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2014年3月24日月曜日

多色使いのコーディネイト

すべてにおいて過剰な時代がやってきました。
分量も、装飾も、そして色についても、です。
自分のスタイルを保ちつつも、時代の流れを考慮して、これに対応しなければなりません。
流れが急カーブで曲がってしまったので、どうしたらいいか、わからないことも多いでしょう。

洋服において、シックの基本はシャネルが言ったところの、3色ルールです。
コーディネイト全体の色を3色以内におさえます。
これは洋服の基本中の基本なので、まずはおさえておかなければなりません。
それができるようになった上での多色使いです。
何事も基礎がたいせつなので、土台はきちんと建てておきましょう。

さて、では多色、つまり3色以上についてのコーディネイトですが、
それに入る前にまずは柄物のおさらいです。
このブログのごく初期のページに柄物のコーディネイトについて書いてありますが、
覚えていらっしゃいますでしょうか。
柄物を取り入れる場合、その柄に使われている色の中で全体をコーディネイトする方法が、もっともおしゃれに見えます。
花柄でも、チェックでも、そうです。
また、プリントではなくても、多色使いのツイードや、ニットの場合も同じです。
たとえばシャツの柄の中に、青、赤、白、黄色と使われていたならば、
そのほかのボトム、バッグ、帽子、靴、ストールなどを同じように青、赤、白、黄色で構成します。
こうすれば、柄物を着たときでも、色が散らかった感じになりません。
統一感が出てくるので、すっきり整って、調和のとれたコーディネイトになります。
多色使いのコーディネイトの基本はこれです。

しかし、流行の流れは柄物のアイテムを1つ入れる以上のに多くの色を使う方向へ向かっています。
これは、どちらかというと上級テクニックになります。
簡単ではありません。
簡単ではありませんが、うまくまとめる方法はあります。
方法は2つあります。

まず1つ、差し色的な色の使い方。
3色ルールの場合、差し色という考え方がありました。
わかりやすいのはトリコロールですが、青と白で全体のほとんどの分量をまとめて、
バッグや靴などを赤を差し色として投入しました。
多色使いの場合は、この差し色の使い方を変えていきます。
差し色として使っていた色を、今度は全体の中に一部、差し入れる色ではなくて、
コーディネイト全体をつなげて、まとめていく色として考えます。
例を挙げると、4色使いの花柄をまず選んだとします。
次の段階では、その花柄の中の色でそのほかのアイテムを選びます。
そして、最後にそれをまとめる色として、以前、差し色として使っていた色を、
全体に配置していきます。
その場合、少なくとも2か所以上、その色をつなげていくと、全体がまとまります。
差し色の場合はどこかの1か所でも色がきいてきたわけですが、
この場合はその場所をふやします。
今までバッグだけ赤だったとしたら、靴、ストールまで広げます。
色数が多いほど、つなげる箇所をふやしたほうがまとまって見えます。
ですから、いつでもこの方法でコーディネイトを完成させるためには、
差し色としての小物、また小物以外でも、Tシャツやカーディガンなど、比較的、色を選べるアイテムをそろえておく必要があります。
それさえできていれば、どんなに多くの色を使っても簡単に対処できます。

次の方法は、多色使いのコーディネイトの中で、面積の少ない小物ではなく、もっと大きな面積、たとえばジャケットやコート、ボトムなどをどこか2か所、同じ色にする方法です。
どんなにたくさんの色を使っても、大きな面積で同じ色を2か所つなげれば、全体としてまとまりが出てきます。
また実際、多くのコレクションで発表されているスタイルも、この方法を使っているブランドが多いです。
この場合、その2か所の色は、ほぼ同じである必要があります。
たとえば、コートとボトムはまったく同じ色、そして残りのアイテムはそれぞれ違う色というような方法です。ストールが大きい場合は、ストールとボトムなどでもいいでしょう。
面を大きく同じ色で占領させれば、このスタイルは完成します。

コレクションなどで発表される、多色使いは、使われている色の明度と彩度を合わせてあります。
ですから、当然のごとく、まとまって見えて、ごちゃごちゃした感じがありません。
けれども、それを私たちが今すでに持っているアイテムでそれをやるのは至難の業です。
どうしてもすべてを完璧に整えたいのであれば、同シーズン、同ブランドでそろえるのが一番いい方法ですが、なかなかそれは難しいと思います。
そうであるならば、その次にできそうな方法を採用すればいいわけです。

どちらにせよ、多色使いをうまく構成するには、日頃から自分のワードローブの色をきっちりそろえておく必要があります。
そのためにも、思いつきや、行き当たりばったりでのワードローブ構築は避ける必要があります。
今だけの、近視眼的な、全体が見えないやり方では、すぐに破たんしてしまうということです。
色に対してうるさくなればなるほど、本当に選ぶべきものは少数しか売っていないということがわかります。

洋服を含めたモノには形があります。
形があるものは、でき上がってからなくなるまで、一定期間の時間を要します。
洋服は、数分で溶けるアイスクリームではありませんから、もっと大きな視点を持って選ばなくてはなりません。
その視点が正しいものであったかどうかは、自分のワードローブの何割がちゃんと働いているかどうかを見ればわかるでしょう。
ふだんは見えないタンスの奥にしまい込んだとしても、それは決してなくなることはありません。
誰も言ってはくれませんが、並んだワードローブを見た瞬間、自分の心がその正否を教えてくれるでしょう。
そして、その始末をつけるのは自分自身しかありません。

多色使いは難しいです。
しかし、チャレンジしてみる価値はあります。
色に対する感性を磨いて、
ストイックにいらないものを切り捨てて、
時間をかけて構築して、
そんな作業がうまくいったなら、それはきっと自信につながります。
自分に自信がないと言う前に、まずはやってみましょう。
失敗しただけ身につきます。
時間をかけた分だけうまくいきます。
色の違いがはっきりとわかったならば、そのとき世界は新しい色彩で生まれ変わるでしょう。
そして、あなたは今まで色について全く理解していなかったと知るでしょう。
それは、色によって分割された世界が新たな意味を持った証拠です。