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2013年2月25日月曜日

クロップト丈

軽やかさがメイン・テーマとなっている先シーズンからの流れで、
(この流れは当分、続いていくわけですが)
デザイナーたちは、いかにしてそれを表現するか苦心しています。
重量感が出ないようにするために、トランスペアレント、レースなどの素材を用いて、
シルエットは、重心が上にくるように工夫されています。
その軽さの表現の1つとして、各種のクロップト丈が出てきました。

クロップト(cropped)とは、草などが刈り落とされた、または端が切り落とされたというときに使う英語で、洋服の端に位置する部分、つまり、裾、袖口など、通常より短く、切り落とされたように見えるものをこう呼びます。
(多くの雑誌で、「クロップド」という表記が見受けられますが、そんなふうに発音していたら、
英語のテストで減点されてしまいます)

もちろんこれまでも、パンツの裾を短めにする、クロップト丈や、袖を9分丈、7分丈など、わざと短くする場合もありました。
上着に関しても、ミドリフ丈など、肋骨のあたりまでのものがあります。
今シーズン、それに加えて、トップスがクロップトのものが数多く登場しています。
これはトップスが、ウエストよりかなり短く作られていて、あえておなかを露出して着るものです。
ファッションというものは、いつでも目新しさを探しますから、前から全くなかったわけではありませんが、短めのトップスというものは新しい部類に入ります。

クロップトであることが表現したいのは、あくまで軽さです。
短く切ることで、抜け感が表現されます。そして、それが軽さにつながります。
ですから、短く切られたその先からのぞくのは、素肌のほうが望ましいのです。
たとえば、クロップト丈のパンツの下から黒いタイツがのぞいたら、それは抜け感にはなりませんから、意味がないことです。

このクロップト丈のものをうまく利用すれば、軽やかさを簡単に表現できます。
とにかく、短くして、そこから肌が見えるようにすればいいだけです。
そうすることで、女性としての「すき」があるスタイルになります。

すきは、同時にか弱さでもあります。
か弱いので、戦えません。
戦えないというのは、つまり武装してないということ。
初めから力で戦う気はないのです。
クロップト丈のものを着たり、抜け感を作ることで、
相手には、それが伝わります。

武装して、力で戦っても意味もないし、ハッピーではないと、
女性たちは気付きました。
力で勝ち取ったものが、どれほどのものかわかったのです。
勝ち取ったものの後に残ったのは、傲慢やがさつさ、他人を見下すような高慢な態度、
そして、失われた優しさでした。

優しさを取り戻すため、再び女性はか弱さを表現します。
けれども、か弱さは、本当の意味での弱さではありません。
本当に弱かったら、誰に対しても優しくはできません。
本当に弱い人ほど、優しさがない人です。
それは皆さんも、心当たりがあるでしょう。
強くしなやかな人こそが、優しくなれるのです。

クロップト丈を取り入れるときのポイントはそこにあります。
武装解除です。
戦いません。
本当の優しさを示せばいいだけです。

自分のまわりにはりめぐらされた、見えない鎧を脱ぎ去ってください。
鎧があるから攻撃されただけのこと。
鎧を脱ぎ去った人を攻撃する人はいません。
ほんの少しだけ丈を短くして、肌を見せることで、
それを周囲の人に伝えましょう。
わたしたちは完全に武装解除しました。
そして、優しさをもって、あなたたちと接しますと。
決して攻撃することはありませんと。
それは大きな優しさです。
その大きな優しさは、強くしなやかで、無敵な力になり、
本当の意味で、あなたを守り続けるのです。