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2018年6月15日金曜日

21世紀のチープシック 番外編 私の場合

さて、「21世紀のチープシック」番外編ということで、
実際に私がどうやっていたのかということを書き記したいと思います。

拙著『お金をかけずにシックなおしゃれ 21世紀のチープシック』を
もう既にお読みになっていただいた皆さんはお気づきだと思いますが、
私が在籍していた会社は、今で言うところのブラック企業です。
その当時はまだ、ブラック企業という言葉はありませんでした。
まず、労働基準法は守らない、各種ハラスメントは当たり前の無法地帯。

相手は法律を守らないため、辞めようとしてもふつうの手段では辞めさせてもらえず、
やっと脱出できた結果、もたらされたのは働けないほどの身体的及び精神的症状。
端的に言えば病気で、通勤という勤務形態は不可能に。
それ以来、チープシックの実践は不可欠となりました。

では、具体的に何をしていたのか、ご紹介しましょう。

①ファミリーセールや社販
まず、基本的にアパレルメーカーで働いている人たちは、
自分の会社、もしくは知り合いの会社のファミリーセールで多く買い物します。
ファミリーセールがないとしても、例えば物流倉庫へ行って安く買ったりします。
どれぐらい安いかというと、エマ・ホープの靴5000円とか、
イギリスのインポートブランドのシルクブラウス1000円とか、
そんな感じです。
私は自分がいた会社のオリジナル製品は絶対に買いませんでしたが、
ほんの少し扱っていたインポート製品が安くなっていれば買っていました。
また、友達のアパレル会社のファミリーセールや、
お知らせが来ていたインポートブランドのファミリーセールを活用。
大きなもののほとんどはそこで買っていました。
特に友達がヘルムート・ラングの会社にいたのと、私も途中、アルバイトをしたことがあるので、ヘルムート・ラングはコート、ジャケット、ワンピース、カーディガンとよく着ていました。

②自分で作る
服飾専門学校を卒業しているので、自分で作れます。
スカートなんかは作っていました。
一番作ったのは帽子。自分が作った帽子は今もまだかぶっています。
ただし、コートやジャケットなど大物を自分で作るほどの縫製技術はないので、
自分では作りません。

③海外通販
円が100円ぐらいになったころから、海外通販を利用し始めました。
日本へ送る送料があまりかからないところが中心。
ガーネットヒルやシリリュス、ヴィクトリアズシークレットなど利用。
一番着ていたのはアバクロのジャケット。
カタログがブルース・ウェーバー撮影で、とてもよかったです。

④古着
原宿のハンジロウというかなり広い古着屋さんで買ったコートを、
一部自分で直して着ていました。

⑤海外で買う
服にお金を使うより、アパレル会社時代には行けなかった海外旅行がしたかったので、
1年間ためたお金で海外旅行をしていました。
その際に、現地で購入。どこで買うと決めているわけではなかったので、
行き当たりばったりです。
よく着ていたのはリバティで買ったリバティプリントのシャツと、
フィレンツェで買ったブラウス。どちらも穴があくほど着ていました。
またロンドンのアーチストたちのマーケットで買った帽子もよくかぶっていました。

⑤アウトレット
近場のアウトレットを利用。
ハイブランドではないけれども、「コレクションをやっているレベルのブランドのもので、75パーセント引きぐらいになっているもの」みたいな感じで買っていました。

⑥親のものを着る、使う
70年代に父親がヨーロッパから買ってきたグッチのバッグやオメガの時計も使っていました。
また、母親のライセンスのサンローランのヴェルヴェットのジャケットも着ていました。

⑦妹から借りる
バッグは妹から借りていました。(今でも!)

そのほか、問題のファストファッションですが、
さすがにジル・サンダーがコラボレーションしたときには買ってしまいました。
けれども今ではもう持っていませんし、買いません。

私がチープシックを激しく実践していたときには、
今ほど中古市場が活況ではなかったので、
中古を買うというふうにはなりませんでしたが、
今現在は、中古市場がとても充実しているので、
ファストファッションを買わずとも十分やっていけるし、
むしろ中古のほうがいいものが揃っているので、
中古で買ったほうがだんぜんいいです。

私はブラック企業で死にそうになったとき、
「私はこの人生でどうしたいのか?」を真剣に考えました。
その結果、クオリティ・オブ・ライフが大事だという結論に至りました。
ライフとは働くことだけではありません。
毎日の暮らし、食べ物、睡眠、勉強、旅、友達、健康など、
さまざまなことが含まれます。
もちろん、「おしゃれ」だけが人生ではありません。
アパレル会社にいる人たちの、ファッションは大事にするけれども、
そのほかのことをおざなりにするファッション至上主義には懐疑的だったので、
私はそういう生き方はしないと決めました。

おしゃれが人生のすべてではないし、
多大なエネルギーは使えない。
ほかに大事なことがたくさんある。
それでもおしゃれをしたいときにどうしたらいいか?
「21世紀のチープシック」の実践は、私なりの、その一つの答えです。


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2018年6月9日土曜日

蒸し暑い季節に何を着るか

梅雨から夏の蒸し暑い季節が訪れると、
多くの人が何を着たらいいかわからない、着るものがないという状況に陥ります。
理由は、一般的な西洋の衣服は、今の日本のような気温が高く蒸し暑い気候には適していないからです。

ご存知のように、年々、日本の梅雨から夏にかけては気温が高くなっています。
そして非常に蒸し暑く、雨も多いです。
西洋の衣服はそれに対応するようにできていませんし、
今現在も、それに適した衣服の提案はほとんどなされていません。
蒸し暑さ対策に関しては、西洋の衣服は参考になりません。

けれども、そうはいっても、私たちは西洋の衣服、
つまり洋服を着なければなりません。
ではどうしたらいいか。
その最適解はありませんが、いくつかの方法の提案はできます。

私がここ数年お勧めしているのは、
特にふだん着に関しては、スポーツウエアとアウトドアウエアの活用です。
スポーツウエア、アウトドアウエアともに、
湿度や気温に適した素材を使い、
ベンチレーターなどの機能を取り付けたものもあります。
また、昨今のスポーツウエアやアウトドアウエアはデザイン性も非常に高く、
街着としては最適です。
これらを積極的にふだん着に取り入れることで、
梅雨や蒸し暑い夏はかなり快適に過ごすことができます。

次にお勧めなのは、
いわゆるエスニックと呼ばれている民俗衣装に準じたもの。

エスニックと呼ばれている民俗衣装のスタイルとしては、
インド、アフリカ、ベトナム、タイなど、暑い国のスタイルがあります。
特にインド製のチュニックやドレスなどはセレクトショップなどにも多く売られていますし、その薄いコットンや風通しのいいスタイルは、
日本の真夏にも適しています。
またコットンだけではなく、同じように暑い国でよく着られるシルク素材も、
夏は涼しく感じられ、日本の蒸し暑い季節にも適した素材です。
ただ、これらにはそのテイストの好き嫌いがありますので、
こういったテイストが好きな場合、積極的に取り入れるといいでしょう。

最後はコロニアルと呼ばれるスタイルです。
コロニアルスタイルとは、イギリス、フランス、オランダなどがアジアやアフリカ諸国を植民地としていた時代に、その植民地でイギリス人、フランス人、オランダ人がしていたスタイルです。
なかなかイメージがわかないかもしれませんが、
例えばフランスのコロニアルスタイルだったら映画の『インドシナ』や『愛人』、
イギリスだったら、映画『イングリッシュ・ペイシェント』や『愛と哀しみの果て』などに見ることができます。
これらは、要するに、西洋の衣服を暑い地域に合わせて改変したスタイルで、
主に白い麻のスーツやドレス、サファリジャケットに短パンといったものです。
コロニアルスタイルでは、暑い地域にありながらも男性は白麻のジャケット着用など、
どちらかというと、フォーマルなスタイル。
暑い夏によりフォーマルなスタイルをしたいという場合は参考になると思います。

これら、今の時点で提案できるものですが、
多くの人が最も困るのが通勤着でしょう。
しかしこれも、これが日本の夏の正統な通勤着です、などというものはなく、
それぞれの仕事場にそれぞれローカルルールがあるでしょうから、
それに従うこと、としか言いようがありません。
女性の薄着も仕事場によって許容範囲が変わってきますので、
通勤服はこれにしなさい、などということは言えません。

最初に書き記したように、
西洋の衣服は今の日本のような、どちらかというと亜熱帯に近い気候の国には適してはいません。
その上で着るわけですから、どこかしら無理が生じます。
自分の中の優先順位が決めて、それぞれが対応していくのがよいのではないかと思います。


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