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2013年6月3日月曜日

おしゃれ上級者への道とは

普通の人のおしゃれと、
おしゃれ上級者のおしゃれには、決定的な違いがあります。
それは、どれだけデザイン性のある服を取り入れているか、ということです。
おしゃれ上級者のワードローブには、単なるシンプルではない、
デザイン性の高い美しい服が並びます。

ファッション業界とは関係のない一般の人は、
おしゃれの基本をきちんと守り、
シンプルな服を美しい色合いで着こなせれば、
それだけで十分におしゃれだし、美しいとわたしは思います。
また、特にそれ以上、おしゃれに力を入れる必要もないとも思います。
人生には、もっと重要な事項がたくさんありますから。

しかし、ある程度、おしゃれの基本を理解し、実際に実践できるようになって、
何か物足りない、もうちょっとおしゃれを楽しみたい、
そして上級へいきたいと思ったら、
ただのシンプルではない、デザイン性のある服を取り入れてみるのはいいことだと思います。

なぜならシンプルな服はどうしてもほかの人と同じ格好になりやすいという欠点があるからです。
白いシャツにブルー・ジーンズ、白いコンバースにトレンチコートは、
王道のスタイルではありますが、似たような格好をしている人はたくさんいます。
そこから抜け出し、より自分らしさを表現するためには、
デザイン性の高いアイテムを取り入れる必要性が出てきます。

コレクションに集まるファッション関係者を撮ったスナップ写真に見られるスタイルは、
シンプルでシックというよりは、
まさにこのデザイン性の高い服のみで構成された、おしゃれ上級者スタイルです。
彼女たちが競っているのは、その難しいアイテムをどれだけ自分らしく取り入れて、
着こなせるかどうかという点です。
ただ、ごく普通の一般の人が、ここまでやる必要はないと思いますし、
実際にパリ、ロンドン、ニューヨーク、東京といった都市でも、
そんな格好をしている人たちは、ほんとうにごく一部です。

あそこまではいかなくても、少しデザイン性の高いものを取り入れるだけで、
おしゃれの度合いは上がります。

では、その取り入れるべきデザイン性の高いアイテムは、どうやって選べばよいでしょうか。

その1つの方法は、世界的に有名なブランドのファッションを取り入れるというスタイル。
世界的に認知されているブランドが作りだす服は、それなりに完成度が高いものです。
もちろんすべて何でもいいというわけではありませんし、明らかな失敗作もありますが、
ある程度の基準はクリアしています。
そこから、自分がどうしても、理由もなく好きだと思うものを選びます。
価格にしても、デザインにしても、少し冒険になることとは思いますが、
まずは1点取り入れてみることから始めてみてください。

次に、別に有名ではないが、個性的なファッションを発表しているブランドのもので、
自分が好きなものを取り入れるというスタイル。
世界的に有名ブランドでなくても、デザイン性の高い服を扱っているブランドはあります。
そこは有名ではないので、雑誌にも取り上げられることは少ないでしょうし、
情報もあまりないため、自分でさがしに出かけなければなりませんが、
自分が気に入れば、そういった小さな、
しかしセンスのいいブランドのものを取り入れてみるというのもお勧めです。

しかし、何でもかんでもデザイン性の高いものを取り入れれば、
それでおしゃれになるというわけではありません。
世の中には、センスの悪いデザインの服を作っているデザイナーがたくさんいます。
意味のない、あり得ない、デザインや色合いの服も存在しています。
意味のないダーツ、意味のない切り替え、意味のない端の始末、
意味のないフリル、過剰な色合いなどなど、
デザイナーのエゴ丸出しな、着る人のことなど考えていない、
どうしようもないデザインの、下品な服がたくさんあります。
そんなものを着たところで、おしゃれには見えません。
ですから、そんなものを買ってしまわないためにも、
何よりもまず身につけるべきは、本物を見る目なのです。

いいものを見続けることによってしか、本物を見る目は養われません。
これは芸術でも、音楽でも、文学でも、骨董でも、何でも同じです。
ジャンクとフェイクに囲まれていたら、いつまでたっても、
ほんとうにいいものなど、わからないのです。
わからないから、単にブランドのロゴやマークが入っていればおしゃれであるという、
勘違いが起こります。
優れたデザインであることと、ブランドのロゴやマークが入っていることとは、
何の関係もありません。

最新流行を発信しているブランドの商品が、
ほんとうに優れたデザインである場合、
古くなっても、その優れたデザイン性は失われません。
 半年たったら腐ってしまう流行ではなく、
その中には確かに、何年も着られる、完成度の高い美しいデザインのものがあります。
そういったものを選ぶためにも、
何億とある服の中から、美しいものを選ぶ審美眼を育てる必要があるのです。

おしゃれの基礎がマスターできたと思ったら、
どうぞ次のステップへ進んでみてください。
一朝一夕ではできません。
自分をよく知ることと同時に、世界の中に散らばって存在している美を見つける目を養うこと。
そして、自分とその美しいデザインとの間に、
よい関係を築いていくことがおしゃれ上級者への道です。

なんでも簡単にはできません。
読んで知っているだけではだめです。
見て、着て、さわって、袖を通して、経験しなくてはなりません。
そのたびにわかっていきます。
服というものを、
そして、自分という存在を。