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2025年8月30日土曜日

手持ちのジュエリーを活用しましょう

 

さて、皆さんは金(ゴールド)の価格がどれだけ変わったか、御存知でしょうか。

2000年、1グラム当たり966円だったゴールドは
2010年には、1グラム当たり3,446円
2020年には、1グラム当たり6,070円
そして2026年1月の買取価格は1グラム当たり29628円になっています。
2000年から見ると、金は30倍近くの価格になりました。

※引用元はこちら https://ecodb.net/commodity/gold.html

 https://gold.tanaka.co.jp/index.php

一方、日本の可処分所得はこの30年で逆に減っていますから、
2000年前後なら、気軽に買えたゴールドのジュエリーも、
今では大変高価なものとなってしまいました。 
特に2000年以降の5年間での値上がりが激しいのは、円安が原因です。
円の価値は下がりましたが、ゴールドの価値は上がり続けているのです。

さて、大人になればなるほど、装いにジュエリーを足したくなるもの。
それはジュエリーが地位の証でもあるのと同時に、
大人の肌にふさわしいからでしょう。

しかし、今からゴールドのジュエリーを買うのは大変です。
簡単に買える人は、お金に余裕のある方々です。

本物のゴールドの値上がりとともに、
金属にメッキしたアクセサリーの商品もふえてきました。
しかし、残念ながら、それらの輝きは長くは続きません。
使用すればメッキははがれます。

それではどうしたらいいでしょうか。

できることは2つあります。
まず一つは、既に持っているジュエリーのリフォームです。
ある程度の大人なら、若いころに買ったジュエリーが何かしらあるでしょう。
または、親世代から受け継いだものがあるかもしれません。
その中で使えそうなものをリメイクするのです。

簡単なのは、パールのネックレスのリフォームです。
上の写真のように、糸がえのときにバロックパールを足して、
留め具をマンテルにするだけで、
日常使いできるカジュアルなパールネックレスに変わります。
この程度のリフォームなら、
メッキのアクセサリーを買うよりも安くすみます。
そのほかのアイデアは、メゾンのコレクションを参考にするといいでしょう。 

もう一つは、
もう既に持っているジュエリーを売って、今風のジュエリーを買うことです。
残念ながら、ジュエリーデザインにも流行があります。
昔買ったもの、
あるいは、親世代から受け継いだものは古臭くて今では使えないかもしれません。

けれども、ゴールドやプラチナなら、今この価格で売ることができます。
プラチナも価格に変動がありますが、
ゴールドほど高価ではありません。
古いゴールドをいくつか売って、今から使えるデザインのものをかわりに買う
というのも一つの手です。

私も先日、90年代に買ったゴールドのジュエリーを全部売って、
そのお金で新たに今使えるジュエリーを買いました。

もちろんゴールドは持っていれば、その価値は続きます。
価格変動はあるでしょうけれども、
価値がなくなるということは、たぶんこれを読んでいる人が生きている間はないでしょう。

しかし、ただ持っているだけで使わないのなら、
使える形にしておくというのも、いい方法だと思います。
実際、私も新しく買ったジュエリーを日常的に着用しています。

大人であればあるほど、本物の輝きがふさわしくなります。
すぐに輝くなるメッキのアクセサリーでお茶を濁すのはやめて、
大事なお金は本物に使いましょう。

本物だけが、長い友達になれます。 
本物だけが、本物の人にふさわしいのです。

 

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2025年5月22日木曜日

ライフサイクル、流行サイクル

私たちが服、靴、バッグを買う場合、考えなければならない2つのサイクルがあります。
それがライフサイクルと流行サイクルです。

流行サイクルとは、流行の変遷です。
それは主にシルエットと色によって変化します。
タイトシルエット、ビッグシルエット、タイトとビッグの混合シルエット、
タイトでもビッグでもないバランスのとれたシルエット、
この繰り返しです。

それと一緒に色の流行があります。
黒、茶、白、ベージュなど洋服に使われるベーシックな色だけが流行る時代
ヴィヴィッドで、明度、彩度とも高い色が流行る時代、
天然にある色であるアースカラーが流行る時代、
最近まで続いた、すべてがグレイッシュな色の時代など、
その時代を表現する色があります。
どんな色が流行ったか知りたいときは、自分のアルバムを振り返ってみればわかります。
子供のころに着ていた服の色と今の服の色は違っていることが多いでしょう。

一方、そのサイクルとは別に個人のライフサイクルの変化もあります。
自分の稼いだお金で、自分自身の選択で服を買い、トライアルしていく20代
だんだんと自分の好みがわかってきて、取捨選択していく30代
それまで買わなかった、あるいは買えなかったクオリティの高いものを少しずつ貯めていく40代
徐々に流行に左右される分が減り、自分のスタイルが確立していく50代
これまで買い貯めたワードローブを中心に使って、
もうこれ以上ふやさないワードローブへとかえていく60代というように、
それぞれの年代でワードローブのテーマが変わっていきます。

また、一般的には、年齢が上がるほどクオリティが高いもの、
つまり価格(定価)が高いもののほうが似合うように服は作られているため、
年代によって使う予算も変わります。
20代以降ずっと同じように服、靴、バッグを買うというわけにはいきません。

自分のワードローブを構築するときは、
この2つのサイクルを考える必要があります。
流行サイクルがよくわからないまま新しいものを買ってしまうと、後々着なくなる可能性も出てきます。
例えば、もう次の流行はビッグシルエットだとなったときに、
タイトなシルエットの高価なトレンチコートを買ってしまった場合、
モノとしては何も傷んでいないのに、
そのコートが流行のシルエットではないために、
着て出かけるのがためらわれる場合もあるでしょう。

流行サイクルよりも大事なのは自分のライフサイクルです。
年代によって使える予算も違います。
また、着ることができる服も変わってきます。

この2つのサイクルのすり合わせに失敗すると、
年をとってからつらくなります。
日本の場合、年齢が上がるにつれ被服費に使える予算は少なくなっていきますので、
ふと気づいたときには着るものがないと同時に、
新しく買うことも困難になってしまうということが起こり得ます。
(実際に起こっている方を数名見かけました)

そうならないためにやるべきなのは、
ブランドのインスタやHP、店舗をチェックすることによる流行の定点観測、
そして、自分のワードローブプランを作ることです。

将来のことなど考えないでお買い物ができるのは20代まで。
それ以降、特に40代以降は、ただ買って捨ててを繰り返していたら、
50代以降、着るものがない、と感じる場面がふえていくでしょう。

どこに住んでいるのか、
どこの場面でおしゃれをしたいのか、
最終的にはどういう状態になりたいのか、
それを確認し、知ることができるのは自分自身だけです。

ずっと同じように買い物はできません。
自分自身も変わっていきます。
その変化を前提に、自分のワードローブを構築しましょう。
受け身ではなく、能動的に自分に必要なものを選択してください。
選択権を決して他人に渡さないように。

 

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2023年10月13日金曜日

それでもいいものを見たほうがいい理由

※展覧会を見に行くのもいいアイデアです。

2023年10月現在、日本の購買力は今から50年前の1970年代と同じだと言われています。
外国のブランドのものは「舶来品」と呼ばれたあのころ、
海外旅行は簡単に行けるものではなく、
行ったとしても、好きなだけお金を使うことができなかったあのころに、
今の日本は逆戻りです。

現在、多くのアパレル製品は輸入物です。
生地とその原材料、その他の付属品も含めるのなら、
100%日本製のものは、ほぼないと考えていいでしょう。
日本では、コットンもウールもシルクもほとんど生産されていません。
ましてや化学繊維の原料になる原油は日本では、製品を作るほどの採掘はできません。

購買力が50年前と同じになるということとは、
すなわち、多くの輸入物の価格が上がることを意味します。
海外のブランドから日本のブランドまで、すべての製品の価格は上がっていくでしょう。

そうなると、多くの人のファッションに対する関心は低下します。
得られるかもしれない可能性が断たれたものについては、
考えないほうが精神の安定を保てるからです。
特に、クオリティの高い高価なものほど、遠ざける人が出てくるでしょう。
そうするにつれて、多くの人のクローゼットは、
カットソーとポリエステル、ナイロン、アクリルといった化学繊維であふれかえります。
誰かがそれを「ウールライク」などと呼ぼうとも、
それは原油から生産された、自然繊維よりも安価な化学繊維には違いありません。
安価であるという理由で、彼らはそれを「ウールライク」として採用しているのです。

安価にするための工夫は素材選びだけではありません。
縫う箇所を1本でも少なくし、工賃を安くするためのデザインも数多く実行されます。
その例として挙げられるのがウエストゴム、そしてポケットの省略です。
これらは、製造工程を少なくするのにうってつけのデザインです。

しかしそれでもなお、いいものを見たり、触り続けたほうがいいのです。
なぜなら、目、あるいは手の記憶によって、あなたの選択はなされるからです。

いいものをいくら見ても、もう忘れてしまったと思うでしょう。
しかし、一度インストールされたその情報はごみ箱の中に入っているだけで、
消去されたわけではないのです。
それは、気づかないうちに、まるで見張りのように、
私たちの日々の選択に影響を与えます。
見れば見るほど、その記憶は蓄積されていき、決して忘れ去ることはありません。
多くの人ができないのは、その情報を引き出すことなのです。

それはまるで見えないところで動き続けるアプリのように、
あなたの選択を監視します。
そして、どうでもいいもの、クオリティが低いもの、将来的に着なくなるであろうものから、あなたを遠ざけます。
気づいていなくても、それは正確に作動します。

限られた予算の中で、失敗の少ない買い物をするためには、
このアプリを入れておいたほうがいいのです。
予算が少なければ少ないほど、失敗は避けたい。
であるのならなおのこと、いいものを見続けて、
常にアプリを新しい状態に更新する必要があります。

私たちのほとんどの選択は、何かの影響によってなされます。
誰かの考えや言葉、誰かの姿、どこかで見た何かが、深く印象付けられて、
あれやこれやの選択をします。
選択を間違わないためにも、何がインストールされているのかが重要です。

もう以前のように、海外旅行もままならないし、
ラグジュアリーブランドのバッグを買うこともないかもしれません。
しかしどこかしらでクオリティの高いものを見続けるようにしましょう。

それは古着屋やセカンドハンドのお店かもしれません。
あるいはアウトレットや展覧会かもしれません。
または、知人が実際に着ているものや履いているものの可能性もあります。

クオリティの高いものの情報をインプットしておけば、自動的にいいものを選ぶようになります。
限られた予算の中からでも、なんらかの方法はあります。

カットソーと化学繊維まみれのクローゼットの沼で溺れないように、
今出来得ることを考えて、行動してみてください。
そうすれば将来、あなたは自分のクローゼットを見て、心底満足できるでしょう。
そして、いいものを見続けることをあきらめなかった自分に対して、
感謝の念をいただくでしょう。


2023年8月15日火曜日

要らなくなった服は回していこう!

 日本ではここ何年も「捨てる」や「片づけ」が流行っています。
「片づけ」の場合、それは必ずしも捨てることを意味していませんが、
「捨てる」の場合は文字通り廃棄であり、それは要するにゴミになるということ。
循環ではなく、一方通行(リニア)です。

それでよかった時代はとっくの昔に終わりました。
それはただ単に古いだけではなく、迷惑なのです。
それらが引き起こしているのが気候変動であり、
グローバルサウスへのゴミの押し付けです。

最先端のおしゃれな人たちは要らなくなった、
だけれどもまだ使える服、靴、バッグを捨てません。
回すのです。

回す方法は複数あります。
誰かにあげる、
フリマアプリを使って売る、
リサイクル店にもっていって売る、
リサイクルに回す、
です。

2019年の資料によると、
日本で手放された服がリユース、リサイクルされる率は合計で34%しかありません。
古着として再販される率は全体の11%です。
リサイクル、リユース以外はすべてごみとして廃棄になります。
(参考資料:サステナブルファッション 環境省)

おしゃれな人がやるのは、まだ着られる服ならば古着として売る、
そしてモノとして劣化あるいは破損で着られない服はリサイクルに出すか、
あるいは資源ごみとして出すことです。

劣化あるいは破損で着られない服は別として、
多くの人が、入らなくなった、あるいは着たくなくなったなど、
なんらかの理由で着なくなった服を持っているでしょう。
人間なので、ある程度そういった服が出るのは仕方のないことです。
問題なのはそれをどうするか、です。

あなたがおしゃれな人でありたい、あるいはなりたいのなら、
自分の周囲の人で欲しい人にあげる、
あるいは古着として、フリマアプやリサイクル店で売りましょう。

前述したように、古着として売られている服は要らなくなった服の11%にすぎません。
フリマアプリはスマートフォンがあれば利用できます。
また、それが嫌な場合でも、多くのリサイクル店が各地にあります。

おしゃれであればあるほど、その人の要らなくなった服、靴、バッグはすぐに売れます。
なかなか売れない、あるいは安くしか売れないのは大量生産の安い服です。
そんな服はリサイクル店に持っていっても、10円ぐらいにしかならないかもしれません。
フリマアプリでは売れないし、
リサイクル店に持っていっても10円にしかならないからといって、
行動パターンを変えずに、凝りもせず安いものを大量に買っては捨てるを繰り返していたら、その地獄から抜け出せません。

これを読んでいる方の中には、おしゃれになれると思って、
やみくもに持っている服を捨てた方はいらっしゃいませんか?
それで果たしておしゃれになれましたか?
ただ、捨てていたのではおしゃれにはなれません。
なぜなら、それでは自分の行動パターンを修正することができないからです。

フリマアプリですぐに、しかも高く売れるようなものを買ってこなかったのなら、
都度見直して、自分の購買パターンを変える必要があります。
どのように変えるのかといったら、要らなくなってもまたすぐに売れるものを買うように変えるのです。
そしてそんなものばかりが買える自分に変わったのなら、
つまりおしゃれな人に近づいたのなら、
たとえ失敗したとしても、安心して手放せます。
なぜなら、それは次に欲しい人がいて、簡単に売れるからです。

 フリマアプリを使ってみるとわかることですが、
世の中には、おしゃれな人が一度手にしたものを欲しいと思っている人はたくさんいます。
適切な値段設定であったなら、1日以内に売れてしまうなんてこともざらです。

これからは、特に高価な服については、
ずっと所有することにこだわらず、
一次的に預かっているもの、次の人に回していくものと考えましょう。

もう既に、過去に作られた服は膨大な量になっています。
新しいものをどんどん買っては捨てるという偽りのおしゃれから目を覚ましてください。
膨大な量の過去の服の中から選んで組み合わせることにより、十分におしゃれはできます。

新しい服をどんどん作る余裕は、この地球にはありません。
この夏の暑さがその証拠です。

最先端で、かつ偽物ではなく、本物のおしゃれな人になりたいのなら、
要らなくなった服は回していきましょう。
センスと賢さを駆使して、
罪悪感がなく、自己肯定できるおしゃれな人になりましょう。

 


2023年6月23日金曜日

一番新しいのはサーキュラーファッション

私の本やブログを読んでいるみんなはきっと、
基本的にいいものを買って、それを何年も大切に着て、
いリメイクしたり、誰かとシェアしたり、
古着やセカンドハンドを取り入れてワードローブを作っていると思うの。

だけれども、時々こう思うことがない?
「インスタでお勧めにすぐ上がってきちゃう、
あの新しいものばっかりのキラキラの人たちより
自分のやり方が劣っているんじゃないかな」って。

断言するわ。
それは勘違いよ。
なぜなら今一番新しく、そしてこれからもずっと続くのはサーキュラーファッションだから。

サーキュラーファッションとは循環型のファッションのこと。
サステナブルだけじゃ足りないの。
ファッションもどこまでもぐるぐる回り続けないといけないの。
一枚を長く大切に着て、
それを生分解で土に還して、またはリサイクルに回して新しい素材にかえて、
まだ着られるものはリサイクルやリメイクして、
決して一度の使用だけでは終わらせない、
それがサーキュラーファッション。

それに対して時代遅れなのはなんだと思う?
それは、つくって、買って、数回で捨てるファッション、
これがオールドスタイルのファッション。

これは何も私の意見じゃなくて、
最先端のファッション研究によって導かれた答え。
もう既に服は余り過ぎていて、多くが焼却処分されるか、
グローバルサウスに輸出されて、ゴミの山になっている。
それに世界の人口はまだ増えるから、資源が足りなくなるのはもうすぐそこに迫っている。
だからそんなやり方は、これからの世界には通用しないの。

最も新しいサーキュラーファッションで問われるのは?
何年着ている?
リサイクルできる?
古着かセカンドハンドで買った?
シェアしている?
環境に悪影響を与えない素材でできている?
こんなところ。

もちろん今の段階では、サーキュラーファッションはほとんど実現していない。
これは消費者だけではなく、リテーラーの問題でもあるから。
だけれども、消費者の意識が変わらないと、リテーラーも動かない。

確かにサーキュラーファッションでは、
ヘンプや藻、菌類からできた素材が推奨されるけれども、
まだまだそんな素材からできた服が簡単に手に入る状況でないというのが現実。
ならばできることは何かというと、
長く着る、
古着や中古品を取り入れる、
リメイクする、
リサイクルする、
シェアする、
借りる、
そして新しいものを買うときはサステナブルなものを買うようにすること。
これぐらい。
でもね、これが最先端のファッションなのよ。

だから、このブログをずっと読んできて、
あるいは過去を振り返って読んだり、私の本を読んだりして、
こういうことをやってきたみんなは自分を誇っていいわけ。
だって、世界最先端なんだから!
半年や1年で捨てるなんて、それは古臭いファッション感で、
もう時代遅れもいいところ。
それを忘れないでほしいわ。

これからはみんなが古いものを上手に取り入れていく世界。
きっと駅ビルに素敵なセカンドハンドのセレクトショップが誕生する日も近いでしょう。
そこからはセンスがものを言うから、
今からセンスを磨いておくのがいいよね。

高いものを買ってもいい。
だけれどもそれはずっと自分のところにあるってわけじゃない。
きっと誰かが着ていたもので、
次に誰かが着るであろう服。
もう「ずっと自分だけのもの」という考えにこだわらない。

インスタで、相も変わらず新しいものを1回着ただけで次々に着るのをやめている人を見たら、こう思うといいわよ。
「あら、この人、随分と時代遅れね」
今や世界の最先端の人々がこの意見に賛同するわ。

もう後戻りできないところまできたファッション業界。
これからはサーキュラーファッションを目指す以外、
生き残る道は残されていないの。
(マッキンゼー&カンパニーも2019年のリポートでそう言っている)

人間の欲望は無限だけれども、地球は有限。
その地球でフィジカルに生きる私たちの、それは責任。
一番新しく、かつこれからも続くサーキュラーファッション。
まだまだできることがあると感じたら、
ぜひ今すぐ実行して。
なぜなら、それが一番素敵で、おしゃれな人のやることだからよ!

★参考資料 state of fashion 2021  Mckinsey & Company

 


2023年1月21日土曜日

ファッションに関する新たな葛藤

実際は、今急に始まったことではありません。
それは徐々に、しかし確実に進んできました。
社会保障費や税金はふえるのに、
収入がふえないという状況が進んだ結果、
被服費は大幅に削られました。

そんなことはお構いなしに、
2000年より前の時代に比べて衣料全体の生産量はふえました。
単価の安いものが大幅にふえ、購入枚数も、
1枚の服を着る回数も減りました。
参考はこちら

もう一つ、2000年より前とは大きく変わったことがあります。
それは情報量です。
インターネットが一般にも広まる前は、
アパレル業界以外の人がファッションに関する情報を得るには、
店舗を見に行くか、雑誌を買うかのどちらかでした。
コレクションを見に行けるのは、バイヤーや得意客、ファッション誌の編集者ぐらいのもので、それ以外の人が見られるのは、テレビ番組で紹介されるほんの数秒程度のものでした。

また、知り合い以外のほかの人が何を着ているかについても、
雑誌の「読者モデル」や「ストリートスナップ」コーナーでしか知ることができませんでした。

しかし誰もがインターネットに接続できるようになった以降は、
誰もが無料でこれらの情報にアクセスできるようになりました。
望みさえすれば。
自分で探すならば。

使えるお金、
買えるものはどんどん減る一方、
売られているもの、それに関するあらゆる情報は増大しました。

情報は触れません。
それは頭の中でイメージや言葉として存在しています。
しかしその触れないもので頭の中がいっぱいになり、
いつ何時もそれから離れられなくなりました。

その結果、起きたのが葛藤です。
私たちの、その頭の中にある情報があらわす服、靴、バッグのほとんどは、
自分では買えないものです。
頭の中は、買えないけれども欲しいものの情報であふれます。
それが日に日にふえていきます。
この葛藤が私たちをどこへ連れていってくれるのでしょうか。

これがドラマであるのなら、
葛藤から始まったドラマは、解決へ向かってエンディングを迎えます。
葛藤は、人生を動かす重要な感情です。

しかし、この情報過多による欲望の刺激、そして満たされない渇望感によって
私たちは創造的な行動ができるようになったでしょうか。

答えは周囲を見渡せばわかります。
行き過ぎた満たされぬ欲望は、私たちに絶望をもたらし、
行動する力を奪いました。
簡単な言い方をすると「どうでもいい」状態になりました。

たくさんの情報、
どんどん生まれる新しいブランド、
誰かがインスタで見せつけるあの服やバッグ、
そのほとんどが手に入らないのなら、
服なんてもうどうでもいい、暑さ寒ささええしのげるならば。
情報でいっぱいの思考には、自分なりの選択をするという小さな行為すら、
難しいものとなりました。

その結果、台頭してきたのが誰かのお勧めを選ぶ、
または誰かと同じものを選ぶという行為でしょう。
多くのショップ、多くのブランド、多くの服が売られれば売られるほど、
人々の着るものが同じようになるという現象が生まれました。

情報過多による葛藤で私たちが失ったのは自分らしい選択をする力です。
選べないので動けなくなりました。
まるでそれは選択する権利があるのに、棄権しているかのようです。
自分で選ばなければ間違いはないと、多くの人が思っているのかもしれません。

それでもその選ばなかった責任をとるのは自分です。
あなたの人生をかわりに演じてくれる人はいません。
選択の結果は回収しなければなりません。

問題は行き過ぎた葛藤です。
私たちはまだ「葛藤」が提示されるドラマの第1回目にいます。
今の状態が嫌ならば、ドラマの最終回を考え、それに向かって行動しなければなりません。
最終回での解決方法はいろいろ考えられます。

別れる(情報を断つ)
宝の地図を手に入れる(自分らしいおしゃれをする方法を習得する)
練習して試合に勝つ(目利きになるための訓練をして、買い物で失敗しない)
自立すると決める(失敗を恐れず自分で選ぶようにする)
などなど。

そうはいっても、今までこうやってきたのだもの、
そう簡単に動けないと思う人もいるでしょう。

それではヒントを差し上げます。
それは感覚です。
服や靴を触ったとき、着てみたとき、着て動いてみたときの感覚です。
感覚が弱まると、思考を正しい方向にコントロールできなくなります。

頭の中であれやこれや考えているだけの人よりも、
自分が好きなものを実際に試着してみる人のほうが夢を実現できるのです。

手を動かせば動かすほど、使えば使うほど、感覚は強化され、
知恵を授けてくれるようになります。

ハッピーエンディングのための最もふさわしい解決方法は、
その感覚が教えてくれるでしょう。

 


2022年11月22日火曜日

再度、一軍の選手をそろえましょう。

2010年、ブログを書き始めた初期の時期、
私は記事を書くに当たって、
みんなが使っていない、面白いたとえは何かないかなと考えて、
「一軍の選手(服)をそろえましょう」というように、服を一軍選手という選手にたとえました。
このとき、自分の服をこのように一軍、二軍と表現している人はいませんでした。

今多くの人が服、コスメその他、「一軍」というたとえを使っていますが、
私がこのときに伝えたかった内容は、今「一軍」を使う人たちのそれとは少し違います。

言いたいのは、いざというときに使えないものばかり買いそろえないで、
最初から一軍になるものだけをそろえてください、ということでした。

そしてその一軍たちが、古くなったり、擦り切れたりしたときは二軍、三軍と落としていけばいいと。

そう提案した大きな理由は2つあります。

一つ目は、服というのは案外長もちするからです。

擦り切れる、破れる、色が褪せる、虫に食われるなど、
モノとして服が使えなくなるまでには、かなりの着用回数を必要とします。
2年や3年で、服はモノとしてだめになりません。
多少のシミや、目立たない箇所を虫に食われても、まだまだ着られます。
それらは、お出かけには適さないでしょう。
けれども、近所のスーパーへのお出かけや、家で着ている分には問題ありません。
もちろんドレスを普段着にするわけにはいきませんが、
ジャケットやコート、セーター、ブラウス、シャツは普段着として使えます。

二つ目は、多く買いすぎるため、1枚のクオリティが低いから。

2010年、とにかくたくさん買うという方がまだまだ多くいらっしゃいました。
そういう方たちの共通点は、1枚のクオリティが低いということです。
クオリティが低いものなので大事にしない、
そのため傷んでいなくても捨ててしまう。
ワードローブはどうでもいい、しかし捨てるに捨てられない服であふれる、
それなのに着るものがないと感じる、
そんな傾向の方がまだまだたくさんいました。

どうでもいいクオリティの低い服をたくさん持つよりも、
自分が気に入ったものをモノとして劣化するごとに着るシチュエーションをかえていったほうが、
結果的にお金も節約になるし、何よりも自分の満足度が高くなります。

例えば高価だけれども、とても気に入った、自分の好みのカシミヤのセーターを買います。
2,3年はそれをお出かけ用として着ます。
毛玉が出たり、少しシミがついたら、近所の買い物用に、
そして虫に食われてしまったら、家で部屋着として着る、
というように、着るシーンをかえていけば、
モノとしてもう着られないというときには心おきなく捨てることができます。

またもし、気に入ったし高かったけれども、結局着る機会がなかったというものは、
クオリティが高ければ、どこかで売ることができます。
それは、普段着にはなり得ないドレスでも同じことです。
いいものであればあるほど、次に欲しい人が必ずいます。

この10年余り、多くの人を悩ませたのは、
自分でも着たくない、
けれども捨てるに捨てられない、
売りに出しても売れない、
ただでも誰ももらってくれない、
どうでもいい服の存在です。

もうそんな服を買う余裕はないよね。
私たち、球団を運営しているわけじゃないから、
控えの選手なんて、要らないし。
だって、服は病気やケガをしないもの。

お金を使えなければ使えないほど、
セカンドハンドやセール品を買うにしても、
一軍の選手、つまり一軍の服をそろえましょう。

実力がないものも、二番目に好きなものも、
そんなものに付き合っている時間は、
私たちには、もうないのです。



2022年10月14日金曜日

消耗品と長もちするものを見極めよ

衣服の中には消耗品と長もちするものがあります。

ざっくり言うと、洗濯回数が多く劣化が早く進むものが消耗品、
洗濯回数が少なく、手入れすれば長く着られる、履ける、身に着けられるものが長もちするものです。

衣服は洗濯によって劣化します。
よって、洗濯回数の多い下着、肌着類は消耗品であるものがほとんどです。
もちろん、シルクのキャミソールのように、例外はあります。

一方、着用回数が多くても、洗濯回数が少ないコート、ジャケット類は
消耗品ではなく、長もちするものに分類されます。

また、素材の面からも消耗品と長もちするものを分ける必要があります。

例えばシルクや麻(リネン、ヘンプ、ラミー)は、
丁寧に扱えば、洗濯に耐えて長もちします。
また、ポリエステルは洗濯に非常に強いので、
どんなアイテムであっても、洗濯を何回しても、相当に長もちします。

一方、ポリウレタンは、どんなに丁寧に扱っても、
水、光、熱に弱いので、洗濯をしなくても、長もちさせることはできません。

そして貴金属のジュエリーや、革のベルト、皮のバッグなど、
皮革製品も手入れをすれば長もちします。

これらのことを考慮せずに、長もちしないものにお金をかけ、
長もちするものにお金をかけないでいると、
結局、どちらも長く使えないことになるでしょう。
その結果、ワードローブは貧弱になり、毎年何かしら買い足しても、
そのワードローブは砂の城のように脆弱で、
足もとから崩れ落ちていくような経験を、何度も繰り返すことでしょう。
渚近くの砂の城は、大きな波がやってきたら、瞬時に崩壊します。

長もちするアイテムは、ワードローブの基盤です。
しっかりした基盤の上でないと、立派なお城は完成しません。
幾らお金をかけたとしても、選択が間違っていれば、元の木阿弥です。

災害が起きたとき、守ってくれるのは基盤がしっかりしたお城です。
ぐらぐらで、すぐにも倒れてしまうような、やわなお城では役に立ちません。
あなたがクイーンやキングなら、災害に強いお城に住まないとね。

知らないままに買い物をすると、
2年後には崩壊してしまう高価な消耗品を買ってしまうことになりかねません。

この世は高価な消耗品であふれています。
気を付けないとね。

 何が長もちするのか、しないのか、見極める必要があります。
誰のため?
自分のためです。
何のため?
売る人よりも長く、美しくいるためです。


2022年8月19日金曜日

備えあれば憂いなし

被服費として使えるお金が少なくなると、
おのずとおしゃれに関する関心は薄れ、
だんだんどうでもよくなってくるのが人間の心理でしょう。

感覚として感じていたおしゃれに関する関心の低下は、
家計調査によって、被服費の大幅な減少という数字の上でも明らかにされています。
(一方、美容にかけるお金はふえています)

私は2010年よりファッションレッスンというオリジナルメソッドによるレッスンを教えています。
その中で、洋服はいつだって未来の自分が着るために買うものだから、
未来を想像して買ってください、
そして長もちする服と消耗品とをきちんと分けて、
長もちする服はお金をかけるようにしてください、
と伝えています。

それを実践してくださった生徒の皆さんに、今どんな状況か聞いてみました。
聞いてみた方全員、習ったときに買い方を変えておいてよかった、
長もちするものはクオリティが高く、長く着られるものを選んでおいたので、
今、新しいものを買えなくても大丈夫、おしゃれができるという答えをいただきました。

刹那的に、今そのときだけの気分で買っていると、
そのシーズンはいいけれども、結局捨てることになるものばかりがふえます。
また、同じような買い方が続けられなくなったとき、
いきなり着るものがなくなり、困ってしまいます。

だけれども、備えておけば大丈夫。
お金をたくさん使えないときでも、今あるものを使っておしゃれをすることは可能。
それにプラスして、リフォームしたりリメイクしたり、
シェアしたり、交換したりすれば、
お金をかけずとも、新しい気分も取り入れられます。

過去のやり方がよくなかったなら、
今からやり方を変えればいいだけ。

どんどん成長してサイズアウトしていく子供以外の人にとっては、
下着やカットソー以外の服は消耗品ではなく、耐久消費財。
それを消耗品として扱ったこと、
そしてその方法が最上だと信じたことがそもそもの間違いの原因です。
多くの人が服を消耗品として、そして情報として消費しました。
その結果もたらされたのが今の現状、
つまり、おしゃれがどうでもよくなった、
またはおしゃれができない大人がふえてしまったということです。
(まあ、その方法は既に破綻していたのに、誰も教えてくれなかったからやめられなかったわけなので、自分を責めないでもよし)

今からでも遅くないので、
将来に備えたお買い物の仕方に変えて、
備えがあるワードローブを構築しましょう。

備えておくべきなのは、裏切りではなく、将来にわたって信頼できるチーム、
そして、一生あなたの役に立つ基本的な知識と知恵と工夫です。

2022年5月29日日曜日

あなたが買えなくなったときは

日本語では、生活全般についてあらわすときに「衣食住」という言葉を使います。
衣は衣服の衣、
食は食べ物の食、
住は、家全体を含めた住環境の住です。

この言葉を聞くと、衣食住の中では衣服の衣が最も重要性があるように思えますが、
実際に、そんなことはありません。
たぶん多くの人にとって、衣は生活の中で最も大事なもの、価値があるもの、お金をかけるべきものではないでしょう。

生活に最低限必要なのは、衣や食だけではなく、水道やガス、電気といったエネルギー、
そして移動のためのガソリン代や交通にかかる費用などがあります。

食べるものや、水道や電気、ガス、そして交通費は削りたくても削れないものであり、
それなしには生きていけません。

生活費が家計を圧迫するとき、手っ取り早く削ることができるのは被服費でしょう。
理由は、赤ちゃんでもない限り、もう既にある程度の服、靴、バッグを持っているからです。

さて、私は今まで書籍その他を通じて、お金をかけないおしゃれの方法についてシェアしてきました。

具体的にできることは以下のとおりです。

・セカンドハンドや古着を買う。
・誰かと服、靴、バッグをシェアする。
・誰かと服を交換する。
・リメイクする。

さまざまなモノの値段が値上がり、
可処分所得がふえないのなら、私たちは何か対処しなければなりません。
しかもかなりの本気具合で。

ここで浮上してくるのが「買わない」という選択肢です。
誰かから借りる、交換する、リメイクするの3点がそれに当たります。

同じものをいつも着ていると飽きてしまうのは人間の性なので仕方ありません。
飽きるあなたを誰も責めることはできません。
以前はその飽きを新しく何か購入することで解消してきた人も多いでしょう。
しかし、それができなくなった今、ほかの方法を考える必要があります。

誰かから借りる、あるいは交換するためには、
それができる相手が必要になります。
多くは家族、あるいは仲のいい友達がその相手になり得るでしょう。
サイズや好みが同じで、シェア、あるいは交換できそうな相手がいる場合、
まずは自分から提案してみてはいかがでしょうか。

もう一つのリメイクは、例えば丈を短くする、あるいは何か付け足すなど、
いろいろ考えられますが、普段から縫物をしない方にとっては、
少々ハードルが高いものになります。
それでも、家庭科の時間を思い出して、できる範囲で何かしらしてみるのは価値があることです。
幸い、洋裁に必要な道具も、材料も通販で簡単に手に入りますから、
どうせ捨てるしかないものがあるのなら、
長袖を半袖にとか、ワンピースをスカートになど、
長かったものを短くする、のように、
簡単なリメイクを試してみるといいでしょう。
短くするだけなら、接着テープで貼るだけでもできるので、縫物が苦手でもできます。

そうする過程で、多くの人が気づくでしょう。
たくさんあるように見えた服なのに、
新しいものを買えなくなったとき、何も着るものがないと感じるようになるのか、と。

それは、新しさだけに価値がある、
生鮮食料品のようなものを買い続けてきたからです。
トマトやりんご、お刺身は数日たてば、腐って「食べられない」ものになります。
それと同じように、新しさだけに価値がある服、靴、バッグは、
ほんの半年、あるいは1年で、鮮度がなくなり、
気分的に「着られない」ものになります。

結局のところ、
最もお金がかからないのは、
長く着られるいいものです。

いいものとは素材、縫製、パターンがよく、
年月に耐えることができるデザインのものです。
それは雑誌に載っている「今年のマストアイテム」のように、新しさにだけ価値があるようなものではありません。

何回もの洗濯に耐え、
着ていてほつれることなく、中から見ても丁寧な始末がされていて、
着ていると、自分のスタイルがよくなったのかと錯覚するほどのパターンで、
もう何年も着ているのに古臭さを感じないデザインのもの、
そういうものを常日頃から探し出して、集めていくこと。
そういったあなたのチームのような服、靴、バッグがあれば、
買えない時期も乗り越えることができます。

いいものは、買う当初は少々お値段が高い可能性はありますが、
最終的には、こちらのほうがお金がかからないのは、
私が長年、観察をしてわかった結論です。
この結論は、それに気づいて何年もたった今でも変わりません。

同じ失敗を繰り返さないために今できるのは、
工夫をして、買えない時期を乗り越えつつ、
未来の自分のために、
 困ったときにあなたを助けてくれる、信頼できるバディのような、ワードローブを構築することです。

※お金をかけないでおしゃれをする詳しい方法については拙著『お金をかけずにシックなおしゃれ 21世紀のチープシック』KADOKAWAをごらんください。

2021年9月19日日曜日

服、靴、バッグが片付かない理由

 服や靴、バッグが片付かないという方がまだまだいらっしゃいます。
いろいろな片付け方法を試してみた。それでもまだ片付かないとおっしゃる皆さん。

では、服や靴、バッグが片付かない理由はなんでしょうか?

それはいろいろな意味において、服、靴、バッグがその人自身のコントロールする能力を超えたからです。

まず、収納の問題。
どういうところに住んでいるかによって、どれぐらい収納できるかが変わってきます。
狭い都会のマンションに住む人もいれば、田舎の広い一軒家に住む人もいます。

狭ければ狭いなりの収納スペースしかないでしょう。
そのスペースに収納できる量を超えたら、もうそれはコントロールできていないということです。
入らないものができたとき、それは片付かない理由となるでしょう。

次に、案外見落とされているなと思うのが、
人のコントロールできるものの量についてです。
たくさんのものを管理できる人は少数です。

多くのものを管理し、コントロールするにはその人のエネルギーと時間が必要です。
能力はあっても、時間がないなら、やはりそれは無理になります。
服、靴、バッグが多ければ多いほど、管理することは難しくなり、
難しくなればなるほど片付きません。

もちろん人によって、管理して、コントロールできる量は違います。
けれども、ほとんどの人は少ない量であればあるほど管理しやすくなり、
その結果、片付けも簡単になります。

片付かない理由は、その人の管理、コントロールできる以上の量の服、靴、バッグを所持しているからです。

場所、そして人の管理能力、これらは両方とも限界があります。
場所、時間、エネルギー、すべて有限で、無限にあるものではありません。

そしてこの有限を超えれば超えるほど、片づけることは難しくなっていきます。

好き、嫌いといった感情だけで所持する量を決めるのではなく、
場所、時間、エネルギーといった物理的な問題について、
客観的に判断する必要があります。

狭い収納スペースしかないところに住んでいて、片づける時間もないのなら、
それに見合った少ない量のものを持つしかありません。

最初に所持できる限度の量を決めて、その範囲内に常におさめていることが重要です。

感情と欲望が、もっともっととあなたを急き立てるかもしれません。
そんなあなたを肯定的にとらえる人たちもたくさんいます。
けれども、理性的にならないでいたら、最終的に困るのは自分自身です。

無限の欲望の言うことだけを聞いていたら、時間もお金もかかります。
片付かない状態が毎日のストレスの原因になります。
その眼に見えないストレスが日々重なって、あなたはなんとなく不調を感じるようになるでしょう。

まずは客観的かつ理性的に自分の状態を判断しましょう。
そしてどれぐらいまでなら自分が管理、コントロールできるか見極めて。
今がうまくいっていないのなら、それは持ちすぎているという証拠です。
どこまでなら自分が管理、コントロールできるかわからないのなら、
全体量を減らしつつ、自分ができる量がどこまでなのか見つけましょう。

それがどこなのかを知っているのは自分だけです。

自分の管理、コントロールできる量がわかり、
すっかり片付いた暁には、あなたは心底安堵することでしょう。

限界を超えてたくさん持つことは、幸せにはつながらない。
もっともっととあおった人たちの嘘が、あなたにもきっとわかる日が来るでしょう。

 




2021年8月29日日曜日

好きと過剰

雑誌や、あるいはブランドのヴィジュアルでは、細部にわたって気を配った、
完ぺきなコーディネートが提示されます。
着ているものも、靴もバッグも、
アクセサリーや、そしてメイクはヘアスタイルも完璧で、
手を抜いているところはありません。

一方、私たちの日常生活において、すべてを完璧に整える機会は、
そう多くはないでしょう。
家で過ごしたり、仕事をしたりするときには、
アクセサリーやジュエリーはつけないかもしれませんし、
誰かに見られないのなら、なおさらのこと、
すべてを完璧にする必要性はありません。

このように必ずしも完璧に装う必要がないときに、意識せずともあらわれてくるのは、
その人の好き、つまり趣味嗜好でしょう。

誰でも好きなものに対しては過剰になるものです。

例えばTシャツが好きな人はTシャツが、
ジーンズが好きな人はジーンズが、
ピアスが好きな人にとってはピアスが重要な意味を持ち、
抜かしてはならないものになるとともに、
所持する数においても、過剰な傾向になるでしょう。

過剰があれば、その反対に不足気味のものもあるわけで、
Tシャツ好きは布帛のシャツについてはこだわりも薄く、枚数も少な目かもしれませんし、
ジーンズ好きはスカートのことなど念頭にないかもしれません。
またピアス好きに至っては、服よりもジュエリーのほうが重要かもしれません。

私が考えるに、これはごく普通のことであり、
全く問題のないことです。

雑誌やブランドの広告ヴィジュアルは彼らの目的のために完璧なルックを作っているのであって、それは私たちの目的とは違います。

私たちの目的はそれぞれ違うでしょう。
けれども、大方は、毎日が気分よく過ごせるように、
あるいは、快適に過ごせるようにと、
自分のポジティブな感情を維持するために身に着けるものを選んでいるのではないでしょうか。

自分の感情をポジティブに維持するのは自分の問題であり、
自分がその責任者です。
ですから、その責任を果たすためにも、好きなものについては多少、過剰気味であったとしても、誰からも文句を言われる筋合いはありません。

服好きはジュエリーにはそれほど興味がないかもしれないし、
靴好きは、服にはそれほど力を入れないかもしれません。

皆それぞれ何が好きかは違います。
そして自分の好きなことについて、誰かが強要することはできません。

自分の好きと過剰について、自分に許すということは、
その人が自分の感情についてきちんと責任をとるということです。

私たちの好きについては、私たち自身が任されました。
詳しい事情について知っているのも私たち自身です。
その事情は他人にはわかり得ないものです。

好きと過剰があなたのスタイルを作り上げます。

自分の好きと、その過剰さは大事にしましょう。
なぜなら、そういうものこそが、これから先もずっと、
私たちの気持ちに寄り添ってくれるものだからです。

 



2021年7月8日木曜日

大人こそ、セカンドハンドを取り入れて

 政府の家計調査によると、この20年間で被服費は約半分になっています。
また、服1枚の単価も2000年の約6000円から2019年の3202円とこれも半額程度になっています。
こちら

西洋の衣服というものは、大人になればなるほどクオリティの高いものを着るように設計されています。

2000年から2020年にかけて、誰でも大人になったでしょう。
そして中には、いい年の大人になった方も多いと思います。

しかし、20年前よりも半分程度になった被服費では、大人にふさわしい服は何かしら工夫を凝らさないと手に入れることはできません。

その工夫の一つはセカンドハンド(中古品)を取り入れることです。

セカンドハンド、その名のとおり、誰かの手に一度わたった中古品は現在、市場にあふれています。

ロードサイドのリサイクルショップ、駅ビルの中の古着屋、そしてメルカリを始めとするフリマアプリの利用により、以前にもまして中古品は身近なものになりました。

それだけではありません。セカンドハンドをワードローブに取り入れることは、世界のファッションの潮流にもなっています。

サステナビリティを意識した人たちは、当たり前のようにセカンドハンドを取り入れたルックを披露しています。
インスタグラムを見てみれば、「old celine」や「old prada」が散見され、それはむしろ誇れることになっています。

別にハイブランドのセカンドハンドを買う必要はありません。
けれども、もし好きなブランドがあるならば、メルカリを探してみてください。
セカンドハンドのものが安い値段で出品されているのがわかるでしょう。
また、数は少ないですが、街のリサイクルショップにも有名なブランドの中古品は売られています。

ただいいものを探しているのは皆同じです。
クオリティが高く、値段が安いものはすぐに売れてしまいます。
ですから、何か探しているのなら、定期的な検索が必要になりますし、
常に目星をつけておかなければなりません。

ある程度の年齢になったら、服は将来の財産になります。
年齢が上がれば上がるほど、ワードローブの新陳代謝もゆるやかなものになり、
今あるものを着ることになる人がほとんどです。

自分の好きなブランドのセカンドハンドを少しずつ買い足していけば、
立派なワードローブができ上がります。
それは将来、必ずや役に立ちます。

将来の財産となるようなセカンドハンドをぜひ探してみてください。
好きなブランドがあれば大丈夫です。
それについていけばよい。

ついていく相手を間違えると、簡単に迷子になります。
そこを間違えないようにして、将来にわたって着られる服を集めていきましょう。



2020年7月8日水曜日

本当に自慢できるもの

本当のおしゃれな人が何を自慢するか知っていますか?
最新のものでしょうか? 
違います。
ものすごく高価なものでしょうか?
それも違います。
たくさん持っているということでしょうか?
同じく違います。

本当におしゃれな人が自慢するのは、
どれだけ長くそれを着ているか、あるいは持ち続けているか、ということです。

なぜ長く着ている、あるいは持ち続けていることが自慢になるのでしょうか?
理由は2つあります。

まず1つは、それをとても大事に扱ってきたということ。
丁寧な洗濯とメンテナンスで汚れないように、
傷まないように長い間、着続けてきたということは、
ものを大切にするという精神のあらわれであり、
それだけでも自慢できることです。
20年、30年と1枚の服をメンテナンスして着続けることは、
なかなかできることではありません。

そしてもう一つは、
実はこれが最も重要なポイントなのですが、
その人がそれを買った当時から、目利きであったということです。
それは2つの意味で目が利いています。
一つは、自分がずっと好きでいられるものを見つけて手に入れたということ、
そしてもう一つは、
それが何年たってもすたれないクオリティとデザインであったと見抜いた、
ということです。

どんなに新しいものを買っても、
自分がずっと好きでいられないものであっては将来的に手放すことになるでしょう。
また、同様にどんなに高価なものを買っても、
2年もすれば、すたれたデザインになり、見るからに時代遅れになるものなら、
長く着続けることはできません。

本当におしゃれな人たちは、
自分の好みをよく知っています。
つまり、体型の癖や自分の趣味嗜好といった自分自身の特性をよく理解しています。
またそれだけではなく、よいものを見たり、さわったりする訓練を通して、
例えばヴィクトリア&アルバート美術館に飾ってある、
ディオールのニュールックのように、
50年以上たってもいまだに人々の心をとらえるデザインとはどんなものか、
深く理解し、美術館に飾られる前にそれを見抜く能力を持っています。

あたらしいものをたくさん買うことも、
高価なものを手に入れることも、
財力があれば簡単に解決できますが、
自分を知り、将来にわたって生き残るデザインを見抜く力は、
他人から借りることはできこそすれ、
財力があっても得ることはできませんし、
持っている人から奪うこともできません。

本当におしゃれな人が自慢するのは、
そのお金で買えない力なのです。

新しいものを買うときは、
それがどれぐらい長く着られるか、
モノとして、またデザインとして、
どれだけ長く持ち続けられるか考えてみるといいでしょう。
10年、20年、30年たってもデザイン的に優れているもの、
へたれないで着られるもの、
そんなものを集めましょう。
そうしてそれが集まった暁には、ちょっとだけ自慢しましょう。
「もう20年も着ているんだ!」という自慢話を聞いて嫌味を言うのは、
よほどの偏屈ぐらいなものです。
ほとんどの人は、あなたが10年、20年、30年と
素晴らしいクオリティとデザインを兼ね備えた服を持ち続けていると聞いて、
感嘆の声をあげるでしょう。






2020年4月2日木曜日

おしゃれな人は服を捨てない!

British Vogueの4月号からサステナビリティのエディターとして参加する
スーパーモデルのアンバー・ヴァレッタはこのように言っています。

〝 リデュース、リフォーム、リサイクル

ファッション業界は年間平均1000億着の服を生産していますが、地球上には77億人しかいません。消費量を減らしましょう:短期的なトレンドではなく、長期的なスタイルを求めて購入し、ダメージを補修し、ヴィンテージ品を購入しましょう。最後に、衣類をゴミ箱に捨てないことです。寄付をするか、指定された繊維リサイクルボックスを利用しましょう。”

原文こちら

これは今始まったことではありませんし、
アンバーだけが言っていることでもありません。
ステラ・マッカートニーを始めファッションの最先端にいる人たちが、
もう何年も前から同じことを繰り返し言っています。
3,4回着てそのシーズンのうちに捨てるようなやり方は、
おしゃれな人のやることではありません。

アンバーはこう言っています。
〝自分の選択がもたらす影響には、責任があります。私たちが購入するほとんどすべてのものには、環境面や人的側面のコストが隠れています。私たちの力は、財布に手を伸ばす前に、一度立ち止まることにあります。”

大量に買って大量に消費することは環境に負荷をかけ、
人権をおびやかします。
これは何年も前から明白な事実です。

本当におしゃれな人とは、そのことについて何も考えていない人ではありません。
そしてそのことについて考えているからには、
その考えがおのずと消費行動に反映されます。
本当におしゃれな人かどうかは、その人の行動としてあらわれます。

たくさん買って、どんどん捨てていく人は今の時代、
おしゃれな人ではありません。

おしゃれとは知的であることです。
自分の望みの結果を得られるように、
考えて、努力して、工夫して、
クリエイティビティを発揮することがおしゃれであることです。
傷んだものを補修するのも、
古着屋で自分にぴったりの1枚を見つけるのも、
あれこれ着崩してみたりするのも、
自分で考えて実行するなら、それはクリエイティブな行為です。

多くの人が勘違いしてきました。
けれども、もうそろそろ目覚めましょう。
わからなくなったら、アンバーやステラについていけばいいでしょう。

本当におしゃれになりたかったら、ついていく人を間違えないで。
間違った人についていってしまったと気づいたなら、
今から引き返してください。
大丈夫です。
「捨てない」チームは皆さまの参加を心から歓迎します!




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※メールにての個人的なご質問、ご相談は受け付けておりません。








2020年3月26日木曜日

買い物の失敗を繰り返さないためには

何もできない時期というものが人生には数回あります。
病気になったとき、失業したとき、
周囲の環境が騒然としているとき。

今はまさに、周囲の環境が騒然としているときで、
これから起こる未来のことについて、あれこれ楽しく想像することができないでしょう。

未来について考えることができないときは、
自分の過去について見直してみるのもいいのではないでしょうか。

新しく自分の望みのワードローブを作る方法は、
もう既にご紹介しました。
こちら
では過去は?
過去もう既に買ってしまったものはどうしたらいいのか。

真っ白なキャンバスに、買ったばかりの全色そろった絵具を使って
思い通りの絵を描くのは、
もう何か描かれているキャンバスに、全部そろったとは言えない道具を使って
何かを描くより、相当骨が折れる仕事です。
直すよりも、新しく作るほうが簡単な場合が多いのです。
ですから、自分の過去を見直す作業は、
新しく何かを作るよりも大変だと考えていいでしょう。

けれども、残念なことに、それなしでは新しくはなれません。
いつだって、過去を終わらせて清算しなければ、
本当の意味での新しい出発にはなりません。

では、過去の自分、つまりこれまでのワードローブについて、
今回は特に自分でも失敗と思えるような過去の買い物について
見直してみましょう。

世間一般に勧められているのは、
「捨てればいい」ということです。
過去の失敗については、要るか、要らないかだけ判断して、
捨てればいいと。
けれども、これではまた同じ失敗を繰り返してしまいます。
あなたの目的はなんでしょう?
同じサーキットをくるくる回り続けて、
同じポイントで前回と同じように転ぶことでしょうか?
もしそうでないと言うのなら、過去の失敗を振り返って、
修正する必要があります。

そのために、失敗したな、必要なかったなと思うアイテム一つ一つについて、
それによって得られたものと、失ったものについて考えてみてください。
人間の行動は、報酬が多いものへと促されます。
得られたものと、失ったもので、
失ったものがあまりに大きい場合、脳はその行動を回避しようとします。
つまり、失敗するような行動を避けるようになります。

例えば、雑誌に「お勧め」として書いてあったスカートを買ったけれども、
それは要らないもの、つまり失敗だったとします。
それによって得られたものはなんでしょうか?
買い物をしたときの快感? 新しいものを手に入れたという一瞬の喜び?
そんなもの?
では、失ったもの、失敗だと感じるものはなんでしょうか?
お金? 
買い物に使った時間?
誰かが褒めてくれるかもしれないという期待?
自分が持っている服とどうやって合わせていいかわからなくて考えているだけの時間?
そんなところでしょうか?

この作業は、少しだけあなたを嫌な気分にさせ、心を痛ませます。
けれども、 痛みや嫌な気分がなかったら、
あなたは危険を察知し、避けることができません。
危険と嫌悪をそのまま放置し、
ただ捨てているだけでは、次回もまた同じ過ちを犯すことになります。
それを避けたいのなら、あなたは十分に失敗の痛みを感じとる必要があります。

自分の買い物は失敗が多いなという人は、
この痛みを十分に感じ取ってください。
あなたの脳は次回、その痛みを回避するよう指示を出し、
あなたは違った行動をとるようになります。
そうして、それを繰り返せば繰り返すほど、
あなたの成功の確率は高まります。

失敗から学ばず、その痛みを放置すれば、
あなたはまた同じように無駄な浪費を繰り返すでしょう。
そうならないためにも、
人間にもとから備わっている痛みを感じるという
その機能を使って、失敗してはただ捨てるという、
永遠のループから抜け出しましょう。



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2018年6月15日金曜日

21世紀のチープシック 番外編 私の場合

さて、「21世紀のチープシック」番外編ということで、
実際に私がどうやっていたのかということを書き記したいと思います。

拙著『お金をかけずにシックなおしゃれ 21世紀のチープシック』を
もう既にお読みになっていただいた皆さんはお気づきだと思いますが、
私が在籍していた会社は、今で言うところのブラック企業です。
その当時はまだ、ブラック企業という言葉はありませんでした。
まず、労働基準法は守らない、各種ハラスメントは当たり前の無法地帯。

相手は法律を守らないため、辞めようとしてもふつうの手段では辞めさせてもらえず、
やっと脱出できた結果、もたらされたのは働けないほどの身体的及び精神的症状。
端的に言えば病気で、通勤という勤務形態は不可能に。
それ以来、チープシックの実践は不可欠となりました。

では、具体的に何をしていたのか、ご紹介しましょう。

①ファミリーセールや社販
まず、基本的にアパレルメーカーで働いている人たちは、
自分の会社、もしくは知り合いの会社のファミリーセールで多く買い物します。
ファミリーセールがないとしても、例えば物流倉庫へ行って安く買ったりします。
どれぐらい安いかというと、エマ・ホープの靴5000円とか、
イギリスのインポートブランドのシルクブラウス1000円とか、
そんな感じです。
私は自分がいた会社のオリジナル製品は絶対に買いませんでしたが、
ほんの少し扱っていたインポート製品が安くなっていれば買っていました。
また、友達のアパレル会社のファミリーセールや、
お知らせが来ていたインポートブランドのファミリーセールを活用。
大きなもののほとんどはそこで買っていました。
特に友達がヘルムート・ラングの会社にいたのと、私も途中、アルバイトをしたことがあるので、ヘルムート・ラングはコート、ジャケット、ワンピース、カーディガンとよく着ていました。

②自分で作る
服飾専門学校を卒業しているので、自分で作れます。
スカートなんかは作っていました。
一番作ったのは帽子。自分が作った帽子は今もまだかぶっています。
ただし、コートやジャケットなど大物を自分で作るほどの縫製技術はないので、
自分では作りません。

③海外通販
円が100円ぐらいになったころから、海外通販を利用し始めました。
日本へ送る送料があまりかからないところが中心。
ガーネットヒルやシリリュス、ヴィクトリアズシークレットなど利用。
一番着ていたのはアバクロのジャケット。
カタログがブルース・ウェーバー撮影で、とてもよかったです。

④古着
原宿のハンジロウというかなり広い古着屋さんで買ったコートを、
一部自分で直して着ていました。

⑤海外で買う
服にお金を使うより、アパレル会社時代には行けなかった海外旅行がしたかったので、
1年間ためたお金で海外旅行をしていました。
その際に、現地で購入。どこで買うと決めているわけではなかったので、
行き当たりばったりです。
よく着ていたのはリバティで買ったリバティプリントのシャツと、
フィレンツェで買ったブラウス。どちらも穴があくほど着ていました。
またロンドンのアーチストたちのマーケットで買った帽子もよくかぶっていました。

⑤アウトレット
近場のアウトレットを利用。
ハイブランドではないけれども、「コレクションをやっているレベルのブランドのもので、75パーセント引きぐらいになっているもの」みたいな感じで買っていました。

⑥親のものを着る、使う
70年代に父親がヨーロッパから買ってきたグッチのバッグやオメガの時計も使っていました。
また、母親のライセンスのサンローランのヴェルヴェットのジャケットも着ていました。

⑦妹から借りる
バッグは妹から借りていました。(今でも!)

そのほか、問題のファストファッションですが、
さすがにジル・サンダーがコラボレーションしたときには買ってしまいました。
けれども今ではもう持っていませんし、買いません。

私がチープシックを激しく実践していたときには、
今ほど中古市場が活況ではなかったので、
中古を買うというふうにはなりませんでしたが、
今現在は、中古市場がとても充実しているので、
ファストファッションを買わずとも十分やっていけるし、
むしろ中古のほうがいいものが揃っているので、
中古で買ったほうがだんぜんいいです。

私はブラック企業で死にそうになったとき、
「私はこの人生でどうしたいのか?」を真剣に考えました。
その結果、クオリティ・オブ・ライフが大事だという結論に至りました。
ライフとは働くことだけではありません。
毎日の暮らし、食べ物、睡眠、勉強、旅、友達、健康など、
さまざまなことが含まれます。
もちろん、「おしゃれ」だけが人生ではありません。
アパレル会社にいる人たちの、ファッションは大事にするけれども、
そのほかのことをおざなりにするファッション至上主義には懐疑的だったので、
私はそういう生き方はしないと決めました。

おしゃれが人生のすべてではないし、
多大なエネルギーは使えない。
ほかに大事なことがたくさんある。
それでもおしゃれをしたいときにどうしたらいいか?
「21世紀のチープシック」の実践は、私なりの、その一つの答えです。


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2冊あわせてどうぞ!




2018年3月12日月曜日

Less is More

ボッテガ・ヴェネタの顧客は、
She shops less, but buys pieces that will last a lifetime,
つまり、少なく、だけれども生涯持っていられるピースを買うと、
ボッテガ・ヴェネタのクリエイティブディレクターのトーマス・マイヤーは、
THE SUNDAY TIMESの記事の中で語っています。
それに続いて、
 a lot, a lot, a lot” has changed in the fashion industry in that time.
とも言っています。
The Sunday Times, 




























































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2018年2月17日土曜日

今なぜチープシックが必要なのか(絶望バージョン)

2018年が始まって1カ月半、
バブル崩壊の兆しが見えてきました。
これからの時代、多くの人たちにチープシックが必要であると考えます。

ただし、これからも経済的に余裕があり、
インスタグラムにご自分のお買いになった、
すぐ見てハイブランドのものだとわかる
バッグや靴をあれやこれやアップしていらっしゃる皆さまには、
チープシックは必要ありませんので、
これ以降、読む必要はありませんから、お読みにならなくて結構です。

さて、多くの日本に住む女性には、これからますますチープシックが必要です。
OECDの2015年の統計によると、
日本の男女間の賃金格差は27.5パーセントと先進国最大レベル。
厚生労働省の2016年度の統計では、日本の働く女性の58パーセントは非正規雇用。
シングルマザーの半分は貧困層で、結婚しても3分の1は離婚します。

結婚して子供が生まれても、すべての子どもの数の保育園は用意されておらず、
保育園に入れず仕事を失えば、正規の職に再び就くことは非常に難しく、
その多くがいわゆる「103万円」以下の収入に甘んじます。

問題はそれだけではありません。
大学へ行く半数の学生には奨学金という名の借金があり、
卒業してから20年近く、毎月その借金の返済をしていかなくてはなりません。
総世帯数の35パーセントは貯蓄なしの世帯です。

「女性が普通に働いてもいつ貧困に陥るかわからない社会」、
残念ながらそれが今の日本です。

そんな日本にいながら、
海外のストリートスナップに見られる「セレブ」や「エディター」のように
服、靴、バッグにお金を使って、貯蓄もせずにいたら、
その先に待っているのは自己破産。
これはおどしでもなんでもなく、リアルな現実です。

考え方を変えないと、
落とされるのは私たちです。
誰かのお勧めを次から次へと買っていったら、
あっという間にお金はなくなります。

服を買っても、靴を買っても、バッグを買っても、
それによって人生がよくなるということはありません。
それは最低限必要だけれども、
人生を破壊するまで買うほどのものでは決してありません。

いつも新しいものを着ていなければいけない、
新品を買わなければいけない、
ハイブランドのロゴが入ったバッグや財布がなければいけない、
これらすべてのマインドセットを一度解体しないと、
私たちを待っているのは「この世の地獄」です。

考え方を変えましょう。
いつも新しいものを着てなければいけない、
新品を買わなければいけない、
ハイブランドのロゴが入ったバッグや財布がなければいけないという
この3点は、
おしゃれであることの絶対条件ではありません。

ありがたいことに、おしゃれをするためには違う方法があります。
それがチープシックです。

自由に好きなだけ買うだけのお金がない場合、
チープシックを実践しましょう。

(実践については「21世紀のチープシック」のラベルを御覧ください)

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2017年11月30日木曜日

古着の選び方、買い方

最近、私の周囲でもにわかに古着がブームです。
理由はいろいろ考えられますが、
推察するに、最近の似たようなデザインで、かつ決して高いとは言えないクオリティの服の氾濫と、それらに満足できない人たちの要望、そして古着を扱うショップの増加、ネットを通した古着の売買が可能になったことなどが考えられると思います。

しかし多くの人が漏らすのが、
古着選びの難しさです。
古着をどうやって選べばいいのか、そして買えばいいのか、
考えてみたいと思います。

かくいう私も、昔からヨーロッパへ行った折には、必ず古着屋をのぞいていました。
単純に古いものをいろいろ見るのが楽しいからではあるのですが、
いつも見ているだけで、ヨーロッパで古着を買ったことは一度もありませんでした。
理由は、選ぶのも買うのも難しいからです。
では、そんな選ぶのも買うのも難しい古着と向き合うにはどうしたらよいでしょうか。

まず古着を選ぶ際にはよいものを選ぶ鑑識眼と
衣服の素材、構造、ブランドなどに関する知識が必要です。
何の知識もなく古着を見ても、何がいいものなのか、自分で見分けることは困難でしょう。
最低限、素材の知識は持っておく必要があります。
大まかに言えば、それが自然由来の素材なのか、化学繊維なのかということです。
古着の場合、タグがない場合もありますので、
さわってみて、大体それが自然由来の素材なのか、化学繊維なのかがわかればベストです。

また、膨大な中から自分が探す1枚を見つけるためには、
自分はどんなものを探しているのか、
どういう基準をクリアしたら買うのかというポイントをはっきりさせておかないと
何も決断することができません。
自分が具体的にそのときに何を探しているのか、
例えばトレンチコートを探しているのか、アランニットを探しているのか、
色はネイビーなのかベージュなのかなど、
そしてどのレベル、つまり傷み具合はどれぐらいまでで、
価格は幾らまでなら買うということを細かに事前に決めておかないと、
結局は見ているだけで選べないことになります。
そうならないためにも、古着は目的を持って探したほうがよいでしょう。
ほとんどの古着を扱うショップでは膨大な量の衣服を販売していますから、
ただ漫然と一点ずつ見ていったのでは、いつまでたっても望みのものを見つけることができません。
ただ見て楽しむために古着屋へ行くのでなければ、
事前に自分が探しているもの、欲しいものの条件を決めておくとよいでしょう。

次はどこの古着屋で買うかについてです。
古着屋にも種類がいろいろあり、ヨーロッパのものを扱うところ、アメリカのものを扱うところ、日本の古着など地域ごとの違い、
また、60年代から70年代といったヴィンテージのものを扱うところと、
ごく直近の2000年代以降のものを扱うところなどさまざまです。
これも事前にショップの情報を調べて、自分が探しているものがありそうなところへ行くとよいでしょう。
傾向としては、特定のブランドのヴィンテージを扱うところは状態もよく、価格も高めです。
日本の古着については、80年代、90年代の日本の古着はクオリティが高い傾向にあります。理由はその時代の日本で売られていた服そのもののクオリティが今よりずっと高かったからです。ですから、これら80年代、90年代の日本の古着を扱うショップも価格は高めの傾向にあるでしょう。
一方、同じ日本でも2000年代以降を扱うショップの古着は、総じて全体のクオリティは低く、安い傾向にあります。そのようなショップはショッピングセンターなど、気軽に行けるところにありますが、あの中から掘り出し物を見つけるのは、かなり難しいでしょう。
例えば最初からヴィンテージのバーバリーのコートが欲しいのなら、
ネットで検索して、それらを扱っている店舗へ行くとよいでしょう。
そういったものはどこでも扱っているわけではありませんので、事前のリサーチが必要です。

鑑識眼はさておき、自分である程度の知識を身につけておく、
どういうものが欲しいのか決めておく、
行くショップを限定する、そこまでできたら実際にショップへ行きます。

ショップへ行ったら、まずは探している形のものだけを見ていきましょう。
ピーコートを探しているのなら、ピーコートだけをチェックします。
古着屋は、一般のショップと違って、扱う衣服の色も形もばらばらで、
一点一点すべて違うわけですから、 探しているものを見ていくのがベストです。
あまりほかのものに目移りしていると、集中力も途切れ、
何が欲しかったのか、どういうものがよいのかだんだん自分でもわからなくなりますから、
膨大な点数が並んでいたとしても、目当てのものだけをさっとチェックして、
買えそうなものがあれば即座に試着しましょう。
そして試着して少しでも納得いかない点があるなら、
次のショップへ行きましょう。
また、買うと決めてショップへ行ったとしても、必ずしも望みのものがあるとは限りません。気に入ったものがないのなら無理して買うのはやめましょう。
そこでぴんとくるかどうかは、自分の感覚だけが頼りとなります。
古着の場合、ほんの少しでも違和感があると、その後、着なくなる可能性が新品のものより高いです。
やはりそれは古着なので、よほど気に入ったものでなければ、外へ着ていくことはないでしょう。
ちょっとでも気に入らない、何か変だと感じたら、買わないに限ります。

古着を選ぶのも訓練です。
初めて行ったショップで、望みどおりの自分にぴったりの一着が見つかる確率は低いでしょう。
何となく違うと感じながらも、
あきらめず、根気良く見ていけば、
そのうち目が慣れてきて、膨大な中から必要な1枚が見つかるようになります。
それは新しい知覚の開発です。
今まで使っていなかった能力の一部です。
訓練して初めて使えるようになるものですので、
興味があるのでしたら、見る訓練を続けてください。

古着選びは、いわばテストみたいなものです。
今までどれだけ自分で鑑識眼を養ってきたか、
どれだけブランドや素材についての知識があるかが試されます。
またもう一方で、ぶれない自分があるのかどうかもそこでは要求されます。
誰かがお勧めしてくれるわけでも、
誰かがお墨付きを与えてくれるわけでもありません。
必要なのは、自分自身への信頼です。
信頼しないことには、何も選ぶことができません。

自分を信じて今まで育ててきた人は、
ぜひ古着屋をのぞいてみましょう。
あなたに選ばれるための素敵な一着が、
あなたとの出会いを待っていることでしょう。