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2023年7月13日木曜日

猛暑対策いろいろ

年々、暑さが激しくなってきています。
よって、猛暑対策のアップデートが必要です。
しかし暑くなる夏を追いかけるように、
猛暑時に適した冷感、放湿、速乾機能を持つ機能性素材の服や下着もふえ、
以前よりも、選択肢は広がりました。
それらを試してみた方も多いでしょう。

暑さに対しては、
その人の暑さへの耐性、
住んでいる地域、
住んでいる環境、働いている環境、
年齢や体質等により感じ方は違います。
ですから、一概に誰にとってもこれがいいというものはないと考えたほうがいいでしょう。

ただ言えるのは、西洋の衣服、つまり洋服というものは、
35度以上の暑い日には対応しているとは言い難い衣服である、ということです。
ある程度以上、気温が高くなったときには同じように気温の高い、
アジア、アフリカ、インド等の衣服を参考にしたほうがいいと考えます。

暑さとは体感なので、絶対にそうだとは言えませんけれども、
私の体感では、35度を超えるような日は、シルクやリネン、ヘンプなど、天然素材のほうが適しているようです。
また、30度前後でしたら、コットンやウールも、機能性がある化学繊維よりもいいのではないか、と感じます。
また、暑い国の人々の暮らしを見ればわかるように、
日差しが強い日は日よけにもなる帽子、日傘、サングラス、そして長袖といった、
日光をよけるスタイルのほうが暑さによる疲れも防げるように感じます。
下半身は上半身ほど暑くは感じないので、
少なくともインナーも含めたトップスはシルク、リネン、ヘンプ、またはそれがないのならコットンをうまく重ねて、外出時は日光をよけるのがいいでしょう。
シルクやウールは抗菌作用もあり、バクテリアの発生を防ぐため、汗臭さを防止します。

言うまでもありませんが、
最も暑いのは、何の機能性もないポリエステル、ナイロン、アクリルです。
どんなに透けていても、サテンのようにさらっとしていても、
何の機能性もないポリエステルを真夏に着ていて、暑くないということはないでしょう。
レーヨンやリヨセル、キュプラは天然素材由来のパルプが原材料なので、石油由来の素材のように暑くはなりません。

前述したとおり、
暑さをどのように、どれぐらい感じるかは人それぞれです。
他人がどう感じるかはお互いにわかりません。
自分ができるのは、そして自分しかできないのは自分の体感する暑さのコントロールです。

これからより一層猛暑が進めば、ファンが内臓された空調服が必須の職場も出てきたり、
その他、「着るクーラー」のような家電も必要になってくるかもしれません。

暑さに対する自己防衛をしつつ、
地球温暖化対策として、これ以上、アパレル商品の大量消費をしないためにも、
1枚を長く着る、リメイクする、リサイクルする、シェアする、借りるなど、
サーキュラーファッションにつながるよう行動する必要があります。

気候も環境も変わりました。
売られている服の素材も変わりました。
以前と同じ行動では、通用しません。
私たちも、行動を変える必要があるのです。



2023年7月3日月曜日

私が考えるメンズのワードローブ (メンズのワードローブ構築例)

さて、少人数ではありますが、私のクライアントさんの中にはメンズの方がいらっしゃいます。
しかも20代と30代の皆様です。(みんな、ありがとう!)
そんなわけなので、メンズのコレクションを見たり、ワードローブ構築についてもしばし考えたりします。

そこで今日は「もし私が男物でワードローブを作るなら、どんなふうにワードローブを作るか」
考えてみました。
以下のように考えます。

ワードローブの骨格
アウトドアウエア
スポーツウエア
トラッド
この3本柱

色はネイビー系、白、グレー、黒系、ベージュ、ブラウン系の中から2系統選択

仕事で特にスーツが必要なく、通勤はカジュアルなスタイルでもOKなら、
アウトドアウエアとスポーツウエア+トラッドで組み立てます。
アウトドア、スポーツウエア、そしてトラッドを選ぶ理由は何か。
もちろん好きなテイストであるということもありますが、もうひとつ
これらはデザイン、シルエット、色のどれをとってもトレンドに影響されにくく、
長く着られるものが多いからです。
例えば、ゴアテックスのレインジャケットは、少々値は張りますが、デザインを選べば、街着としても、もちろんアウトドアでも、そして災害対策にもなり、かつデザイン的にも、物質的にも長く着られます。

トラッドの基本アイテムは、もともと軍服や制服だったものがほとんどです。
トレンチコート、ブレザー、Pコート、サファリジャケット、チノパンツにカーゴパンツ、どれも軍服オリジナル。
これらはデザインも変わりませんし、いつの時代にも通用します。
そして、カントリーサイドに住むイングリッシュジェントルマンを真似るなら、
セーターの肘が抜けたらパッチを当てる、または繕うなど、
少々へたれても、ほころびても、それでも堂々と着ていられるのがトラッド。
そして高級なレストランでも、銀行や商工会議所でも、ブレザーを着ればどこでも許される、それがトラッドの威力です。

たくさんのアイテムを持たないで過ごすためにはなるだけ汎用性のあるアイテムを集めることが重要です。
毎日のコーディネートやメンテナスに労力をかけたくありませんから。
都会と郊外、あるいは田舎、徒歩と電車、あるいは車での移動、
春夏秋冬、台風と雪、キャンプ場からしゃれたイタリアンレストランまで、
どこにでも行きたい場合、アウトドア、スポーツウエア+トラッドならそれも可能となります。

ミニマムで、かつ誰の目にもきれいに映るルックを作りたいので、
全体のルックの色は2色、あるいは3色、
もしくは、黒、グレー、白のように1系統でグラデーションを作ります。
都会に住んでいるのだったら、黒、グレー、白でいきますが、
カントリーサイドや海の近くに住むと全身黒のルックが浮いてしまうので、
海の近くに住むのが好きな私は、
ネイビー系統とオフホワイト、ベージュ、ブラウンの2系統で統一。
ほかの色はアクセントとしてオレンジをほんの少しプラス。
彩度の高いヴィヴィッドな色を少しだけプラスすることで、
生き生きとした若々しい感じを視覚的に作り出します。
選ぶ香りもオレンジ系の、例えばアクアディパルマのブルーメディテラネオのシリーズを。
視覚と香りでオレンジ強化です。

選ぶブランドは、
例えばアウトドアウエアなら、ノースフェイスがスタイリッシュで格好いいですが、
かなり流行っているので、誰かとかぶる率も高い。
だからエーグルか、あるいはバブアーを選択。
トラッドはバーバリーが好きですけれども、現在、とても高額なので、
セカンドハンドや中古で集めます。
ハットや手袋、マフラーも抜かりなく。
ネイビー系統のタータンチェックか、オレンジのカシミヤのマフラーを買います。

シャツ、パンツ(チノパンツ、カーゴパンツ、ウールフラノのパンツ)、セーターを基本に、Tシャツ少々と、ジャケット、コート(レインジャケット、ステンカラーのコート、ウールのコート)があれば1年過ごせるでしょう。

靴にはお金をかけて、手入れすれば長くはけるものを。
バッグは機能性を重視して。ノートパソコンを持って歩くし。
お休みの日はトートバッグで。
余裕があるなら、長く使えそうなハイブランドのものを一つ買って。

私が男で、今の日本を生きているなら、こんな感じでいくでしょう。

今の時代、着るもので知性を感じさせたいのなら、
否、知的であり続けたいならば、
いいものを長く着る、
環境に配慮したものを選択する、
古着やセカンドハンドを取り入れる、
この3つを外すことはできません。
知性がないと、このことは全く理解できない。
そして理解だけでは足りません。
行動を伴ってこその知性です。

おしゃれよりも、きれいであること。
私がメンズだったら、その点に最も気を付けるでしょう。

これは私の好みなので、誰にでもお勧めです、というわけではありません。
だって、住んでいるところも仕事も、
好きなことも、嫌いなことも、
人生の目的も全部違うでしょう?
だからこれは私なら、こうします、という話です。

それでもなお、得られる点があるのなら、どうぞご利用ください。
喜んで差し上げます!



2023年6月23日金曜日

一番新しいのはサーキュラーファッション

私の本やブログを読んでいるみんなはきっと、
基本的にいいものを買って、それを何年も大切に着て、
いリメイクしたり、誰かとシェアしたり、
古着やセカンドハンドを取り入れてワードローブを作っていると思うの。

だけれども、時々こう思うことがない?
「インスタでお勧めにすぐ上がってきちゃう、
あの新しいものばっかりのキラキラの人たちより
自分のやり方が劣っているんじゃないかな」って。

断言するわ。
それは勘違いよ。
なぜなら今一番新しく、そしてこれからもずっと続くのはサーキュラーファッションだから。

サーキュラーファッションとは循環型のファッションのこと。
サステナブルだけじゃ足りないの。
ファッションもどこまでもぐるぐる回り続けないといけないの。
一枚を長く大切に着て、
それを生分解で土に還して、またはリサイクルに回して新しい素材にかえて、
まだ着られるものはリサイクルやリメイクして、
決して一度の使用だけでは終わらせない、
それがサーキュラーファッション。

それに対して時代遅れなのはなんだと思う?
それは、つくって、買って、数回で捨てるファッション、
これがオールドスタイルのファッション。

これは何も私の意見じゃなくて、
最先端のファッション研究によって導かれた答え。
もう既に服は余り過ぎていて、多くが焼却処分されるか、
グローバルサウスに輸出されて、ゴミの山になっている。
それに世界の人口はまだ増えるから、資源が足りなくなるのはもうすぐそこに迫っている。
だからそんなやり方は、これからの世界には通用しないの。

最も新しいサーキュラーファッションで問われるのは?
何年着ている?
リサイクルできる?
古着かセカンドハンドで買った?
シェアしている?
環境に悪影響を与えない素材でできている?
こんなところ。

もちろん今の段階では、サーキュラーファッションはほとんど実現していない。
これは消費者だけではなく、リテーラーの問題でもあるから。
だけれども、消費者の意識が変わらないと、リテーラーも動かない。

確かにサーキュラーファッションでは、
ヘンプや藻、菌類からできた素材が推奨されるけれども、
まだまだそんな素材からできた服が簡単に手に入る状況でないというのが現実。
ならばできることは何かというと、
長く着る、
古着や中古品を取り入れる、
リメイクする、
リサイクルする、
シェアする、
借りる、
そして新しいものを買うときはサステナブルなものを買うようにすること。
これぐらい。
でもね、これが最先端のファッションなのよ。

だから、このブログをずっと読んできて、
あるいは過去を振り返って読んだり、私の本を読んだりして、
こういうことをやってきたみんなは自分を誇っていいわけ。
だって、世界最先端なんだから!
半年や1年で捨てるなんて、それは古臭いファッション感で、
もう時代遅れもいいところ。
それを忘れないでほしいわ。

これからはみんなが古いものを上手に取り入れていく世界。
きっと駅ビルに素敵なセカンドハンドのセレクトショップが誕生する日も近いでしょう。
そこからはセンスがものを言うから、
今からセンスを磨いておくのがいいよね。

高いものを買ってもいい。
だけれどもそれはずっと自分のところにあるってわけじゃない。
きっと誰かが着ていたもので、
次に誰かが着るであろう服。
もう「ずっと自分だけのもの」という考えにこだわらない。

インスタで、相も変わらず新しいものを1回着ただけで次々に着るのをやめている人を見たら、こう思うといいわよ。
「あら、この人、随分と時代遅れね」
今や世界の最先端の人々がこの意見に賛同するわ。

もう後戻りできないところまできたファッション業界。
これからはサーキュラーファッションを目指す以外、
生き残る道は残されていないの。
(マッキンゼー&カンパニーも2019年のリポートでそう言っている)

人間の欲望は無限だけれども、地球は有限。
その地球でフィジカルに生きる私たちの、それは責任。
一番新しく、かつこれからも続くサーキュラーファッション。
まだまだできることがあると感じたら、
ぜひ今すぐ実行して。
なぜなら、それが一番素敵で、おしゃれな人のやることだからよ!

★参考資料 state of fashion 2021  Mckinsey & Company

 


2023年3月30日木曜日

買えない時代は、自分ヒットで固めていこう

私が「お金をかけずにシックなおしゃれ 21世紀のチープシック」を出したのが2018年。
あれからもうそろそろ5年たとうとしていますが、
その間に新型コロナウイルスのまん延という、
今まで経験したことがないような世界的な出来事がありました。

外出ができないこと、家での仕事がふえたこと、
その他さまざまなものが値上がりしていることなど理由はいろいろあるでしょう。
一般家庭の被服費の支出が減っています。
※参照記事はこちら

支出は減っているけれども、買う枚数は減っていないのかもしれません。
あるいは中古品をうまく利用しているとも考えられます。
しかし、多くの人が少なく買うようになったことは容易に想像できます。

買うことができないならば、おしゃれをすることはあきらめたのでしょうか。
それも考えられます。
おしゃれをしなくても生きてはいけますし、絶対に必要はものではありません。

しかし、もうたくさんは買えないけれども、まだおしゃれをしたい気持ちがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。

人生にはいいときもあれば悪いときもあります。
これは誰にでもあります。
どんなに有名でお金持のあの人も同じです。

インフレが進んだ今、多くの人は思うように服を買えない時期でしょう。
ではどうしたらいいでしょうか。

まずは今あるものを活用しましょう。
見慣れたもの、古いものでも、
アクセサリーやスカーフ、ベルトを付け足すことで、
今までとは違った見え方にすることができます。

またリメイクするという方法もあります。
丈を短くする、ウエストを細くするなど、簡単にできる方法もあります。
リメイクするようなものがなかったら、中古品を買ってきて、
好みのスタイルにかえることも可能です。

もう一つのお勧めは、誰かとシェアしたり、交換したりすること。
特にお出かけ用の服は毎日着るわけではないので、
似たような体型の人とシェアするといいでしょう。
また、お互いの要らないものを交換するという方法もあります。
もちろんそれをするためには、シェアしたり交換したりできる仲がいい人が必要になります。

たくさん買えなくなった今、これから気を付けたいことは、
自分が本当に気に入った好きなものしか買わないように注意するということ。
服は案外長もちしますけれども、気持ちがついていかなかったら、
途端に着るのが嫌になるものです。
中途半端に好きなものをとっかえひっかえ取り換えるやり方は、
これからはもうできません。
本当に長く愛せるものを少しだけ、これがこれからの主流です。

人気の商品とか、今売れているものとか、誰かのお勧めは、
必ずしも、あなたの長く愛せるものではないのです。

あなたの長く愛せるものは、あなたしかわからない。
それは自分自身に聞くしかない。

たくさん買えない時代、おしゃれでいたかったら、
おしゃれのルールを把握して、
自分の好きなものだけで作った、アーカイブとして利用できるワードローブを作ること、
これが最適だと私は考えます。

ほら、あのあなたの大好きなアーチストだって、似たようなことをやっているでしょう?
過去のヒット曲を、
アレンジをかえたり、
リミックスしたり、
または他人のヒット曲をカバーしたり。
スーパースターだってそうやるのですから、
我々がやっても何の問題もありません。

自分ヒットの作品だけで構成されたワードローブで、
古い作品もアレンジとリミックスして、
たまには他人のヒット作をお借りしてでおしゃれに見せる。
こんな方法だったら、たくさん買えない時代でも、
きっとおしゃれを楽しめるでしょう。

方法はあります。
私もブログ、本、レッスンを通じて提供しています。
あきらめるのは、まだ早いです。


2023年3月6日月曜日

HOMME GIRLSの時代がやってくる

一部の皆さんはお気づきだと思います。
HOMME GIRLS(オムガールズ)の時代はもうすぐそこまできています。

ではHOMME GIRLSとはどんなガールズでしょうか。

HOMMEは、フランス語で男性、あるいは人間という意味になります。
ここではあまり深い意味を考えず、
男性の装いをする女の子、ぐらいに考えておけばいいでしょう。
まだまだお子様の少年ではなく、大人の男ということです。

次の時代は、そんな、男性ものを着るガールズの時代になるでしょう。

彼女たちは、ボーイッシュに作られた女物を着るのではなく、
男性用の服をそのまま着ます。
ワードローブにはメンズウエアがたくさん並び、
その中から今日の装いを決めて外出します。

以前だったら、甘辛ミックスなんて言っちゃって、
マスキュリンな装いには必ずフェミニンな要素を入れたものですが、
もうそんなことはしません。
全身メンズでもお構いなし。
なぜなら、もう時代が変わったから。
メンズウエアを着るために、誰の許可も要らないし、
人目なんか気にならないから。

女らしさを捨てたとか、そんなことではないのです。
ただ単に、メンズウエアを着たいだけ。
なぜならそれは機能的で、動きやすく、
何よりも格好いいから。

そんなHOMME GIRLSたちは、
自分の着るものは自分で決めます。
他人の意見を聞くには聞きますが、
最終的に決定するのは自分です。

自分で考えて自分で行動、
困ったときには誰かに助けを求めることもできるけれども、
基本的には独立した存在。
これがHOMME GIRLSです。

そんな彼女たちにはメンズウエアがふさわしいのです。
なぜかって、まだまだHOMME GIRLSには達成しなければならないことがあるから。
自分の意見を表明し、明らかな不正とは断固戦う、
そんなときにはメンズウエアがうってつけ。
そう彼女たちは気づいたのです。

このときを待っていたHOMME GIRLSの皆さん、
この時代を歓迎しましょう。
もう好きに着ても大丈夫。
誰にも文句を言わせないし、邪魔はさせません。

自由と独立を阻む者が出てきたら、
啖呵を切って出ていきましょう。
きっと彼らは追いかけてこないから。

「自分の着るものは自分で決める」
それがHOMME GIRLSの合言葉です。



2023年2月23日木曜日

再びボディを意識せよ

ビッグシルエットが流行る時代、
服と人間のボディの間にはたくさんの空気が入り込みます。
その結果、起こったのはボディに対する意識の低下でした。

ボディは、空気以外の何かに触れられる、
または外界にさらされることにより意識されます。
布が身体に触れず、
また外界に存在する空気、
あるいは視線といった目に見えないものにさらされないでいると、
ほとんどその存在を忘れてしまいます。
痛みがなければ。

下着以外の被覆がボディにフィットしない服を長く着続ければ着続けるほど、
意識されなかったボディは独自に形作られます。
それはほとんどの場合、ゆるく外へ向かいます。

しかし行き過ぎたトレンドは元へ戻るのです。
無視され続けたボディは、再び意識される方向へ向かいます。

新たなるボディコンシャスが、この先10何年続くトレンドに浮上してきました。
ボディは意識されるべきものとなります。

ボディは服によってどのように意識されるでしょうか。
それは身体に密着して、
あるいは素肌を外界にさらして、
です。

具体的に言うならば、
上半身、あるいは下半身、あるいはウエストへの過度な密着、
そして、
深いスリット、短い丈、肩や背中のパーツを抜くことによる露出です。

これらの服は、ボディを意識すればするほど、美しく着られるようにできています。
若いほうが有利ではありますが、年齢に関係なく、意識されている具合が高いほど、
うまく着こなせます。

ひだやプリーツ、ベールで覆われていた肌の、
そのベールを取り外す時代がやってきました。
もちろんこれはトレンドなので、
必ずしも洋服を着る人たちすべてが採用するものではありません。
しかし、明らかに市場にはこの点を意識した衣服がふえていくでしょう。

隠されていたもの、
見たくなかったもの、
無視していたものが今、
白日にもとにさらすべきもの、
見るべきもの、
意識するものとして戻ってきました。

それを受け入れるほどに、その人の装いは完璧に近づくでしょう。


2023年1月21日土曜日

ファッションに関する新たな葛藤

実際は、今急に始まったことではありません。
それは徐々に、しかし確実に進んできました。
社会保障費や税金はふえるのに、
収入がふえないという状況が進んだ結果、
被服費は大幅に削られました。

そんなことはお構いなしに、
2000年より前の時代に比べて衣料全体の生産量はふえました。
単価の安いものが大幅にふえ、購入枚数も、
1枚の服を着る回数も減りました。
参考はこちら

もう一つ、2000年より前とは大きく変わったことがあります。
それは情報量です。
インターネットが一般にも広まる前は、
アパレル業界以外の人がファッションに関する情報を得るには、
店舗を見に行くか、雑誌を買うかのどちらかでした。
コレクションを見に行けるのは、バイヤーや得意客、ファッション誌の編集者ぐらいのもので、それ以外の人が見られるのは、テレビ番組で紹介されるほんの数秒程度のものでした。

また、知り合い以外のほかの人が何を着ているかについても、
雑誌の「読者モデル」や「ストリートスナップ」コーナーでしか知ることができませんでした。

しかし誰もがインターネットに接続できるようになった以降は、
誰もが無料でこれらの情報にアクセスできるようになりました。
望みさえすれば。
自分で探すならば。

使えるお金、
買えるものはどんどん減る一方、
売られているもの、それに関するあらゆる情報は増大しました。

情報は触れません。
それは頭の中でイメージや言葉として存在しています。
しかしその触れないもので頭の中がいっぱいになり、
いつ何時もそれから離れられなくなりました。

その結果、起きたのが葛藤です。
私たちの、その頭の中にある情報があらわす服、靴、バッグのほとんどは、
自分では買えないものです。
頭の中は、買えないけれども欲しいものの情報であふれます。
それが日に日にふえていきます。
この葛藤が私たちをどこへ連れていってくれるのでしょうか。

これがドラマであるのなら、
葛藤から始まったドラマは、解決へ向かってエンディングを迎えます。
葛藤は、人生を動かす重要な感情です。

しかし、この情報過多による欲望の刺激、そして満たされない渇望感によって
私たちは創造的な行動ができるようになったでしょうか。

答えは周囲を見渡せばわかります。
行き過ぎた満たされぬ欲望は、私たちに絶望をもたらし、
行動する力を奪いました。
簡単な言い方をすると「どうでもいい」状態になりました。

たくさんの情報、
どんどん生まれる新しいブランド、
誰かがインスタで見せつけるあの服やバッグ、
そのほとんどが手に入らないのなら、
服なんてもうどうでもいい、暑さ寒ささええしのげるならば。
情報でいっぱいの思考には、自分なりの選択をするという小さな行為すら、
難しいものとなりました。

その結果、台頭してきたのが誰かのお勧めを選ぶ、
または誰かと同じものを選ぶという行為でしょう。
多くのショップ、多くのブランド、多くの服が売られれば売られるほど、
人々の着るものが同じようになるという現象が生まれました。

情報過多による葛藤で私たちが失ったのは自分らしい選択をする力です。
選べないので動けなくなりました。
まるでそれは選択する権利があるのに、棄権しているかのようです。
自分で選ばなければ間違いはないと、多くの人が思っているのかもしれません。

それでもその選ばなかった責任をとるのは自分です。
あなたの人生をかわりに演じてくれる人はいません。
選択の結果は回収しなければなりません。

問題は行き過ぎた葛藤です。
私たちはまだ「葛藤」が提示されるドラマの第1回目にいます。
今の状態が嫌ならば、ドラマの最終回を考え、それに向かって行動しなければなりません。
最終回での解決方法はいろいろ考えられます。

別れる(情報を断つ)
宝の地図を手に入れる(自分らしいおしゃれをする方法を習得する)
練習して試合に勝つ(目利きになるための訓練をして、買い物で失敗しない)
自立すると決める(失敗を恐れず自分で選ぶようにする)
などなど。

そうはいっても、今までこうやってきたのだもの、
そう簡単に動けないと思う人もいるでしょう。

それではヒントを差し上げます。
それは感覚です。
服や靴を触ったとき、着てみたとき、着て動いてみたときの感覚です。
感覚が弱まると、思考を正しい方向にコントロールできなくなります。

頭の中であれやこれや考えているだけの人よりも、
自分が好きなものを実際に試着してみる人のほうが夢を実現できるのです。

手を動かせば動かすほど、使えば使うほど、感覚は強化され、
知恵を授けてくれるようになります。

ハッピーエンディングのための最もふさわしい解決方法は、
その感覚が教えてくれるでしょう。