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2011年7月26日火曜日

スタイリストの提案する服



最近、ファッションレッスンを受けてくださった方から、
「簡単に手に入り、値段も手ごろで、簡単におしゃれに見えるブランドはどこですか?」と聞かれました。
これは、誰でも知りたいことですよね。

最近、私が注目しているのは、スタイリストさんたちが提案する服です。
実店舗よりも、カタログのほうが多いようですが、なかなかこれが、あなどれません。

では、デザイナーとスタイリスト、どこが違うのでしょうか。
スタイリストに求められる能力は、編集する力です。
デザイナーは、自分のデザインした服のことをクリエイション、つまり創造物と呼んだりしますが、
スタイリストは、自分がデザインしたものを、こうは呼ばないでしょう。
また、自分のデザインがオリジナルであるとも言わないと思います。
デザイナーは、たとえばデザインを始めるとき、美術作品や映画などにイメージの原泉を探すと思いますが、スタイリストがデザインするとき、アイデアソースは、数多く見た実物の服になると思います。
デザイナーたちは、さほど他人のデザインした服を吟味するということがありませんから、
この点に関して、スタイリストのほうがずっと知識を持っているのです。

そして、自分の中に蓄積された膨大な服のアイデアを、今度は着る人にあわせて編集しなおします。
これがスタイリストのデザインの仕方です。
デザイナーとは、方向性が全く違います。
ですから、スタイリストのデザインする服というのは、適度なトレンド感、そして着る人の気持ちや立場が十分に考慮され、なおかつ、自分のセンスで編集はするものの、決してデザインがでしゃばるものではない、ということになります。
こうしてデザインされた服が、適度におしゃれで、まさに、ああ、こういうものがほしかったんだというものになるのは、当たり前の話です。

ソニア・パークさんなどは、実店舗で販売していますが、
その他の方々は通販が多いようです。
(すべての通販をチェックしたわけではないので、あまり詳しいことはわかりません)。

どこに行けばおしゃれな服を買えるかわからないとき、スタイリストがデザインした服を試してある価値は大いにあると思います。

☆写真は、dinos系のカタログ、「Cara」11秋冬号より、スタイリストの戸野塚かおるさんデザインのもの。シャツとスカートでのセットアップという、ほかではあまり見ない服の組み合わせ。
こういった、ありそうでなかったけれども、あったらよさそうという提案も、スタイリストならでは。

2011年7月19日火曜日

誰にでも「かせ」がある

洋服を着るという行為において、すべての人に「かせ」があります。
それは心理的にと同様に、身体的にもです。

たとえば、ある人は、胸が小さいから服が似合わないと思い、
ある人は、胸が大きいから、着る服がないと言う。
また、ある人は、身長が高くて服がないと言い、その一方で、身長が低いのを非常に気にしている人がいる。
このように、誰でも、何かしら、自分にとって「かせ」であると感じている部分があるのではないかと思います。
これは、日本人が着ものを着ていた時代には、考えられなかったほどのプレッシャーです。
もちろん、着物にも、それが似合う体型と似合わない体型があるとは思いますが、それでも洋服以上には、適応範囲が広く、ほとんどの人が純粋に服を選んだり、楽しむことができたのではないかということは、容易に想像できます。

この「かせ」ですが、ならば、モデルのような体型であったら、その人にはないのかといったら、そういうわけではありません。
今度は、その人にとって、「年を取っていくこと」が、大きな心理的なかせになります。

では、その「かせ」はどうしたらいいでしょうか。
まず、「かせ」があることによって、工夫が生まれます。
身長が低いなら、どうやって、それが気にならないようにするか、いろいろ策を練ります。
胸が小さい、あるいは大きすぎるなら、それをどうやって魅力的に見せるか、いろいろ試行錯誤をしてみます。
ですから、「かせ」は悪くはありません。
葛藤がないところに、進歩は生まれないのです。
そして、その工夫の痕跡こそが、あなたにほかの人とは違う魅力、味わいを与えます。

しかし、同時に、あなたが思っている、その「かせ」は、他人にとって、それほどでもないことが多いというのも事実です。
あなたが欠点と思っていることも、他人は、別にどうでもいいと感じていることは非常に多いです。
だから、それほど気にする必要もありません。
もし、その「かせ」のせいで、あなたが冒険を恐れているのなら、
いますぐその「かせ」は、取り去るべきです。
絶対にはずすことができないと思っていらっしゃるでしょうが、よく見ると、その「かせ」は簡単にはずせます。
「かせ」をはずして、足取り軽く、一歩を踏み出してみてください。
おそれていたのは、自分だけであったということがわかります。

2011年7月11日月曜日

モテる服?

モデルのSさんのインタビューを読んでいたら、洋服選びのポイントは、「モテる服を選ぶ」ということだそうです。

はあ、そうですか。そういう人もいるんですね。

終わり!

というわけにもいきませんね。

「モテ服」なるものが、雑誌の表紙に踊るようになったのはいつごろからでしょうか?
「モテ服」とは、つまり、男性受けのいい服なのでしょう(多分)。

では、その「男性」とはだれなのでしょうか?
まさか全世界のすべての「男性」が対象?
それとも、20代から40代ぐらいまでの「男性」が対象?
それとも、うちの会社の独身「男性」が対象?
それとも、私の周りにいる独身「男性」が対象?
それとも、私が好きなただ1人の「男性」が対象?
モテる、モテるって、みなさん、だれにモテたいんでしょうか?

では、モテる服って、どういうことでしょうか?
セクシーに見られる服?
いい人そうに見える服?
かわいくて、優しくて、料理が上手そうに見える服?
モテるとは言いますけど、みなさん、どう見えたいのでしょうか?

これは、別に「モテる服」を否定しようっていうわけではないのです。
でも、みなさん、もし「モテる服」を選びたいと思うのなら、上記の点を考えてほしいのです。

モテる服だからって、最近の女子高生みたいにパンツが見えるほど制服のスカートを短くして、
変な人が寄ってきてもいいのか。
モテる服だからって、あなたが好きでもない、どうでもいい男に好かれたいのか。

「モテる」というのは、他人からの基準です。
多分、大勢の男性の支持、しかも、それは恋愛や性的な意味も含まれる好意の感情を引き起こすような服という意味でしょう。
あなたの基準が常にそれにおかれるとしたら、あなたは選択する権利を相手に受け渡したことになります。
あなたは、男性が「好意」を引き起こす服しか、選べなくなってしまいます。
それでもいいのか。
この点は、自分で選べます。
権利を渡すということすら、選べます。
それを承知でするのなら、それはそれで問題ないと思います。
他人、特に男性から好意を持たれるために服を着るというのが、あなたの軸になります。

ところで、洋服に関していままでいろいろ経験してきましたが、
私は洋服の趣味だけによって、男性にモテるという方を知りません。
その「男性」が好きなのが「洋服」であるなら、それはあなた自身を好きであるという意味ではありません。
その「男性」が好きなのは、その「モテる服」であって、あなたではありません。
ゆめゆめ勘違いなさらないように。

☆本当のことを言うとね。モテる人って、何を着ててもモテるんだよ。それが本当のモテるってことだよ。

2011年7月5日火曜日

サイズ全般について

最近、インポートの服をたくさん試着してみたり、また、ファッション・レッスンを受けてくださった方のなかから、サイズについてのご質問を多々いただきましたので、今回は、サイズ全般について書きたいと思います。

日本のアパレル業界においては、標準サイズというものが厳格に定められており、たとえば9号サイズではバスト何センチ、ウエスト何センチ、ヒップセンチ、袖丈何センチなどというように、標準的な寸法は決まっています。これは何年かおきに見直しされるようですが、そんなにしょっちゅう変わるものでもないので、1度決まったら、当分変わりません。
標準的な最低寸法が決まっているため、大手アパレルでは、その寸法以下になるものは基本的に作りません。ヌード寸法+緩みの計算をして、それ以下になる場合は、デザインを変更してでも大きくします。
日本のアパレルのサイズ表示は、7号、9号、11号などとされますが、最近、6,8,10などのアメリカ式、また36,38などのヨーロッパ式で表示されているものも出てきました。しかし、それでも大手アパレルの場合は、日本の標準寸法に合わせて計算しますので、標準以下の寸法ででき上がるということは、ほぼないと見ていいでしょう。
これらはどれもサイズが一定なので、自分のサイズを把握し、それに合うサイズのものを買えば、まったく外れるということはありません。
それに対して、デザイン優先のブランドや、インポートでは、サイズのとらえ方に大きな違いがあります。
特に、インポートものは、サイズ表示はあるものの、デザインによって、大きさは全く一定していません。このブランドなら、このサイズと思っていても、アイテムによっては、まったく違うサイズのほうが合うということが、実際に多くあります。
特にデザイナーの名前を冠したブランドは、この傾向が顕著で、こちらのアイテムの38と、そちらのアイテムの38では、まったく違うサイズ感になるなんていうことはざらです。
大きい分には着られないということがないので問題ないのですが、注意しなければならないのは、ウエストなど、細い部分です。またタイトな服だと、それだけサイズ感が大事になってきますので、自分に合ったものを買うには試着してみる以外、方法はありません。
またシーズンによっても、サイズ感が違ってきます。先シーズンはこのサイズでぴったりだったのに、今期のものは合わないということもよくあります。
またデザインによっては、いつもと違うサイズ上げたり下げたりしてみたほうが似合うということもあります。

デザイナーズブランドは、定番の白いシャツやTシャツなど、シーズンごとに微妙ですが、ボディに対する緩み分を変えていきます。これは以前書いた、身体に対する空気のデザイン部分です。去年の白いTシャツと、今年の白いTシャツ、まったく同じでないことこそが、デザイナーズブランドの存在意義です。
いつもサイズが一定でないとメーカー側に文句を言っている方がいましたが、文句を言ったところで、この性質は変わりません。
通販で買う場合など、試着できない場合は、この点を考慮しましょう。また、返品できるかどうかも確認しておいたほうがいいでしょう。
いつもサイズが一定のものを作るブランドは安心感や安定感はありますが、面白さや、楽しさがあるのは、サイズ感など無視したブランドであるというのも事実です。