何の気なしにYouTubeやInstagramを見ていると、
多くの「お勧め動画」や「お勧め投稿」が出てきます。
そのほとんどはスルーするのですが、ほんのちょっとの好奇心で見てしまうと、
そこには地獄が待っています。
世界中にパーソナルスタイリストその他を名乗る多くの人たちが、
「ダメ出し」動画や投稿を作っています。
中身をのぞいてみると、
「グレーとベージュを合わせてはだめ」
「50代以上はペイズリーは着てはだめ。かわりにボーダーを」
「バッグを持つときは、身体の内側から腕を入れてはだめ。外側から入れなくてはいけない」
など、どうやって導き出したのかわからない謎のルールが勢ぞろい。
疑問に思ったときは、彼女たちのプロフィールを見るのですが、
どこで勉強したか、どの学校を出たかも、
どこで仕事をしていたのか、どの会社に所属していたか等の経歴は一切ありません。
確かに彼女たちの言い分には正しいものもあります。
色の組み合わせは「補色同士がベスト」など、セオリーどうりです。
しかしたとえそれがセオリーどおりだとしても、
紙の上の絵具ではない、布を染めた色で、そのセオリーどうりの色出しを、
様々なブランドで買った時期も違うものからなるワードローブでは、
作り出すことはできません。
面白いことに声高に他人に「ダメ出し」をしているのは、洋服を作る側の人たちではないということ。
私は作るための学校へ行き、作る側で働いていたのでよく知っていますが、
作る側の人たちは、こういうことは言わないのです。
なぜなら、セオリーどうりの色出しなど、生地屋からもう既に染めてある中から選んで製品を作るブランドにさえ、できるわけではないと重々承知しているから。
布は紙ではありません。
絵具で自由に色を使って絵をかくように、色を染めることは不可能です。
また多くの人が知っているように、流行色というものがあります。
それに沿って、生地屋は色を染めます。
そのため色には、70年代っぽい色、90年代っぽい色など生まれます。
すべてのいつでもどこでも世界堂の絵具売り場のウィンザー&ニュートンの絵具のように、
すべての色が常時揃っているわけではありません。
それに、これはコレクションを見ればわかることですが、
「赤に対して緑」のような補色を使って必ずルックを作るところなど、むしろ少数派でしょう。
プラダもセリーヌもサンローランも「赤に対して緑」の補色ルックは提案しません。
セオリーどうりの色出し、またカラーコーディネートができると思い込んでいる人たちは、
作る現場にいたことがないからこそ、こんな理想論で誰かに「ダメ出し」するのでしょう。
これらセオリーは確かにそのとおりですが、完璧にはできないのが現実です。
それができていないからといって、「ダメ出し」するほうがおかしいのです。
また中には、エトロ社やRATTI社を敵に回すような、
「50代以上はペイズリーを着てはだめ」などという、
謎の理論を振りかざすものもいます。
ほんとうにそう考えているのなら、エトロ社に行って、
50代には売らないように訴えてもらいたい。
エトロもRATTIも、大人のためのすばらしいペイズリーのプリントを作っています。
また、バッグの持ち方にいいも悪いもありません。
その人たちはなぜ「ダメ出し」をするのでしょうか。
その人たちの正体を見てください。
「ダメ出し」をしておいて、最終的には自分のサービスに誘導してはいませんか。
その「ダメ出し」の目的は、そこにあるのではないでしょうか。
疑ったら、まず経歴を見てみること。
きちんとした学校を出ていなかったり、アパレル業界で働いた経歴がないようなら、
その人は信用するに値しません。
なぜなら、専門的な教育を受けたり、実際の現場にいたことがないと、
正確な知識を身に着けることは不可能だからです。
誰かに「ダメ出し」をして、再生回数を稼いだり、アクセスをふやしたりしようとする人が一定数います。
浅はかでいい加減で浅い知識でこちらを脅してきます。
そして、そのいい加減な知識でこちらのいい気分を台無しにしていきます。
そんな脅しに屈する必要はありません。
「ダメ出し」を受け入れれば受け入れるほど、
私たちは「大量消費、大量廃棄」せざるを得なくなります。
聞くべきなのは、
教育を受けた経験やアパレルのモノづくりの働いた経歴がある人たち、
あるいは洋服作りを知り尽くしている作る側の人たちの言葉です。
その点を間違わないようにね。
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20代から60代の男女に受けていただいています。
・たくさん持っているのに着るものがない、おしゃれに見えないと感じる方
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