先日、歯医者へ行きました。
待っている間、何気なく見た待合室の本棚に、
「おしゃれ障害」と題する本がありました。
中を見てみると、おしゃれに興味を持ちだした小中学生の子たちのあいだで、
化粧による皮膚病や、アクセサリーによるアレルギー、
カラーコンタクトを入れたことによる眼の疾患など、
おしゃれをすることによってさまざまな障害が出ているので、
注意するようにという内容でした。
しばしば、おしゃれについてはそのポジティブな側面ばかりが語られます。
おしゃれは楽しい、気分が上がる、褒められる、認められるなど。
もちろんそういった側面はあります。
しかし同時に、この「おしゃれ障害」のようなネガティブな側面があることも確かです。
大人に関して言えば、
買い物依存症、コントロール不能なほどの服、靴、バッグの保持、
「誰が新しくてかつ高いものを持っているか」競争、
使い捨て、持続可能性がないことなど、
おしゃれやファッションに関するネガティブな側面はたくさんあります。
おしゃれやファッションのポジティブな面の強調、
そして、「女たるものおしゃれであるべし」という無言の圧力、
化粧をしないとなぜ化粧をしないか問われる、
ヒールの靴をはくのがマナーだからと、足がどんなに傷んでもヒール靴を履くことを強要されるなど、
現在、女性がおしゃれやファッションを完全に無視することは難しい状況です。
私は常日頃から「おしゃれをしない権利もある」ということを言っています。
おしゃれをする権利と同じように、おしゃれをしない権利もあります。
おしゃれは女性に必須ではありません。
人間である限り、生きていくためには衣服を身につけなければなりません。
ですから人は皆、何かしら衣服をまといます。
そこまでは必須です。
しかしそれ以上は必須の事項ではありませんし、
ましてや、それのために健康や精神を害することはありません。
自分や他人に対する過度な「おしゃれ」の強要は、
障害をもたらします。
おしゃれは楽しく、苦痛なく、好きでやっている分には構いません。
だけれどもそれが行き過ぎて、苦痛で、嫌いで、その結果、不幸になるのなら、
おしゃれなど要りません。
過剰におしゃれを強要してくる人にはノーと言いましょう。
そして、誰かに過剰におしゃれを要求するのはやめましょう。
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