若いときはその意味がわからなくて、なぜなんだろうと思うところがたくさんありました。
例えばそれは
大ぶりのネックレスや指輪
重厚で豪奢な素材
つややかな光沢に、しっとりと重いシルクのスカーフ
防寒のためではない手袋
飾りとしての帽子
などなど。
これら、20代の若いころには、
なんで大きいんだろう?
なんでこんなに凝った素材なの?
なんでやたらとスカーフを巻くのかな?
その手袋や帽子、必要かしら?
と思っていました。
しかし年をとるにつれてわかるようになりました。
大きなネックレスも指輪もイヤリングも、
柄の入った大きなスカーフも、
必要ないのに手にはめる手袋も
夜でもかぶる帽子も、
すべてそれらは年を取った人たちを
その年齢を生かしながら
美しく装うためにあったのだ、ということに。
節くれが目立つようになった指には大きめの石の指輪を、
分け目の白髪が目立つときにはお帽子を、
首のしわが気になるのなら大ぶりのネックレスやスカーフを、
顔のシミから目をそらすために大きな輝くイヤリングを。
若いころの肌の輝きがなくなるころになると、
その代替品が、
若い肌以上の価値を伴って
きっちりと、そしてひっそりと提供する
それが洋服の世界の心遣い。
むしろ、若い肌でないほうが似合う、
その大きさ、その豪奢さは年を取ってからのほうが堪能できます。
いい年の大人の特権ですから、その権利を行使しない手はないのです。
若いころ、マンレイ展で見たココ・シャネルの肖像写真には
何重ものフェイクパールのネックレスと
両腕に大きなバングルと
耳には大ぶりイヤリング、
目深にかぶった黒いカンカン帽がありました。
なんだかやけに大げさなんだけど、
それが素敵に見えるのはなぜなんだろうかと思ったあのときの疑問は、
年を取ったら解けました。
それは洋服の世界の考案者たちが用意してくれた
若くない人たちのための装いの小道具です。
何の小道具かって?
それは、もしも世界が舞台であるなら、
私たちは単なる役者であり、
その役者である私たちが、この世界という舞台で美しく輝くための小道具です。
この小道具を使えば、少しは舞台もうまくいくでしょう。
そしてその小道具を自分に用意してくれるのは
自分以外にはいないのです。
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