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2018年2月17日土曜日

今なぜチープシックが必要なのか(絶望バージョン)

2018年が始まって1カ月半、
バブル崩壊の兆しが見えてきました。
これからの時代、多くの人たちにチープシックが必要であると考えます。

ただし、これからも経済的に余裕があり、
インスタグラムにご自分のお買いになった、
すぐ見てハイブランドのものだとわかる
バッグや靴をあれやこれやアップしていらっしゃる皆さまには、
チープシックは必要ありませんので、
これ以降、読む必要はありませんから、お読みにならなくて結構です。

さて、多くの日本に住む女性には、これからますますチープシックが必要です。
OECDの2015年の統計によると、
日本の男女間の賃金格差は27.5パーセントと先進国最大レベル。
厚生労働省の2016年度の統計では、日本の働く女性の58パーセントは非正規雇用。
シングルマザーの半分は貧困層で、結婚しても3分の1は離婚します。

結婚して子供が生まれても、すべての子どもの数の保育園は用意されておらず、
保育園に入れず仕事を失えば、正規の職に再び就くことは非常に難しく、
その多くがいわゆる「103万円」以下の収入に甘んじます。

問題はそれだけではありません。
大学へ行く半数の学生には奨学金という名の借金があり、
卒業してから20年近く、毎月その借金の返済をしていかなくてはなりません。
総世帯数の35パーセントは貯蓄なしの世帯です。

「女性が普通に働いてもいつ貧困に陥るかわからない社会」、
残念ながらそれが今の日本です。

そんな日本にいながら、
海外のストリートスナップに見られる「セレブ」や「エディター」のように
服、靴、バッグにお金を使って、貯蓄もせずにいたら、
その先に待っているのは自己破産。
これはおどしでもなんでもなく、リアルな現実です。

考え方を変えないと、
落とされるのは私たちです。
誰かのお勧めを次から次へと買っていったら、
あっという間にお金はなくなります。

服を買っても、靴を買っても、バッグを買っても、
それによって人生がよくなるということはありません。
それは最低限必要だけれども、
人生を破壊するまで買うほどのものでは決してありません。

いつも新しいものを着ていなければいけない、
新品を買わなければいけない、
ハイブランドのロゴが入ったバッグや財布がなければいけない、
これらすべてのマインドセットを一度解体しないと、
私たちを待っているのは「この世の地獄」です。

考え方を変えましょう。
いつも新しいものを着てなければいけない、
新品を買わなければいけない、
ハイブランドのロゴが入ったバッグや財布がなければいけないという
この3点は、
おしゃれであることの絶対条件ではありません。

ありがたいことに、おしゃれをするためには違う方法があります。
それがチープシックです。

自由に好きなだけ買うだけのお金がない場合、
チープシックを実践しましょう。

(実践については「21世紀のチープシック」のラベルを御覧ください)

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2018年1月15日月曜日

新しいスタイリング スポーツ+アウトドア+モード

スポーツウエアとアウトドアウエアが日常着として認知されたことについては、
過去いろいろと書いてきました。
またここ数年の、スポーツウエアとモード、アウトドアウエアとモードという
組み合わせについても書きました。
今年(2018年)はこれがより進化として、
スポーツ+アウトドア+モードという新しいスタイリングが台頭してきます。
そしてその影響は、モードだけではなく、
ごく一般にも広がっていくでしょう。
なぜならこのスタイリングは手が届きやすいアイテムで作ることができ、
かつ新しいからです。

具体的にどのようなスタイリングかというと、
例えばモードのコートやジャケットに、
ナイロンのトラックパンツ、インナーにはフーディーやTシャツ、
バッグはアウトドアブランドのバッグパック、
靴はスポーツシューズ、またはアウトドアブランドのトレッキングシューズやサンダル
という具合です。

これをより洗練されて見せるポイントは、
ジャージやメリヤスなど、
Tシャツ以外の編み地の素材を少なめにして、
スポーツウエアやアウトドアウエアで使われるような、
ナイロン等の布帛を合わせることです。
ジャージ類を極力少なくすることで、
モードのアイテムとの相性はよくなり、
各段に洗練されて見えます。

またスポーツウエアやアウトドアウエアも、
昔からある、ごく普通にスポーツやアウトドアのアクティビティをするときに着るような、
本物を合わせるのも、このスタイリングのコツです。
スポーツウエアを真似てデザインしたトラックパンツやトラックジャケットよりも、
アディダスならアディダス、ナイキならナイキ、
プーマならプーマのトラックパンツやトラックジャケットのほうが、
スタイリッシュです。

もちろんすべての人がモードの服を着るわけではないので、
そうでない場合は、なるべく仕立てのいいジャケットやコートを合わせるといいでしょう。
またハイブランドなど、デザイン性が高いものでない場合は、
正統的なテイラードジャケットやテイラードカラ―のロングコート、
Pコート、ステンカラーのコートなどを合わせるのがお勧めです。
作りが端正なものとスポーツウエアやアウトドアウエアを合わせるのが
このスタイリングの肝なので、ここを崩さないほうがいいのです。

またよりスタイリッシュに見せるもう一つのポイントは、
色数を少なくすること。
もっともスタイリッシュかつモード風に見せるには、
なんといっても全身を1色でコーディネートすることです。
黒なら黒だけ、ネイビーならネイビーだけと、
色を統一します。
その場合、部分的にブランドロゴやラインが入っても構いません。
1色、もしくは2色以内に構成することにより、
スポーツウエアやアウトドアウエアが上品で洗練されたものに見えるようになります。
それはスポーツやアウトドアのアクティビティのストイックさの表現にもなり、
粋で格好いいのです。

このスポーツ+アウトドア+モードのスタイリングは、
ストリートスタイルからの影響です。
しかも今回のストリートスタイルは、ヒップホップやラップなど、
音楽からの影響のものです。

90年代、音楽からの影響と言えばグランジでした。
あのときは、グランジ、つまり薄汚いスタイルが主流でしたが、
今回は、そんな薄汚さとは無縁であり、
それを持ってくることはできません。
つまり、穴あきジーンズも、チェックシャツも、このスタイルには不要です。

黒人、もしくはミックスト・レイスの音楽による
今回のストリートスタイルに、だらしなさはありません。
その破綻のなさ、端正さが、そして研ぎ澄まされた感性が、
今回の新しいスタイリングの魅力です。

手に入りやすいアイテムで、
しかもそれは機能的で、動きやすく、
リアルな日常に沿っていて、かつスタイリッシュ。
これからおしゃれに敏感な人たちは、
このスタイルを選んでいくでしょう。

さて、揃えるのは簡単なこのスタイル。
自分に自信があり、
しっかりと地に足をつけた生活ができて、
アンチレイシストで、
積極的に行動している、そんな人は、明日からでも実践したらいかがでしょうか?
はっとするほど新鮮で、
見たことがないほどおしゃれで、
人の心に強く印象を残すことができること、請け合いです。

2018年1月10日水曜日

トレンドに影響されないことは可能か?

この冬、フランス人、アメリカ人、イタリア人が書いたおしゃれのための本で、まだ日本で出版されていないものについて3冊ほど読みました。
そのどれもに、
「トレンドなど無視するように!」というようなことが書いてありました。
この指針の前提は、「トレンドは無視することができる」、
つまり、トレンドの影響を受けないでも服を買うことができる、ということです。
果たしてそんなことは可能でしょうか?

例えば日本でトラッドと呼ばれるテイストの服は、トレンドの影響を受けにくいものの一つです。
「紺ブレ」と呼ばれる紺色のブレザーなど、そのいい例でしょう。
(余談ですが、ブレザーの語源のブレイズは、炎のように燃える赤色という意味なので、
紺色のブレザーというのは非常に矛盾した表現です)
そのほか、軍服をオリジナルとするトレンチコート、Pコートなども、
このトラッドを扱うブランドではいつも売られています。
では、これらのものは全くトレンドの影響を受けないのでしょうか?

例えばトラッドで有名なラルフ・ローレンがあります。
「ラルフの紺ブレ」と呼ばれるぐらい、
このブランドのブレザーは定番として有名です。
毎年、同じスタイルのものが販売されています。
ではこの「ラルフの紺ブレ」はトレンドに全く影響されていないでしょうか?
そんなことはありません。ちゃんと影響されています。
去年の紺ブレと今年の紺ブレでは、
肩幅、身幅、肩パッドの厚さ、ウエストの絞り、着丈など、
すべて違います。
それは1ミリ単位で調整されています。
10年前に1度作った紺ブレを、全く手直しもせず毎年同じものを作り続けているなどということはありません。
必ずやどこか変えていきます。
なぜか。
それはトレンドが変化したからです。
タイトフィットのものが格好良く見えるとき、
ワイドフィットのものが格好良く見えるとき、
トレンドは大体この2つのシルエットを繰り返していきます。
テイラードカラ―、金色のボタンなど、
デザインのディテールは変えなくても、
シルエットはそのトレンドに沿ったものに必ず変えていきます。
流行とはシルエットです。
それを無視することは、ファッションを扱うブランドにはできません。
もし無視し続けたなら、
もうとっくにファッションブランドとして撤退していたことでしょう。

もしトレンドに全く影響されない定番なるものがあるとしたら、
1度そのパターンを作って、いつも同じものを作り続けていればいいだけです。
もし人が絶対にトレンドに影響されたくないのなら、
買うときに同じものを何着も買って、
だめになったら、またそれを着ればいいのです。
しかし10年前に買ったトレンチコートと今のトレンチコートでは、
シルエットが違います。
同じバーバリーの定番のトレンチコートでさえ、
今素敵に見えるシルエットは10年前のものとは違います。

毎年何かを買う限り、
トレンドから逃れることはできません。
トレンドに影響されない買い物をすることは、
今の私たちにはできません。

トレンドに影響されなかったのはすべての服を自分で作っていたターシャ・テューダーか、
自分たちのスタイルを守り続けるシェーカー教徒、
もしくは洋服を着ない民族です。
(それでもその民族のあいだでは彼らなりの流行があるかもしれません)

どんなに定番を買ったとしても、
トレンドには影響されます。
それは永遠ではありません。
多くの人が言う今の「定番」は、
10年後に見たら、
定番でも何でもない可能性もあります。

ではどうしたらいいでしょうか。
たくさん所持しないことです。
定番のものでもシルエットが変化していきますので、
定番だからといって、何枚も所持しないこと。
くたびれたころにちょうど新しいものを買えるぐらいな、
そんな状態を維持できるぐらいの枚数にワードローブ全体をおさえておけば、
適度にトレンドを取り入れつつ、
かといって、トレンドに振り回されるということもありません。

自分がぶれなければ、
トレンドなど怖くもありません。
自分というものがあるならば、
トレンドさえ超えることができます。
トレンドを超越したおしゃれな人。
目指すのは、そんな境地ではないでしょうか。

2017年12月13日水曜日

デザイン性の高い服の選び方、買い方

シンプルでベーシックなものがいいという意見に異論はありませんが、
もし自分が本当に気に入ったのならば、
デザイン性の高い服を着るのは、その人のパーソナリティを表現できる、
他の人とは違うオリジナリティがあるという意味でも大変いいものです。
実際、多くのデザイン性の高い服がこの世には存在しますし、
買うことができます。
なぜならそれには存在する意義があるからです。

しかし、今までデザイン性が高い服をあまり着たことがない人は、
それをどうやって選んだらいいのかよくわからないでしょう。
その方法について書きます。

まず、どんなデザイナーの服が好きなのか、着てみたいのか、
決めましょう。
何が好きなのか、どんな趣味嗜好なのかは、その人自身でないとわかりません。
雑誌で見たスタイル、コレクションのビデオを見ていいと思ったもの、
なんでもいいのでまずはどんなものが着てみたいのか、
実際に買いたいのか決めてください。

さて、では例として、あるブランドものが1点は買ってみたいなと決めました。
サンローランならサンローラン、グッチならグッチ、なんでもいいです。
ほとんどの人はいきなり全身コーディネートを買える状況にはないと思いますから、
次に、自分の必要なアイテム、そして色を決めましょう。
例えばセーターが欲しい、そして色はネイビーというふうに決めます。
ここで何も決めないでいきなりショップへ行っても、
何を選んだらいいかわからなくなりますから、
自分が欲しいものを決めておきます。

次に実際に試着をしにショップへ行きます。
通販でも販売していますが、今まで買ったこともない、
しかもデザイン性の高いブランドのものを、初心者が買うのは無謀です。
返品可能なものではない限り、それはやめておきましょう。
扱っているのは、そのブランドの店舗か、もしくはセレクトショップやデパートの場合もあります。

ショップに入ったら、自分が探しているものを販売員の方に伝えます。
販売員の方がいらっしゃらない場合は、自分で探します。
セーターを探しているのなら、セーターが並ぶ棚へ行きます。
そして色、サイズともぴったりのものがあったら試着します。

ここで気をつけてほしいのは、
デザイン性が高いものは、ハンガーにつる下がった状態では、
着た状態がどんなものかはわからない、ということです。
ですから、ハンガーにかかった状態で、これはいい、悪いと判断しないでください。
着てみないと絶対にわかりません。
とにかく試着です。

デザイン性の高いもの、特にハイブランドのものなどは、
いわゆるドメスティックブランドと言われる日本のブランドのものとはサイズ感が違います。
その多くは、どこかが非常に細かったり、長かったりします。
そのサイズ感はブランドによってさまざまです。
それはそのブランドの目指す理想像であるので、
その理想像をどんな体型にするかによって、サイズは全く違います。
そのサイズ感についての情報は、どこにも書いてありません。
うちのブランドはウエストが細いです、袖丈が長いですなどというような
注意書きは、通常、どこにも記載されていません。
ですから、サイズについても試着しないことにはわかりません。
また、こちらのブランドの36と、あちらのブランドの36、
同じではありません。
私はいつも36よ、などと言っても、細いものは細いですし、
大きいものは大きいです。
サイズは目安でしかありませんから、とにかく試着してみましょう。
デザイン性が高ければ高いほど、試着が必要になります。

試着するときも、デザインによっては自分ではどうやって着たらいいのかよくわからないものもあります。
極端に言えば、どちらが前で後ろなのかわからないスカート、などというのものもありますから、
わからなかったら販売員の方に着方を必ず聞きましょう。

さて試着してみたらサイズのチェックです。
前述したように、サイズ番号は目安にしかなりませんので、
自分の身体に合っているかどうか、チェックしてください。

では、自分の探していたネイビーのセーターがありました、
サイズもぴったりでした。その次にまだ確認することがあります。

これはできれば、自分がネイビーのセーターを何に合わせるのか決めているのなら、
それを着て、買いに行くといいでしょう。
もし合わせるつもりのものをそのときに着ていないのなら、
そのセーターが自分のパンツ、またはスカートに合うかどうか、
イメージしてみましょう。
たぶんここが一番難しいポイントで、イメージすることができない人も多いと思います。
イメージするのが苦手な場合は、最初から合わせるつもりのものを着ていくといいでしょう。

ではここから、もう少し簡単に取り入れる方法です。
デザイン性の高いものは、ほかのものと合わせるのが難しいものが多いです。
その難しさから敬遠している人も多いと思います。
その場合は、ほかのアイテムとほとんど合わせる必要のないワンピースを買ってみるといいでしょう。
特に夏のワンピースはそれ1枚だけで着て、出かけられますから、
コーディネートが苦手な人はワンピース、
もしくはスーツやセットアップを選ぶといいと思います。
例えばデザイン性の高いブラウスに対して、
同素材のスカートやパンツもあるのなら、それも併せて買えば、
コーディネートについて、それほど悩む必要はありません。

またもう既に持っている自分のアイテムと合わせることを考えた場合、
自分が集めている色のものを買うといいでしょう。
色さえ合わせておけば、コーディネートはぐっと簡単になります。

次です。
例えばどこかのブランドのデザイン性の高いシャツを1枚買いました。
それがとても気に入りました。
そうしたら、次に何かを買うときも、また同じブランドで買いましょう。
やはり同じブランドのものはコーディネートもしやすく、おしゃれに見えます。
いろいろなブランドをミックスするのがはやっている現在ですが、
それでも余り考えないで着てもおしゃれに見えるのは、
同じブランドのアイテム同士です。
コーディネートが苦手な人は特に、同じブランドでアイテムを集めていくといいでしょう。

もし世界全体に、いわゆる洋服におけるシンプルでベーシックな服が存在するだけでいいのなら、
多くのデザイナーは失業しますし、ファッション学校も必要ありません。
それに、同じシンプルでベーシックな服をすべての人が着なければならないと言ったら、
それは表現の自由のない独裁国家です。
幸いにも、少なくともこれを読んでいる方々は、同じ服を着ることを強制されるような、
独裁国家の国民ではありません。

そうしてもっと言うのなら、
あなたのパーソナリティはほかの誰かのパーソナリティとは違います。
それを表現する方法の1つとして、
多くのデザイナーたちが提供する、デザイン性の高い服は非常に有効です。
これを使わない手はありません。

もしデザイナーの渾身の1枚を着てみたいと思うのなら、
躊躇することなく、試着してみてください。
服で感動するとはどういうことなのか、わかります。
それは新しい経験です。
デザインとは、世界の新しい見方なのだと、
そして自分を再発見することなのだということがわかるでしょう。

2017年11月30日木曜日

古着の選び方、買い方

最近、私の周囲でもにわかに古着がブームです。
理由はいろいろ考えられますが、
推察するに、最近の似たようなデザインで、かつ決して高いとは言えないクオリティの服の氾濫と、それらに満足できない人たちの要望、そして古着を扱うショップの増加、ネットを通した古着の売買が可能になったことなどが考えられると思います。

しかし多くの人が漏らすのが、
古着選びの難しさです。
古着をどうやって選べばいいのか、そして買えばいいのか、
考えてみたいと思います。

かくいう私も、昔からヨーロッパへ行った折には、必ず古着屋をのぞいていました。
単純に古いものをいろいろ見るのが楽しいからではあるのですが、
いつも見ているだけで、ヨーロッパで古着を買ったことは一度もありませんでした。
理由は、選ぶのも買うのも難しいからです。
では、そんな選ぶのも買うのも難しい古着と向き合うにはどうしたらよいでしょうか。

まず古着を選ぶ際にはよいものを選ぶ鑑識眼と
衣服の素材、構造、ブランドなどに関する知識が必要です。
何の知識もなく古着を見ても、何がいいものなのか、自分で見分けることは困難でしょう。
最低限、素材の知識は持っておく必要があります。
大まかに言えば、それが自然由来の素材なのか、化学繊維なのかということです。
古着の場合、タグがない場合もありますので、
さわってみて、大体それが自然由来の素材なのか、化学繊維なのかがわかればベストです。

また、膨大な中から自分が探す1枚を見つけるためには、
自分はどんなものを探しているのか、
どういう基準をクリアしたら買うのかというポイントをはっきりさせておかないと
何も決断することができません。
自分が具体的にそのときに何を探しているのか、
例えばトレンチコートを探しているのか、アランニットを探しているのか、
色はネイビーなのかベージュなのかなど、
そしてどのレベル、つまり傷み具合はどれぐらいまでで、
価格は幾らまでなら買うということを細かに事前に決めておかないと、
結局は見ているだけで選べないことになります。
そうならないためにも、古着は目的を持って探したほうがよいでしょう。
ほとんどの古着を扱うショップでは膨大な量の衣服を販売していますから、
ただ漫然と一点ずつ見ていったのでは、いつまでたっても望みのものを見つけることができません。
ただ見て楽しむために古着屋へ行くのでなければ、
事前に自分が探しているもの、欲しいものの条件を決めておくとよいでしょう。

次はどこの古着屋で買うかについてです。
古着屋にも種類がいろいろあり、ヨーロッパのものを扱うところ、アメリカのものを扱うところ、日本の古着など地域ごとの違い、
また、60年代から70年代といったヴィンテージのものを扱うところと、
ごく直近の2000年代以降のものを扱うところなどさまざまです。
これも事前にショップの情報を調べて、自分が探しているものがありそうなところへ行くとよいでしょう。
傾向としては、特定のブランドのヴィンテージを扱うところは状態もよく、価格も高めです。
日本の古着については、80年代、90年代の日本の古着はクオリティが高い傾向にあります。理由はその時代の日本で売られていた服そのもののクオリティが今よりずっと高かったからです。ですから、これら80年代、90年代の日本の古着を扱うショップも価格は高めの傾向にあるでしょう。
一方、同じ日本でも2000年代以降を扱うショップの古着は、総じて全体のクオリティは低く、安い傾向にあります。そのようなショップはショッピングセンターなど、気軽に行けるところにありますが、あの中から掘り出し物を見つけるのは、かなり難しいでしょう。
例えば最初からヴィンテージのバーバリーのコートが欲しいのなら、
ネットで検索して、それらを扱っている店舗へ行くとよいでしょう。
そういったものはどこでも扱っているわけではありませんので、事前のリサーチが必要です。

鑑識眼はさておき、自分である程度の知識を身につけておく、
どういうものが欲しいのか決めておく、
行くショップを限定する、そこまでできたら実際にショップへ行きます。

ショップへ行ったら、まずは探している形のものだけを見ていきましょう。
ピーコートを探しているのなら、ピーコートだけをチェックします。
古着屋は、一般のショップと違って、扱う衣服の色も形もばらばらで、
一点一点すべて違うわけですから、 探しているものを見ていくのがベストです。
あまりほかのものに目移りしていると、集中力も途切れ、
何が欲しかったのか、どういうものがよいのかだんだん自分でもわからなくなりますから、
膨大な点数が並んでいたとしても、目当てのものだけをさっとチェックして、
買えそうなものがあれば即座に試着しましょう。
そして試着して少しでも納得いかない点があるなら、
次のショップへ行きましょう。
また、買うと決めてショップへ行ったとしても、必ずしも望みのものがあるとは限りません。気に入ったものがないのなら無理して買うのはやめましょう。
そこでぴんとくるかどうかは、自分の感覚だけが頼りとなります。
古着の場合、ほんの少しでも違和感があると、その後、着なくなる可能性が新品のものより高いです。
やはりそれは古着なので、よほど気に入ったものでなければ、外へ着ていくことはないでしょう。
ちょっとでも気に入らない、何か変だと感じたら、買わないに限ります。

古着を選ぶのも訓練です。
初めて行ったショップで、望みどおりの自分にぴったりの一着が見つかる確率は低いでしょう。
何となく違うと感じながらも、
あきらめず、根気良く見ていけば、
そのうち目が慣れてきて、膨大な中から必要な1枚が見つかるようになります。
それは新しい知覚の開発です。
今まで使っていなかった能力の一部です。
訓練して初めて使えるようになるものですので、
興味があるのでしたら、見る訓練を続けてください。

古着選びは、いわばテストみたいなものです。
今までどれだけ自分で鑑識眼を養ってきたか、
どれだけブランドや素材についての知識があるかが試されます。
またもう一方で、ぶれない自分があるのかどうかもそこでは要求されます。
誰かがお勧めしてくれるわけでも、
誰かがお墨付きを与えてくれるわけでもありません。
必要なのは、自分自身への信頼です。
信頼しないことには、何も選ぶことができません。

自分を信じて今まで育ててきた人は、
ぜひ古着屋をのぞいてみましょう。
あなたに選ばれるための素敵な一着が、
あなたとの出会いを待っているはずです。

2017年11月10日金曜日

シックとエレガント

文化出版局から出ている『ファッション辞典』によると、
シックとは、
「<粋、伊達、瀟洒な風>といった意味。受ける感じが上品であか抜けている、洗練されて神経が行きとどいている装いをいう。」とあります。
一方、エレガントとは、
「服装や作法などが上品、優雅、端麗なこと。男女ともに用いられるが、女性に対しては最高のほめ言葉と考えられている。誇張のない、ごく自然な柔らかい優しさがかもし出す、洗練された落ち着きのある女らしさをいう。」とあります。

どちらも上品で洗練されたという意味があり、実際には、
シックとエレガントはほぼ同義で使われます。

シックが粋であるならば、その反対は野暮なわけですが、
実際にシックとエレガントと対になって使われるのはカジュアルでしょう。

同じ『ファッション辞典』によると、
カジュアルは、
「<偶然の、無頓着な>などの意であるが、衣服の場合、略式の、ふだん着の意味になる。着やすくくつろいだ雰囲気、スポーティな要素の多いものをさし、気軽な感じの日常着を総称してカジュアル・ウエアという。」 とあります。

では、洋服の世界においてシックとエレガントとはどのような様子を指すのでしょうか。
多くの場合、それは全体のコーディネートが3色以内で、
スーツ、または同素材によるセットアップ、そしてワンピースなど、
素材や色が全身で統一されている様子を指します。

日本で言うところのこれは「きちんとしている」に近いものですが、
それ以上の意味がこのシックとエレガントにあります。
それはいわゆる「レディ」、つまり貴婦人や淑女のスタイルである、
ということです。

私たちがシックでエレガントなスタイルをすることによって得られるのは、
貴婦人や淑女のような扱いです。
つまり、その衣服が示すところのレディの性質によって、
敬われ、丁寧に、大事に扱われるということです。

もちろんどんな衣服を着ていても、
人としてこのような扱いを受けることもあります。
ですから、シック、エレガントな装いでないと敬われない、大事に扱われない、
というわけではありません。
しかし、素姓のわからない人に対してのふるまいは、
しばしばその装いにより決定されます。
どんなに高貴な者でも、だらしない格好をしていればぞんざいに扱われる可能性があり、
逆に、いやしい身分の者でも、シックとエレガントに装えば、
貴夫人や淑女のように扱われるということです。
オードリー・ヘップバーン主演の「マイ・フェア・レディ」はまさにそのことを扱った映画であり、
レディとして扱われるためにしゃべる言葉と着る衣服を変えれば、
下町娘も淑女のように扱われるようになると示してみせたのでした。

さて、レディのように扱われるということは、いったいどういうことでしょうか。
レディでない存在、つまり野暮で粗野な存在とは子供であり、若者です。
騒がしい子供や、場をわきまえない若者はレディのようには扱われません。
ですから、子供や若者が「レディのようだ」と言われれば、
それは褒め言葉であり、大人として認められたということになります。

大人になるとは、レディとして扱われるようになるということであり、
そのための装いがシックとエレガントです。

貴族も侯爵夫人もいない日本で、レディとして扱われるとは、
例えばホテルのラウンジでいい席に通されたり、
高級なレストランで気分のよいサービスを受けたり、
ショップで丁寧に扱われるなど、そんなところでしょうか。
そんなふうに扱われるのは大人の特権であり、
それはカジュアルな装いだけをしていたのでは経験できないことです。

確かにどこの場へカジュアルなスタイルで行っても問題はありません。
けれども、それであなたがレディのように扱われるかといったら、
決してそんなことはありません。
ホテルのラウンジに、ジーンズにスニーカー姿の女性と、ワンピースに革靴の女性が2人並んでいたとしたら、
丁寧に扱われるのは、いつだってワンピースと革靴の女性です。
そのジーンズが3万円で、隣の女性のワンピースが2万円だとしても、
丁寧に扱われるのはワンピースの女性なのです。

洋服における成熟とは、
レディとして扱われたいと望むとき、シックとエレガントに装える能力を意味します。
それは大人になればなるほど要求され、
それができないのなら、レディとしては扱われません。
どんな場にもカジュアルなスタイルで登場するならば、
その人はいつでも子供のように、若者のようにぞんざいに扱われます。

おしゃれについて何かが足りない、何か違うような気がすると感じたら、
服装によって自分がどのような扱いを受けているのか、チェックしてみましょう。
あなたは自分の服装によって、
それを見る者を動かしたいはずです。
それはふるまいなのか、言葉なのか、気持ちなのか、どれかはわかりません。
足りないと思う、何かが違うというそれは、
その望む結果が得られないことにより起こります。

大人であるならば、レディとして扱われるように、
自分にとってのシックとエレガントなスタイルについて考えてみましょう。
レディとして扱われないのならば、
あなたはシックでも、エレガントでもないのです。
本当にそれでもいいのか、
いつまでも若者のように扱われてもいいのか、
現状維持なのか、このままでは嫌なので変えるのか、
自分で決めましょう。

2017年11月9日木曜日

2017年12月9日(土)グループファッションレッスン(基礎)のお知らせ

2017年12月9日(土)に、グループファッションレッスン(基礎)を開催いたします。
終了いたしました。

内容は、「わたし史上最高のおしゃれになる!」にあるメソッドについてのものを
グループレッスン用に再編集したものです。
でき上がったマップと、ワードローブ分類表について私がチェック、アドバイスします。

ワードローブ構築がわからない方、
被服費を減らしたい方、
おしゃれに見える方法を知りたい方、
「服はたくさんある、だけれども、着るものがない」方など、
ごく普通の人のための講座内容ですので、
お気軽にご参加くださいませ。

日時:2017年12月9日(土)
場所:神奈川県藤沢市、小田急江ノ島線湘南台駅付近
時間:10:30~16:30 
定員:10名
対象:どなたでも
参加費用:2万円(当日現金払い) 
主催 小林
注意事項:主要交通機関が止まるような天候等の場合、中止にいたします。
※当日、ご自分のワードローブの分類表を作ります。そのためご自分のもう既に持っていて、これからも着る予定のアイテムを撮影した写真が必要となります。

お申し込みは
fateshowthyforce@gmail.com
まで、
メールのタイトル「12月9日ファッション」

・お名前(本名)
・年齢(20歳代、30歳代、40歳代、50歳代など)
・ファッション誌で買うとしたら何かその雑誌名(ない場合は結構です) 
をご記入の上、お申し込みください。

定員に達しましたら締め切ります。