ヨーロッパのコレクションを見る限りにおいて、久々にブリティッシュテイストが戻ってきました。
ただし、最近、日本では、パリコレなどで発表された服が、そのまま流行するというわけではなくなってきています。
逆に、日本からの流れもあるくらいで(たとえばバッグにつけるチャームや、スカートの下にズボンなど)、ヨーロッパの流行と、日本の流れが別物であるという傾向は顕著です。
それでも、今度の秋冬に展開されるブリティッシュテイストは、要注目なのではないかなと思います。
なぜなら、私たち日本人は、ブリティッシュテイストになじみが深いし、好きだからです。
また、流行に左右されないアイテムやシルエットが多くあるというのも、大きな特徴です。
ブリティッシュといえば、タータンチェック、ツイード、金ボタンのブレザー、ダッフルコートなど、
どんなものでも、違和感なく日本人が取り入れることができるものばかりです。
皆さんも、たんすの中に何かしらタータンチェックのアイテムを持っていらっしゃるのではないでしょうか。
もしマフラーなどの小物をお持ちでしたら、今年はぜひ引っ張り出してきて使いましょう。
小物でしたら、違和感なく取り入れられると思います。
しかし、ジャケットなどのたぐいのものは要注意。シルエットは、前回のものとかなりちがっていますので、そのまま着ると、何だかおかしいものもあるでしょう。
着て外に出る前に、鏡の前で確認してください。
一方、ダッフルコート、特にイギリスのメーカーのものはさほどシルエットの変更がありませんから、たぶん、そのまま着用が可能だと思います。
その他、いわゆるイギリスの老舗メーカーの品々も、流行とは一線を画すものが多いので、それらも大丈夫でしょう。
何も持っていないけれど、取り入れてみたい方は、やはり小物がお勧めです。
気軽に雰囲気を楽しめます。
また、ブリティッシュテイストの復活とともに、戻ってきたのがプリーツスカートです。
プリーツスカートといえば、最近では女子高生ルックでしか見なくなりましたが、昔はだれもが1枚は持っていましたね。
プリーツスカートも、シルエットを変えようがないアイテムなので、たぶん昔のものでも着られるのではないかと思います。
似合わない人のいないアイテムですので、新しいものを見つけてもいいですし、古いものを着てみるのもいいでしょう。
ブリティッシュテイストはトラッド、つまりトラディショナルです。
伝統は、いわば安心です。
安心で、戻るところがあるからこそ、私たちは冒険できます。
伝統や安心は、つまらないと言えば、それまでです。
この、つまらなさの否定としてアバンギャルドは出てきましたが、
それとて、戻るところ、壊すべきものがあればこそできただけ。
洋服というものがどういうものかわからなくなったら、伝統から学びましょう。
それを知った上でしか、私たちは遠くまで行けないのです。