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2024年9月26日木曜日

ポリエステルは暑い?

 さて、昔の時代と違って、日本の夏が暑く長くなりました。
特に9月以降の暑さは顕著です。
お彼岸を過ぎてもまだ最高気温が30度を超えています。
私が子供のころは、30度を超えると暑い、暑いと文句を言っていましたが、
今では30度でさえ涼しいと感じるほどです。

ところでポリエステルです。
暑い時期が長引くにつれ、
「ポリエステルは暑いか」という検索ワードを多く見るようになりました。

答えは、
暑いポリエステルもあれば暑くないポリエステルもある、です。

暑くないポリエステルとは、スポーツやアウトドアウエアに多く見られる、
特殊に製造されたポリエステルです。
通気性がよかったり、湿度がこもりにくい特徴を持っています。
そういったものは着ていても暑くはありません。

暑いのは、ごく一般的な単なるポリエステルです。
単なるポリエステル素材でできた衣服は着ると暑いです。
それは防寒のために着るのと一緒です。

ポリエステルの原材料は原油です。
薄い油を身体にまとわりつけていると考えればいいでしょう。
ストッキングも、冬に着るフリースも同じ材料で作られています。
真夏に、単なるポリエステルを身体にまとえば、
どれほど暑いか想像をするのは簡単です。

店舗を見ればわかるように、ポリエステル、アクリル、ナイロンといった、
原油を原材料とする化学繊維がふえてきました。
理由は、商品単価を安くするためです。
単なるポリエステルは安い素材なのです。

多くの人が求める「コスパ」は、安い原材料によって実現しています。
「高見え」といって、安いものを高く見せるのも同じです。
その安いものは、単なるポリエステルを使っています。
また通販など、ひどいものになると、素材の表記さえ見当たりません。
「コスパ」「高見え」「トレンド」の追求。
その代償は、暑い夏に着る暑い服、です。

サステナブルやリネアエコノミーの世界では、
化学繊維をなるべく買わないことが推奨されています。
理由は、二酸化炭素排出量の多さと、環境汚染です。
海洋プラスチックには、洗濯によって家庭から排出されたポリエステル素材も含まれます。
単なるポリエステルは、サステナブルでも、エコでもないのです。

しかしそうはいっても、完全にポリエステル素材を排除するのは難しいです。
スポーツやアウトドアウエアでは不可能といってもいいでしょう。
しかしそういう場合でも、なるべくリサイクルポリエステルや、
リサイカブルナイロンを選ぶようにしましょう。
また、ポリエステル素材を洗うときは、洗濯ネットに入れて洗うようにしてください。
海洋プラスチックの排出を防げます。

安い新品を追求すればするほど、ワードローブにはポリエステル、アクリル、ナイロンがあふれます。
解決策は2つです。
ひとつは、価格は高いけれども、自然素材のものを買うこと。
今でもウール、コットン、リネン、カシミアなど、自然素材のものはそれなりの価格で売られています。
お金を出せば手に入ります。

もう一つは、セカンドハンドを選ぶことです。
新品よりも安いものも多く、デザイン、生地、パターンと、質が高いものが多いのは、
今ではセカンドハンドです。
リサイクルショップもたくさんありますから、
買えないということはないでしょう。

「単なるポリエステル」を選ぶのをやめること、
それこそが、暑い秋を快適に過ごすためにできることです。


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