多くの人がおしゃれになりたくて、
長い期間にわたって、何冊も、ファッション誌や女性誌を買い続けてきたでしょう。
それはファッション学校の学生がファッション誌を勉強のために買うのとは違います。
彼らは、それを買って見ることが自分のデザインするもの、作るものの参考になります。
時には、そこからルックをひとつ選んで、デザインを模写してみたり、実際にパターンを起こし、トワルを作ってみたりします。
また、流行についても知る必要がありますから、これは本当に勉強のためです。
もちろんその他の人も、ただ単に見る楽しみのためにファッション誌を買い続けていたでしょう。
だけれども、途中で気づかなかったでしょうか?
随分と長い間にわたって、何冊も買った割にはおしゃれの実力が上がったようには思えないと。
むしろこの使ったお金は、好きな服を1枚、2枚買ったほうがよかったのではないかと。
ファッション誌や女性誌、特に最近のものは、
読者が自力でおしゃれになるようには構成されていません。
それは『きょうの料理』のテキストのように、それを見て実際に作ってみれば、
おいしい料理が作れるものとは違うのです。
最近になればなるほど、それはどちらかというとカタログで、
あくまで次のお買い物の選択肢の提示です。
そのため、もう売られていない過去のもの、ほとんど手に入らないような作家のものは載っていません。
なぜなら、それではお買い物の提案にはならないからです。
それはちょっとした読み物つきのカタログとして楽しむには適していますが、
自力でできるためのテキストではなかったのです。
ではおしゃれになるために本当に知るべきだったのはなんなのでしょうか。
それはおしゃれな人の行動パターンです。
買い物の仕方、選択の仕方、情報の取り入れ方、ワードローブの構成の仕方など、
その行動様式がわからないと、おしゃれという結果は得られないのです。
そこで皆さんは思うでしょう。
雑誌にもおしゃれな人の服やお買い物が出ていたわ、と。
確かに雑誌には、エディター、スタイリスト、ブランドのファウンダーのお買い物が掲載されていました。
けれども、よく考えてください。
その方たちはそれらをどうやって手に入れていますか?
すべてのものをショップに行って、普通に買ったわけではないでしょう。
もらったもの、
借りたもの、
定価の何掛けかで買ったもの、
社販で買ったもの、
ブランドのサンプル、すべて入っています。
それらは真似しようとしても、似たような職業の人でない限り、真似することはできません。
そして真似できないような行動パターンの人を知ったところで、自分はどうにもできないのです。
それは肌のきれいな美容研究家のルーティーンに使われている化粧品や、
1ヵ月に行うお手入れをすべて真似できないのと同じです。
あの方たちはそれで仕事をしています。
参考にするものが間違っているのです。
参考にすべきなのは、
自分でも実際に真似できるおしゃれな人の行動パターンです。
真似できるお買い物の方法、真似できる情報の収集の仕方、真似できるワードローブの作り方です。
本当に知るべきだったのはそこなのです。
そしてそれは、ファッション誌にも女性誌にも載ってはいなかったのです。
なぜなら、それではカタログの役目を果たさないから。
勘違いしてほしくないのは、
雑誌は買わないほうがいいと言っているのではないということ。
ただそれは、目的が違うということを言っています。
さて、気づいたのなら、今から修正すればいいでしょう。
遅過ぎることはありません。
自分にぴったりフィットした、自分にもできそうなことをしているおしゃれな人を見つけて、行動パターンを教えてもらい、真似すればいいでしょう。
本当に知るべきだったのは、おしゃれに見える人の行動、
つまり買い方、
情報の集め方、
ワードローブ構成、
毎日のスタイリングの仕方です。
行動を変えれば、結果も変わります。
雑誌を見ていただけで変わらなかったと気づいたら、それを変えればいいのです。
新しい行動パターンを身に着けたなら、
結果はおのずとついてくるでしょう。
それは誰の目にも明らかです。
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