拙著『わたし史上最高のおしゃれになる!』において、
人々の記憶は月曜日に1週間分がでリセットするので、
それぞれの季節で1週間分のワードローブが用意できればよいと書きました。
この場合の記憶とは、もちろん短期記憶のことです。
このことは、私の観察した結果、知り得た記憶に関する人間の特性だったのですが、
私以外にも似たようなことに気づいた人は過去、きっといるはずだと思っていました。
しかし、膨大な資料の中からあてずっぽうにそれを探すのは困難で、
本を出版するまでに、その根拠となる記述を見つけることはかないませんでした。
しかしつい先日、アメリカの認知心理学のジョージ・ミラーが提唱した、
「短期記憶は7プラスマイナス2までである」というミラーの法則というものがあると知りました。
もちろんこれには異論があって、必ずしも7であるとは限らないとも言われていますが、
おおむね7前後であるということはどうやら間違いないようです。
ミラーの法則については、七不思議、七大陸、虹の七色などがその例とされています。
私が観察して発見したのは、もうひとつ、記憶のリセットが月曜日にされるということで、
これは曜日と着ていたものとがひも付けされて記憶されるせいではないかと思われます。
つまり、月曜日はこれを、火曜日にはあれをというように、
記憶を引き出すときのキーワードが曜日となるからです。
そして、その7日分が1セットの記憶となり、
リセットされるのが月曜日である、というわけです。
もちろんどんなものにでも例外がありますので、
すべての人が絶対そうである、などとは言いません。
そういう傾向がある、ということです。
ミラーの法則などを持ちださずとも、多くの人は自分も、
そして他人も、1週間以上前に何を着ていたかなど覚えてはいないでしょう。
それは1週間前、何を食べたかほとんど覚えていないのと一緒です。
私たちは私たちの脳の特性に逆らうことができません。
特殊な才能の持ち主でない限り、
覚えてられないものは覚えられません。
気温が低ければ寒く感じ、高ければ暑く感じるように、
身体の生理的な反応にも逆らえませんし、
ひとつ以上の身体を持つことも不可能です。
一方、欲望は限度を知りません。
野放しにしてしまえば、どこまでも欲しがります。
その欲望からは、誰もあなたを守ってくれません。
放っておけばその無限の欲望が、あなたを滅ぼすことにもなりかねません。
ですから、私たちは欲望の上位に知性を置いて、
それをコントロールしなければならないのです。
短期記憶が7プラスマイナス2までなのだから、
シーズンごとに1週間分のワードローブでよいと考えるのは、
とりもなおさず知性の働きです。
つまり、それは非常に知的であるということです。
知的であることを多くの人が望みます。
お望みならば、それは得られます。
低次の欲望を乗り越えられる人というのは、
十分に知的であり、おしゃれな存在です。
無限の欲望をコントロールして、
それに囚われないようにしましょう。
低い欲望のままに生きることは、
美しくないと、知りましょう。
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