正直な話、私は今まで太っていたことがないので、あまり深くぽっちゃりさんのための洋服について考えたことはありません。
けれども、街を歩いていて、おしゃれだなと思う方の中には、ぽっちゃりしている方も必ずいます。
今、ぽっちゃりしていておしゃれな方のファッションについて、どこが私のアンテナに引っかかったのか考えてみますと、それは何といっても、太めということを無視して洋服をコーディネートしている、ということだと思います。
もちろん、太めの方がやせて見えるためのテクニックはあります。構築的な服を着る、縦線を強調するなど。
でも、私がおしゃれだなと思った方というのは、そういうテクニックでうまく着痩せして見せていた方ではありません。
最近、芸人の森三中さんたちの衣装のスタイリストさんが本を出したり、ブランドを作ったりしていますね。
私も、ちょっとのぞいてみたのですが、やはり、こうすればやせて見える、などということは完全無視した装いが多いです。
たとえば、ボーダー、つまり横縞は、より幅が広く見えるため、着痩せのためにはタブーとされているのですが、このスタイリストさんの提案の着こなしには、ボーダーのトップスもありますし、しましまのタイツなどをはいているスタイリングもあります。
つまり、やせていることを前提にしたスタイルではなく、世間で言われている太めの体型こそを基準にしているわけです。
この体型が標準だよね、だったら、この体型の中で完成するスタイルを作ろう、という姿勢です。
その体型が標準であるなら、あとはただ、好きなものを好きなように着ればいいわけです。
やせているほうが異常なわけですから、そこと自分たちを比べる必要はありません。
比べ始めたら、地獄です。
ファッション雑誌がやせている人たちのためのファッションばかりを提案するのでしたら、こっちから無視してやればいい。だって、それは、必ずしも美の基準ではないからです。
自分の体は正しい。
だれかと比べる必要はない。
そこから、好きな服をおしゃれに着ていこう。
こういう考えのもとで作られたぽっちゃりさんのための服が、徐々にですが、出現してきています。