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2025年11月17日月曜日

若くない人たちのための装いの小道具

若いときはその意味がわからなくて、なぜなんだろうと思うところがたくさんありました。

例えばそれは
大ぶりのネックレスや指輪
重厚で豪奢な素材
つややかな光沢に、しっとりと重いシルクのスカーフ
防寒のためではない手袋
飾りとしての帽子
などなど。

これら、20代の若いころには、
なんで大きいんだろう?
なんでこんなに凝った素材なの?
なんでやたらとスカーフを巻くのかな?
その手袋や帽子、必要かしら?
と思っていました。

しかし年をとるにつれてわかるようになりました。
大きなネックレスも指輪もイヤリングも、
柄の入った大きなスカーフも、
必要ないのに手にはめる手袋も
夜でもかぶる帽子も、
すべてそれらは年を取った人たちを
その年齢を生かしながら
美しく装うためにあったのだ、ということに。

節くれが目立つようになった指には大きめの石の指輪を、
分け目の白髪が目立つときにはお帽子を、
首のしわが気になるのなら大ぶりのネックレスやスカーフを、
顔のシミから目をそらすために大きな輝くイヤリングを。

若いころの肌の輝きがなくなるころになると、
その代替品が、
若い肌以上の価値を伴って
きっちりと、そしてひっそりと提供する
それが洋服の世界の心遣い。

むしろ、若い肌でないほうが似合う、
その大きさ、その豪奢さは年を取ってからのほうが堪能できます。
いい年の大人の特権ですから、その権利を行使しない手はないのです。

若いころ、マンレイ展で見たココ・シャネルの肖像写真には
何重ものフェイクパールのネックレスと
両腕に大きなバングルと
耳には大ぶりイヤリング、
目深にかぶった黒いカンカン帽がありました。

なんだかやけに大げさなんだけど、
それが素敵に見えるのはなぜなんだろうかと思ったあのときの疑問は、
年を取ったら解けました。

それは洋服の世界の考案者たちが用意してくれた
若くない人たちのための装いの小道具です。

何の小道具かって?
それは、もしも世界が舞台であるなら、
私たちは単なる役者であり、
その役者である私たちが、この世界という舞台で美しく輝くための小道具です。
この小道具を使えば、少しは舞台もうまくいくでしょう。
そしてその小道具を自分に用意してくれるのは
自分以外にはいないのです。

 

★noteにて、有料版ファッションレッスン初級をリリースしました。

https://note.com/linenandvelvet/n/nb1af9912b5d5?app_launch=false

34,000字余、18,000円です。現在ファッションレッスンはこちらのみとなります。
よろしくお願いいたします。 

 

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ぜひごらんください。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 



 




 

2025年11月4日火曜日

有料版ファッションレッスン初級テキストリリース

 

 

noteにて、有料版ファッションレッスン初級をリリースしました。

こちらになります。

https://note.com/linenandvelvet/n/nb1af9912b5d5?app_launch=false

34,000字余、18,000円です。価格はこれまでのファッションレッスン価格と同等になるように設定してあります。

これまで対面、あるいはオンラインで実施していたファッションレッスン初級で、私が語っていた部分をより詳しくテキスト化しました。

これにより海外在住の方、またテキストで自習したい方はファッションレッスンの内容がわかるようになりました。

興味があったけれども、躊躇していらっしゃった方、最近知ったばかりの方、ぜひご購入をご検討ください。この方法を実践すれば、お金を払った分ぐらいは簡単に元が取れます。

また海外在住の方には円安の今、激安価格だと思うので特にお勧めです。円安のうちにぜひどうぞ。 

ちなみに私のファッションレッスンを過去受けた方々は、円安で服、靴、バッグが値上がりした今、買い物方法を変えておいてよかった、本当に助かったと皆一様におっしゃっていますので、効果は実証済みです。

お金をかけずにおしゃれを実践したい方、まだおしゃれをあきらめたくない方のためのテキストです。

お金がたくさんなくても、もう若くなくても、おしゃれを楽しんでいきましょう!

 

※なお、アドバイス部分は対面でないとできないので、ご要望があった場合、別途有料で、ワークショップ形式で開催します。ご要望があれば1名でも開催します。その場合、開催場所は神奈川県藤沢市のJR藤沢駅付近の会議室になります。料金は現在のところ、1時間で5,000円程度にしようと考えています。


 

2025年11月3日月曜日

おしゃれは想い出作りのために

人間が衣服を着ることの基本的な意味は、寒さ、あるいは危険なものから身を守るため、
つまり、生存のためです。
動物のように何も着ないでも生存できるのなら、
衣服を身に着ける必要は生まれなかったでしょう。
衣服がなければ生存できないか弱い生き物、それが人間です。

次に衣服を着る意味は、
何かのグループの一員として、
あるいはそのグループの中の地位の明示のためでしょう。
ほとんどの文化には、高い地位を示すための衣服や、
その者が儀式をつかさどるための衣装があります。
その一方で、奴隷は奴隷の身分がわかるような身なりをさせられます。

衣服によって生存がある程度、担保されると、
余裕が生まれ、文化が発展します。 
その余裕の暁に生まれたのが、いわばおしゃれです。

そのおしゃれ、では何のためにするのでしょうか。

その答えは人それぞれです。
プロダクトとしての衣服が好きな場合は、ただ単にそれを楽しむだけのためにおしゃれをするでしょう。
また、承認欲求を強く持つ人にとっては、誰かに認められるためにおしゃれをするかもしれません。

それを除いてもなお、おしゃれをする意味とは何なのかを考えてみたいのです。

それは、私たちが私たち自身に新しい経験を与えるためなのではないでしょうか。
人間が相互にかかわりあって形成される社会において、
何を着るかによって、行けるところ、できることが変わってきます。
はっきりとそれが示されるのが「ドレスコード」と呼ばれるもので、
しばしばホテルやレストランで提示されますが、
これは、ここでの滞在、あるいは会食を経験するためには、
ドレスコードに示された衣装を着用してくださいね、という意味です。
つまり、その示されたコードにのっとった衣装を身にまとうことで、
その人に、ホテルあるいはレストランでの経験が許可されるのです。
その結果、その人の経験の幅は広がります。

特段、ドレスコードを示されてはいなくても、
おしゃれをすることで気分よく、楽しく経験できる事、あるいは場所はいろいろあります。
素敵なお店での買い物、
しゃれたレストランでの食事、
観劇、コンサートやライブに行くこと、
同窓会に参加することなど、
自分以外の人がそこにかかわるものが主なものです。

これが例えば自然の中、自分ひとりで山登りをするのでしたら、
おしゃれよりも重要なのは安全対策であり、熊に襲われないための装備です。
(切実)
隠遁生活者は、よほどのおしゃれのディレッタントでない限り、
おしゃれなどする必要はなく、
生存のために一心不乱になればよいのです。

大人である私たちが自分自身にあげられる大事な贈り物の一つが経験です。
そしてその経験の一つ一つを、私たちは想い出と呼びます。

20代のころには、「想い出作り」という題名のドラマを見ても、
ただドラマの筋を追っていくのみで、
そのドラマで繰り広げられた出来事が、
想い出を作るための経験だったとは知る由もありませんでした。

しかし時が過ぎ、過去の時間のほうが未来の時間よりも長くなると、
その「想い出作り」の重要性がわかるのです。
そして、その想い出を自分に渡せるのは自分しかいないのだ、ということも。

おしゃれをすることによって、経験の幅は広がります。
そしてその経験は自分自身へのプレゼントになります。

そのプレゼントははことあるごとに開封され、
自分だけ、あるいは誰かと分かち合って楽しめます。
もうできない経験をなつかしむという感情を味わえます。

自分という記憶が続く限り、
あるいはどこか永遠の記憶の貯蔵庫に、
楽しかった想い出として記憶される限り、
それはずっとプレゼントです。

どうせおしゃれをするのなら、
自分へのプレゼントとしておしゃれをしてはどうでしょうか。
想い出の宝箱の中に、一つ一つ光る宝石のように、
その 想い出をしまいこんではときたま取り出してながめつつ、
あらゆる感情に浸ることができるならば、
この後、どんなことが人生に起ころうとも、
なんとかやり過ごせると思えるでしょう。

なぜなら想い出は、他人には奪えませんから。
そして、誰かが欲しがっても、他人にあげることはできませんから。
誰にも奪われないそのものこそが、人生を支えるものなのです。

 

 

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「おしゃれをして何かをした経験」、これが私たちの見えない財産となり、
終生、あなたに寄り添います。
記憶がなくなってしまうまで。