ここ数年、あるスタイルの発祥が日本である、ということがよく言われています。
たとえば、鞄や携帯にじゃらじゃらつけるあのストラップの飾り。
日本の中学生や高校生は、当たり前のように鞄に何かをつけていますが、
あれはどうやら日本だけだったよう。
しかし、最近では、有名なメゾンがご立派な何万円もするバッグ用の飾りを売り出し、
一般的になりました。
そしてもう一つ、日本発ではないかと言われているのが、
スカートの下にパンツをはくスタイル。
これは、よく女子中学生や高校生が冬場、寒いので制服のスカートの下にジャージーのズボンを
はいて家に帰っていた、あのあたりぐらいからではないかと思うのですが、
スカート+スパッツ(80年代のマドンナのスタイルね)はあっても、
スカート+ズボンはなかったように思います。
このスタイルも同様に、最近では、外国のストリートファションでも多く見受けられるようになり、
日本の高校生スタイルでなく、世界的に認められたスタイルにまでなりました。
そんなスカート+パンツのスタイルなのですが、
若い人たちのそういうスタイルはよく見かけますが、
ある年齢以上になると、そんなスタイルをしている方は激減します。
それはたぶん、大人の女性のための、より洗練されたスカート+パンツルックが
提案されてこなかったせいではないかと思います。
しかし、次の2012/13の秋冬シーズンでは、
プラダ、シャネル、ルイ・ヴィトンなど、そうそうたるメゾンが、こぞってこのスタイルを取り上げているのです。
しかもより洗練された、エレガントなスタイルに。
これだけ洗練されれば、もちろん大人の女性でもとりいれることができます。
これらのメゾンが提案したスカート+パンツスタイルの特徴なのですが、
どれもすべて、スカートとパンツが同じ素材です。
ほぼ、すべてです。
スカートとパンツを同素材で作ることによって、このスタイルの洗練度が増しました。
こうすると、エレガントに見えるのです。
プラダでは、柄物を使い、スカートとパンツを全く同じ生地で作って、それを重ね着しています。
この方法を取り入れれば、若い人たちとはまた違った、シックなスカート+パンツスタイルが楽しめます。
ただ、実際のところ、スカートとパンツ、同時期に買って、同素材のものを持っているということは、
なかなかないのではないかと思います。
そうするためには、新たに両方を買うか、自分で作るかになってしまうでしょう。
けれどっも、全く同じ素材は無理だとしても、同色で、似たような質感というのなら、
あるのではないでしょうか。
特に、同じブランドのものでしたら、色の系統は似ているので、黒や紺などでしたら、
可能ではないかと思います。
それでもまだ無理という場合は、手持ちのスカートと全く同じ色のレギンスを探しましょう。
最近は、レギンスのカラーバリエーションがふえているので、
スカートと同じ色のレギンスを探すのは、さほど難しくないと思います。
今回、これらのメゾンが提案しているスタイルの中には、
たとえば、ルイ・ヴィトンの、ロングスカート+パンタロン、
プラダのワンピース+パンツ、
シャネルのドレープスカート+パンツなど、
今までの、ミニ、またはひざ丈スカート+パンツ以上に、
いろいろなスタイルが提案されています。
若い人たちの、ミニ+パンツとは違うバランスで取り入れれば、
大人の女性にも十分可能で、しかもエレガントになると思います。
流行は確かに変わっていきます。
けれども、必ずしも、新しいものを買わなくても、
その新しいスタイルを作るのは、工夫次第で可能です。
そのためには、スカートの丈を少しつめたり、
大きすぎるパットをとったり、
または、袖をそのまま切ってしまったりと、
手を加えることが必要となってきます。
もちろん、お金を出せば何でも買えます。
でも、そうする前に、知恵と工夫で、古いものを新しく生まれ変わらせることも可能なのです。
今の時代、自分で手をかけるより、買ったほうが安いものもたくさんあります。
しかし、その安さに足を取られている間に、
何か大事なものを失います。
もうずいぶん、長い間、
ゆっくり時間と手間をかけてやることより、
何でも早くやることのほうがよいとされてきました。
ゆっくりと時間をかけて、考えながら作り上げていく。
本当の服作りは、きっと、そちらの方法です。
早く作ったものは早く飽きられ、長い時間をかけて作ったものは、長く愛されるのです。