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2018年10月30日火曜日

おしゃれをするかどうかは自分で選べる

着やせとという言葉はやせていないからやせなさいということ。
高見せという言葉は安いから高く見せなさいということ。

「メイクもしないなんて」とか、
「女らしくない」とか、
そんなことを言われたら、こう言ったらいいです。
「私は今、おしゃれする気分じゃないの」
声に出して、もしくは心の中で。
「私は今、おしゃれをしないことを選んでいるの」
そう言えばいいわ。

「女たるものおしゃれでなくちゃ」とか、
そんなことどうだっていい。

自分のお金と自分の時間をどう使うかは自分で決める。
それが大人ってものじゃない?
そのために私たちは大人になったんじゃないのかしら?

本当のことを言うと、
魅力的な人は何を着ていようが魅力的。
お化粧なんかはしなくても、誰もがその人に夢中だわ。

セツコさんは世界のどこへでも着物で行くわ。
フジコさんは自分で作った髪飾りで髪を飾るわ。
そしてそんな彼女たちの魅力の前では誰もがひれ伏すのよ。

それは女らしさを超えているわ。
それはメイクやバッグや靴の問題じゃないわ。
それは色。
色はにほう、果てしなく遠くまで、
見えなくてもわかるのはその色だけ。

やせているとか高いとか、
若いとか女らしいとか、
毎年買いかえるべきとか、
そんなものは取るに足らない。

取るに足らないものに気を取られている間に、
私たちは年を取っていく。
気付けばそこにはもう色はないのよ。

ではどうやってその色を得られるのか、
答えが知りたいことでしょう。

信じられる自分を自分がどれだけ育てたか、
愛せる自分を自分がどれだけ作ってきたか、
他人ではなく自分で、
自分がやった分だけ色は得られる。

色が得られれば、自信を持って言えるでしょう。
「私は今、おしゃれする気分じゃないの。
私は今、おしゃれをしないことを選択しているの」と。
それでも何か言われたらこう言えばいいでしょう。
「だって、
おしゃれをするかどうかは自分で選べるのよ。
おしゃれなんていうのは、別にしなくたっていいものなの。
知らなかった?」
色めくあなたは魅力的なので、
そんなことを言い放っても大丈夫。
世界はそれでもあなたについていくことでしょう。

誰かがどんなバッグを持っていたかに気をもむような余計な時間は、
人生にはないわ。
ほかにやることがたくさんある。
あなたという花の色がいたづらにうつらないうちに。



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2018年10月10日水曜日

スーパーシックなベージュの色合わせ

ベージュは難しいと以前、書きました。
理由は、ベージュとひとくちに言っても、その色はまさにいろいろであり、
あのベージュとこのベージュでは、決して同じではないからです。
そのひとつの対処方法としては、「同じブランドのベージュ同士を合わせる」とだけ
書きました。

では、ベージュとほかの色はどうやって合わせたらいいのか、ベージュは何色と合うのか。
2019年春夏コレクションでベージュの色合わせの見本となるようなコレクションが2つありました。
1つはリカルド・ティッシのバーバリー、そしてもう一つはポール・アンドリューのフェラガモです。
この2つのコレクションから、スーパーシックなベージュの色合わせについて学びましょう。

まずはバーバリーです。
ベージュはベージュ以外の何色と合わせるといいか考えるときの一つの方法として、
その色が何色によって構成されているか分解して考えるという方法があります。
ベージュであれば、赤、黄色、黒、白がまず最初に考えられる色の構成です。
(このほかに、青と黄色で茶色を作って、それに白を混ぜるという方法もあります)
色はこのようになります。



コーディネート全体を考えるときに、このベージュを構成している色だけを使います。
例えばコートがベージュだったら、ワンピースは白、靴は黒、というようにです。
この組み合わせはいくらでも考えられます。
面積の少ない差し色か、もしくはそうでなく、もっと面積が大きい部分で使う色としては赤または黄色を選びます。

自分のワードローブの中心がベージュなら、すべてのアイテムをベージュ、白、黒、赤、黄色でそろえます。
靴、バッグに至るまですべてそうします。
またチェックや花柄などの柄を選ぶときも、この色で構成されている柄にします。

このように色を徹底させると、すきのないスーパーシックなベージュのコーディネートができ上がります。
ワードローブ全体をこの色だけでそろえてしまえば、色で悩むということはありません。
バーバリーのコレクションを見ればわかるように、色さえしっかりと決めてしまえば、
シルエットがビッグだろうが、タイトだろうが、
デザイン性の強い形だろうが、シックは維持できます。

次にポール・アンドリューのフェラガモのベージュです。
基本のベージュから明度の明るいから暗いまでのグラデーションを作ります。
明るいほうはクリーム色、暗いほうは茶色です。
ここに、ベージュのトーンより彩度が高いビビッドな色を一色付け足します。



フェラガモでは、ビビッドなターコイズやローズピンクでした。
また、よりモードに見せるため、このターコイズやローズピンクの分量は多めです。
フェラガモの場合、あざやかなターコイズブルーのコートがベージュに合わせられていました。
彩度を上げて、ビビッドにすることで若々しさを表現できます。
ビビッドなターコイズのコートなど、着ている人はほとんどいませんから、
これで街を歩いたら、より輝いて見えるでしょう。
フェラガモの場合も同様に、色がきっちり合っていれば、
デザイン性が高いものでもシックとエレガントは崩れません。

この2つのパターンのどちらかを選んで、ベージュのワードローブを作れば、
スーパーシックで、かつあまり誰もやっていないスタイルが作れます。

ちなみに自分の肌に合うベージュの見つけ方です。
顔に合わせてみて、顔色とほぼ同じ色のベージュは避けましょう。
同じ色のセーターなどを着てしまうと、遠くから見たら裸のようで、
独特の妙な感じがします。
クールなモードが好みの場合は、赤、黄色ともに強くない、
砂色のようなベージュを選びましょう。
逆に、トラッドが好みの場合は、赤や黄色が効いている、
暖色系のベージュがいいでしょう。

多くの人がただなんとなく着ているベージュ。
色計画を綿密に立てて、
凡庸を非凡に、
ありふれたものを希有なものに、
日常を自分が主人公のドラマのように変えていきましょう。

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2018年10月2日火曜日

永遠の星を目指して

また見つけたよ。
何を?
永遠だよ。
それはさ、
太陽と一緒になった海だよ。

このように、ランボーは「永遠」を見つけました。
しかし、ファッション界の住民はいまだに永遠を見つけられていないようです。
それはみずから輝く太陽にはほど遠く、
さしとて惑星にもなれず、せいぜいいいところ地球の衛星である月レベルです。
季節ごとに移り変わり、喜怒哀楽のようにめまぐるしく変化し、
感情のように忘れ去られます。
しかしそれはファッション、つまり流行の宿命です。
移り変わるゆえに、それはファッションと呼ばれるのです。

では実際のところどうでしょうか。
10代のころから、やれコレクションだ、ファッション雑誌だと観察してきたので、
今では多くのことが理解できます。
あのときあんなに流行ったあのバッグも、
誰もが称賛したあのデザイナーも、
数年もたてば、多くの人に忘れ去られます。
デザイナーの名前も、そのデザインも、その多くは
●●年代風というふうにひとくくりになって、
それは一人ではなく群像で、その名前を見つけられるのは『ファッション辞典』の中にある記述のみということも珍しくありません。
私たちが、2005年10月の地球の衛星である月の様子をエフェメリスを見ないでは思いだせないように、
そのときにだけ流行ったデザイナーも、そのデザインも、
その多くは記憶の層の深いところまでは届かないのです。

コレクションを見ていなくても、
ファッション雑誌など買うことがなくても、
過去の自分の写真を見ればわかるでしょう。
例えば20年前の友達とのスナップで、
なぜそんなにも不思議なセーターを選んで着ているのか、
なぜシャツの裾は出しているのか、
あるいは出していないのか、
なぜそんなにもパンツのウエストが低い位置にあるのか、
今では理解できないことばかりです。
それはそのときの一種の浮かれた熱で、一過性のものであり、
永続するものではありません。

しかしそれでも、ファッション界の住民は「永遠」を探します。
それはどこかにあるらしいのです。
彼らが永遠のアイコンと呼ぶ人たちの多くは、
昔の映画女優、アーチスト、作家たちです。
グレタ・ガルボやグレース・ケリーなど、美しい人もいます。
マレーネ・ディートリッヒのように、男装が有名な人もいます。
フリーダ・カ―ロのように民俗衣装をまとった人もいます。
ジョージア・オキーフのように、世捨て人のような人もいますし、
ジョセフィン・ベーカーのように奇抜な格好の人もいます。

地球の衛星の月のようなファッションを追いかけるファッション雑誌の中に、
彼女らは燦然とみずから輝く恒星のようにあらわれるのです。
そうして、私たちはそんな彼女たちをスターと呼びます。

鬼籍に入った方ではなく、今を生きている人ではどうでしょうか。
2018年10月に行われたパリコレクションで、
オノ・ヨーコの写真はジャンバティスタ・ヴァリのムードボードに貼られ、
コレクションにンスピレーションを与え、
節子・クロソフスカ・ド・ローラはキモノ姿のままで、
ハイダー・アッカーマンのフロントローに座りました。
なぜなら彼女たちは自ら輝く恒星だからです。

私はファッションについてではなく、おしゃれについて語っています。
ファッションは、地球の衛星である月のようですが、
おしゃれはみずから輝く恒星のようなものです。
私たちは、みずから輝かなければなりません。

そのためにやらなくてはならないのは、
自分で考え自分で選択し行動すること。
自分について知ること。
その結果、自分を表現すること。

シリウスも、ベガも、レグルスも、
ほかの星のようではありません。
あなたもあなただけの名前を持ち、ほかの誰かのようではありません。

月ばかり見ていないで、
恒星を見つめましょう。
人々の記憶の深い層にくさびを打つように、
永遠に輝く星になり、忘れられない人になりましょう。


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