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2024年2月15日木曜日

自分にぴったり合ったパンツを見つけるために

女性がパンツ(ズボン)を日常的にはくようになってから数十年がたちました。
以前にもましてその流れは加速し、
今街を見回してみても、女性のパンツ姿のほうがスカートよりも多いかもしれません。
中には1年じゅう、パンツ以外はかない方もいるでしょう。

そうなってくると気づいた方も多いと思います。
自分に合ったパンツを探すのは大変だということに。

パンツの作りは、デザイン、パターン、素材、仕様の4つの要素によって作られます。
デザインは好みの問題なので、好き嫌いで決めたので問題ないでしょう。
なかなか自分に合ったパンツが見つからないその大きな原因は、
パターンです。

なぜかというと、パンツのパターンというものは非常に難しいからです。
特に細いパンツのパターンは難しくなり、いいパターンのパンツも少なくなります。
(逆にパジャマパンツのように大き目のパンツのパターンの難易度は低くなり、
それほどいいパターンでなくてもなんとなくはけてしまいます)。

なぜそれほど難しいかというと、
ひとつは、脚という大きく動く部分をカバーしなければならないこと、
そしてウエストとヒップに差があるからです。
大きく動けば動くほど、そして差が大きくなるほどに、パターンの難易度は上がります。
パターンが難しいということは、それなりの技術を持ったところでないと、
いいパターンのパンツは作れないということも意味します。

そうはいっても、メンズは常にパンツをはいているので、
それほど難しくもなさそうだ、とお思いの方もいらっしゃるでしょう。
パンツのパターンの難易度は、細いこと、ウエストとヒップの差があることから生じます。

ですから、スーツにあわせるようなウール素材のスラックスは、細くないこと、またウエストもローウエスト気味で、女性ほどウエストとヒップの差がないことなどから、それほど難しくはないのです。
メンズでも一部スキニージーンズのように細いパンツもありますが、
ローウエストでかつ、ストレッチ素材を使用するため、パターンの難題をその2つでもって解決しています。

さて、女性用のパンツです。
ウエストとヒップの差がある人ほどパンツ選びが難しくなります。
また、ストレッチが入っていない素材による細いパンツもパターンが難しいものになり、なかなかきれいな仕上がりになりません。

ここで言う、自分に合ったパンツとはどんなものでしょうか。
それは、それをはくことにより、
ヒップの位置が高く、そして自分の脚が実際以上に長く見えるパンツです。
パンツをはくことによって、体型が補正され、実物以上によく見えるパンツが自分に合った、よいパンツです。
逆に、短足で、おしりが垂れて見えるなら、それは合っていないパンツになります。

ウエストとヒップの差の解消法は、
ローウエストにして差を小さくする、
ダーツやタック、ギャザーをとって差分を処理する、
が考えられます。
ダーツは見えなくても、例えばポケットの切り替え線でとられていることもあります。
ダーツもタック、ギャザーもないのにジャストウエストで、細身のパンツは、
脇線にカーブをつけて差分を処理しますが、これによってできるのは、
妙なカーブのついた、ヒップのラインが強調されたパンツです。

自分にどんなパンツが合うかは、その人の体型によります。

まず、ウエストとヒップの差が少ないスレンダー体型の場合は、
メンズのようにローウエスト気味で、かつメンズと同じ仕様で作られたパンツが、
すっきりと脚が長く見えます。
ダーツあり、ダーツなし、タック入りでも構いません。
こういう体型の方たちは、メンズ寄りのパンツを選んでいけば問題ないと思います。
パンツはもともとメンズものとしてデザインされていますから簡単です。

難しいのは、ウエストとヒップの差が大きいグラマラス体型の方です。
いちばん避けたほうがいいのは、ジャストウエストでタックなし、ダーツ処理のみのパンツです。
こんなパンツを選ぶと、お腹は出て見えますし、ヒップラインも強調されてしまいます。
これを避けるためには、ローウエストか、または逆にハイウエストで、
タックやギャザーでヒップとウエストの差分が処理されたものを選ぶといいでしょう。
または、チノパンツなどは、大き目のサイズのものを選び、
ベルトをして、自分でギャザーを作ることによっても解決できます。
もちろん、タックやローウエストやハイウエストにはそれぞれ流行があるので、
いつでも売られているとは限りません。
トレンドによっては、自分にぴったり合うパンツが非常に少ない時代もあると思います。

スレンダー型、グラマラス型、どちらにも共通している解決方法は、
自分の体型にぴったり合うパンツを作っているブランドを見つけて、
そのブランドのパンツだけを買うことです。
それを見つけるためには試着は必須となります。

探してみるとわかりますが、
自分の体型にぴったりのパンツを作っているブランドはあまりないでしょう。
うまく出会ったら、むしろそれはラッキーです。

とにかく気になったら、試着してみて、
前から、横から、後ろから、
自分の姿を見てみてください。
実際よりもヒップ位置が高く見え、脚がまっすぐ長く見えたのなら、
それがあなたにぴったり合うパンツです。
なぜか?
だって、短足で、おしりが垂れて見えるパンツで街を歩きたくはないですからね!

まだそれが見つかっていない方は、
自分にぴったり合うパンツを見つける旅に出ましょう。
なるべく早く出発するのがお勧めです。


2024年1月12日金曜日

自分が何が好きかを見極めて

20世紀より明らかに、ファッション誌や女性誌もふえました。
また、インターネットの海原には、
インスタグラム、ピンタレスト、YouTubeその他、
膨大な参考ヴィジュアルがあり、
ディバイスとネット環境があれば、誰でもそれにアクセスできるようになりました。
同時に、インターネットの整備のおかげで、
ごく小さなブランドでも通販を通して人々の手に商品を届けることができるようになり、
以前よりもずっとブランドの数もふえました。

しかし、例えば新宿のような都会で、忙しく歩く人のスタイルを観察してみると、
どういうわけだか似たような格好の人が、20世紀より多いように感じます。
情報と物量の多さに反比例して、スタイルのバラエティが減りました。

さて、いつでも誰かと同じ格好を好む人は、それはそれでいいでしょう。
また、おしゃれに興味がなく、寒さ暑さを防ぐために衣類を着るという人も、
それはそれで構いません。
おしゃれなどしなくとも、私たちは生きていけます。

しかしそうではなく、なんとかして自分もおしゃれをして街を歩きたい、
と考えていて、なおかつ、
たくさん情報は摂取しているのに、
どうしたら自分の望むおしゃれができるかわからないと感じている人に、
一つ提案があります。

私がファッションレッスンをするときに、参加者の方に画像の切り抜きを作ってもらいます。
これはボード、あるいはマップと呼ばれるもので、
自分がなりたいスタイルの方向性を知るために作ります。

ここで注意点があります。
それは、自分とはあまりにかけ離れた画像は集めないように、ということです。
理由は、そのような画像を集めても、その理想に近づくことはないからです。

例えば、集めた画像のすべてがパリに住み、パリの街を歩く人たちだとします。
そればかりではなく、その画像にシャルロットやレアのような有名なモデルや役者も含まれています。
それを日本の片田舎に住むアジア人の私たちが集めたとしても、同じようにはならないのです。
まず第一に、風景(シーン)が違います。
来月からパリに引っ越すのでもない限り、同じ風景の中、自分が生活していることはありません。
また仮に本当にパリに引っ越すとしても、
背格好や目の色、髪の色、仕事や経済状況など、すべて違います。
よって、必要な衣服も、着ることができる衣服も決して同じにはならないのです。

実現できない夢を掲げると、やる気がなくなります。
ひどい場合は、他人に偽りの自分を見せ続け、その結果、消息不明になったりします。

そうはいっても、雑誌やインスタを見ていたのでは、そのような画像ばかりに目がいくでしょう。
ですから、ここでは雑誌やインスタを見るのはやめます。

かわりにやってほしいのは、
自分がおしゃれをしていきたいと思っている場所、あるいは街に行って、
そこを行きかう人々を眺めることです。
もちろんただ眺めるのではなく、自分がどんな人が素敵だと思うか、
そして、どんな格好を素敵だと思わないか、
それを見極めることです。

さすがに、街で他人の写真を撮ってはいけませんから、
メモをとりましょう。
通りに面したカフェの窓際にでも座って、
自分がいいなと思った人が通ったら、その人の何がいいと思ったのか、メモをとります。
また反対に、あの格好はよくないなと思ったら、それも書き取ります。

慣れないうちは、素敵な人が通っても、それのどこがいいのか自分でもわからないかもしれません。
その場合は、とりあえず着ていた服、はいていた靴、持っていたバッグがどんなものだったのか、書き取りましょう。
色や素材、シルエットなど、わかる範囲で構いません。
また服装だけではなく、その人のヘアスタイルやメイク、あるいは姿勢が素敵だと思うのなら、その点について、何がいいと思ったのか、書いておきましょう。

何回かそれを繰り返すうちに、
自分がどういうスタイルをしたいのか、そしてどういうスタイルは嫌なのか、
わかるようになります。
またそのスタイルは、自分がおしゃれをしたいと思っている場所で見たものですから、
全く実現不可能というものではないでしょう。
もちろん、全身ラグジュアリーブランドの人ばかりが目に付くという人もいるかもしれませんが、
今の日本でそのような人はめったにいないので、心配する必要はありません。

雑誌やスタイリスト、あるいはインスタグラマーやYouTuberがどう言ったかは、この際、どうでもいいのです。
彼らはあなたの周囲にはいないでしょうから、関係ありません。
あなたがおしゃれをしたい街や場所で、もう既にそれを実現している人、
その人こそが、自分がなりたいおしゃれの方向性を示してくれる人です。

やってみるとわかると思いますが、
自分は案外、自分がどうしたいのか、
何が好きなのか、わかっていないものです。
そしてそのためには何が必要なのかも理解しているわけではないでしょう。
今の自分のスタイルが納得いかないのなら、それが証拠です。

実現不可能な夢を夢見ているだけの自分は終わりにしましょう。
実現可能な目標に、着実に近づいていく自分になりましょう。

自分でやって、できるようになれば自己肯定感も高まります。
決してなれない存在へと志向させるよう仕向ける媒体はさめた目で見てください。

実現不可能な夢とか、
言っただけで守る気がない約束とか、
消費へ向かわせる脅しとか、
そんなものとは決別すると、今年は誓いましょう。

 


2024年1月6日土曜日

脅しに屈するべからず、またはそんなことはできなくて当たり前

何の気なしにYouTubeやInstagramを見ていると、
多くの「お勧め動画」や「お勧め投稿」が出てきます。
そのほとんどはスルーするのですが、ほんのちょっとの好奇心で見てしまうと、
そこには地獄が待っています。

世界中にパーソナルスタイリストその他を名乗る多くの人たちが、
「ダメ出し」動画や投稿を作っています。
中身をのぞいてみると、
「グレーとベージュを合わせてはだめ」
「50代以上はペイズリーは着てはだめ。かわりにボーダーを」
「バッグを持つときは、身体の内側から腕を入れてはだめ。外側から入れなくてはいけない」
など、どうやって導き出したのかわからない謎のルールが勢ぞろい。
疑問に思ったときは、彼女たちのプロフィールを見るのですが、
どこで勉強したか、どの学校を出たかも、
どこで仕事をしていたのか、どの会社に所属していたか等の経歴は一切ありません。

確かに彼女たちの言い分には正しいものもあります。
色の組み合わせは「補色同士がベスト」など、セオリーどうりです。
しかしたとえそれがセオリーどおりだとしても、
紙の上の絵具ではない、布を染めた色で、そのセオリーどうりの色出しを、
様々なブランドで買った時期も違うものからなるワードローブでは、
作り出すことはできません。

面白いことに声高に他人に「ダメ出し」をしているのは、洋服を作る側の人たちではないということ。
私は作るための学校へ行き、作る側で働いていたのでよく知っていますが、
作る側の人たちは、こういうことは言わないのです。
なぜなら、セオリーどうりの色出しなど、生地屋からもう既に染めてある中から選んで製品を作るブランドにさえ、できるわけではないと重々承知しているから。
布は紙ではありません。
絵具で自由に色を使って絵をかくように、色を染めることは不可能です。

また多くの人が知っているように、流行色というものがあります。
それに沿って、生地屋は色を染めます。
そのため色には、70年代っぽい色、90年代っぽい色など生まれます。
すべてのいつでもどこでも世界堂の絵具売り場のウィンザー&ニュートンの絵具のように、
すべての色が常時揃っているわけではありません。
それに、これはコレクションを見ればわかることですが、
「赤に対して緑」のような補色を使って必ずルックを作るところなど、むしろ少数派でしょう。
プラダもセリーヌもサンローランも「赤に対して緑」の補色ルックは提案しません。

セオリーどうりの色出し、またカラーコーディネートができると思い込んでいる人たちは、
作る現場にいたことがないからこそ、こんな理想論で誰かに「ダメ出し」するのでしょう。

これらセオリーは確かにそのとおりですが、完璧にはできないのが現実です。
それができていないからといって、「ダメ出し」するほうがおかしいのです。

また中には、エトロ社やRATTI社を敵に回すような、
「50代以上はペイズリーを着てはだめ」などという、
謎の理論を振りかざすものもいます。
ほんとうにそう考えているのなら、エトロ社に行って、
50代には売らないように訴えてもらいたい。
エトロもRATTIも、大人のためのすばらしいペイズリーのプリントを作っています。
また、バッグの持ち方にいいも悪いもありません。

その人たちはなぜ「ダメ出し」をするのでしょうか。
その人たちの正体を見てください。
「ダメ出し」をしておいて、最終的には自分のサービスに誘導してはいませんか。
その「ダメ出し」の目的は、そこにあるのではないでしょうか。

疑ったら、まず経歴を見てみること。
きちんとした学校を出ていなかったり、アパレル業界で働いた経歴がないようなら、
その人は信用するに値しません。
なぜなら、専門的な教育を受けたり、実際の現場にいたことがないと、
正確な知識を身に着けることは不可能だからです。

誰かに「ダメ出し」をして、再生回数を稼いだり、アクセスをふやしたりしようとする人が一定数います。
浅はかでいい加減で浅い知識でこちらを脅してきます。
そして、そのいい加減な知識でこちらのいい気分を台無しにしていきます。
そんな脅しに屈する必要はありません。
「ダメ出し」を受け入れれば受け入れるほど、
私たちは「大量消費、大量廃棄」せざるを得なくなります。

聞くべきなのは、
教育を受けた経験やアパレルのモノづくりの働いた経歴がある人たち、
あるいは洋服作りを知り尽くしている作る側の人たちの言葉です。
その点を間違わないようにね。



2023年11月23日木曜日

「かわいい」を作り出す

相変わらず、「かわいい」が人気です。
実際には「かわいい」が表現する範囲は広く、
普通はかわいいとは思えないようなものにまでかわいいは使われています。

今回は、ごく一般的に多くの人がかわいいと感じるような要素をどうやってルックに取り入れたらいいのか、考えていきます。

洋服の世界において「かわいい」を表現する際に使われるのは以下の要素です。

・ふんわりとやわらかい素材や細部
・パステルカラー、あるいは暖色系
・男性が着ないようなアイテムやデザイン

ふんわりとやわらかい素材とは、例えばシフォンやオーガンジーモヘア、また手法としてはギャザーやプリーツなどです。

色に関しては、パステル調のピンクや水色、レモンイエロー。または赤、黄色、オレンジといった暖色系もかわいい女の子の表現にはよく使われます。

男性が着ないようなアイテムやデザインとしては、スカートやワンピース、フリルやレース、または花柄などです。

ここまでだと、「女性らしさ」と重なる部分も多いです。
なぜなら、男性はあまり「かわいい」を採用しないからです。

洋服の世界でかわいいを表現するときには、これ以上のものがあります。
それは、子どもが身に着けるような「かわいい」デザインの大人への転用です。

それは以下のようなものになります。
・ウエストのくびれがなく、ハイウエスト気味
・身体のラインを出さない
・台襟がないフラットカラー
・ハイソックスにメリージェーンのような、子どもがよくする足元

子どもは寸胴なので、ウエストのくびれがありません。
ですから、スカートをはくには吊りひもが必要になり、若干ウエスト位置は高めの設定です。
また、首も短いので襟はフラットカラーです。
また形も丸くすれば、より一層かわいさを強調できます。
ハイソックスはスポーツで着用しますし、必ずしも子供用というわけではありませんが、これがメリージェーンと組み合わされると、少女っぽくなります。
子どものピアノの発表会でよく見るような組み合わせであり、大人はあまり使いません。

以上のような要素をいくつか取り入れれば、「かわいい」ルックは出来上がります。
ついでに、メイクに関しても血色感がある暖色系のカラーでまとめれば、顔も含めてかわいくなります。

実際にこれらの要素を取り入れるのはそれほど難しくはありません。
ただし、注意点はあります。
それは、子どものかわいいの大人への転用要素です。

日本では、大人向けでも、この子供服の要素を取り入れた服が多数売られています。
実際に大人向けの、ウエストがぶかぶかな吊りひもつきのスカートは売られています。

しかし西洋の衣服においては、大人の成熟は子供っぽい要素を取り入れるほうへは向かいません。
子どもっぽい細部は、せいぜい若者向きであり、
いい年の大人の女性が取り入れるべきものではないと考えられています。
それは毎年行われるコレクションを見れば明らかです。
大人は成熟したものであるとして扱われます。
西洋のファッションが追い続けるのは、いつでも自分のことは自分で決められる自立した女性像なのです。

いい年の大人になってからこの成熟とは反対方向の幼さが表現された衣服を着用すると、おしゃれからは遠ざかります。
それは確かに「かわいい」でしょう。
しかしもはやそれは、おしゃれであるとか、スタイリッシュであるとは別物になります。

かわいくて、かつおしゃれな装いを作りたいときには、
この点に注意しなければなりません。

かわいいだけじゃなく、おしゃれでスタイリッシュに見せたいのならば、
子ども要素は取り入れないほうがよいと覚えておいてください。

どちらの大人を自分が目指しているのか、あるいは目指していたのか、
再度ご確認ください。
答えが出たのなら、それに従えばよいでしょう。



2023年11月7日火曜日

たくさんあると、魅力がなくなる

流行は、少数のモノ、少数の人によって始められます。
最初はたくさんのものの中に一点、あるいは大勢の中の一人が、
徐々に点数をふやし、まだらになり、点在しながらふえていきます。

流行は、たくさんのもの、大人数によって終わります。
点在の密度が高まり、ほとんどそれが覆いつくすほどになると、流行は終わります。
ファッションでいえば、
お年寄りや小さな子供までが着たり、履いたりするようになるほど広がると、
流行は終わります。

流行が終わったのは、魅力的に見えなくなったことが理由です。
私たちはどうやら、たくさん同じものを見ると、そこに魅力を感じないようにできているらしいのです。

例えば鳥です。
(最近、バードウォッチングを始めたので、鳥でたとえます)

雀やカラス、ムクドリなどは街でたくさん見かけます。
私たちは、もはや雀、カラス、ムクドリに特別な魅力は感じません。
魅力を感じないので、それを探してみたり、わざわざ見に行こうとはしません。

しかし、コウノトリやライチョウのように、絶滅危惧種に指定されているほど数が少ない鳥に対しては、非常に大きな魅力を感じます。
これら絶滅危惧種を見たり、出会ったりすることは非常に魅力的なことになります。
私たちは、絶滅危惧種を見ることを切望します。
また、それを見た人たちはうらやましがられます。
それはすなわち、数が少ない絶滅危惧種の鳥たちは人間にとって非常に魅力的であるということです。

たくさん見ると私たちは飽きます。
しかし、飽きるまでもなく、たくさん存在するというだけで、私たちは魅力を感じないようにできています。

ファッションも同じことです。
みんなが持っている、よく売れている、これらのものは飽和すれば、
それはありふれたどうでもいい、特別魅力を感じないものになります。

その魅力を感じない主体には他人ばかりでなく、自分自身も入ります。
自分自身にとっても、たくさんあるものはどうでもいいものになります。
見慣れたもの、たくさんあるものは、自分自身でさえ魅力を感じないため、
それを着用するのが嫌になるのです。

であるならば、最初からその「たくさん」のものを選ばなければいいのではないでしょうか。
わざわざみずから、雀やカラス、ムクドリのような見た目を作る必要はないのでは?
1980年代、90年代の黒ずくめのカラスルックの流行は、
それが街全体にまん延して終わりました。

どんなに一羽一羽がかわいくても、いつもそこにいる、何も珍しくない存在となれば、それは魅力を感じないものになります。

いっそ私たち自身も絶滅危惧種になるぐらいでちょうどいいのです。
それは誰もが見たがるでしょう。
それは誰もが探し続けるでしょう。
なかなか見ることができない魅力的なもの、
そちらを選ぶほうが、ずっと珍重され、憧れ続けられるのです。

 


2023年10月13日金曜日

それでもいいものを見たほうがいい理由

※展覧会を見に行くのもいいアイデアです。

2023年10月現在、日本の購買力は今から50年前の1970年代と同じだと言われています。
外国のブランドのものは「舶来品」と呼ばれたあのころ、
海外旅行は簡単に行けるものではなく、
行ったとしても、好きなだけお金を使うことができなかったあのころに、
今の日本は逆戻りです。

現在、多くのアパレル製品は輸入物です。
生地とその原材料、その他の付属品も含めるのなら、
100%日本製のものは、ほぼないと考えていいでしょう。
日本では、コットンもウールもシルクもほとんど生産されていません。
ましてや化学繊維の原料になる原油は日本では、製品を作るほどの採掘はできません。

購買力が50年前と同じになるということとは、
すなわち、多くの輸入物の価格が上がることを意味します。
海外のブランドから日本のブランドまで、すべての製品の価格は上がっていくでしょう。

そうなると、多くの人のファッションに対する関心は低下します。
得られるかもしれない可能性が断たれたものについては、
考えないほうが精神の安定を保てるからです。
特に、クオリティの高い高価なものほど、遠ざける人が出てくるでしょう。
そうするにつれて、多くの人のクローゼットは、
カットソーとポリエステル、ナイロン、アクリルといった化学繊維であふれかえります。
誰かがそれを「ウールライク」などと呼ぼうとも、
それは原油から生産された、自然繊維よりも安価な化学繊維には違いありません。
安価であるという理由で、彼らはそれを「ウールライク」として採用しているのです。

安価にするための工夫は素材選びだけではありません。
縫う箇所を1本でも少なくし、工賃を安くするためのデザインも数多く実行されます。
その例として挙げられるのがウエストゴム、そしてポケットの省略です。
これらは、製造工程を少なくするのにうってつけのデザインです。

しかしそれでもなお、いいものを見たり、触り続けたほうがいいのです。
なぜなら、目、あるいは手の記憶によって、あなたの選択はなされるからです。

いいものをいくら見ても、もう忘れてしまったと思うでしょう。
しかし、一度インストールされたその情報はごみ箱の中に入っているだけで、
消去されたわけではないのです。
それは、気づかないうちに、まるで見張りのように、
私たちの日々の選択に影響を与えます。
見れば見るほど、その記憶は蓄積されていき、決して忘れ去ることはありません。
多くの人ができないのは、その情報を引き出すことなのです。

それはまるで見えないところで動き続けるアプリのように、
あなたの選択を監視します。
そして、どうでもいいもの、クオリティが低いもの、将来的に着なくなるであろうものから、あなたを遠ざけます。
気づいていなくても、それは正確に作動します。

限られた予算の中で、失敗の少ない買い物をするためには、
このアプリを入れておいたほうがいいのです。
予算が少なければ少ないほど、失敗は避けたい。
であるのならなおのこと、いいものを見続けて、
常にアプリを新しい状態に更新する必要があります。

私たちのほとんどの選択は、何かの影響によってなされます。
誰かの考えや言葉、誰かの姿、どこかで見た何かが、深く印象付けられて、
あれやこれやの選択をします。
選択を間違わないためにも、何がインストールされているのかが重要です。

もう以前のように、海外旅行もままならないし、
ラグジュアリーブランドのバッグを買うこともないかもしれません。
しかしどこかしらでクオリティの高いものを見続けるようにしましょう。

それは古着屋やセカンドハンドのお店かもしれません。
あるいはアウトレットや展覧会かもしれません。
または、知人が実際に着ているものや履いているものの可能性もあります。

クオリティの高いものの情報をインプットしておけば、自動的にいいものを選ぶようになります。
限られた予算の中からでも、なんらかの方法はあります。

カットソーと化学繊維まみれのクローゼットの沼で溺れないように、
今出来得ることを考えて、行動してみてください。
そうすれば将来、あなたは自分のクローゼットを見て、心底満足できるでしょう。
そして、いいものを見続けることをあきらめなかった自分に対して、
感謝の念をいただくでしょう。


2023年10月3日火曜日

第7回川端龍子絵画鑑賞会「東京ハーピー」2023年11月3日 募集開始

 

                   ※チラシより画像をお借りしました。

2023年11月3日文化の日に、龍子記念館において絵画鑑賞会「東京ハ―ピー」を開催します。

 今年も小林と、龍子直系の曾孫に当たるアベユリコさんの二人でナビゲートします。
(※「東京ハ―ピー」とは龍子発行の雑誌名です。)

今回で7回目になる川端龍子絵画鑑賞会。
今年は、「 川端龍子プラスワン 濱田樹里・谷保玲奈 色彩は踊り、共鳴するの展示の鑑賞がメインです。
展示を見る前に、ユリコさんからは、川端龍子が日本美術史において、いかに独創的で、オリジナリティがあったかについてのお話、
そして小林から川端龍子の「オリジナリティ」にちなんで、
美と革新的オリジナリティということで、来年にやってくる牡牛座での天王星木星0度という、ラッキーチャンスの時期についての解説、
そしてその美とオリジナリティにふさわしい自家製のアロマミスト(5ml)のプレゼント。
※神奈川県西湘の柑橘類(シトラス)を自家蒸留して作った精油のブレンドです。
このアロマと星を使っての、美とオリジナリティの発揮の仕方を伝授します!

レクチャーの後は、記念館へ移動し、
お庭とアトリエの見学、作品鑑賞となります。

レクチャーの場所は換気のいい和室を予約しました。
日本美術に興味があるけれども見たことがない方、
アロマとアストロロジーに興味がある方、
なんだかわからないけれども参加してみたい方、
どんな方でも歓迎です。
おしゃれしてきても、おしゃれでなくても大丈夫です!

毎年、いいお天気になる11月3日文化の日、日本美術を鑑賞いたしましょう!

日時:2023年11月3日(祝日)
時間:13:30~16:30
場所:大田区立龍子記念館、その他・集合場所は東京都大田区内
定員:8名
参加費:2500円(記念館入場料・アロマミスト5ml込み)※別途、池上梅園入場料が100円必要になります。
主催:小林直子

参加ご希望の方は、
・お名前(本名)
・参加人数をご記入の上、
メールの件名「東京ハ―ピー」として、
fateshowthyforce@gmail.com
小林までご連絡ください。

よろしくお願いいたします!