下北沢や高円寺に行かなくても、リサイクルショップやフリマアプリで簡単に誰でも買えます。

最終的に要らなくなった服は資源として回します。
市町村のゴミの出し方を調べれば、衣類の資源ごみの日はいつなのかわかるでしょう。
市町村で資源ゴミの回収がない場合は、リサイクルボックスを探しましょう。

そうやって、できうる限り服を回していきます。
それがうまくできるようになったなら、
あなたのクローゼットはすっきりし、
毎日着るものに困ることもなくなり、
いつも新しいものを買わなければいけないという強迫観念から解放され、
気付いたら、被服費も大幅に減っているでしょう。 

そうしてうまくなればなるほどに、
あなたのスタイルは確立し、
外からの目も気にならなくなるでしょう。

そんな状態になった暁に待っているのが、
おしゃれで素敵な人になった自分なのです。
それはきっと、ずっとなりたいと思っていた自分です。
どうせならば、生きている間にそうなってしまったほうがよくはありませんか?
来世なんか待たずにね。

 


2024年4月26日金曜日

捨てないおしゃれ

 

           ※90年代のヘルムートラングのジャケット

多くの人が欲しがるのは結果、そして証拠です。
自分が思っているだけ、自分が言っているだけでは、
どんなことも納得しないでしょう。

おしゃれな人は捨てない人、
捨てるのではなく回す人、
そういう人が素敵だよ、とこのブログを書いた当初から書き続けてきました。
しかし、それを信じた人は少なかっただろうと思います。
なぜなら、多くの人が走ったのは真逆の方向だったから。

しかし今、ずっと言い続けてよかったと心底思います。
結果も出ましたし、証拠もあります。

結果とは、ファッションレッスンを受けたり、本を読んで実践してくださった皆さんの現在の姿です。
ここまでやっていれば文句ないでしょう、
という領域までできている人がほとんどです。
(ほとんどというのは、レッスンを受けた方全員の最近の姿を知っているわけではないからです)
当初はそれほど顕著でなかった結果もここへきて明らかな差となってあらわれています。

ではその結果は客観的な指標なのかという問題です。
それは他人からいただく言葉で判断できます。
つい先日も「皆さん、素敵な格好ですね」と知り合いではない方に言われたばかりです。
また、ハイアットリージェンシーのサロンへ行ったときも、
捨てない、そしてセカンドハンド(つまり回す)のおしゃれで訪れた我ら二人は、
入口から入って真正面の、誰からも見られる大きなソファの席に通されたのでした。

自分で自分の装いを宣伝しなくとも、
またインスタでたくさんタグ付しなくとも、
外からこんな言葉をいただきます。

捨てないおしゃれは、
「最も新しいことが最もおしゃれ」の対極をいくものです。
それは、自分のスタイルを確立し、
そのスタイルに必要なアイテムを少しずつ集めていき、
その結果、素敵に見えるというものです。
少しずつ集めていくのでそれには時間がかかります。
今日習った、はい、明日からおしゃれになった、というわけにはいきません。

自分のスタイルを構成する服、靴、バッグはそんなに簡単に見つけられません。
自分のスタイルは誰かと同じでも、誰かのお勧めでもないからです。
それは自分自身で見つけるもの。
それを見つけるのにも、それと出会うのにも、両方時間がかかるのです。

自分のスタイルで作られる「捨てないおしゃれ」はすたれません。
何年前の写真を見ても素敵だなと思える映画俳優のポートレートのように、
いつ振り返っても、自分のスタイルの装いをしているので、
古い自分も安心して見られます。

もちろん、人間ですからサイズが合わなくなって着られなくなったり、
環境が変わって必要なくなる、ということはあります。
「捨てないおしゃれ」実践者は、
自分が要らなくなってもすぐに売れるような服を集めるので、
そうなった暁にはすぐに売るのです。
それは捨てるではなく、回すです。
1枚の服は、モノとしてもう着られなくなるまで回り続け、
最後はリサイクルされ、新しい素材に生まれ変わります。

気候変動や地球環境、そしてグローバルサウス問題に配慮した行動は、
その人の自尊心を高めます。
「捨てないおしゃれ」はすればするほど自己肯定感が高まるのです。
一枚を長く着ること、
セカンドハンドを取り入れること、
リメイク、リサイクルすること、
シェアすること、
すべて誇らしく他人に話すことができます。
それは知的であり、かつ社会に関心を持つ人の証拠だからです。

これは、おしゃれのためにいつも新しいものを買わなくてはいけないと思い込んできた強迫観念からの解放です。
もうそんなことは気にしなくていいのです。
おしゃれに関していつもびくびくしていた自分との決別です。

「捨てないおしゃれ」は、単なるおしゃれを超えたものです。
それがあなたに与えてくれるのは、
新しい自己像であり、満足と安心です。

そして他人はそんなあなたを見て、
「いつでも新しい服を着た人」という凡庸で、古臭い呼称ではなく、
「世界に通用する最も新しい考えを持つ知的で素敵な人」という、
輝く称号で呼ばれるでしょう。
それこそが、誰もが本当に欲しかったものではないでしょうか。