前回、心が満たされる服を持ちましょうと提案しました。
私は、心だけでなく、魂をも満たされる服が、あるのではないかと思っています。
そんな服に出会えたならば、あなたは、どんなこともできるような勇気を得ることになるでしょう。
私の言い方で言えば、主人公を助ける服です。
もちろん、それは簡単に手に入るものではないでしょう。
古い中国の書物によると、服とは、病をいやすために用いられたものだそうです。
そして、その名残として、今でも薬を飲むということを、「服用」と言います。
昔の人々は、服が、体や心をいやすことを知っていたのでしょう。
そして、今の時代よりずっとたくさんの服が、そういう役割を果たしたのでしょう。
どういう服がそういう服なのでしょうか。
それはデザイナーの思いかもしれませんが、それだけではだめだと、私は思います。
一つ一つの作る工程にかかわった人すべてが幸せかどうか。
不当な扱いを受けていたり、嫌な思いをしながら作業させられている人が作った服が、
だれかの心をいやす力を持っているわけはありません。
小さいころ、お母さんが作ってくれた服や、ちょっとした小物のように、
きっと着る人への思いがこもったものこそが、そういう力を持つのだと思います。
おしゃれであるかどうかとは関係なく、そういう服と出会えたなら、
主人公であるあなたは、服からたくさんのパワーをもらって、
間違いなく、堂々と舞台に立てるのだと思います。