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2024年12月3日火曜日

競争はもう終わり

30年かけて日本がやってきたこと、
それは国民を貧しくすることでした。
現在、30歳以下の方は景気がよかったころの日本の想い出はないでしょう。
しかし、50代、60代と年齢が上がるにつれ、
豊かだったころの日本の記憶はまだ消えていないはずです。
記憶はなかなか消せませんから。

豊かな国になる前の日本は、
服にしても、靴にしても、まだまだ慎ましいものでした。
おめかしするのは特別なお出かけのときだけ。
普段は何年も着古したもので過ごし、
持っている服や靴、バッグの数も決して多くはありませんでした。

それが国が経済的に豊かになり、
国民の可処分所得もふえるにつれ、
服も、靴も、バッグも、そしてジュエリーの所有数もふえていき、
以前の慎ましい気分は吹き飛びました。

今、円の価値は1970年代と同じ。
アメリカやヨーロッパを旅すれば、
円の弱さ、そして物価の高さを痛感するでしょう。
そしてそれが今の日本の現実です。

それなのに、まだまだ多くの人が豊かだった時代の気分を引きずって、
あれやこれやと買っていた気分から抜けきれません。
そしてあの豊かな時代に始まった、
「いかにたくさん持っているか、いかに高いものを持っているか」競争へ
参加したままでいます。

けれども、一部のお金がある人をのぞいては、
ほとんどの日本で働く人はもうそれほどお金持ちではないのです。
外国旅行をして、なんでも高いと感じるのなら、
世界的に見れば豊かではないという証拠です。

いかにたくさん持っているか、
そしていかに高いものを持っているかを競う競争はもう終わり。
ごく一部、見せびらかしたい人だけが参加すればいいだけのこと。
そのほかの人は無理して参加する必要はありません。

持ち物競争をするのはやめましょう。
それは不毛な戦いです。
そんな競争に勝ったとしても、必ず上には上がいます。
勝者はいつでもほんの一握りだけ。

競争におりたなら、
何十万円もするバッグもジュエリーも要らないのです。
昔の女性たちのように、
少しの素敵なものを大事にいつも使ったので構わない。

手に入れられないものを欲望するならば、
そこには葛藤が生まれます。
その葛藤は、あなたの毎日の生活をむしばんでいくでしょう。
満たされない気持ちを長時間維持し続けるならば、
あなたを取り巻く明るい光は消えていきます。

その光こそ、人の持つ最高の魅力です。
葛藤を抱えたまま生きる人に、その光はありません。
競争に不参加を宣言すれば、それが手に入ります。
無駄な葛藤など、人生には要らないのです。

 

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