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2018年8月25日土曜日

おしゃれが人生で最も重要ではない10の理由

女たるものおしゃれであるべし、
おしゃれじゃなきゃ女じゃない、
おしゃれって本当に大事よね、などなど、
世間一般ではおしゃれがどれだけ大切であり重要かを説く言説が流布しています。
しかし、どんなにたくさんの有名な人、力を持った人、
そしておしゃれな人がそう言おうとも、
私はいつも
「おしゃれは人生で最も重要ではない、ついてはおしゃれでなくても構わない」
と考えますし、言っています。

もちろん私も最初から、つまり10代のころからそんなふうに考えたわけではありません。
ファッション雑誌を読み、それなりに影響され、ファッションの専門学校へ行き、おしゃれ好きの友達に囲まれ、そしてアパレル企業で働き、今まで見たことも聞いたこともないような驚くべき、ファッション業界の人、おしゃれな人たちに出会った経験の中で、
おしゃれ至上主義者は非常に危険であるということを知り、
「おしゃれは人生で最も重要なものではない」という確信に至りました。

では、私がおしゃれ至上主義者から学んだ、
おしゃれが人生で最も重要ではない10の理由を挙げましょう。

1 おしゃれにはお金をかけているのに食生活は貧しい。
パリコレクションに参加し、日本のファッションを牽引したあのブランドのスタッフ(ショップのスタッフではなく作るスタッフ)が、青山にあるその会社のすぐ近くの某大学の学食でお昼を食べていたという事実。着ているものと学食の食べものとのギャップにはめまいがする思いだし、学生の皆さんもさぞかし驚かれたことと思うが、きっと見過ごしてくれたのでしょう。

2 おしゃれにはお金をかけているのに住環境が貧しい。
洋服好き、バッグ好きなど、ファッション関連には出費をするくせに、自分の住まいにはお金をかけない。その結果、決して人を呼ばない。また、服を大量に持ってはいるがしまうところがないため、服1枚1枚にメンテナンスが行きわたらずぐちゃぐちゃに収納されている。

3 やけに高いバッグや財布を持っているのに決しておごらない。
20万以上もするようなバッグをいつもとっかえひっかえ持っ歩いていて、さもお金持ち風に見せているくせに、決してひとにおごらないどころか、手ぶらで誰かのうちにやってきたりする人を見るにつけ、「さもしい」とはこういうとき使うのだなと思う。

4 服、靴、バッグにはお金をかけるのに、食器は100円ショップのものを使う。
おうちに呼んでくれたのはいいけれども、食器が変だなと思ったら、100円ショップで買ったものや、なぜか飛行機の機内食のカトラリーを使っていた。そんなに高いバッグは買うのに、毎日食べるときだけではなく、おもてなしにも安い食器を使うという、謎の感情バランス。

5 おしゃれに見せるため通販で買って保留しているものを自分のもののように見せてから返品する。
本当にそういう人がいるんだという驚き。心が貧しいとしか言えないし、その結果、何が得られるのか不明。

6 高いバッグを買って持っていたり、服もたくさん持っているのに、他人に対して値切ってきたり、コスパを要求する。
自分はそれを買うだけのお金があるように誇示しながらも、他人の仕事を値切ったり、「高い」と言う。そのくせ自分が値切られると怒る。

7 おしゃれだけれども、3~4回着ただけで捨てる。
例えば破れたとか、着られなくなったなどの理由がないのに、安かったから、もう何回かインスタにアップしただとかの理由をつけて、3、4回着ただけで服を捨てるという、世界のエコロジーの潮流に真っ向対決する姿勢。

8 おしゃれだけれども、他人を見た目で判断する。
あの人はおしゃれだからとか、おしゃれではないなど、着るもの、持ちもので他人を判断するため、公正さに著しく欠くのみならず、多くの点を見落としている。

9 おしゃれだけれども、上の者にはこびへつらい、下の者はぞんざいに扱う。
上司にはこびへつらい、声のトーンも高く明るいのに、下の者は呼び捨て、ぞんざいに扱い、時には理不尽な要求をする、コレクションピースで上から下までかためた私が「ギャルソンを着た悪魔」と呼ぶチーフデザイナー。平社員なのに昼間から出勤。そういえば、最初にいたブランドのデザイナーも昼間から出勤して、夜だらだら残っていた。2人とも現在、所在不明。デザイナーで検索しても出てこない。

10 おしゃれだけれども、人権を無視する。
確かに上から下までいいものを着ているし、高いバッグも持っているし、いい靴もはいている。おしゃれだと思う。だけれども、人権を無視するのなら、そんなおしゃれはいらない。残業代を払わないとか、食事をさせないとか、不当に扱うなど、ファッション業界では余りに多い。(※)

ざっと挙げるとこんな感じでしょうか。
主に衣食住の著しいアンバランス、そして公正さがないこと、人権を無視することが、それがたとえおしゃれであったとしても全く意味がないと私が考える理由です。

おしゃれはしょせん趣味です。
それは音楽や美術、グルメ、ゲームをたしなむのと同列です。
それを仕事にして、一生をかける人以外にとって、それは趣味の域を出ません。
生き方なんかじゃありません。
ゲームがうまくなくてもいい人、素敵な人がたくさんいますし、
ゲームが下手だからといって、蔑まれる必要性などありませんし、
ゲームがうまいからといって、人権を無視していいわけがありません。
おしゃれもそれと同じです。

おしゃれは楽しいものの1つではあるけれども、すべてではありません。
人生に大切なものはもっとたくさんあります。
服装という目に見えるものだけで世界はできているのではありません。
それを理解した上でおしゃれを楽しみましょう。
おしゃれだけれども心の貧しい人、さもしい人にならないように気をつけましょう。

※そういう意味では私がブンカにいた時代、アルバイトしていたアトリエサブさんはまともでした。アルバイト代も時給1000円できっちり払ってくれたし、コレクション前の1週間ぐらいは晩御飯も出てきたし、親切に教えてくれたスタッフもいました。アトリエサブさん、どうもありがとう!


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2018年8月19日日曜日

2018年9月1日 ファッションレッスン初級(募集終了)

※定員に達しました。ありがとうございました。

次回は12月28日(金)です。

募集開始は1カ月前になります。

 

ファッションの基礎を習って、

効率的なワードローブ構築方法を習得し、

着るものに悩まない毎日を手に入れて、

今から来る時代に向けて準備しましょう! 

 

ファッションレッスン初級は、
『わたし史上最高のおしゃれになる!』にあるメソッドについてのものを
グループレッスン用に再編集したものです。
でき上がったマップと、ワードローブ分類表について私がチェック、アドバイスします。

ワードローブ構築がわからない方、
被服費を減らしたい方、
おしゃれに見える方法を知りたい方、
服の枚数を減らしたい方、
「服はたくさんある、だけれども、着るものがない」方など、
ごく普通の人のための講座内容ですので、
お気軽にご参加くださいませ。


※ファッションレッスン中級を受けた方たちに聞いた
初級を受けた後の変化です(8月4日)
・全体の枚数が減った(40~60枚くらい)
・着ていない服がなくなった
・買うものが決まっているのでやたらと服を買わなくなった
・「どこで服を買うのですか?」と聞かれる
・被服費が可処分所得の1割以下になっていた
等がありました。

※ファッションレッスン中級は、ファッションレッスン初級を受けた方が受講できます。

日時:2018年9月1日(土)
場所:神奈川県藤沢市、小田急江ノ島線長後駅付近
時間:11:30~16:30 
定員:8名(満席)
対象:どなたでも
参加費用:2万円(当日現金払い) 
主催 小林
注意事項:主要交通機関が止まるような天候等の場合、中止にいたします。
※当日、ご自分のワードローブの分類表を作ります。そのためご自分のもう既に持っていて、これからも着る予定のアイテムを撮影した写真が必要となります。

お申し込みは
fateshowthyforce@gmail.com
まで、
メールのタイトル「9月1日初級」とし、
・お名前(本名)
・年齢(20歳代、30歳代、40歳代、50歳代など)
・ファッション誌で買うとしたら何かその雑誌名(ない場合は結構です) 
をご記入の上、お申し込みください。

定員に達しましたら締め切ります。

2018年8月12日日曜日

ポリエステル繊維はなぜ暑いのか

多くの人が、ポリエステルを着ると暑いかどうか知りたいようです。
そこで、化学専攻の人に聞いてみました。
答えは以下のとおりです。

ポリエステル繊維がなぜ暑いのか
ポリエステル繊維は石油由来の原料から作られ、断面がきれいな円形 ポリエステル糸から作られ ています。
石油は水とは混ざりにくいことからわかるように、ポリエステルの原料の多くは水とは混ざりにくい特性を持ち、水と混ざりやすい原料も使われていますが水と混ざりやすい部分はポリエステルを合成するときに反応に使ってしまうので、結局、水とは仲が悪い構造になっています。
このような水とは仲が悪い糸を、きれいな丸い円がきっちりくっつくように織って布にしていくので、空気が通り隙間がなくなり通気性が悪くなります。
水と仲が悪く、かつ空気が通り抜けないので、汗や熱気が体の表面と衣類の間に留まってしまうため、ポリエステル繊維で作られた洋服は暑い、という結果になります。
機能性繊維とは、これらの欠点を企業が改善し、独自開発した繊維となります。
それらは特別なポリエステル繊維であり、通気性、透湿性とも改善されていますが、
特にそのような表記のないポリエステル繊維の場合は、そのような特性には劣るため、
暑いという結論になります。

以上です。
参考にしてください。

なお、化学繊維の詳しい説明、取扱については、
日本化学繊維協会のHPを参考にしてください。
 https://www.jcfa.gr.jp/about_kasen/knowledge/ebook/index.html
「化学せんい」という冊子をダウンロードできます。


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2018年7月28日土曜日

おしゃれの仕上げには何を?

例えば、評判高いおいしいイタリアンレストランの、
ごくシンプルなアサリのパスタには、
小さく渦を巻くパスタの丘のてっぺんに刻んだイタリアンパセリがトッピングされています。
もしこの刻んだイタリアンパセリがなかったら、
おいしいけれども、決め手を欠いた、特に印象のない一皿になっていたでしょう。

また例えば、これもまた、1度食べたら忘れられないような、
パリの有名なパティシエのもとで修業したパティシエ―ルが作るガトーショコラも、
ほんの少し振りかけられた黄緑色のピスタチオのかけら、
もしくはフリーズドライの真っ赤なラズベリーの粒がなかったら、
それは平凡な1日のための、凡庸なおやつにすぎないでしょう。

では、おしゃれの仕上げには何を振りかけたらいいでしょうか?
忘れられないぐらいに引きつけられるような、
そして、どうしたらそうなれるかどうしても知りたくなるような、
そんなルックにするためには、何が必要でしょうか?

今これを読んでいる皆さんがご存知かどうかはわかりませんが、
私は個人向けに、ワードローブ構築の仕方を教えるファッションレッスンというものを長年、実施してきました(今は個人向けにはやっていません)。
教えて何年目かすると、奇妙なことが起き始めました。
いらっしゃる方の半分ぐらいでしょうか。
なぜか私のところへ来て、私ではないどこかほかのファッション関連でアドバイスされたことや、
もしくは誰かからお勧めされたことについての不平不満をおっしゃるのです。
カラー診断でこの色が似合うと言われたけれども着たくない。
骨格診断でこの服がいいと言われたけれども嫌だ。
あなたにはこのブランドがいいと言われたけれども嫌いだ。
これがおしゃれだと言われて買ったけれども、
誰もおしゃれと言ってくれないし好きではない、などなど。
基本的に私のスタンスは「着たいものを着ればいい」なので、
これらすべての「どうしたらいいか?」という問いに対する
答えは「着たくないなら着る必要はない。着たいものを着ればいい」だけでした。

それはきっとお似合いの色と形なのだと思います。
そして、誰かはそれを今はやりのおしゃれであると宣言したのだと思います。

けれども、服というものは着て初めて成立するのです。
その人と、その服と、一緒になって一つのルックを作り上げます。
そのときに、その人が嫌だ、嫌いだ、本当は着たくないと言い、
そればかりではなく、その気分のまま着たのでは、
それではおしゃれに見えないのです。
あなたが鏡にうつる自分を見て、ポジティブな感情を抱くことができず、
ネガティブな感情を持つのなら、
その嫌だという気持ちは、
あたかも振りかけたものすべてをまずいものに変える地獄の料理の調味料のように、
すべてを台無しにしてくれるのです。

気に入らないのに着ている、
嫌だと思いながら着ている、
納得がいかないのに着ている、
そのときに、その気持ちは最後の仕上げとなって、
あなたのその服の上に振りかかります。
あなたはその嫌な気持ちの見えないベールをまといます。
結果、そのルックはよくて平凡なもの、
悪くすれば、何かしら「嫌な」ものに見えてしまいます。
なぜならあなたがそれを見る観察者へと伝えたのは、
その色が似合うであるとか、形が合うであるとかいうことではなく、
気に入らない、
嫌だという気持ちだからです。
気は、物よりも複雑で多彩な印象を強く人に伝えます。
あなたのその嫌だという気持ちは、
何よりも強く観察者へと訴えます。

好き、楽しい、嬉しいという気持ちは、
おしゃれの仕上げの最高のトッピングです。
全体が引き締まります。
それ以外の部分が引き立ちます。
もしその好き、楽しい、嬉しいという気持ちがなかったのなら、
それは味気ないもの、つまり特別おしゃれなものには見えなくなってしまうでしょう。

見えないからといって、
気持ちをあなどらないように。
それはそこにあります。
そして、それは伝わります。
あなたにも、
そして他人へも。
強く、ずっと、残っていきます。


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2018年7月18日水曜日

猛暑対策とおしゃれ2018

前回、猛暑対策について書いたのは2014年でした。
2018年の今年、猛暑はさらに悪化。
7月半ばから最高気温が35度以上という、今まで体験したことのない日々が続いています。
今まで体験したことがないのですから、私たちも考え方を改めなければなりません。
猛暑対策とおしゃれ2018年バージョンとして、
前回書いたことのほかにいくつか付け足したいと思います。

猛暑の夏は健康第一に考えましょう。
おしゃれは二の次です。健康あってのおしゃれです。
病気中や入院生活でのおしゃれは限られています。
まずは暑さで具合が悪くなるのを防ぎましょう。
また、そのためにちょっとぐらい変な格好をしていたり、
誰かから何か言われても気にしないようにしましょう。
なぜなら、その何か言ったその人は、
あなたが具合が悪くなって倒れたとしても、決して責任をとってはくれないからです。

次に、これも再三書いていることですが、
猛暑をしのぐためにハイテク素材を使用した衣料を活用しましょう。
アウトドアやスポーツウエアのショップには冷感、透湿、速乾といった機能のあるハイテク素材をしたアイテムがたくさん売られています。
アウトドアやスポーツウエアのデザイン性は年々高まっています。
また、モードの世界でもストリートウエアの台頭とともに、
アウトドアやスポーツウエアのテイストをそのまま取り入れるのはごく当たり前です。
アウトドアやスポーツウエアを扱うショップをのぞいてみて、
必要なアイテムを手に入れるようにするといいでしょう。

これだけ暑いと、参考になるのはやはり暑い国の装いです。
インドやタイ、インドネシアやベトナム、アフリカなど、
自分の好みのエリアを選んで、何か取り入れられないか考えてみるのもいいでしょう。
取り入れられる要素としてはアクセサリー、ジュエリーなどの小物、
または使われている素材があります。

素材について、
多くの人がポリエステルは暑いか、レーヨンは暑いかといったことを知りたがっているようです。
ハイテク素材ではない、ごく一般の石油由来の繊維を夏に着たら暑いと考えていいでしょう。
真冬に着用するフリースはポリエステルが主な原材料です。
そのことからも、ポリエステル類は基本的には暑いです。
ただし、機能性のついたハイテク素材もポリエステルを主な原材料としていますので、
ポリエステル繊維すべてが暑いというわけではありません。
買う際にそのポリエステルがどのような素材なのか、チェックするといいでしょう。
一方、レーヨンの原材料はパルプです。つまり、紙と一緒です。
紙ですから暑くはありませんが、水に弱く、レーヨン100パーセントのものは家庭での洗濯ができないものが多いので注意が必要です。
洗ってみればわかりますが、かなり縮みます。
ちなみに、ポリウレタン素材は紫外線、日光、熱、水分に弱いです。
ポリウレタンが多く使われているバッグなど、猛暑の時期に持つことにより、
劣化のスピードは進むと考えられますので、注意してください。
(ポリウレタンが劣化するとべたついたり、表面がはがれたりします)。

暑い国々で着られている衣装を見ればわかるように、
真夏に適しているのはコットン、麻、シルクなどの素材です。
真夏のワードローブはこれら自然素材のものに、ハイテク素材を組み合わせて構成するといいでしょう。
ハイテク素材で作られたアイテムは、少しですが通販でも売られています。

最後に、洋服のオリジンである欧米において、暑いときにどのようなおしゃれをしているかです。
それは「真夏の重装備」です。
気温が高いため、衣服を重ねて着ることは不可能です。
ですから、重ねるのは服ではなくジュエリーやアクセサリーになります。
例えば、単なる白いTシャツでも、バングル、指輪、ネックレス2,3本、サングラスなどを使い、小物を過剰に装備することで、おしゃれな感じを演出することは可能です。
自分のお気に入りを集めたり、またはシルバーまたはゴールドで統一する、
クリアな素材で統一するなど、自分でテーマを決めて過剰づけをしていくといいでしょう。

日中の外出には紫外線対策が、男性も同様に、必要です。
日傘やサングラス、帽子、日焼けを防ぐ長袖のアイテムなど、
暑さと紫外線対策を忘れずにしましょう。
そしてどうしてもおしゃれに見せたい場合は、夜の外出時にするとか、
どこかに着くまでは猛暑対策を優先し、出先でおしゃれなものに着替えるのもいいと思います。

今までどおりに考えていたのではもう対応できないのが最近の暑さです。
優先すべきなのは自分と他人の健康です。
おしゃれなんて、この際どうでもいいぐらいに考えて、
涼しくなってからおしゃれを楽しめばいいでしょう。
嫌でも季節はめぐっていきますから。

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2018年6月15日金曜日

21世紀のチープシック 番外編 私の場合

さて、「21世紀のチープシック」番外編ということで、
実際に私がどうやっていたのかということを書き記したいと思います。

拙著『お金をかけずにシックなおしゃれ 21世紀のチープシック』を
もう既にお読みになっていただいた皆さんはお気づきだと思いますが、
私が在籍していた会社は、今で言うところのブラック企業です。
その当時はまだ、ブラック企業という言葉はありませんでした。
まず、労働基準法は守らない、各種ハラスメントは当たり前の無法地帯。

相手は法律を守らないため、辞めようとしてもふつうの手段では辞めさせてもらえず、
やっと脱出できた結果、もたらされたのは働けないほどの身体的及び精神的症状。
端的に言えば病気で、通勤という勤務形態は不可能に。
それ以来、チープシックの実践は不可欠となりました。

では、具体的に何をしていたのか、ご紹介しましょう。

①ファミリーセールや社販
まず、基本的にアパレルメーカーで働いている人たちは、
自分の会社、もしくは知り合いの会社のファミリーセールで多く買い物します。
ファミリーセールがないとしても、例えば物流倉庫へ行って安く買ったりします。
どれぐらい安いかというと、エマ・ホープの靴5000円とか、
イギリスのインポートブランドのシルクブラウス1000円とか、
そんな感じです。
私は自分がいた会社のオリジナル製品は絶対に買いませんでしたが、
ほんの少し扱っていたインポート製品が安くなっていれば買っていました。
また、友達のアパレル会社のファミリーセールや、
お知らせが来ていたインポートブランドのファミリーセールを活用。
大きなもののほとんどはそこで買っていました。
特に友達がヘルムート・ラングの会社にいたのと、私も途中、アルバイトをしたことがあるので、ヘルムート・ラングはコート、ジャケット、ワンピース、カーディガンとよく着ていました。

②自分で作る
服飾専門学校を卒業しているので、自分で作れます。
スカートなんかは作っていました。
一番作ったのは帽子。自分が作った帽子は今もまだかぶっています。
ただし、コートやジャケットなど大物を自分で作るほどの縫製技術はないので、
自分では作りません。

③海外通販
円が100円ぐらいになったころから、海外通販を利用し始めました。
日本へ送る送料があまりかからないところが中心。
ガーネットヒルやシリリュス、ヴィクトリアズシークレットなど利用。
一番着ていたのはアバクロのジャケット。
カタログがブルース・ウェーバー撮影で、とてもよかったです。

④古着
原宿のハンジロウというかなり広い古着屋さんで買ったコートを、
一部自分で直して着ていました。

⑤海外で買う
服にお金を使うより、アパレル会社時代には行けなかった海外旅行がしたかったので、
1年間ためたお金で海外旅行をしていました。
その際に、現地で購入。どこで買うと決めているわけではなかったので、
行き当たりばったりです。
よく着ていたのはリバティで買ったリバティプリントのシャツと、
フィレンツェで買ったブラウス。どちらも穴があくほど着ていました。
またロンドンのアーチストたちのマーケットで買った帽子もよくかぶっていました。

⑤アウトレット
近場のアウトレットを利用。
ハイブランドではないけれども、「コレクションをやっているレベルのブランドのもので、75パーセント引きぐらいになっているもの」みたいな感じで買っていました。

⑥親のものを着る、使う
70年代に父親がヨーロッパから買ってきたグッチのバッグやオメガの時計も使っていました。
また、母親のライセンスのサンローランのヴェルヴェットのジャケットも着ていました。

⑦妹から借りる
バッグは妹から借りていました。(今でも!)

そのほか、問題のファストファッションですが、
さすがにジル・サンダーがコラボレーションしたときには買ってしまいました。
けれども今ではもう持っていませんし、買いません。

私がチープシックを激しく実践していたときには、
今ほど中古市場が活況ではなかったので、
中古を買うというふうにはなりませんでしたが、
今現在は、中古市場がとても充実しているので、
ファストファッションを買わずとも十分やっていけるし、
むしろ中古のほうがいいものが揃っているので、
中古で買ったほうがだんぜんいいです。

私はブラック企業で死にそうになったとき、
「私はこの人生でどうしたいのか?」を真剣に考えました。
その結果、クオリティ・オブ・ライフが大事だという結論に至りました。
ライフとは働くことだけではありません。
毎日の暮らし、食べ物、睡眠、勉強、旅、友達、健康など、
さまざまなことが含まれます。
もちろん、「おしゃれ」だけが人生ではありません。
アパレル会社にいる人たちの、ファッションは大事にするけれども、
そのほかのことをおざなりにするファッション至上主義には懐疑的だったので、
私はそういう生き方はしないと決めました。

おしゃれが人生のすべてではないし、
多大なエネルギーは使えない。
ほかに大事なことがたくさんある。
それでもおしゃれをしたいときにどうしたらいいか?
「21世紀のチープシック」の実践は、私なりの、その一つの答えです。


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2018年6月9日土曜日

蒸し暑い季節に何を着るか

梅雨から夏の蒸し暑い季節が訪れると、
多くの人が何を着たらいいかわからない、着るものがないという状況に陥ります。
理由は、一般的な西洋の衣服は、今の日本のような気温が高く蒸し暑い気候には適していないからです。

ご存知のように、年々、日本の梅雨から夏にかけては気温が高くなっています。
そして非常に蒸し暑く、雨も多いです。
西洋の衣服はそれに対応するようにできていませんし、
今現在も、それに適した衣服の提案はほとんどなされていません。
蒸し暑さ対策に関しては、西洋の衣服は参考になりません。

けれども、そうはいっても、私たちは西洋の衣服、
つまり洋服を着なければなりません。
ではどうしたらいいか。
その最適解はありませんが、いくつかの方法の提案はできます。

私がここ数年お勧めしているのは、
特にふだん着に関しては、スポーツウエアとアウトドアウエアの活用です。
スポーツウエア、アウトドアウエアともに、
湿度や気温に適した素材を使い、
ベンチレーターなどの機能を取り付けたものもあります。
また、昨今のスポーツウエアやアウトドアウエアはデザイン性も非常に高く、
街着としては最適です。
これらを積極的にふだん着に取り入れることで、
梅雨や蒸し暑い夏はかなり快適に過ごすことができます。

次にお勧めなのは、
いわゆるエスニックと呼ばれている民俗衣装に準じたもの。

エスニックと呼ばれている民俗衣装のスタイルとしては、
インド、アフリカ、ベトナム、タイなど、暑い国のスタイルがあります。
特にインド製のチュニックやドレスなどはセレクトショップなどにも多く売られていますし、その薄いコットンや風通しのいいスタイルは、
日本の真夏にも適しています。
またコットンだけではなく、同じように暑い国でよく着られるシルク素材も、
夏は涼しく感じられ、日本の蒸し暑い季節にも適した素材です。
ただ、これらにはそのテイストの好き嫌いがありますので、
こういったテイストが好きな場合、積極的に取り入れるといいでしょう。

最後はコロニアルと呼ばれるスタイルです。
コロニアルスタイルとは、イギリス、フランス、オランダなどがアジアやアフリカ諸国を植民地としていた時代に、その植民地でイギリス人、フランス人、オランダ人がしていたスタイルです。
なかなかイメージがわかないかもしれませんが、
例えばフランスのコロニアルスタイルだったら映画の『インドシナ』や『愛人』、
イギリスだったら、映画『イングリッシュ・ペイシェント』や『愛と哀しみの果て』などに見ることができます。
これらは、要するに、西洋の衣服を暑い地域に合わせて改変したスタイルで、
主に白い麻のスーツやドレス、サファリジャケットに短パンといったものです。
コロニアルスタイルでは、暑い地域にありながらも男性は白麻のジャケット着用など、
どちらかというと、フォーマルなスタイル。
暑い夏によりフォーマルなスタイルをしたいという場合は参考になると思います。

これら、今の時点で提案できるものですが、
多くの人が最も困るのが通勤着でしょう。
しかしこれも、これが日本の夏の正統な通勤着です、などというものはなく、
それぞれの仕事場にそれぞれローカルルールがあるでしょうから、
それに従うこと、としか言いようがありません。
女性の薄着も仕事場によって許容範囲が変わってきますので、
通勤服はこれにしなさい、などということは言えません。

最初に書き記したように、
西洋の衣服は今の日本のような、どちらかというと亜熱帯に近い気候の国には適してはいません。
その上で着るわけですから、どこかしら無理が生じます。
自分の中の優先順位が決めて、それぞれが対応していくのがよいのではないかと思います。


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