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2019年8月25日日曜日

「マストバイ」を買わなくてよい理由

例えば雑誌に、「これは今年の新作です!マストバイです!」と
誰かが言った言葉が書かれています。
確かにそれは今年の新作です。
だけれども、それは本当に「マストバイ」、つまり買わなければいけないものでしょうか?

今年の新作は来年になったら「去年の旧作」になります。
そしてまた誰かが「これは今年の新作です!マストバイです!」と言います。
次の年も同じようなことが繰り返されます。
何年たっても繰り広げられる雑誌上の文言は同じ。
うんざりするほどのワンパターンです。

これは小さな脅迫です。
誰かがそうしなければいけないと言うなんて、
そんな命令に従う必要はあるのでしょうか?
でも、それを買わないと、あなたは遅れているとか、
おかしいとか変とか言うのでしょう?
誰が言うかは知らないけど。
命令されるのも、何か言われるのも嫌な場合、
どうしたらいいでしょうか?

その答えは新しさにも古さにも惑わされないことです。
なぜなら、すべてのものは変化するから。
過去と同じ未来なんかないから。

考えなければいけないのは新しさや古さではなく、
それが本物か偽物かということ。
そして、それは自分にふさわしいか、ふさわしくないかということでしょう。

例えば、ボッティチェルリの「ヴィーナス誕生」に新しいとか古いとかあるでしょうか?
そんなものはありません。
そこにあるのは本物か偽物かということだけ。

例えば桜の花に遅れてるとか変とかあるでしょうか?
ありません。
そこにあるのはつぼみの時期、満開の時期、新芽の時期、枝だけの時期です。

変化するのは当たり前。
本物ならば、それがルネッサンス期に描かれたものであったとしても、
時代遅れはありません。

そんな比喩はどうでもいいから、具体的な対処法を教えてほしいって?
OK。ではヒントを書きましょう。

まずはコピー商品ではなく、オリジナルである本物を選びましょう。
そういったものは、物理的には傷んだり古くなったりするけれども、
デザイン的に古くはなりにくいものです。
(絶対に古くならないとまでは言いません)

次に自分にふさわしいもの、自分が好きなもの、そして自分のワードローブを完成させるのに必要なものを選びましょう。
誰かのお勧めを完全に無視する必要はありませんが、
それはちょっとしたアドバイスにすぎません。
参考程度にとどめましょう。

そして究極的にはこれです。
誰かが言った「これは今年の新作です!マストバイです!」のその「これ」を買うのはやめましょう。
そうすれば、次の年、去年の旧作を持つことはありません。

その「これ」は言ったその人と、そのフォロワーが買えばよし。
ほかの人は関係ありません。

誰かが買うようにはやし立てたもの、
それは必ずや、廃れるものです。
その廃れるもの買い物競争から、早々に離脱すれば、
あなたもきっと心安らかにいられるでしょう。
そんな競争には参加しないに限ります!




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