被服費として使えるお金が少なくなると、
おのずとおしゃれに関する関心は薄れ、
だんだんどうでもよくなってくるのが人間の心理でしょう。
感覚として感じていたおしゃれに関する関心の低下は、
家計調査によって、被服費の大幅な減少という数字の上でも明らかにされています。
(一方、美容にかけるお金はふえています)
私は2010年よりファッションレッスンというオリジナルメソッドによるレッスンを教えています。
その中で、洋服はいつだって未来の自分が着るために買うものだから、
未来を想像して買ってください、
そして長もちする服と消耗品とをきちんと分けて、
長もちする服はお金をかけるようにしてください、
と伝えています。
それを実践してくださった生徒の皆さんに、今どんな状況か聞いてみました。
聞いてみた方全員、習ったときに買い方を変えておいてよかった、
長もちするものはクオリティが高く、長く着られるものを選んでおいたので、
今、新しいものを買えなくても大丈夫、おしゃれができるという答えをいただきました。
刹那的に、今そのときだけの気分で買っていると、
そのシーズンはいいけれども、結局捨てることになるものばかりがふえます。
また、同じような買い方が続けられなくなったとき、
いきなり着るものがなくなり、困ってしまいます。
だけれども、備えておけば大丈夫。
お金をたくさん使えないときでも、今あるものを使っておしゃれをすることは可能。
それにプラスして、リフォームしたりリメイクしたり、
シェアしたり、交換したりすれば、
お金をかけずとも、新しい気分も取り入れられます。
過去のやり方がよくなかったなら、
今からやり方を変えればいいだけ。
どんどん成長してサイズアウトしていく子供以外の人にとっては、
下着やカットソー以外の服は消耗品ではなく、耐久消費財。
それを消耗品として扱ったこと、
そしてその方法が最上だと信じたことがそもそもの間違いの原因です。
多くの人が服を消耗品として、そして情報として消費しました。
その結果もたらされたのが今の現状、
つまり、おしゃれがどうでもよくなった、
またはおしゃれができない大人がふえてしまったということです。
(まあ、その方法は既に破綻していたのに、誰も教えてくれなかったからやめられなかったわけなので、自分を責めないでもよし)
今からでも遅くないので、
将来に備えたお買い物の仕方に変えて、
備えがあるワードローブを構築しましょう。
備えておくべきなのは、裏切りではなく、将来にわたって信頼できるチーム、
そして、一生あなたの役に立つ基本的な知識と知恵と工夫です。