自分でできる洋服のお直しについて質問をいただきましたので、
簡単にご説明いたします。
自分でできる洋服のお直しは、残念ながら限られています。
私のように服飾専門学校でスーツやコートの作り方を習ったものでさえ、
できてしまったものをほどいて縫い直すのは容易なことではありません。
それでも全くできないかというとそういうわけでもありません。
以下のものについては可能です。
・パンツの裾直し
(やり方)
鏡の前でパンツをはいてみます。そのときに合わせる靴も必ず一緒にはいてください。
裾を上げます。
余分な裾を内側に折り曲げ、マチ針を4か所ぐらいに打ちます。
丈が決まったら、裾から何センチのところで折り上げればよいかを測ります。
左右のパンツ、両方ともに余分な縫い代を内側に折り曲げアイロンをかけます。
(ウールのパンツの場合、当て布を忘れずに)
そのとき、ロックミシンで縫い代の処理をしない場合は三つ折りにします。
三つ折り幅は通常3センチ、内側に入れる幅が1センチです。
つまり、縫い代は合計4センチになります。
三つ折りにした状態で裾にアイロンをかけ、再びパンツをはいて、
丈の最終チェックをします。
このときに丈が合わないようでしたら、もう一度やり直します。
ウールのパンツでしたら、まつり縫い(手縫い)で始末します。
カジュアルなスタイルのコットンパンツで、ミシンが可能ならミシンで縫います。
・スカートの丈直し
スカートの場合、自分でできるものとできないものがあります。
できないものは、
プリーツスカート、ニットのスカート、裾が巻きロック始末のもの、
裾がスカラップやフリルになっているものなど、
単純に折り上げることができないものです。
それ以外のものは大体、自分で裾上げができます。
方法はパンツの場合とほぼ同じです。
ただし、スカートの場合は、スカートをはいて、スカート丈を床から測って決めます。
ですから、一人でやる場合は難しくなります。
お腹やヒップが出ていると裾が上がってしまいますので、
スカートの前、脇、後ろと床から測って同じ長さになる丈のところで折り上げます。
基本的には、三つ折りでまつり縫い、もしくは縫い代をロック始末してまつり縫いです。
・自分でできないお直し
自分でできないものは、
肩幅、脇、袖詰め、ウエストを大きくするなどです。
おおむね大きくするのは自分では無理だと考えたらいいでしょう。
また洋服リフォームへ出したとしても、大きくするには縫い代幅がある程度なければできませんので、
できないことのほうが多いと考えていいと思います。
最後に私がよくやる簡単なその場の修正です。
スカートやパンツなど、ウエストが大きすぎる場合は、
小さな安全ピンで内側からウエスト部分を左右の脇1センチ幅ぐらいとめます。
そうすると、ウエストが4センチほど小さくなります。
ウエストが大きすぎる場合で、シャツやブラウスをウエストから出して着るときは、
この方法で1日過ごしても大丈夫です。
そのほかには、薄い肩パッドでしたら、要らない場合、内側の縫い目をほどいて、
取ってしまうことはできます。
もし万が一、出先でスカートやパンツの裾のまつり縫いがほどけてしまった場合には、
両面テ―プで一時しのぐといいです。1日ぐらいはもちます。
余りに大幅なお直しは服のシルエットが崩れてしまうのでお勧めできません。
大幅にお直しする場合、それは作り直し、リフォームと考えたらいいでしょう。
いずれにしろ、できたものをいじるのはリスクが伴いますので、
高価なもの、失敗しては困るものなどは、
お直し専門の方にお願いすることをお勧めします。
以上、自分でできる洋服のお直しについてでした。
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