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2014年2月17日月曜日

大人のリュックから考えるファッションの法則

リュックサック、またはバックパック、呼び方は何でもいいのですが、
これらは今まであまりファッショナブルではありませんでした。
もともとが登山やハイキング用のものであり、
また、形によっては子供のランドセルのようでもあり、
決して、いい年の大人がファッションのために背負うものとは考えられていませんでした。
しかし、この考え方は今、覆されつつあります。

ファッションの世界は、決して固定的なものではありません。
そして、いつでも目新しいものを探しています。
ものの価値と意味は、常に流動的であり、
それは時代によって変化していきます。

特に新しさや変化を好むため、常にそれまで使われていなかった形やデザインを探しています。
近年では、そのアイデアソースは、おもにスポーツ・ウエアやワーク・ウエアからとられてきました。
パーカーや、スウェット・パンツのおしゃれ着への昇華はそのいい例です。
どこかにすでに存在していて、でもそれはおしゃれなものとは認められていなくても、誰かが、これがおしゃれなのだと宣言してしまえば、
(しかしこの誰かとはおおくの場合、権威のある立場のものなわけですが)
それはそのときからファッショナブルなのです。

リュックサックはもちろん昔からありましたが、
なかなかそれはファッショナブルであるとは認定されないできました。
リュックサックはあくまで旅行者のものであり、どうしても手をあかせた状態で歩きたいときの、
非常のための、あまりおしゃれとは関係のないものを入れる袋だったわけです。
リュックサックは、両手があく、しかも片方の肩だけに重さをかけなくていいという利点があるにもかかわらず、なかなか日の目を見ない存在でした。
しかし、ここへきて、少し流れが変わってきました。

2014年春夏のシャネルのコレクションで、堂々とリュックサックは発表されました。
形に目新しいところはありませんが、シャネルのロゴと装飾に工夫が施されています。
そして、2014年のマルベリーのカーラ・デルヴィーニュのコレクションでも、
3ウェイ・バッグとして、背中にしょえる形のバッグが提案されました。
さて、もうこれで十分です。
条件は満たされました。
リュックサックは、ここからファッショナブルな存在になりました。
そして、これがファッションの法則です。

つまり、それまでどんなに、これはファッショナブルではないと言われていた、思われていたものでも、どこかのビッグ・メゾンが、今日からこれはおしゃれですと言ってしまえば、全くそれはそうなるのです。
どんなにそれまで奇妙だと思われるスタイルでも、認められれば、それはそのときからファッションです。
ただし、もちろん、これらがそこらの量販店で売っているようなクオリティなわけではありません。
それなりの素材、質、施された工夫など、レベルアップされています。
それと同時に、ファッショナブルだという宣言がなされれば、そのときからもう誰も文句は言いません。

誰もが、大人だからといって、シャネルのリュックサックを買えるわけではありません。
しかし、もし大人がリュックサックを選択するのだとしたら、作りや素材のすぐれたもの、品質のいいものを選ぶ必要があります。
チープなものは、やはりそこら辺へのピクニック用です。
しっかりとデザインされているもの、さもなくば、本格的な登山用のもので、街で背負ってもシックに見えるような色や形を選ぶのがいいのではないかと思います。

今までの価値観を覆すのがファッションです。
それは決して固くはありません。
10年前はおかしかったものが、今ではおしゃれと呼ばれます。
そうなったものは今までたくさんありましたし、これからもまだまだ出てくるでしょう。
それを選ぶか選ばないかの権利はそれぞれが持っていますが、
否定するのでしたら、もうおしゃれではないのです。
固まった、カチカチの考え方はもっとも嫌われます。
なぜなら、そこからは創造も工夫も新しさも生まれないからです。

リュックサックはもうファッショナブルであると認められました。
両手をフリーにして、堂々と歩きましょう。
そんなのおしゃれじゃないと言う人がいたら、そんな人のことは放っておきましょう。
人生は経験です。
文句を言っているだけで動かない人よりも、
やってしまった人のほうがはるかに魅力的なのですから。