珍しくも、恋愛のための衣装です。
大体において、モード系の人たちは恋愛のことなど考えていません。
デザイナーも、恋愛というシチュエーションを想像していない人が多いです。
ですから、ファッション誌、特にモード系の雑誌はこのテーマが不得意です。
正直な話、
私もどちらかといえば、このテーマは得意ではありません。
なぜなら、1990年前後の日本のファッションのピークの時代を経験しているからです。
あのころ、私たちがもっとも憧れたブランドは、
その名も「少年のように」でした。
しかし、これが間違っているのです。
恋愛したいのならば、
決して「少年のように」なってはいけないのです。
多くの男性は誰に恋するのか?
それは女性です。
(すみません、今回はLGBTの皆さんについては語りません。
決して認めていないわけではありません)
男性はデートで誰に会いに行くのか?
女性です。
男性が見たいのはどんな人なのか?
女性です。
決して、少年ではありません。
恋愛のための衣装とは、すなわち、
決して男性が着ないような衣装です。
なぜなら、それが男性の希望であり、欲しいものだからです。
さて、日本の特に冬の都会の景色は、
ダークカラーの男女で染まり、
後ろから眺めているだけでは、それが男か女かさえ、わからない状態です。
カジュアル化が進み、
どこへでもジーンズで行けるようになり、
Tシャツ、ジーンズの作業着オリジンのもの、
トレンチコート、Pコート、モッズコート、MA1ジャケットなどの軍服オリジンのアイテムを、
男女問わず着用するようになりました。
つまり、ファッションのジェンダーフリー化が進んだのです。
流行りのモードとしても、
ジェンダーフリーはよく取り上げられます。
男が女の服を着る、女が男の服を着る、
これは新しく、モードであり、ファッショナブルとされます。
しかし、恋愛において、ジェンダー、つまり男女差を無視してはいけないのです。
ジェンダーフリーのモードは、恋愛の敵です。
「少年のように」したいのなら、恋愛など、できません。
では、男性が決して着ない衣装とは何なのか。
それは色、素材、アイテム、シルエットにおいて存在します。
代表的アイテムはスカートとドレス。
このどちらも、今のところ、普通の男性は着ません。
そして色としてはピンク、柄としては花柄。
これも、多くの男性は着用しません。(もちろんたまにはいます)
そして素材では、シフォン、オーガンジー、サテン、レース、
デザインのディテールとしては、フリル、シースルー、リボン、プリーツなど。
これらを何にたとえるかと言えば、
花です。
男性は、お花のような色、質感、シルエットのスタイルに女性性を認めるのです。
それとは反対に、暗く、固く、四角いものに女性性を感じることはできません。
それがどんなにモードだとしても、
真っ黒で、固い素材で、重いシルエットのものは、
男性の手に入れたい、
触れたい、
そばにいたいものではありません。
では、女性の身体の特徴的な部分が露出したり、強調されていればいいのでしょうか。
短絡的にそのように考える人もいますが、
実は、必ずしもそうではありません。
身体を売り物にするのでなければ、
それはかえって逆効果となります。
今、説明しているのは恋愛のための衣装です。
恋愛に必要な大事な女性性の要素の1つは、恥じらいです。
恥じらいの感じられない服装は、恋愛のためのものではありません。
そしてもうひとつ、
これは多くの女性が気づかない点ですが、
恋愛対象の女性というものは、
男性にとって、攻略すべき存在です。
どういうことか。
最初からすべてを見せては意味がないのです。
やるべきことは、すべてを見せつけることではなく、
想像させることです。
「恋なんて謎があるうちよ」と、
昔の歌手が歌っていました。
それは衣装についても同じこと。
身体つき、胸の大きさ、
それらすべて謎でなければいけません。
想像させ、
どうやったら手に入るか計画させ、
ひとつひとつ手に入れさせていく。
その過程がなければ、男性はその恋愛対象の女性のことを本気で好きにはなりません。
簡単にわかってしまう女など、全く面白くはないのです。
それは安すぎるのです。
獲得しても、うれしくもないのです。
犯人を知りながら、ミステリーを読むようなものです。
お花のようであり、
謎が多く、
意味不明なディテールに満ち、
ひもとく楽しみのある衣装。
なぜこんな柔らかく、壊れそうな素材なのか、
なぜこんなにも汚れやすい色なのか、
なぜこんなところに無駄な布が使われているのか、
なぜこんなに着にくいのか、
なぜなかなか脱げないのか、
「絶対に俺には着られない」
そう男性に思わせる、そんな服装こそが、恋愛にふさわしい衣装です。
ですからこれはもはやモードではありません。
また、いつもいつもそんな格好をしているのも難しいでしょう。
それでもそこを狙うのです。
できる範囲でやるのです。
最後に1つ。
だからといって、これらが自分の好きでないものなら意味がありません。
好きでないものを無理に着たら、魅力が半減します。
また、男性の好みにすべてあわせる必要もありません。
男性の好みにすべてあわせるのなら、
あなたはその途端に獲物(ターゲット)ではなくなります。
すべて男性の好みになったのなら、あなたは攻略されたということです。
つまり、そのゲーム(獲物)は終了です。
終わらせてはいけません。
あくまで自分の意志を通して、
難攻不落なごとく、
恋愛の衣装を選びましょう。
永遠に愛されたいのなら、それが必要です。
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