日本では、春は新しくスタートする季節です。
学校がかわったり、新しく仕事についたり、それに伴って引っ越しされる方も多いことと思います。
自分の住む家、行動するエリア、行く学校や仕事場が変われば、おのずと着る服も変わってきます。
例えばコンクリートが目立ち、土の地面がなかなかないエリアに住んでいた人が、緑が多く、土がむき出しのところを歩くことが多くなれば、まず履く靴が変わってきます。
ヒールの靴では歩けなくなり、でこぼこの道をうまく歩けるようなスニーカーに変わるかもしれません。
また、今まで電車通勤だった人が、車通勤にかえたら、着るコートが変わってきます。
車では長いコートでは運転しにくいので、座ったときにコートの裾がお尻の下にこない丈のものを選ぶようになるでしょう。もしくは、そもそも車の中は暖かいので、それほど分厚いコートは要らなくなる可能性もあります。
住環境はどうでしょうか。
都会の街に似合う服、海辺の街に似合う服、山に囲まれた町に似合う服、それぞれ違ってきます。
なぜなら、自分が立つ風景が変われば、それに似合う色が変わるからです。
コンクリートと鉄筋とガラスに似合う色と、
青い空と海と潮風に似合う色は違います。
人生で環境が変わらないまま一生を過ごす人はほとんどいないでしょう。
誰でも入った学校はいずれ出ていくことになりますし、
ずっと同じ仕事をしていたとしても、それもいずれ終わります。
そのほかにも、生まれてから死ぬまでの間に、ほとんどの人が引っ越しを経験します。
人生に環境の変化はつきものです。
ですから、私たちは常にそれに対処できるようにしておく必要があります。
そのためにはどうしたらいいでしょうか。
変化に対応するために重要なのは、余計な荷物を持たずに、常に身動きできるよう軽い荷物にしておくことです。
重ければ重いほど、変化に対応するのは難しくなり、労力を必要とします。
身軽でいればいるほど、柔軟にどこへでも行けますし、何にでもなれます。
服、靴、バッグが多ければ多いほど、あなたは次の変化に対応できなくなります。
新しい環境に、新しい装いで、あたかも脱皮したばかりの蝶のように、
軽やかに街を移動したくても、以前のその重い荷物と一緒では、それも簡単にはできないでしょう。
たくさんの荷物をすべて手放すとしても、それはそれで労力と時間がかかります。
そんなことをする前に、身軽でいればいいだけのこと。
万が一、自分の環境が何も変化しなかったとしても、
あなた自身が変化するという運命からは逃れられません。
あなたの魂はそのままで、心の内側から外の世界を眺めていますが、
その魂の乗り物がずっと昔のまま同じということはありません。
それは必ずや変化します。
あなたがそれに気づかず、昔と同じであると思い込んでいたとしたら、
世界の時間とのずれは大きくなるばかりです。
惑星と恒星は、決して同じ構図を空に描き出しません。
そしてその重荷が足かせとなって、あなたを人生でやるべきことから遠ざけるでしょう。
気づいても気づかなくても、内なる環境と、外の環境が同時に変化しています。
ずれればずれるほど、理解できなくなります。
本当に恐れるべきなのはそのことです。
内なる環境と外なる環境の変化にいつも対応できるように。
そして、その変化に対応した、進化した自分にふさわしい服と靴とバッグで、
新しい世界を歩いていきましょう。