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2014年5月5日月曜日

大人のTシャツ選び

ティーンエイジャーのころは、
近所で売っている、どんなに安いTシャツを着ても、
誰でも輝いて見えました。
毎日洗った洗いざらしのTシャツは、
かえってその若さの輝きを強調したものです。
Tシャツ1枚選ぶのに、迷った記憶など、ないと思います。
好きか嫌いか、それさえわかればよかったはず。
しかし、大人になったら、そういうわけにはいきません。

さて、大人のTシャツ選びです。
いまや赤ちゃんからお年寄りまで、Tシャツを着ます。
一生に一度もTシャツを着ない人など、いないでしょう。
(まず、体操着がTシャツですし)
それほど幅広い年代に着られているにもかかわらず、
子供用と大人用以外には、
Tシャツの区分はありません。

Tシャツ、特に半袖Tシャツは、真夏の定番とはいえ、
一歩間違えると、何ともだらしなく、おしゃれとは程遠いものになります。
まず思いだしていただきたいのは、
Tシャツは、もともと肌着だということです。
そしてその特性は今でも有しているので、
だらしなく見える可能性を持っているのです。

では、大人がTシャツを選ぶとき、何に注意すればよいでしょうか。
ポイントは3つあります。
素材、デザイン、袖口、襟ぐりなどの開きの部分です。

まずは素材。
ほとんどのTシャツはコットン100パーセント、またはコットン+ポリウレタン数パーセントです。
また暑いシーズンに着る特性上、洗濯回数が多いアイテムです。
コットンを何回も洗濯すれば、当然、素材がくたびれてきますから、
若者でない限り、ある程度、着用したら、それ以上は着られません。
コットンにも等級はいろいろあります。
スーピマ・コットンから海島綿、エジプト綿、
またはオーガニック・コットンなど。
高級になれば価格も高くなります。
高級コットンの特徴は、そのなめらかさと光沢です。
そしてその質感は、大人がもっとも必要とするものです。
残念ながら、人間であるかぎり、肌の衰えから逃げることはできません。
ですから、年齢を重ねれば重ねるほど、
ある程度、光沢のある素材でできたTシャツを選んだほうがいいでしょう。
光沢という意味では、コットンだけでなく、絹やレーヨンとの混紡のものも考えられます。
これらの混紡素材は、
コットンだけでは出せない光沢がありますから、
より大人にはふさわしいものです。
とにかく、生地が毛羽だって、著しく光沢のなくなったTシャツは、
消耗品だと見限って、もうそれ以上着るのはやめましょう。
また、黒やネイビーなどの濃い色で、色落ちしてきたものも、
やはり大人には似合いません。
洗濯しすぎでよれよれになったもの、色落ちしてしまったものは、
ともにだらしなく見えます。
気をつけましょう。

つぎにデザインです。
最近、デザイン性の強いTシャツがいろいろ出てきました。
袖口の形が変形したもの(たとえばフレアになっているとか、そこだけレースであるとか)、
全体にドレープが入ったものや、切り替えがあるものなど。
デザイン性があるものは、自分の身体そのものを目立たせたくない場合、
大いに使えます。
人はどうしてもそのデザインに目がいきますから、
シンプルなものよりも、身体のラインは目立ちません。
身体に注目してほしくなかったら、少しデザインのあるものを選ぶのもいいと思います。
Tシャツの場合、特に背中のブラジャーの食い込みが目立ちます。
そこを見てもらいたくないのなら、プレーンなタイプは避けたほうがいいでしょう。

また、デザインという意味では柄やロゴもデザインです。
ただ、全体に柄が施されたもの以外、
たとえば前面だけにキャラクターがプリントされたものや、
何かのロゴが入ったものは、どちらかといえば、若者や子供向け。
くれぐれも注意していただきたいのは、
英語やフランス語の文章の入ったもの。
日本語に訳してみて、どう考えてもその意味のものを着ないほうがいいと思ったら、
大人なのだから、それはやめるべきです。
あまりに意味のない言葉やロゴは品性を疑われます。

最後に、ここが最大のポイントなのですが、襟ぐり、袖口の問題。
まず、Tシャツで何より目立つ二の腕。
若者のように適度に筋肉のついた、しなやかな二の腕は、
見ていてほれぼれしますが、
そうでなくなったとき、中途半端なところで切れた半袖の袖口は、
二の腕の欠点を余計強調させます。
人それぞれ、どこで袖口が終われば、自分の腕が一番美しく見えるかという位置があると思いますので、
それぞれがその位置について研究し、適度に二の腕が隠れる袖のものを選ぶといいでしょう。
私の考えですが、中途半端な場所で二の腕に水平ラインが横切るぐらいなら、
袖がないもののほうがましです。
Tシャツの袖口と自分の二の腕の関係は、自分で把握しておいてください。
もう一つの開きは襟ぐりです。
これも詰まったもの、あいたもの、Vネック、ボートネック、クルーネックなどさまざまです。
自分の首の長さ、頭の形に対して、
もっとも見栄えのいい襟ぐりがあります。
首を長く見せるたいのなら、Vネックや、クルーネックでも少し開きが深いものがいいのですが、
これが逆に深すぎると、下着が見えてしまい逆効果です。
またあまり詰まった感ものも、何か体操着みたいな感じで、
大人っぽくありません。
下着が見えないぐらいの、適度に深い、または広い開きのもののほうが、
大人にはふさわしいと思います。
いずれにせよ、これも人それぞれの体型によりますので、
自分にとって最も具合のいい開きの形と深さを知っておきましょう。

Tシャツはいつでもどこでも手軽に買えるものですが、
自分がこだわりを持って、もっとも似合うものを探そうとしたならば、
なかなかこれといった1枚が見つからないものです。
どれも何かしら気に入らない点があって、100パーセント満足のものには、
なかなかめぐり合えません。
また、Tシャツの試着もあまりしないものなので、試着しないで買って失敗ということもあるでしょう。
Tシャツの素材のほとんどはジャージーです。
ジャージー素材は、体型をカバーする力を持っていません。
ですから選択はより難しいものになります。

年齢とともに、
体型の変化とともに、
似合うTシャツの形や素材、色は変わってきます。
それが若いころと同じということは、決してありません。
潔く変化を受け入れて、
若いころとは違った気分でTシャツを選んでみてください。
変化は退化ではありません。
以前は似合わなかったような色、素材、デザインが、
新たに似合うようになるということです。
蝶は子供のときはいもむしで、変容して大人になり、やっと蝶になります。
いもむしと蝶が同じものを着ていたのでは、それはおかしな話です。
いもむし時代に似合っていたTシャツはさっさと捨てて、
蝶になった自分にふさわしいTシャツを新しく選びましょう。
それはきっと、前よりも、より進化して美しいものであるはずです。